2009年11月16日

熊野沖大型フェリー横転事故(その2横転の経過)

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「ありあけ」が横波を受け右舷に大きく傾斜してから横転・座礁するまで約5時間の経過がありました。今回の事故は沿岸でしかも日中であったこともあり、多くの映像がネットに掲載されたのも特色です(各写真クリックで拡大表示、1枚目が朝日新聞、他は毎日新聞より。共に2009年11月13日版)。


この間の動きが時系列で読売新聞(11月14日)に掲載されています。

フェリー事故の経緯(13日午前) 
5時15分頃 熊野灘で高波を受け船体が傾く
5時22分頃 救助要請。船体の傾きは約20度
7時4分 海保のヘリが現場上空に到着
7時35〜42分 ヘリで乗客7人救助
8時6〜32分 ヘリで乗員7人救助
8時51分〜9時4分 ヘリで乗員7人救助
9時8分 船体の傾き40度以上。
      船長が全員脱出決意
9時50分頃 三重県御浜町沖に座礁
10時3分 最後の乗員7人が海に飛び込む
10時14分 船体が横転
10時21分 乗員7人全員救出

 
タグ:船舶事故
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2009年11月14日

熊野沖大型フェリー横転事故(その1)

傾斜2.jpg
東京と沖縄を結ぶフェリー「ありあけ」(7910トン、全長166.8m、幅22.0m、マルエーフェリー)が遭難しました。

事故の概要は(毎日新聞 9年11月13日から引用)
第4管区海上保安本部(名古屋市)によると、13日午前5時20分ごろ、「船体が急激に傾いた」と海上保安庁に118番通報があった。ありあけは横波で積み荷のコンテナなどが崩れ、右に45度近く傾いたまま北西の陸側へ航行、三重県御浜町の七里御浜の沖合約500メートルで座礁した。乗客の東京都の男性(70)が頭など、機関長の男性(42)が肩に打撲を負ったがいずれも軽傷。また重油が南6〜7キロにわたり流出している。

四国沖に低気圧(1012hPa)があり、9時の沿岸波浪予想(気象庁発表)では波浪4メートルでした。日常レベルの時化模様でした(航行海域は波浪警報ではなく波浪注意報)。

波浪111309.jpg

今回の事故では、関係者の証言と映像が事故直後にテレビや新聞などマスコミにより公表されています。

事故当日のテレビインタビューから
船長のテレビの会見では「急に右舷傾斜しそれに伴って荷崩れ起こしたと判断している」「左舷後方からの一発の三角波で急速に傾いた・・・懸命に操船したが右舷傾斜が40度を超える状況に陥り、波も大きくなってきて、これでは難しいということで船体放棄・総員退船に私が踏み切った」と述べています。そして、「最後まで船に残っていた船長ら7人の乗員は、フェリーが完全に横倒しになる数分前に海上保安部の指示で海に飛び込んだ」「乗客・乗員28人全員が救助されこのうち男性2人が頭を打って軽いけがをした」と報道されました。積み荷の固定について船長は「コンテナもチェーン等で固縛してあり、通常もしているが今回の場合荒天準備で多めにっやってくれと指示は東京で出した。前後4方向に加え船首・船尾方向、波の影響を受けやすい所は6点、中央にもとってありました。また、船の傾く約1時間前の見回りでも異常はなかった」と述べています(NHK13日19時ニュース、14日7時ニュース)。

また、乗組員は「車とかコンテナは「ラッシング」と言ってワイヤなんかで固定するが、横波を受けたショックで荷崩れしたと思う。ワイヤとか切れてですね。傾いて戻らない、荷物が右舷の方に移動したわけですからもう復帰しない、元の状態に、復元しなかったですね」と話しています。
 

タグ:船舶事故
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2009年11月07日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その15(安心情報?)

国立感染症研究所によると7月から11月6日までの新規患者累計は585万人と推計しています。

10月中旬以降、市原担当の授業に出席している受講生の少なくとも4人が新型インフルエンザに感染しました。受けている授業はバラバラですから授業時に感染したとは思えません。

感染者が出た授業に出席した人は、「朝の検温と登校時マスク着用」が校門の看板と大学から一斉メールで通知されています。しかし、授業時の様子では、マスクをしている人は1割以下で、これら通知は生かされているとは思えません(メールを見ていない人も相当いる模様。ケータイ着信のメールはチェックしても、大学提供のメールアカウントは見ていない可能性が大きい)。

大学によってインフルエンザ対応は学生や教職員への情報提供法、感染者およびその近隣者に対する対応は大きく異なるようです。

その点、京都大学保健管理センターの学内向け情報は感染者にとっても「安心感」を与えるものとなっています。

新型インフルエンザに関する緊急情報(第3報)
2009年9月3日
メッセージの一部を掲載します

■冷静に受け止める
新型のブタ・インフルエンザ(A/H1N1)が、夏場にもかかわらず世界的に流行しています。歴史的に見ると、今回と同様のブタ・インフルエンザは1976年に米国で小流行しています。また1918〜19年に世界的に大流行したスペイン風邪や1977〜78年に極東やアメリカで流行したソ連型インフルエンザも、同じH1N1という抗原型を持っています。それらによって当時の多くの人々が免疫を獲得したせいか、発症者は圧倒的に若い人(10代を中心に20歳代半ばまで)に多くなっています。
不幸中の幸いというべきか、毒性はインフルエンザとしては強くありません。しかし、持病のある場合や妊婦では重症化するおそれもあります。また、今後強毒化する可能性も懸念されています。
若年層にはこのインフルエンザに対する免疫が全くありませんでしたから、多くの人が顕性・不顕性の感染を受けて免疫をもつまで流行が続きます。このインフルエンザに効くワクチンの製造や輸入が近く始まりますが、供給量が限られ、また接種に優先順位があるので、一般の健常者に回るのはまだまだ先の話と思われます。
発症してしまった人はちょっと辛いのですが、これで免疫を獲得して今後同じタイプのインフルエンザにはかかりにくくなることが期待できますし、公衆衛生的観点からは集団免疫*1の成立にも貢献することになります。賢く行動してやり過ごしましょう。
*1 集団の大半の人が免疫を保有することで、免疫をもたない人をも含めて集団全体の感染が防げること
(以下省略、全文は下記URLをクリック)
http://www.kyoto-u.ac.jp/health/swine_flu_20090903.pdf

京都大学保健管理センターは こちら

また、感染で獲得した免疫は人工的なワクチン接種の免疫よりも免疫力が強くしかも有効期間が長い、という説もあります。

新型インフルエンザの毒性については、致死率が指標の一つですが、「季節性並み」とのレポートがアメリカで出されています。以下、毎日新聞の記事を掲載します。

新型インフルエンザ:致死率、季節性並み 従来の10分の1−−米チーム解析
毎日新聞 2009年9月30日
  新型インフルエンザの致死率は毎年流行する季節性インフルエンザと同程度の0・045%とする分析を、米ハーバード大などの研究チームがまとめ、米医学サイト「PLoS Currents」に発表した。これまでは、1957年から流行した「アジアかぜ」並みの0・5%程度とみられていた。研究チームは、4〜7月、米ミルウォーキーなど2市で入院した感染者、入院していない感染者のデータをもとに、通院しなかった人も含めた発症者を推計した。従来の解析では、確定診断を受けた患者に対する死者の割合を致死率として計算していた。【永山悦子】


 

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2009年11月02日

無料のアンチウイルスソフト(マイクロソフト社)

無料のアンチウイルスソフトMicrosoft Security Essentials(MSE)
日本語版がマイクロソフトのウェブサイトから入手可能となりました。
http://www.microsoft.com/security_essentials/

対応するのは、Windows XP SP2以降(32bitのみ)、Windows VistaとWindows 7(32bitと64bit)です。このソフトはガイダンスに従いクリックすればセットアップが容易です。個人情報を先方に送信する必要はありません。データの更新は曜日と時刻を指定して自動化され(最終画面で指定)、パソコン初心者にとっても使いやすい仕様となっています。またマイクロソフト社が提供するため、ソフトの評価が幅広くなされているのも利用者にとって安心感があります。


自分のノートパソコン(XP)で試しましたが、セットアップから最初のスキャン完了(「このコンピュータでは脅威は検出されませんでした」とメッセージが表示されました)まで約15分で終了しました。


ウイルスの脅威は極めて高いと実感しており、セキュリティソフトは必須です。

ソフトの紹介サイトは
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20091102_325521.html

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関門海峡自衛艦衝突事故2009(その2)

海上交通センターの交信記録が毎日新聞に掲載されています。また権限と責任については『7管が「指示」ではなく「助言」とする根拠は、来年7月までに施行される海上交通安全法と港則法の改正。改正で「助言」は「勧告」に強化され、従わないと罰則はないものの、船舶側は民事訴訟になった場合などに重い責任を負う可能性がある。センターの現在の「助言」に拘束力がないことを裏付ける』となっています。

関門海峡事故 「助言」か「指示」か 7管と韓国側対立
毎日新聞 2009年11月1日
 ◇「左側を追い越してください」…従ったら衝突
 海上自衛隊の護衛艦「くらま」(5200トン)と韓国船籍のコンテナ船「カリナスター」(7401トン)の衝突事故は、関門海峡などの「狭水道」での危険性を改めて示した。事故原因については第7管区海上保安本部に所属する機関「関門海峡海上交通センター」から韓国船への「助言」を巡り、7管と韓国側の見解が対立。海保や運輸安全委員会の判断が注目される。【木村哲人、長谷川豊、樋岡徹也、西脇真一】

 10月27日夜の事故直前、海上交通センターの管制官は韓国船に対し、低速のため接近していた前方のパナマ船籍の貨物船(9046トン)を追い越すよう「助言」した。現場は右側通行がルールで、助言に従い左側から追い越そうとした韓国船が、左前方から対向してきた護衛艦と衝突した。
 助言について7管は「権限がないので『指示』ではない。船には従う義務もない」と説明。「レーダーに映らない小舟もあり、追い越しの是非やタイミングは最終的に船長が判断すべきだ」とし、管制官の過失の有無については「捜査の中で明らかになる」と話す。
 これに対し、カリナスターを所有する南星海運は、船長からの報告を基に「右側から追い越そうと針路を変えたが、左側から追い越すよう管制官から『指示』され、従ったら事故に遭った」と主張。「船長は韓日航路で20年以上の経験があるベテラン。(当局の)調査を待つしかないが、我々としては船長の報告を信じている」と語る。
 7管が「指示」ではなく「助言」とする根拠は、来年7月までに施行される海上交通安全法と港則法の改正。改正で「助言」は「勧告」に強化され、従わないと罰則はないものの、船舶側は民事訴訟になった場合などに重い責任を負う可能性がある。センターの現在の「助言」に拘束力がないことを裏付ける。
 とは言え、助言については7管自身が「事故の一因になったことは否定しない」との立場。また、韓国船の前方にいた貨物船がルール通りの右側ではなく中央部を航行していた疑いも浮上。海保の捜査や運輸安全委員会の調査では、事故当時の正確な状況の解明とともに、助言を巡る判断が焦点となりそうだ。
 一方、護衛艦の見張り態勢は「狭い海峡を通るため総員(296人)で配置についた」とされる一方、「警笛は鳴らさなかった」(北沢俊美防衛相)。今後の調べでは、衝突回避措置を巡る落ち度の有無がポイントとなる。
 衝突後の大破・炎上について海自幹部は「接近戦を想定せず、高速性重視で艦首も軽量・鋭角化し、衝撃に強くない」と語った。

 ◇狭い航路、速い潮流 難所、東京湾や伊勢湾にも
 事故現場となった山口県下関市と北九州市を隔てる関門海峡は1日に600隻を超す船舶が行き交う交通の要衝。幅約500〜1200メートルの狭い航路が27キロにわたって続く「難所」でもある。中でも衝突場所で関門橋東側の「早鞆(はやとも)の瀬戸」は可航幅が約500メートルと最も狭い。しかも、東西どちらへ向かう船も「圧流」と呼ばれる潮流で、下関側へ押し流される傾向がある。関門海峡では平成に入ってから昨年まで、年平均19・4隻が衝突事故に遭った。04年は39隻、05年も40隻に上る。

 関門海峡のように、地形が複雑なうえ航路に余裕がなく、船舶が航行に緊張を強いられる「狭水道」は日本沿岸に数多く分布する。同海峡のほか、特に大きな都市を後背地に抱える東京湾や伊勢湾、瀬戸内海は航行する船舶が多く、そうした海域での事故は全海難事故の4割を占める。
 海難審判所(旧海難審判庁)によると、02〜06年に海難審判で裁決が言い渡された狭水道の貨物・油送・旅客船の海難事故は504件。発生海域別にみると関門海峡が43件、東京湾が20件。大小700の島々がある瀬戸内海は備後灘−安芸灘で124件、伊予灘−周防灘で99件にも上る。
 狭水道の特徴は、速くて流れが変わりやすい潮流だ。日本船主協会海務部課長でLNG(液化天然ガス)船の船長経験がある山内章裕さんは「狭水道に入る時には、操舵(そうだ)を手動に切り替え、ブリッジの見張りも増やして急変に備える」と話す。
 増える一方の外国船の事故も目立ち、06年に発生した主要な海難事故30件のうち14件は外国船が関係していた。東京海洋大学の竹本孝弘教授(海事システム工学)は「正確な海図を持ち合わせず航法ルールを知らない外国船も報告されている。関門海峡を通過するには1万トン未満の船は水先人を乗せる義務はないが、外国船に対してはもう少し規制を強化してもよいのではないか」と指摘した。
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 ■ことば

 ◇海上交通センター
 海難事故の未然防止のため東京湾▽伊勢湾▽名古屋港▽大阪湾▽備讃瀬戸▽来島海峡▽関門海峡−−の7カ所に設置された海上保安庁の機関。通行船舶に対し、レーダーなどで確認した他船の動向や海流などの情報を提供するとともに、視界不良時の航路制限など管制業務を行う。

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 ■衝突直後までの4分間の通信内容
センター→貨物船「C号(韓国船)が接近している。注意してください」(図<1>)
貨物船→センター「了解。左側を追い越させます」
センター→貨物船「航路の中央付近を航行しているので右側に寄ってください」
貨物船→センター「了解。右に避けます」
センター→韓国船「貨物船が右側に移っています。左側を追い越してください」「前方に自衛艦が接近しているので注意してください」
韓国船→センター「了解。左側から追い抜きます」
センター→韓国船「カリナスター、注意してください。注意してください」
センター→韓国船「カリナスター、カリナスター」
護衛艦→センター「関門マーチス(センター無線局の呼び名)、こちら自衛艦くらま」
センター→護衛艦「C号が貴船に異常に接近しているようです。避けてください」
 …………<午後7時56分、衝突(図<2>)>…………
護衛艦→センター「早鞆(はやとも)の瀬戸で接触しました。(相手船で)火災発生」
 ※センターと護衛艦との会話は日本語、その他は英語
タグ:船舶事故
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2009年10月29日

関門海峡自衛艦衝突事故2009

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関門海峡で2009年10月27日夜発生した自衛艦とコンテナ船の事故の速報です。海上交通センターの役割と権限の点でも注目です。なお、右の写真は下関の「海峡ゆめタワー」から筆者撮影。

海自護衛艦衝突:関門海峡で韓国コンテナ船と 双方で火災
毎日新聞 10月29日(第一報)
27日午後7時56分ごろ、北九州市門司区と山口県下関市の間の関門海峡で、西に向かっていた海上自衛隊の護衛艦「くらま」(柏原正俊艦長、5200トン)と、東に向かっていた韓国船籍のコンテナ船「カリナスター」(7401トン)が衝突し、双方で火災が発生。コンテナ船は間もなく鎮火した。第7管区海上保安本部は業務上過失往来危険容疑も視野に、事故当時の状況を詳しく調べる。

 くらまの乗員297人のうち見張り員3人が軽傷を負い、コンテナ船の乗員16人(韓国人12人、ミャンマー人4人)にけがはないという。
 衝突現場は関門橋の東側で、くらまの艦首部分とコンテナ船の右舷前方がぶつかった。くらまは艦首が大破し、ペンキ缶などを入れた倉庫付近が炎上。コンテナ船は船首の右に穴が開き、積み荷から出火した。くらまは艦内に弾薬庫があるが、延焼は免れた。
 事故当時は晴れて風は弱く、視界は3〜4キロ。同海峡は右側通行で、両船とも進行方向右側に回避する決まりになっており、7管は双方の乗員から事情を聴いている。
 コンテナ船は午後8時22分に自力で消火。くらまは現場近くに停泊し、門司海上保安部などが消火に当たった。7管は午後8時に関門航路を閉鎖し、段階的に再開した。
 海上自衛隊佐世保地方総監部などによると、くらまは25日に神奈川県相模湾沖であった海自の「観艦式」に参加。26日午後0時21分に海自横須賀基地を出港し、28日に佐世保基地に帰港予定だった。観艦式では、菅直人・副総理が乗艦した。
 コンテナ船は韓国・釜山港から大阪に向かう途中だったという。
 くらまは91年5月にも、山口県沖の伊予灘でタンカーと接触事故を起こした。82年10月には長崎県佐世保市の赤崎岸壁で、燃料の入れ替え作業後に爆発事故を起こしている。【木村哲人、佐藤敬一】 
 【ことば】▽くらま▽ 1979年に進水したヘリコプター搭載型護衛艦。全長159メートルで排水量5200トン。これまでテロ対策特別法に基づくインド洋派遣などを行ってきた。海上自衛隊の第2護衛隊群(佐世保基地)に所属する。



韓国船船長「前の船追い越そうと護衛艦と衝突」
読売新聞 10月28日
関門海峡で27日夜、海上自衛隊の護衛艦「くらま」(艦長・柏原正俊1佐)と韓国のコンテナ船「カリナ・スター」が衝突した事故で、海上保安庁の運用管制官がコンテナ船に前の船舶を追い越すよう指示を出し、その後、コンテナ船が追い越しをしている最中にくらまと衝突していたことが分かった。
 また、第7管区海上保安本部(北九州市)は、業務上過失往来危険容疑などで両船の捜索令状を取り、28日午前から捜索を始めた。
 コンテナ船「カリナ・スター」の運航会社である東暎海運(本社・ソウル)の担当者は28日、「船長からは、前の船を追い越そうとした際、(関門海峡の)航行管制所から、(通常取るべき航路の)右側でなく左側から追い越すよう指示され、左側から追い越そうとした最中に衝突した、との報告を受けている」と話した。
 関門海峡を通行する船舶への情報提供などは、海上保安庁の関門海峡海上交通センターが行っている。海保幹部は「センターの運用管制官が、指示を出したのは事実だが、それが適切だったかどうかは現在、確認中だ」と話した。
 防衛省や海保によると、現場は東から西に向かって緩やかな潮流があり、コンテナ船が左に出た際に、潮流の影響で戻りきれず、右船首部分が前から来たくらまと衝突した可能性があるという。コンテナ船は右舷の船首から5〜6メートルの場所に大きな損傷があった。
 一方、くらまの柏原艦長は、衝突直前に海保から「民間船が近づいている」との連絡を受け、艦首付近の隊員に退避命令を出していた。柏原艦長は「停止のために逆進をかけたが間に合わなかった」と話しているという。北沢防衛相が28日の会見で明らかにした。
 くらまは事故当時、乗組員ほぼ全員が配置につく「総員配置」で、甲板上などにも10人以上の見張り員が配置されていた。
 くらまは事故から10時間以上経過した28日午前6時30分ごろに鎮火したが、乗員1人が足に軽い裂傷を負い、ほかにも5人が煙を吸うなどの軽症。7管は、くらまやコンテナ船の乗組員から詳しく話を聞き、事故の原因などについて調べる。

護衛艦衝突、海保誘導が原因か
読売新聞 10月28日
関門海峡で海上自衛隊佐世保基地所属の護衛艦「くらま」(5200トン)と韓国のコンテナ船「カリナ・スター」(7401トン)が衝突した事故で、海上保安庁と第7管区海上保安本部(北九州)は28日、管制業務を担う関門海峡海上交通センターとコンテナ船の無線交信の状況や、衝突までの航跡などを明らかにした。
 同センターは、くらまとの距離が約2キロの地点でコンテナ船に前方の貨物船を追い越すよう誘導していたが、くらまには衝突直前まで注意を促す交信をしていなかった。
 7管は同センターの誘導が事故につながった可能性もあるとみて、センター側にも事情を聞く方針。
 7管などによると、同センターと貨物船、コンテナ船とのやり取りは衝突の4分前に始まった。同センターは貨物船にコンテナ船が後ろから接近しているため、右側に寄るよう伝え、貨物船は「右側へ寄って左側を追い越させる」と応答した。続いて同センターは、コンテナ船に対し、「貨物船の左舷側を追い抜いてほしい。前方から船(くらま)が来ているので、気をつけてほしい」と告げた。この交信は衝突の約2分前。コンテナ船とくらまとの距離は約2キロで、両船は、12〜14ノット(時速22〜26キロ)の速度で進んでいた。
 コンテナ船は誘導に従い、貨物船の左側を追い抜こうとしてくらまと衝突。同センターは衝突数十秒前に両船に注意を呼びかけたが、間に合わなかったという。7管の野俣光孝次長は記者会見で「情報提供が事故原因になった可能性は否定しない」とする一方、情報提供には法的強制力はないとし、「いつかじを切るか、追い越すかなど最終判断は船長が行う」と述べた。
 神戸商船大の原潔名誉教授(海上交通工学)は「現場は関門海峡の中でも特に潮流が激しく、針路を変えると流される恐れがあるため、追い越す場所としては適切ではない。また、護衛艦にも前方からコンテナ船が接近していることを迅速に伝えるべきだった」と指摘している。


海保側「左を追い抜いて下さい」衝突前、韓国船に伝達
朝日新聞 10月29日
福岡・山口県境の関門海峡で起きた海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国船籍のコンテナ貨物船カリナスターの衝突事故で、海上保安庁の管制機関がコンテナ船に、前を運航していた貨物船を「左から追い越す」よう伝えていたことが28日分かった。第7管区海上保安本部(北九州市)が明らかにした。7管は「管制機関は護衛艦の接近情報も提供した」と説明している。
 情報伝達後、コンテナ船と前方から向かってきた「くらま」が急接近し、管制機関が注意を促した直後に事故が起きたことも判明した。現場の航路は右側通行で、左から追い越すと、向かってくる船に近づくことになる。コンテナ船の運航会社は「管制室から『左を追い越せ』と指示が出た。左に向きを変えたら衝突した」と説明している。
 7管は管制機関の情報提供について「指示や命令ではなく、あくまで助言。援助措置で、従うかどうかは船長の判断」と説明しつつ、「事故原因につながった可能性は否定できない」と話している。
 管制機関は関門海峡海上交通センター(北九州市)。7管の直属組織で、関門海峡を運航する船舶に安全上必要な情報を提供している。
 7管によると、センターとコンテナ船などとのやりとりは事故の約4分前から始まった。まず、コンテナ船が前を進んでいた貨物船に接近したため、貨物船からセンターに「(コンテナ船に)左を追い抜いてもらいたい」との連絡が入った。センターはコンテナ船に「左を追い抜いて下さい。前方から自衛艦が来ているので気をつけて」と情報を提供。「了解」との返事があったという。
 センターはさらに、前方の貨物船に右に寄るよう伝え、「安全と判断した」という。
 その後、コンテナ船と「くらま」が急接近したため、センターは「くらま」に「非常に接近しています。注意を」と呼びかけ、その数十秒後に衝突事故の連絡が入った。
28日に記者会見した北沢俊美防衛相の説明などによると、「くらま」は海峡通過にあたり、乗組員全員が見張りなどにつく「総員配置」の態勢を取り、甲板上にも隊員を置いた。艦長は見張りの隊員らからコンテナ船接近の報告を受けた。海上交通センターからも「近接している船があるが大丈夫か」と連絡が入ったという。艦長は「衝突回避のため急減速の措置をとったが間に合わなかった」と聞き取り調査に説明したという。
 7管は同日、両船を業務上過失往来危険の疑いで現場検証して事故原因の究明に着手し、両船の航海日誌などを押収した。レーダー機器の記録などから詳しい航跡などを分析する方針だ。

海自護衛艦衝突:管制官助言後に衝突 交信が事故誘発か
毎日新聞 10月29日
 海上自衛隊の護衛艦「くらま」(5200トン)と韓国船籍のコンテナ船「カリナスター」(7401トン)が関門海峡で衝突した事故で、「関門海峡海上交通センター」(北九州市)の運用管制官が、カリナスターに前方の貨物船を左側から追い越すよう助言した後、対向の「くらま」と衝突していたことが分かった。第7管区海上保安本部は、交信が事故の一因になった可能性もあるとして管制官から当時の状況について事情聴取する方針。
 7管によると、両船が衝突したのは27日午後7時56分ごろ。その直前、東方向へ移動するコンテナ船の前を、パナマ船籍の貨物船「クイーン オーキッド」(9046トン)が同方向へ航行していた。
 管制官は、両船と衝突約4分前から交信を開始。貨物船に「C号(コンテナ船)が接近している。注意してください」と喚起すると、貨物船は「了解。左側を追い越させます」と応答した。管制官はさらに貨物船に右側へ寄るように告げ、コンテナ船には「貨物船が右側に動いています。左側を追い越してください」と伝えた後、くらまと衝突した。
 事故の直前に、管制官はくらまに「C号が異常に接近しているようです」と交信。くらまは衝突後、「接触しました」と報告した。
 「関門海峡海上交通センター」は7管の下部組織で、海峡を通過する船舶に安全情報を提供している。7管の野俣光孝次長は28日夕の会見で、管制官との交信が事故原因となった可能性を認めたうえで「(管制官の行為は)情報提供であり、法的にも指示する権限はセンターにない。従う義務もなく、追い越すかどうかは船長の判断」と説明した。一方、過失の有無については「捜査の進展があるので、価値判断するのは適切ではない」と述べるにとどめた。【木村哲人、河津啓介】


 

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2009年10月18日

Windows7へアップグレード診断

新しい基本ソフトWindows7が2009年10月22日に発売
ネット情報によれば、Windows Vistaの欠点が大きく改善されているそうです。
個人的な注目点の一つが、Windows Vistaで使えなかったWindows XPのアプリケーションソフトの多くが利用可能になる、とされることです。
たとえば、「ロータス・スーパーオフィス」がWindows Vistaでは使えなくなり大いに困っていましたが、ネットで検索したところWindows7では使えるようです 
こちら

そこで、現在使っているパソコンでWindows7が使えるかが問題です。
それを診断するマイクロソフト社のサイトがあります 
こちら

使用中のマシンが使えるか否かの診断の手順は
1 上記マイクロソフト社のWindows 7 Upgrade Advisor Betaサイトにアクセス 
  
英語ですが心配いりません。画面中央のDownloadをクリック
2 ウイザードに従い診断したいパソコンにインストールします
3 デスクトップに「Windows 7 Upgrade Advisor」と書かれたアイコンが作られる
4 アイコンをクリック
5 作業が始まり数分で結果が表示される
6 アップグレード可能なら緑色のチェックマークが表示される

なお、市原が使用中のノートPC(パナソニックR6)で試したところ、
なんと「不適」でした。しかし、右側の説明を読むと「サービスパック」が必要とありました。
そこで、画面左下の「スタート」から「Windows Update」を選び実行しました。
その後、再度診断したところ緑色のチェックマークが出てアップデート可能となりました。右横のメッセージ欄に対応エディションの候補が表示されルので便利です。

ソフトの簡単な解説は こちら
アップグレードの手順は こちら
Windows7各エディションの説明は こちら



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新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その14(身近な対策は有効か)

「7月以降のインフル患者、累計234万人」(読売新聞10月16日)のヘッドラインをみれば「感染列島パニック」も無理からぬことです。一方、日本の場合致死率が他国と比べ著しく低い事実も押さえておく必要があります。
手洗い、マスク、うがいの3点セットは日常でのインフルエンザ対策のように受け止められています。
以前にも一部紹介しましたが、以下の記述は注目です(抜粋)。

最大の防御策は篭城&マスク
実は役に立たない「うがい」
日経トレンディネット 2008年02月20日
一般的にインフルエンザから身を守る身近な対策としてよく言われるのが、うがい、マスクの着用、手洗いだ。ところが、従来型も新型も含めてインフルエンザにうがいはほとんど効果がないという。「欧米でインフルエンザ予防にうがいを奨励している国はない。飛沫感染で喉の粘膜に付着したインフルエンザウイルスは、10分ほどで粘膜細胞の中に侵入する。外出して戻ってからうがいをしても遅過ぎる」(外岡所長)という。

 ただし、マスクと手洗いには一定の効果がある。使い捨ての風邪用マスクでも、きちんと顔に密着させて着けていれば、感染者の咳などで飛んで来るウイルスを遮断することができる。また、服や髪の毛、肌などに感染者の咳でウイルスが付いたとしても、極端に恐れる必要はない。個人が検疫用の防護服を着て出歩くようなことにもならないだろう。「新型も含めインフルエンザのウイルスは、衣服や肌に付いても1時間程度しか生きていられない。ウイルスが付着した手を舐めたりしない限りはまず感染しない」(国立感染症研究所・谷口室長)。とはいえ、ドアの取っ手などにウイルスが付着していて知らずにつかみ、その手を無意識に口元に、というケースはありうる。そこで頻繁な手洗いが新型の予防にも効果ありというわけだ。 こちら

うがいの効果は?
ところで、カテキンのウイルス予防効果は実験的にも確認されていますが、10月17日の毎日新聞の記事「実験に使ったカテキン水の濃度は市販されているペットボトルの半分程度。特段に濃い緑茶を用意する必要はない」のが事実なら、外出時のペットボトル携帯での随時利用は、感染予防に一定の効果があるかもしれません。

ヘルシーリポート:緑茶カテキン 新型インフル対策にこまめに緑茶うがい
毎日新聞 2009年10月17日
 ◇予防効果、水より高い可能性
 全国的に感染が拡大している新型インフルエンザ。冬に向けてさらに注意が必要だ。予防対策の基本はこまめな手洗いとうがいだが、うがいに緑茶を使うとさらに予防効果が高まる可能性があることが分かってきた。【小林多美子】
 ◆抗菌作用に注目
 緑茶にはポリフェノールの一種、カテキンが含まれ、お茶の渋みの主成分となっている。カテキンには近年、さまざまな健康効果があることが報告されている。例えば食事の際に脂肪の吸収を穏やかにする体脂肪低下作用や、血中コレステロール値の抑制作用など。加えていま注目されているのが抗菌作用だ。
 インフルエンザウイルスは細胞膜に取り付いて増殖し、感染症状を引き起こす。だが、ウイルスの回りにカテキンが吸着すると、ウイルスは細胞膜に取り付くことが難しくなる=イラスト。水道水などでうがいする場合は、口内やのどに入ったウイルスを洗い流すだけだが、緑茶でうがいをすれば、さらに高い感染抑制が期待できるという。
 ◆感染率に大きな差
 この働きは細胞培養の基礎的研究でも明らかにされていたが、実際に人間に効果があるかどうかを確認するため、静岡県立大学薬学部の山田浩教授が04年12月〜05年3月に臨床試験をしている。
 東京都内の特別養護老人ホームに入居する高齢者124人のうち、76人が500ミリリットルの水に100ミリグラムのカテキン抽出物を溶かした「カテキン水」で、48人が「水」で、1日3回うがいをしてインフルエンザウイルスの感染率の違いを調べた。その結果、感染者数は「カテキン水」が1人(感染率1%)、「水」が5人(同10%)と差が現れた。このホームではその後もお茶でのうがいを続けており、インフルエンザウイルスの感染者数は06、07年が0人、08年に1人と極めて少ない。
 ◆型を選ばず吸着
 さらに、06年には病院や高齢者施設の職員404人を対象にした試験も実施。「カテキン水」か「水」かを本人に伝えずに3カ月間1日3回、うがいをしてもらった。カテキン水のグループ195人のうち感染者は2人(1%)、普通の水のグループは200人のうち4人(2%)だった。統計学上で有意といえる数字ではないが、差が出た。
 山田教授は「もともと緑茶にはさまざまな抗菌効果があると言われている。また、カテキンはインフルエンザウイルスの型を選ばず吸着するため、新型にも効果が期待できるだろう」と話す。
 ◆小学校でもガラガラ
 お茶の名産地として知られる静岡県では、以前から医療の現場などでも緑茶が使われていた。山田教授がかつて勤務していた県内の病院では、入院患者のたんの吸引器を使用する際、口内で噴射する液体として、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の感染者には水ではなく緑茶を使用していた。効果がはっきりと見込まれていたわけではないが、看護師が自発的に行っていた。このことが、山田教授が感染症に対するカテキンの抗菌作用を研究するきっかけにもなったという。
 県内では緑茶を使ったうがいを実施、推奨している小学校も多い。児童には自宅でいれたお茶をうがい用に持参させているだけでなく、蛇口から緑茶が出る給茶機を設置している学校もある。インフルエンザだけでなく、かぜの予防効果も期待されている。
 ◆しっかり15秒程度
 実際に緑茶うがいを取り入れる場合、どんなことに注意すればいいだろうか。実験に使ったカテキン水の濃度は市販されているペットボトルの半分程度。特段に濃い緑茶を用意する必要はないという。
 また、より予防効果を高めるには、水筒やボトルで持ち歩き、こまめにうがいをしたり、飲んでのどを潤すとよいという。「人ごみに出かけたり、スポーツをした後などに、すぐに緑茶でうがいする習慣をつけてはどうでしょう」と山田教授。のどの奥はウイルスがたまりやすいので、顔を上にあげて約15秒程度、ガラガラとしっかりうがいしたい。
 新型インフルエンザは感染力が強いため、うがいだけでなく、十分な睡眠▽しっかり栄養をとる▽人が多い場所を避ける−−など、他の予防策も重要だ。


 

posted by ichi3 at 02:16| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月11日

外出用新世代ノートPC

モバイルノート新世代機登場(ソニー「VAIO X」)
Windows7の発売に合わせて、「いつでもどこでも」手軽に使えそうなノートパソコンの発売が予告されました 
こちら
携帯時にもかさばらず、バッテリーの消耗を気にすることなく一日安心して使えそうです。

個人的な注目点は・・・
1 デザイン
2 10-20時間のバッテリ使用可能
3 14mmを切る薄さ、655gという軽さ
4 ビジネス場面で使える出力端子装備
5 実用レベルの画面サイズ(11インチ)
6 10万円前後の手頃価格
などです。

下記のサイトなど、多くのレビューがネットに掲載中で、それらからの印象ですから実機を見てのものではありませんが、久々の「ソニーらしい製品」と予測しています。
その1(日経トレンディネット)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20091006/1029439/?P=1
その2(PCウオッチ)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/20091008_320219.html
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2009年09月30日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その13(罹患率と致死率)

inf0809.jpg
新型インフルエンザの情報は現在も「百花繚乱」状態です。感染と発症の関係はどうなのか。「重症化」の要因についても素朴な疑問が次々と出てきます。
そうした状況の中で、押谷仁氏(東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授)のインタビュー記事は、専門家によるデータ分析の事例として注目しています。「罹患率」と「致死率」についての部分を引用すると・・・

季節性インフルエンザと異なる「被害の社会的インパクト」
――被害想定はどのように考えられるでしょうか。

押谷 被害想定は,「何人の感染者が出るか(罹患率)」と「感染者のうち,どのくらいが重症化し死亡するか(致死率)」という2つのファクターを掛け合わせて決まります。
 日本を例にとると,季節性インフルエンザの場合,毎年500−1000万人が罹患しています。一方,新型インフルエンザの場合,一部の高齢者で今回の新型インフルエンザに免疫があるとも言われていますが,ほとんどの人は免疫を持っていません。そのため,罹患率は季節性インフルエンザよりも高いことが想定されています。
 罹患者を3000万人と仮定します。ウイルスの病原性が季節性インフルエンザと同程度の致死率0.1%としても,死者3万人。病原性が季節性インフルエンザを上回って致死率0.4%まで上がった場合は,死者12万人になります。moderateといっても,致死率が少し上がるだけで,これだけ被害が甚大なものになるということです。
――その一方で,罹患率・致死率ともに不確定要素が多いため,季節性インフルエンザと同程度の被害で収まる可能性も残されているのでしょうか。
押谷 確かにその可能性もあります。季節性インフルエンザでも,1998−99年のシーズンには3万人以上の死者が日本国内で出ています。ただ,これは数だけの問題ではないのです。
 季節性インフルエンザによる死者の大半は高齢者です。それも,ウイルスが直接の死因になる場合は少なくて,インフルエンザ感染をきっかけに細菌性肺炎や心筋梗塞を起こすようなインフルエンザ関連死が大半です。ところが,今回の新型インフルエンザによる死者のほとんどは,子どもや働き盛りの成人。しかも主な死因はウイルス性肺炎による呼吸不全です。これは高齢者が季節性インフルエンザで亡くなるのとは,社会的なインパクトがまったく違うのです。

記事の全文は こちら

新型インフルエンザ
まだ来ぬ「第一波」に備えよ

医学会新聞 第2842号 2009年8月10日

posted by ichi3 at 12:38| 東京 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月20日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その12(客観性の重要さ)

「専門家」のメッセージをどう受け止めるか?
アメリカと日本の専門家のコメントの落差の大きさには驚きます。
状況を客観的に捉えることが今こそ求められています。
リスクコミュニケーションの重要さを再認識しました。

新聞記事から引用すると・・・
CDCのアン・シュケット博士は同日の記者会見で「子供でも大人でも大多数は抗ウイルス薬は必要なく、自宅で休養することで治る」

日本感染症学会は15日、新型インフルエンザの感染が疑われた場合には、軽症でも、タミフルなどの治療薬を早期に投与すべきだとする提言をまとめた

「NHKスペシャル」のヘッドラインは
未知の脅威 新型ウイルス(日本は耐えられるか)

アメリカの例
「新型」感染でもタミフル原則不要、米が指針
インフル

読売新聞 9月9日
 【ワシントン=山田哲朗】米疾病対策センター(CDC)は8日、新型インフルエンザに感染しても、健康な人はタミフルやリレンザなど抗ウイルス薬による治療は原則として必要ないとする投薬指針を発表した。
 抗ウイルス薬の供給には限りがあるほか、過剰投与で耐性ウイルスが出現する恐れが高まるため。CDCのアン・シュケット博士は同日の記者会見で「子供でも大人でも大多数は抗ウイルス薬は必要なく、自宅で休養することで治る」と述べた。
 ただし、持病がある人や、健康な人でも重症化した場合には、ウイルス検査の結果を待たず抗ウイルス薬を投与することが必要としている。世界保健機関(WHO)も、抗ウイルス薬の投与は持病がある人など高リスク集団か、新型インフルエンザで症状が悪化しつつある人に絞るべきだと勧告している。これに対し日本では、健康な人でも感染した場合、抗ウイルス薬を投与する医療機関が多い。

日本の例1
新型、軽くてもタミフル早めに…感染症学会
讀賣新聞 9月16日
 日本感染症学会は15日、新型インフルエンザの感染が疑われた場合には、軽症でも、タミフルなどの治療薬を早期に投与すべきだとする提言をまとめた。
 世界保健機関(WHO)は、6歳以上の若年者や64歳以下の成人で、かつ軽症の場合、治療薬の投与は不要とする指針を示している。これに対して、今回の提言は「WHOの指針は治療薬の備蓄が少ない国々の事情を踏まえたもの。備蓄が豊富な日本では、感染が少しでも疑われたら、できるかぎり早く治療薬を投与すべきだ」としている。

日本感染症学会緊急提言
http://www.kansensho.or.jp/news/090914soiv_teigen2.html#n02


日本の例2
未知の脅威 新型ウイルス
日本は耐えられるか
NHKスペシャル 2009年9月13日
急激なスピードで感染が広がる新型インフルエンザ。厚生労働省は10月をピークに国民の5人に1人にあたる2500万人あまりが発症し、およそ3万8千人が重症になると想定している。感染の拡大は何をもたらすのか。今回のウイルスは、感染してもほとんどの人が軽症で済むが、わずか数日で症状が悪化する「ウイルス性肺炎」で死亡するケースも数多く報告されるなど、従来のインフルエンザと異なる特徴があることがわかってきた。また、季節性のインフルエンザで亡くなるのは主に高齢者だが、新型では20代から50代でも重症化し、乳幼児から高齢者まで幅広い世代の命に影響が及ぶ。感染力が強いため、患者の急増で医療機関がパンクする可能性もあり、治療が遅れると健康な人でも死に至ることがある。どうすれば重症者や死者を減らすことができるのか。“震源地”メキシコの最新研究からウイルスの正体に迫ると共に、感染拡大に立ち向かう医療現場や、各国の最新の対策を取材、国内での“感染爆発”をどう防ぐのかを探る。

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2009年09月15日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その11(1年後のデータ)

リーマンショック(2008年9月)から1年
データでこの1年を検証する企画が毎日新聞に掲載されました。
リーマン1年後_1r.jpg
図1 日米株価トレンドグラフ
「世界の株式市況は回復基調にあるが、今年2月の時価総額の底値28兆6700億ドルから6割の戻しにとどまっている」とまとめています(下記の記事)。
1929年大恐慌時の株価パタンは 
こちら
リーマン1年後_2r.jpg
図2 GDP,投入した公的資金、日米欧の失業者数、金融業界の再編パタン、危機の連鎖構造
「恐慌寸前から政策総動員」と下記記事のサブタイトルにありますが、資本主義経済に国家が直接的かつ大規模に介入し続ける現状の今後は矛盾そのものであり予断を許さないと思います。生活レベルでは「ジョブレスリカバリー」が最大の問題と感じます。
毎日新聞の特集記事は5つの視点から検証しています。

ニュースナビ:リーマン・ショック1年 夜は、なお長きや
 <NEWS NAVIGATOR>
毎日新聞 9月15日

 米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)から1年。「リーマン・ショック」は国際金融市場を大混乱に突き落とし、世界経済を歴史的な同時不況へと追い込んだ。各国当局は異例の財政・金融政策を相次いで発動し、世界経済は底打ちの兆しも出ているが、回復力は弱い。株式市場などで失われた富は巨額で、失業者は依然増加の一途をたどり、世界は1年前と様相が一変した。

 ■NAVI1・雇用は

 ◇日米英欧で1000万人失職
 「寝る場所だけでもなんとかしてほしい」。昨年末から今年初め、東京都心の日比谷公園に突如出現した「年越し派遣村」。官庁や大企業の本社ビルに囲まれた一角に、仕事と住まいを失った派遣労働者の切実な声が響いた。

 リーマン・ショックによる金融危機は、雇用崩壊の波となって世界中を駆けめぐり、昨年8月から今年7月までの間に、米国555万人、欧州(ユーロ圏16カ国)316万人、英国60万人(5月まで)、日本103万人と計約1034万人以上が職を失った。
 震源地となった米国の失業率は、今年8月に9・7%を記録。米連邦準備制度理事会(FRB)は、最悪の場合年内に10%の大台を突破すると予想する。
 欧州も9・5%(7月)となり、リーマン・ショック前から2ポイント近く上昇。日本も今年7月の完全失業率が5・7%と過去最悪を記録。企業が潜在的に抱える失業者は607万人に達していると見込まれている。
 成長率も軒並みマイナスとなっている。米英欧の国内総生産(GDP)は、09年1〜3月期に年率換算で前期比マイナス6・4%〜マイナス10%台に落ち込んだ。日本も、08年10〜12月期に同マイナス12・8%と大幅なマイナス成長に落ち込み、外需依存体質の弱さを露呈した。
 足元の成長率は改善しつつあるが、各国政府の大規模な経済対策に支えられている側面が大きく、回復の足取りは弱いままだ。

 ■NAVI2・株価は

 ◇世界不況、720兆円消滅
 米国発の金融危機は各国の株式市場を直撃。08年9月29日、ニューヨーク市場でダウ工業株30種平均は777・68ドル安と史上最大の下落を記録。公的資金で不良資産を買い取る金融安定化法案が米下院で否決されたのを機に市場では一時、パニック的な投げ売りが広がった。

 東京市場では日経平均株価が10月16日に1000円超暴落。27日には03年4月に付けたバブル崩壊後の最安値を下回り、28日には一時7000円を割り込んだ。東京外国為替市場では、ドルの失望売りが加速し、12月18日には円相場が1ドル=87円台前半に急騰。13年5カ月ぶりの円高水準となった。
 輸出企業の米国市場への依存度が高い中国にも株安が波及。投機マネーの流出は商品市況にも飛び火し、原油など資源価格の下落でロシア、ブラジルなど資源国でも株安が進んだ。金融市場の混乱を反映して野村ホールディングスの09年3月期決算は過去最大の7081億円の最終赤字に転落。3メガバンクも株安による保有株式評価損が膨らみ、軒並み最終赤字に。上場企業全体でも前年の最高益から、7年ぶりの赤字に転落した。

 ◇底打ちの兆しも
 国際取引所連合によると09年7月の世界の上場企業の時価総額は約40兆5554億ドルと08年8月から11カ月で8兆ドル(約720兆円)が失われた。世界の株式市況は回復基調にあるが、今年2月の時価総額の底値28兆6700億ドルから6割の戻しにとどまっている。

 ■NAVI3・公的資金は

 ◇米は30兆円 主要国、財政赤字拡大
 3月14日にロンドン近郊で開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議。日経平均株価が7000円割れ寸前まで落ち込むなど各国で株価が暴落する中、各国が景気の底割れ回避策を話し合った。しかし会議は、景気対策の財政出動を巡り、米欧が鋭く対立した。

 国内総生産(GDP)の2%の財政出動を求めた米ガイトナー財務長官に、ドイツのシュタインブリュック財務相が「金融不安の中で財政出動しても意味がない」と反発。ダーリング英財務相が米側を諭し、会議は「あらゆる必要な行動を取る」と玉虫色の声明を採択して終了。金融危機対策で膨れ上がる財政赤字への、欧州の強い危機感の表れだった。
 昨年9月のリーマン破綻以降、各国は金融機関の連鎖破綻を防ぐため、巨額の公的資金を金融機関に投入。米3300億ドル(30兆円)、仏400億ユーロ(5.3兆円)。ドイツも資金枠で5000億ユーロ(66兆円)を用意した。
 残ったのは巨額の財政赤字だ。経済協力開発機構が今月発表した見通しでは、主要国の09年の財政赤字はGDP比で英国12.8%、米国10.2%、日本7.8%、フランス6.7%。09年の先進7カ国の財政赤字額は約220兆円と危機前の07年の4倍に拡大する見通しだ。財政赤字の拡大は、長期金利の上昇を招きかねず、危機対応での財政出動が、新たな危機を招きかねないジレンマを抱えている。

 ■NAVI4・業界再編は

 ◇米証券大手も消滅
 米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題が表面化した07年下半期(7〜12月)から世界の金融機関の金融危機関連損失の総額は約1兆6000億ドル(約144兆円)。うちリーマンが破綻した08年下半期以降の損失は9200億ドルに上った。

 地域別では、米国が1兆700億ドル、欧州は4900億ドル、日本などアジアは400億ドル。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は07年7月、「サブプライム関連の損失は500億〜1000億ドル」と予測していたが、これをはるかに上回る規模に拡大した。
 金融業界は根底から揺さぶられた。米証券4位のリーマン破綻と同時に3位メリルリンチが米銀大手バンク・オブ・アメリカに身売りした。メリルのジョン・セインCEO(最高経営責任者)は会見で「予想もしなかった結末」と肩を落とした。
 首位ゴールドマン・サックスと2位モルガン・スタンレーは資金繰りに窮し、預金を集められる銀行持ち株会社に転換した。08年3月には5位のベア・スターンズが米銀大手JPモルガン・チェースに身売りしており、サブプライム関連投資で主役だった米証券専業大手が消滅した。
 再編は日本にも波及した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)はモルガン・スタンレーに90億ドル出資。新生銀行とあおぞら銀行は10年10月の合併を決めた。一方、三井住友FGは米金融大手シティグループから日興コーディアル証券を買収し、日本の業界勢力図も塗り替わりつつある。

 ■NAVI5・経過は

 ◇恐慌寸前から政策総動員
 リーマン・ブラザーズ救済策の協議に、米当局や金融機関の首脳がニューヨーク連邦準備銀行に集まったのは08年9月12日夜。リーマンの株価はこの日までの4日間で80%急落。米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)関連で巨額損失を計上し増資交渉も失敗。自力再建は絶望視されていた。だが、ポールソン財務長官(当時)は、「公的支援をするつもりはない」と明言。リーマンは15日、米史上最大の負債6130億ドルを抱え米連邦破産法11条の適用を申請した。

 衝撃はすさまじかった。15日の米株価は504ドル安と01年9月の同時多発テロ以来の下げ幅を記録。資金繰りが悪化した米保険大手AIGも株が売り浴びせられ、連鎖破綻の危機にひんした。米政府は16日、急きょ方針転換し、AIGには最大850億ドルの融資を決め、公的管理下に置いた。
 だが、米政府の対応に、市場では「場当たり的」との不信が広がった。米欧の短期金融市場では、金融機関の資金繰りが逼迫(ひっぱく)。金融機関の経営不安は欧州にも飛び火し、「リーマン・ショック」は世界に波及した。
 抜本対策を迫られた米政府は、金融機関に最大7000億ドルの公的資金を投入する金融安定化法案を策定。だが、世論の反発は強く、下院は9月29日に法案を否決した。市場はパニックに陥り、世界経済は一時、「金融恐慌」寸前まで追い込まれた。
 金融安定化法案は修正の末、10月3日に成立。10日にワシントンで開いた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は金融機関への資本注入で合意。11月には日米欧と中国などを加えた主要20カ国・地域(G20)が初の金融サミットをワシントンで開き、政策総動員を確認した。
 12月には米連邦準備制度理事会(FRB)が初の事実上のゼロ金利政策を導入し、日銀も政策金利を年0・1%に引き下げた。利下げ余地がなくなっても、長期国債の買い取りなどで市場に大量の資金供給を続けた。09年1月に発足した米オバマ政権は大型景気対策を発動し、日欧も財政出動を積極化した。
 金融市場の動揺はなかなか収まらなかった。シティグループの株価は一時、1ドル台まで落ち込み、米政府は追加支援で事実上の政府管理下に置くことを余儀なくされた。
 市場が落ち着きを取り戻したのは今春以降。米当局は5月、米金融大手19社に対する特別検査の結果を発表し、うち10社に総額746億ドルの資本増強を求めたが、市場の想定の範囲に収まった。
 危機は自動車産業も直撃し、4月にクライスラー、6月にゼネラル・モーターズ(GM)が米連邦破産法11条の適用を申請し、米ビッグスリー(自動車大手3社)のうち2社が破綻に追い込まれた。ただ、市場では織り込み済みとして大きな混乱はなかった。
==============
 この特集は木村旬、田畑悦郎、井出晋平、清水憲司、斉藤望、小倉祥徳が担当しました。

【関連記事】



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posted by ichi3 at 15:29| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月08日

インターネットは矛盾そのもの その5(誕生から40年)

ネット誕生40年、ウェブサイト数2億2600万
この2つの数字には正直考えさせられました。ネット世界の「光と陰」。そのコントラストは近年ますます強くなっていると感じます。言い換えれば「性善と性悪」の対比に当たります。個人的な感想ではネガティブな面がより際だっていると思います。その点この記事は「前向き」にみているようです。

by Stephen Shankland
At 40, the Internet still reshaping history
http://news.cnet.com/8301-30685_3-10323175-264.html

日本語の翻訳ページからから一部引用します。

インターネットは多くの新しい犯罪をもたらし、個人情報の盗難や経済詐欺も助長している。ストーカー行為はこれ以上なく簡単になり、数多くの乗っ取られたコンピュータによる分散型DoS攻撃で、企業の業務が停止させられることもある。
 筆者の実感として、インターネットがニュースの過剰供給をもたらしたことで、ジャーナリズムは経済的に苦しんでいる。記者の数が減少し続けることは、新しい声が登場し、何が起こっているかを追跡しやすくなったことで、相殺されるとも言える。しかし筆者は、報道機関が汚職などの問題を暴く力が徐々に弱くなるという懸念を持っている1人だ。
 インターネットはグローバル化も勢いづけた。これによって、より豊かな国の高賃金の労働力が、それ以外の国の安価な労働力に取って代わられ、雇用の喪失と敵意をもたらした。
 筆者が考える最も懸念すべき問題は、人々自身がインターネットでの社会的交流に適合させてきた問題から派生するものだ。
 われわれの脳は部族のサイズくらいの社会的集団に合わせて作られているようだが、今ではわれわれの生活の一部は世界全体に向けて展示されている。もうカーテンを閉めるだけではプライバシーを守ることにならないし、ソーシャルグラフの機微に夢中になっていない誰かにFacebookの情報共有メカニズムを教えるのも大変だ。
 インターネットは、政府による検閲やプロパガンダに手を貸す可能性もある。筆者の本能的直感では、情報を広めるインターネットの力は、特に「Google Translate」などのテクノロジによって増大させられたときには、最終的にそれらに勝るだろうと思うが、それは確実なことではない。
 このように、インターネットはたくさんの問題をもたらしている。しかし、インターネットは、重要性、力、影響範囲を増していくばかりだ。そこで筆者としては、次の40年間、インターネットを受け入れて、良い方向へ向けるよう試みることを勧める。

全文は
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20399396,00.htm
タグ:ネット
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2009年09月02日

クーガー・エースの海難事故ビデオMSNBCは3年後も生きている

クーガー・エースの海難事故ビデオ、MSNBC(アメリカ)は3年以上経過した2009年9月2日現在もアクセスできます(2006年7月25日updated)こちら
クーガー・エースのビデオに続き、最新ニュースのビデオクリップも一覧・再生できます。CMビデオも面白いものがあります。

今やネットのビデオ環境は3年前とは激変しました。YouTubeには海難関連のビデオ映像や報道映像もかなりアップされています。これらのチャネルは資料としても貴重です。が、「偽装・ねつ造・改変」が日常化している「デジタル世界」では、オリジナルソースがネット上で長年生き続けているのは、「信頼」を保証する意味でも大変重要です。

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2009年08月29日

ネットと音声盗聴

ケータイの盗聴を防ぐにはバッテリーをはずす?!
ケータイ電話の音声盗聴防止の記事が朝日新聞に掲載されました。
パソコンからのデータ(音声や映像を含む)盗聴については聞いていましたが、ここで紹介されているケータイ電話の盗聴技術「ロービングバグ(roving bug)」は知りませんでした。「便利は危険」を地でいくような話です。
「電源を外す」のが究極の対処法とは・・・まさに「アナログ世界」そのものです。

外務省、幹部室はケータイ持ち込み禁止 盗聴防止のため
朝日新聞 2009年8月29日

外務省は来月1日から、局長・部長級以上のすべての幹部の執務室に携帯電話の持ち込みを禁止する。携帯電話の持ち主が知らない間に、端末のマイク機能を何者かが使って周囲の会話を盗聴するケースがあるといい、秘密保全の観点から禁止対象の拡大に踏み切った。
 この盗聴方法は「ロービングバグ」と呼ばれ、遠隔操作でマイクを働かせる。外務省では06年から大臣室、事務次官室など一部で携帯電話の持ち込みを禁止し、入室者は入り口で専用の箱に端末を預けていた。今後はほかの幹部室でも同様の措置を取る。外部の訪問者だけでなく外務省職員も持ち込みを禁じられる。
 外務省によると、防衛省や内閣情報調査室でも同様の対応が取られているという。


●アメリカでの実態についてのレポートは2006年12月にすでにありました。


FBI,携帯電話を遠隔操作で「盗聴器」に--マフィアの捜査で使用
日経BP ITpro 2006年12月5日
米連邦捜査局(FBI)は,犯罪捜査に新しい電子盗聴の手段を使い始めたようだ。これは携帯電話の通話口についているマイクを遠隔操作でオンにし,それを利用して付近の会話を盗聴するというものだ。

 この方法は「ロービングバグ(roving bug)」と呼ばれ,ニューヨークの組織犯罪集団(ファミリー)のメンバーに関する捜査での使用について,米司法省の高官から許可が下りた。捜査対象となったファミリーのメンバーは,尾行や電話盗聴といった従来の監視方法を警戒していた。
 ギャングの一員とみられるJohn Arditoとその弁護士のPeter Pelusoの2人が所有するNextelの携帯電話を利用し,FBIは周辺の会話を盗聴した。FBIはArditoを,全米のマフィアの中でも大きな勢力を持つGenoveseファミリーの最有力者の1人と見ている。
 この盗聴手法は,米国時間11月27日に発表された,米連邦地裁のLewis Kaplan裁判官による意見書の中で明らかになった。この中でKaplan裁判官は,連邦通信傍受法では容疑者の携帯電話付近の会話を盗聴することは許されているとして,「ロービングバグ」は合法だと裁定している。
 Kaplan裁判官の意見書には,この盗聴方法は「携帯電話の電源が入っているか入っていないかにかかわらず機能した」との記載がある。携帯電話の中にはバッテリを取り外さない限り完全に電源を切れないものがある。例えば,Nokiaの一部の携帯電話は,電源を切っておいてもアラームがセットされていれば,その時間になると起動する。
 遠隔盗聴の仕組みが刑事事件に用いられたのは,今回のGenoveseファミリーの訴追が初めてのようだが,この手法は長年,セキュリティ分野では議論されてきた。
 米商務省のセキュリティ局は「携帯電話は,電話機付近の会話を聞く目的で使われれば,マイクと送信機になってしまうおそれがある」と警告している。また,2005年には,移動体通信事業者は「端末の所有者の知らないうちに,離れたところから携帯電話にソフトウェアをインストールできる。このソフトにより,所有者が通話していない時にもマイクをオンにできる」という内容の記事がFinancial Times紙に掲載された。
 複数の政府機関とも緊密に協力している監視対策コンサルタントのJames Atkinson氏は,NextelとSamsungの携帯電話,およびMotorolaの「Razr」は,マイクを作動させるソフトウェアのダウンロードに対して特に脆弱だと指摘する。「離れたところからアクセスし,部屋の中の音を常時送信するよう設定することもできる。これは端末に直接手を触れなくても可能だ」とAtkinson氏は話している。
 現在の携帯電話は小型のコンピュータと化しており,ソフトウェアをダウンロードすれば,通常の通話中に表示される画面を変更できる。その後,スパイウェアでFBIに電話をかけ,所有者がまったく知らないうちにマイクを作動させることも可能なのだ(12月1日現在,FBIはコメントを拒否している)。
 「電話機の設定が実際に変更され,盗聴器になっている場合,対抗するには,盗聴器発見の専門家に24時間ついていてもらう手もあるが,これは現実的ではない。あとは電話機からバッテリを取り外すしかない」とAtkinson氏は言う。実際,セキュリティを意識する企業幹部は日常的に携帯電話からバッテリを外していると,Atkinson氏は付け加えた。
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/MAG/20061205/255997/

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2009年08月26日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その11(流行期に備えて)

新型インフルエンザにどう備えるか?
8月中旬からメディアの報道量が一気に増加しました。
日本で初の死者、夏休みの合宿等での集団感染、国内での感染者急増・・・これらは当然起こるべくして生じた事態ですが、日本はパニック発生前夜のような雰囲気です。しかし、個人が何をどうすれば良いかの情報はあまりありません。以下は日経BPサイトの記事を参考にピックアップしました。

個人でできる対策は
「季節性インフルエンザ」と基本的対応は原則同じ。
具体的には、手洗い、マスク、うがい・・・人混みに出ない。

罹患したら
厚労省は、持病があるなど一部を除けば「必ずしも受診する必要はない」という立場、と言います。しかし季節性インフルエンザの10倍程度の致死率であることを考えると早期受診は必要かもしれません。このあたりの判断の基準がきわめて曖昧です。

回復後は
「解熱後2日」「症状が出てから8日目」までは他人に移す可能性があるので外出を控えるように、とのことです。

詳しくは
新型インフルエンザ、1週間で11万人発生で、ついに日本も「流行期」入り 
日経BP社SAFETY JAPAN(2009年8月24日)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20090824/175990/?P=1

自己診断と対処法は こちら(厚生労働省)

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2009年08月25日

認知症について その3(不安と症状)

このブログで以前書いた関連情報を再掲します。

担当授業「老人・障害者の心理」で大井玄氏(内科医、東大学名誉教授)
の講演を紹介しました。 要約は 
こちら

以上をを参考にポイントをまとめました。

大井先生は
「被害妄想を起した時にも、決して面子をつぶすようなことは言わないし、態度でも示さないことが大切」
「琉球大学の真喜屋浩先生の調査によると、沖縄の老人たちは認知症になっても、周辺症状をほとんど現さない」
とおっしゃっていました。
 
認知症の症状には中心となる症状(「記憶系の障害」や「見当識や判断力の低下」など必ずみられる症状)と周辺症状(個人差が大きく、必ず発現するとは限らない症状)があります。周辺症状の主なものは、幻覚、妄想、はいかい、異食、攻撃行動、虚言、抑うつ、睡眠リズム障害などがあり、介護の現場では重要な中核症状ともいえます。

記憶などの障害は脳の器質的変化に関係があります。つまり脳の実質が生物学的に変化したことが原因であると考えられます。従って中枢神経の変性によるものであり、現時点の技術では症状の大きな改善は困難です。なお、将来的には神経幹細胞を使った再生医療の技術により、脳や脊髄の修復も「夢」ではないといわれています。

一方、周辺症状はストレスや不安などの心理的要因が強く影響すると考えられ、その意味で脳の機能に関係するものです。従って人間関係やコミュニケーションなどの環境的要因によって症状の改善が十分期待できます。

周辺症状を軽減するコツは

その1
とにかく「肯定的対応」を貫く
 (「否定的・批判的対応」や「懲罰的対応」は相手を追い詰めてストレス状態に追い込みます。これでは症状が悪化して当然です)
そしいて「信頼とコミュニケーション」のチャネルを構築する

その2
のんびり、安心な環境
(ゆっくりした時間の流れが重要)

その3
丁寧で敬意をもって接する
肯定的対応(「あれもダメこれもダメ、こうしなさい」の逆パタン)
些細なことでも良い点を見いだしほめる(間違いを指摘してただす逆パタン)

高齢者=短気、ガンコという認識はステレオタイプ的(偏見による決めつけ)です。

一般に高齢者はストレスや不安に対して敏感・繊細となっています。

その主な理由は、体力や記憶力そして気力などが相対的に低下しているのに気がつくからです。これまで平気で出来ていたことが出来なかったり苦労をする現実に気がつきます。心身のパワーが落ちていくのは加齢に伴う自然の変化ですが、それを受容し、たとえば記憶系を補助するメモ帳の活用など、新たなる対応を身につけていくには時間がかかります。

「廃用症候群」は四肢の筋肉の萎縮について使われる用語ですが、20歳の健常者でも骨格筋を使わなければ筋萎縮が起こります(NASAの宇宙飛行士実験)。一方、100歳を超えた方でも、筋肉トレーニングで大腿四頭筋が筋力増強する事実があります。

脳細胞もおそらく類似の性質があると思います。筋細胞より脳細胞のネットワーク(ニューラルネット)の方が遙かに可塑性が高いですから、高齢だとあきらめずに脳を刺激し活性化させることはきわめて大切だと思います。

タグ:医療
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2009年08月18日

北欧海域の夏景色2009

北欧海域の夏2009
クリスタル・シンフォニーCrystal Symphony、2009年夏は北欧海域にいます。
同海域はこの季節多くのクルーズ船が行き交います。
ブリッジカメラから航海海域の日の出日の入りの美しい風景を楽しめます。
クリスタル・シンフォニー、セレニティーブリッジカメラ
なお、ブリッジカメラにリンクするページのデザインが変更になりました。
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2009年08月14日

認知症について その2(症状)

認知症の主な症状
認知症の原因により様々ですが以下の特徴があります。
中心となる症状
「記憶系の障害」や「見当識や判断力の低下」など必ずみられる症状があります。
脳細胞やニューラルネットワークのトラブルによるもので主に生理学的要因によります。
周辺症状
個人差が大きく、必ず発現するとは限らない症状です。
周辺症状の主なものは、幻覚、妄想、はいかい、異食、攻撃行動、虚言、抑うつ、睡眠リズム障害などがあります。
不安やストレスなど心理的な要因により影響を受けます。
タグ:医療
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2009年08月13日

認知症について その1(原因)

認知知症の原因は
市原は長年リハビリテーションの現場で仕事をしてきました。また、「障がい者の心理」と言う授業もうけ持っています。専門は生理心理学で基礎と臨床の連携に興味があります。この項目では認知症についてのメモを書いていきます。

認知症の原因は様々ですが、80%以上が脳血管障害かアルツハイマー病とされます(日本)。
脳血管障害とは脳の血管にトラブルが発生し、脳細胞に血液が供給されず、その結果壊死状態になるため脳の機能が低下します。具体的には脳梗塞(血管の狭窄・閉塞)が多く、そして脳出血(脳血管からの出血)がそれに続きます。
アルツハイマー病は脳細胞が徐々に変性し大脳が萎縮する原因不明の疾患です。
高齢になると認知症になるのでは・・・と不安になる人が多いのですがそれは誤りです。たしかに、高齢になると記憶機能の低下が加速しますが、最近の生理学による知見では、相当の年齢になっても生活に支障きたさす記憶障害は発現しないと考えられています。つまり「加齢」=「認知症」ではありません。
タグ:医療
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2009年08月11日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その10(東欧の危機)

「世界恐慌の危機」はどうなったか
金融危機が再燃する可能性があるとの記事が日経BP社のコラムに掲載されています 
こちら
ヨーロッパの実体経済は深刻な不況が続いており、一触即発の緊迫した状況と言います。同様の指摘は文藝春秋2009年6月号、「次なる金融危機は欧州から始まる」( 金融マン匿名座談会)の記事にもリアルに描かれています。

著者の小宮一慶氏(経営コンサルタント)は、「だから私は、今は株を買いません。その理由は、日本の企業業績が非常に悪く、今期の予想も含めてこれからどんどん発表されることと、先ほどから述べているように、世界の金融がいまだに極めて不安定で、大変な状況だからです。株で資産運用をしている人は、景気の動向に注意をしたほうがいいでしょう」と述べています。

一方、「東欧発の世界金融危機は大げさだ」との記事が2009年6月のニューズウイーク誌ウェブサイトに掲載されています(著者はルチル・シャルマ、モルガン・スタンレー・インベスト・マネジメント新興市場責任者) 
こちら

以下一部引用すると、「国外からの資本の流入が激減した結果、ラトビアは自国通貨の対ユーロ固定相場制を放棄し、為替レートの切り下げに踏み切る羽目になるかもしれない。そうなれば、主に外貨建てで巨額の債務を抱えているラトビアの一般世帯と金融機関は大きな打撃を受ける。

 影響はラトビアの国内だけにとどまらない。もしラトビアが固定相場制の放棄に追い込まれれば、近隣のエストニアやリトアニア、ブルガリアも追随せざるを得なくなりかねない。

 しかし、たとえこのシナリオが現実になるとしても、新たな世界金融危機の引き金うんぬんという議論は大げさ過ぎる。これらの国の経済の規模はせいぜい250億?500億ドル程度。世界経済への影響は限られている」と言います。


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2009年08月07日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その10(世界の死者1000人超)

新型インフルエンザの感染状況が見えない
国立感染症研究所のサイトには「厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部事務局による情報収集方法が変更となったため、7月25日以降更新はありません」となっています。WHOのデータでは2009年7月31日が最終更新で感染者数162,380、死者1,154です 
こちら

科学的研究は正確なデータに基づかなければ意味がありません。疫学でのデータ収集・実態把握がきわめて困難であることが今回の事例でも明らかです。しかし、データ収集をあきらめてはいけません。我々個人にとっても、報道や「当局発表」の情報を最大努力で追っかける必要があります。今回のウイルスは「弱度毒性」ゆえ深刻なパニック現象は発生していませんが、「強毒性」に変異する可能性はあるわけで、その際どのようなリスクコミュニケーションのモデルが必要か、緊急に確立する必要があります。
最近は、マスコミによる報道も散発的です。以下は8月5日の記事です。

新型インフル:世界の死者1000人超す 大半が米州地域
毎日新聞 2009年8月5日
 【ジュネーブ澤田克己】世界保健機関(WHO)は4日、新型インフルエンザH1N1による全世界の死者が7月末時点で1154人に達し、1000人を超えたことを明らかにした。このうち1008人が、北米と南米を合わせた米州地域での死者だった。

 WHOに報告があった感染確認例は、7月末時点で168カ国・地域の16万2380人。だが、感染者が多い国では感染が疑われる患者全員の遺伝子検査を行っておらず、WHO報道官は「実際の患者数は誰にも分からない」としている。

 WHOは、症状を重くするようなウイルス変異が起きることを警戒しているが、今のところ、そうした変異は確認されていない。抗インフルエンザ薬「タミフル」に対する耐性を持つウイルスが6症例で確認され、このうち3症例は日本で、残りは、デンマークと香港、カナダが各1症例だった。
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2009年07月23日

慢性疲労症候群について

ネットには医療情報があふれています。
生理心理学の授業で「慢性疲労症候群」の話をしたところ、
「慢性疲労症候群の疑いがあるとき何科を受診すればよいですか?」との質問が来ました。
そこで、とりあえずネットで検索したのですが「難航」しました。
定番のウィキペディアにはかなりの記述がありますが、その信頼性と妥当性については玉石混淆と感じます。
診療については膨大なサイトがあるのですが、「堂々巡り」の感もします。
情報検索の難しさを実感しました。

その結果以下の情報を授業ブログに掲載しました。

診療科としては「心療内科」が近いようですが、まだあまり一般化していないようです
以下参考情報です
大阪市立大学医学部附属病院、疲労クリニカルセンター
→2006年3月での地域別病院(大学)名一覧があります
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/21coe/CFSshinryo.htm
大阪市立大学病院には「慢性疲労外来」があります。
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/hosp/faq/faq03.html
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/21coe/index.html
タグ:医療
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2009年07月19日

ネットブック新潮流2009夏

大学生のパソコン離れに歯止めがかかるか?

今や大学生のメールはケータイ利用が圧倒的多数派です。パソコンによるメール利用は激減しています。ウェブ閲覧もケータイが主流になりつつあります。その結果学内のパソコン室は明らかに以前と比べ空いています。

また、ようやく日本でも本格的に発売されたスマートフォンもパソコン離れを後押ししそうです。
 
一方、最近になって家政学院大学でもノートパソコンを持参する人がチラホラですが現れています。先日、授業中にパソコンを使っている人を初めて見受けました。
とりあえずで良ければ、今や2万円台後半でネットブックが購入できます。
そこで、2009年のネットブック新トレンドは・・・
 
1 長時間バッテリー使用可能
  数時間から10時間程度使用可能な機種が登場。
2 高精細画面の採用
  1,366×768ドット(WXGA)表示機種が登場。これまでは1024x600(WSVGA)が主流でしたがその差は歴然です。
3 デザイン性の重視
  カラフルな色彩。スマートな形態の機種が登場。
 
これらを満たす一例が
ASUSTeKのEee PC 1101HA です(2009年7月25日発売予定)こちら
 

バッテリーが数時間利用できれば授業時も安心して利用できます。時間が短くても良ければ以下の機種も注目です。
ソニー初めてのネットブックもWXGA (1366x768)ディスプレーを採用しています(2009年7月下旬発売予定)こちら
デルのInspiron Mini12もWXGAを採用しています(2008年11月発売)こちら
AcerのAspire One 751もWXGAを採用しています(2009年5月発売)こちら
 
問題は5万円台後半の値段がどこまで下げられるか?
各メーカーから新コンセプトのネットブックが発売されるのを大いに期待!!

ネットブック/UMPCリンク集
こちら

タグ:便利情報
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2009年07月08日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その9(日常生活への脅威)

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新型インフルエンザの感染拡大に歯止めがかからない

個人的に関わっている2つの大学で感染が同時に発生しました。なお、両大学は横浜線沿線にありますが今回の感染発生に共通項はないと思われます。

市原が勤務する東京家政学院大学で非常勤講師の方が新型インフルエンザに感染し、担当科目の受講生150名余が7月6日(月)から9日(木)まで「出校停止」となりました。さらに、市原が非常勤講師として勤務している桜美林大学から連絡があり、町田キャンパスが新型インフルエンザに感染した学生が複数確認されたことにより7月8日(水)〜7月12日(日)の間閉鎖されることになりました。

「医学界新聞」(医学書院発行の週刊新聞)の2009年新年特集号が「インフルエンザパンデミック」でした。
ここでは鳥インフルエンザ(H5N1)を想定していますので、現在の新型インフルエンザA(H1N1)とは異なりますが、日常生活面でのコメントを抜粋してみると第2次流行に備え個人が何をなすべきかが見えてきます。
国家防衛戦略で万全の体制を整えていたはずのアメリカが、現時点で世界最大の感染者数である事実は非常に示唆的です。

以下抜粋します(医学界新聞第2812号 2009年01月05日を一部改変)

生活インフラで何が起こるか
新型インフルエンザによるパンデミックが起こった際に,どのようなことが予想されるのか。
一般の職場では,発病のため相当数の欠勤者が出ることが予想される。さらにそれ以外にも,家族の看病,学校や保育所などが閉鎖されるなどの理由で欠勤者が増えると考えられる。
そうした事態になると電気・ガス・水道などのライフライン,公共交通機関や運送業務などにも大きな影響が出ることが危惧されている。また日本の場合は特に,多くの患者が医療機関を受診することが予想され,その急激に増大する医療需要に対応するために,医療資源の確保あるいはその有効利用に向けたトリアージが重要になる。
過去のパンデミックをもとにした厚生労働省の試算では,医療機関を受診する患者数は1300―2500万人,入院患者数53―200万人,死亡者数17―64万人と推計している。

パンデミックが始まるとコントロールは困難
いったんパンデミックが始まってしまえば,現在の医学・医療ではきわめて限定的な状況を除いてウイルスを封じ込めることは難しく,その影響を完全にコントロールすることもできない。
しかしその一方,さまざまな対策を組み合わせることで被害を最小限に抑えることが可能なことも,各国で検討されている疫学モデルで示唆されている。幸いに新型インフルエンザ対策の基本予測される事態と被害想定して,スペインインフルエンザの時代にはなかったワクチンや抗ウイルス薬,公衆衛生上の対策に関する科学的根拠を私たちは持っている。

パンデミックでは他地域からの援助は期待できない
これらの対策を流行が起きてから考えても遅い。また従来のインフルエンザから想像できるように,地震や台風などの局所的災害とは違って,その社会的影響は同時に多発的に起こると考えられるので,各地域でさまざまな対策を立案および実行する必要がある。地域ごとの十分な事前準備と社会全体の協力が,被害を最小限に抑えるためには必須である。

アメリカの国家防衛的発想の戦略
虫明(NHK報道局科学文化部記者)
アメリカの場合は,2005年から国家安全保障上の問題として,年間約9000億円の特別予算を投入し,パンデミック対策を開始しました。政府が危機管理の問題として新型インフルエンザ対策をとらえたかどうかの違いがいちばん大きかったと思います。

 アメリカでは国土安全保障省を中心に,各省庁に明確な行動計画があります。それに基づき,すべての項目についてタイムラインを設けて実行し,成果を国民に示すという行政の枠組みを持っています。また,危機管理対策の伝統が非常に長いので,行政や医療機関にもさまざまなノウハウが蓄積されていることが日本と異なる点です。日本では,何か実施したときに,「結局起きなかったじゃないか」という批判が起こり得ますが,アメリカは最悪の状況を想定した体制整備に対して,ポジティブになり得る環境があります。


インフルエンザの未来予測は難しい
押谷(東北大学大学院医学系研究科 微生物学分野教授)
 日本での初発例が過疎地のような限られたシナリオなら別ですが,一度国内に入ってしまえば封じ込めは難しく,感染拡大は避けられません。

 ではその場合にどう対応するか。アメリカは早期封じ込めを最初から考えていません。パンデミックが起きたときに何ができるのか,シミュレーションを行い,その結果をもとに,2007年にCommunity Strategy for Pandemic Influenza Mitigationをまとめました。「被害をいかに最小限に抑えるか」という視点で対策を行っています

押谷
 最後にもうひとつ,パンデミック時にコミュニティでの対応をうまく機能させるためには,新型インフルエンザについて国民に正しく理解してもらう必要があります。

虫明
 情報の出し方を間違えると,心理的なパニックを引き起こしかねませんね。

川名(防衛医科大学校 内科学講座2感染症教授)
 地震や津波で起こる被害については想像しやすいですが,「新型インフルエンザが発生したら何が起きるか」というのは,専門家でさえ意見がばらつきます。一定のイメージを最初から共有するのが非常に難しい。


関係リンク(医学界新聞第2812号  2009年01月05日)
http://www.igaku-shoin.co.jp/contents/picture/paper/nwsppr/n2009dir/n2812dir/n2812_01.pdf

http://www.igaku-shoin.co.jp/contents/picture/paper/nwsppr/n2009dir/n2812dir/n2812_02.pdf

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02812_03

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2009年06月30日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その8(不気味な拡大)

6月末に注目すべき報道がありました。
ニュースヘッドラインは
新型インフルエンザ アメリカ疾病対策センター、米国の感染者は100万人以上と推計
フジテレビ系ネットのニュースですがNHKや共同通信でも配信されました。
日本では6月に入って気温が上昇しても感染が続き、20歳代以下が感染者の8割を占めているのも特異的傾向です。感染者数は29日午前11時現在で42都道府県1214人となっています。世界的にみても9番目(26日現在)に多いといいます。

しかし最近の大学生の受け止め方は「エッ、まだ流行っているの?!」が平均的です。社会一般も似たようなものだと思います。現実との乖離が大きいのが気になります。新型インフルエンザの報道が減少し興味関心が薄れています。そうした中で下記の記事は、新型インフルエンザの現状を手際よくまとめていると思います。疫学データの「信頼性」は元々不安定ですから、その意味でも今後の感染状況は注意深く観察する必要があります。

国立感染症研究所の速報サイトは こちら

新型インフル、不気味な拡大
 読売新聞)2009年6月30日
米CDC「真夏に消滅」撤回
新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染者が、世界で増え続けている。世界保健機関(WHO)がウイルスの警戒水準を「フェーズ6」に引き上げ、世界的大流行を宣言してから半月余り。
 ウイルスが活発化する冬に入った南半球だけでなく、夏を迎える北半球でもウイルスは依然、広がっており、病原性を増すようなウイルスの変化にも警戒を怠れない。(ワシントン 山田哲朗、バンコク 田原徳容、ジャカルタ 林英彰、ジュネーブ 平本秀樹)
南半球で急増
新型インフルエンザが最初に発生したメキシコのリゾート地カンクンで7月1〜3日、WHOのマーガレット・チャン事務局長や日本の厚生労働省幹部も参加して、国際会議が開かれる。新型インフルエンザ対策を練り直すのが狙いだ。
 メキシコと共に最初に感染が広がった米国は、感染が確認された人が2万人を超えており、今も世界最大の感染国だ。米疾病対策センター(CDC)による25日の集計では、感染者は1週間前より6000人以上増え、感染の勢いは加速している。
 CDCは当初、「北半球でウイルスは、真夏になれば消える」と予測したが、秋冬の流行シーズンまでじりじりと感染が続くとの見通しに改めた。CDCは26日、受診していない軽症患者を入れると全米の感染者はすでに100万人以上に上るとの推計を示した。
 南半球では、感染拡大の勢いはさらに著しい。WHOによると、豪州と南米アルゼンチン、チリの3か国の感染者の合計は、26日までの1週間で3600人増えて、9800人を超えた。人口当たりだと、米国の2倍以上のテンポだ。
 28日実施のアルゼンチン議会選挙では、マスクをかけて投票する有権者が目立った。
 同じ南半球でも、サハラ以南のアフリカ地域では、感染例は今のところごく少ない。だが、医療関係者の間で、貧困ゆえに病院に行けない住民の間に、流行がすでに広がっているのではないかと危惧(きぐ)されている。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域では、加盟10か国すべてで新型インフルエンザ感染者が確認されている。タイやフィリピン、シンガポールでは、連日数十〜百数十人のペースで感染者が増えている。特に学校や飲食店、軍施設での集団感染が目立つ。
 フィリピンでは、死亡した感染者が下院の職員だったため、23日以後、下院が閉鎖されている。
 ASEANの中でも所得水準が低い、カンボジアやラオス、ミャンマーで6月下旬に最初の感染者が出た。カンボジア保健省の担当者は「爆発的に増えれば対応が難しい。先進国の支援が必要」と訴えた。
「鳥」との混合警戒
インドネシア上陸
 インドネシアでは24日、2人の感染例が初めて確認され、感染者は28日に8人に増えた。
 インドネシアは、高い致死率を持つ強毒性の鳥インフルエンザの世界最大の流行地域で、4年ほどの間に100人以上が死亡している。鳥インフルエンザは今年も中部ジャワ州プルバリンガ県の20村で鶏へ感染が広がっている。新型インフルエンザの上陸で、二つのウイルスが混ざり合い、致死率、感染力ともに強力な新たなウイルスが出現する可能性が懸念されている。
 永井美之・理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センター長は、「理論的に、新型インフルエンザとH5N1型鳥インフルエンザのウイルスが、豚や人の体内で混じり合って新しいウイルスが生まれる可能性がある」と指摘する。
 チャンWHO事務局長は25日、記者団に、「ウイルスの動きはまったく予測できない」と述べ、ウイルス遺伝子の監視に力を入れていく方針を強調した。
国内「長期戦覚悟」
 国内では、関西での新型インフルエンザの感染が一時のピークを過ぎた後も、各地で感染者が相次いで見つかっている。厚生労働省などによると、感染者数は29日午前11時現在で42都道府県1214人(検疫、在日米軍基地を含む)に達した。世界的にみても9番目(26日現在)に多いという。
 6月に入って気温が上昇しても感染が続き、20歳代以下が感染者の8割を占めるなど、季節性インフルエンザと異なる傾向を示す。ただ、現時点で重症化した症例はなく、約7割はすでに治癒している。
 岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長は「感染経路がはっきり分からないケースが増えている。地域的にもばらけており、感染がくすぶっている」として、今後も断続的に感染が広がると予想する。政府の諮問委員会委員長の尾身茂・自治医大教授も「秋冬に、感染が大きく広がる可能性が高い。長期戦の覚悟をした方がよい」と注意を呼びかける。
 政府は秋以降の第2波に備え、感染者は原則、全医療機関で受診し、重症者以外は自宅療養とする方針を示した。新型向けのワクチンは、国内4メーカーが来月にも製造に着手する方針だ。(科学部 高田真之)
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2009年06月19日

インターネットは矛盾そのもの その4(ウィキペディア問題)

「ウィキペディアに殺害予告容疑」には正直驚きました。
記事にもあるように「2ちゃんねる」など掲示板サイトではこの種の事件は有りました。が、ウィキペディアでこのような記述を見せられるショックは大きいと思います。
しかし、ウィキペディアの「危険性」「信頼性」は常に警鐘が鳴らされていましたから、落ち着いて考えてみるとこの種の事態は起こって当然とも言えます。「ウィキペディア」は「コスモス的世界」(「秩序」「調和」「美しさ」)。「2ちゃんねる」は「カオス的世界」(秩序なき状態、と同時にすべての事物を生みだすことのできる根源)といえます。共に両極端の世界を象徴しています。まさにインターネットが内包する矛盾を端的に示しています。
以下はその記事です。

ウィキペディアに殺害予告容疑 福岡の高3男子逮捕
朝日新聞 2009年6月18日
 誰でも自由に執筆・編集できるインターネットの無料百科事典「ウィキペディア」に殺害予告を書き込んだとして、警視庁は、福岡県古賀市に住む高校3年の男子生徒(17)を威力業務妨害容疑で逮捕したと18日発表した。同庁は、男子生徒は「十数回やった」と容疑を認めているとしている。ウィキペディア上には昨年12月〜今年5月、特徴の似た犯行予告が約100件あるといい、同庁は男子生徒が書き込んだ疑いがあるとみている。
 捜査1課によると、ネット上の犯行予告は従来「2ちゃんねる」など掲示板サイトへの投稿が多いが、最近、ウィキペディアが標的になる例が出ている。ウィキペディアへの書き込みが逮捕容疑となったのは、全国で初めてとしている。
 男子生徒の逮捕容疑は、2月26日午後2時半すぎ、自宅のパソコンで、ウィキペディアの編集機能を使って「釈迦」の項目に「3月8日に東京ビッグサイトのイベント会場で、参加者をライフル銃と手投げ弾で皆殺しにする」などと書き込んだというもの。東京ビッグサイト(東京都江東区)では3月8日、マンガ同人誌の即売会が開催されていた。
 同課によると、男子生徒とみられる投稿はゲーム関連の項目が多く、犯行予告を書き込む場合はドイツなど海外に置かれたサーバーを経由させていたという。


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2009年06月07日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その9(米GMなど破産と大恐慌)

世界金融危機の緊張は現在も続く
世界金融危機は「一段落」との報道も散見しますが、カルフォルニア大学バークレイ校のアイケングリーン氏とダブリン大学のオラーク氏による、1929年大恐慌とのデータ比較によれば、金融危機は現在も決して楽観を許さない緊迫した状況であることがわかります。
http://www.voxeu.org/index.php?q=node/3421

アメリカでは4月と6月に注目に値する巨大企業の「連邦破産法11条」申請がありました。

その1
4月16日、米ショッピングモール第2位のGeneral Growthが破産法11条を申請しました。負債総額は2兆7000億円と巨額です。アメリカでは「巨大ショッピングモール」が今や不調業種だと聞きました。以下は日経新聞の記事とウオールストリート・ジャーナルのリンクです。
 
●全米2位のマーケットモール
米不動産ゼネラル・グロース、破産法申請 負債2.7兆円
日経新聞 2009年4月16日
 経営難に陥っていた米商業用不動産2位ゼネラル・グロース・プロパティーズは16日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。負債総額は272億ドル(約2兆7000億円)で、米企業の倒産としては今年最大規模。同社は約200のショッピングモールを保有し、信用収縮による資金繰り悪化に加え、不動産市場の低迷と個人消費の冷え込みが追い打ちをかけた。
 ゼネラル・グロースは大型モールの開発から運営までを手掛け、多額の不動産担保証券を発行して積極的な投資を続けてきた。債権者にシティグループやドイツ銀行など大手金融機関が名を連ね、昨年から繰り返し、負債返済の先延ばしに応じていた。(ニューヨーク=杉本晶子)(16日 22:49)
 
●ウオールストリート・ジャーナル(米)
http://online.wsj.com/article/SB123985534483724219.html

その2
米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)が1日連邦破産法11条を申請したのも重大事態です。

●米GM:破産法を申請 負債16.4兆円、オバマ大統領「必ず復活する」
毎日新聞 2009年6月1日
 【ワシントン斉藤信宏】経営危機に陥っていた米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)は1日午前(日本時間同日夜)、ニューヨーク市の破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。資産規模(08年末)は910億ドル(約8兆6500億円)で、米メディアによると負債総額は1728億ドル(約16兆4000億円)。米企業では過去4番目、製造業では過去最大の破綻(はたん)となった。不採算事業を分離した新生GMは、米・カナダ両政府が計396億ドル(約3兆8000億円)の追加支援を実施する。米政府が60%、カナダ政府が12%の株式を取得し、GMを一時国有化。6〜18カ月で再上場を目指す。
 1日会見したオバマ米大統領は「深刻な景気後退と金融危機の中で自動車大手の破綻が相次げば、業界を超えて米国経済全体の崩壊につながりかねない」と述べ、破産法申請したGMに対する政府支援の必要性を強調した。また、「GMは持続可能な企業として必ず復活するだろう」と、再建は十分可能との見方を示した。
 クライスラーも4月末に同11条適用を申請しており、昨秋以降深刻化した米大手自動車3社(ビッグ3)経営危機問題は、フォードを除く2社が破綻する歴史的な転換点を迎えた。
 GMは今後、破産裁判所の管理下で事業を継続しながら、再建計画を策定する。米工場の従業員を10年までに35%減の4万人に減らし、工場数も47から33に削減することなどが柱。米政府とGMは今後、60〜90日で破産手続きを終え、早期再建への道筋を付けたい考え。
 米政府は再建に向けて巨額債務の足かせを外すには破産法11条の活用は不可避と見て、これまで債権者や全米自動車労組(UAW)への事前調整を進めてきた。その結果、5月29日には労務費削減でUAWと合意、また、難航した債務削減交渉でも最大25%の新生GM株を提供することで金額ベースで社債保有者の5割以上の同意が得られたため、破産法申請に踏み切った。
 新生GMは販売ブランドを「シボレー」など四つに集約、年間の新車販売台数で500万〜600万台程度と規模を従来の6割程度に縮小して、再建を目指す。
 GMは拡大路線と販売不振で債務を膨張させ、09年1〜3月期(59億7500万ドルの最終赤字)まで7四半期連続の赤字を計上。累計の赤字総額は約821億ドルにも上った。
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2009年06月02日

ネットにファイルを保存し共有する

WEB上に自分専用のハードディスクを持てる無料サービスです。
クラウドコンピューティングの一形態です。
ネットにつなげばどこからでもアクセスできます。
サービスサイトの一つが「Dropbox」です。容量は2GBまでなら無料。 
使用しての実感は「便利」「実用的」です。
ただし他のクラウドサービスと同じく、セキュリティについては「未知数」です。

「Dropbox」の紹介サイトは
こちら

使い方は
手元・自分のパソコンの延長として使う場合
→ネット上のハードディスクにアクセスしていますがそれを意識する必要がありません。手元パソコンのデータとネットストレージ上のデータは自動的に最新情報に同期(されます。
1 ソフトをダウンロードして実行する 
こちら
2 メールアドレスやパスワードを入力(ユーザー登録)
3 「マイドキュメント」にドロップボックスの専用フォルダ「マイドロップボックス」が作られる
4 保存したいファイルを「マイドロップボックス」にドラグ・アンド・ドロップする
  (ネットストレージと手元パソコンの両方にファイルが保存される)
5 出先で使うパソコンに1-4と同じくソフトをセットする
  その際、2のステップでI already have a Dropbox account にチェックを入れる
以上でネットに繋がった複数のパソコンからファイルを共有できる

出先のパソコンからファイルにアクセスする方法
「Dropbox」のウェブサイトにアクセスすれば専用ソフトを使わなくても「マイドロップボックス」にあるファイルをダウンロード可能です。大学や会社などソフトのインストールを禁止しているパソコンからもアクセスできます。
1 Dropboxにアクセスする 
こちら
2 画面上段にある「メールアドレス」と「パスワード」を入力する
3 ファイルにアクセスできる
  (ファイルをダウンロードした場合ファイル名が化けるの場合がある)
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2009年05月29日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その7(心理的問題)

伝染病は病気そのものは当然として、感染の心理社会的影響が極めて重要です。
14世紀ヨーロッパで黒死病とよばれたペストが大流行し3千万人余が死んだと言われます。これは中世封建社会を崩壊させるきっかけの一つとなりました。

伝染病の拡散を防ぐには「隔離」が究極の方法であるのは当時も現代も変わりません。
そして「隔離」は最大級の心理的ストレスです。なぜなら「差別」と「排除」が正当化される恐れがあるからです。今回の新型インフルエンザでも、患者さんのみならず関係先(学校や会社)が誹謗中傷される現象が発生しています。

以下に関連した記事があります。

●「感染したら、行動バレちゃう」 夜の外出控える動き
朝日新聞 5月28日
新型の豚インフルエンザの感染者が国内でじわじわと見つかっていることを受け、就職活動や、夜の外出、そしてスポーツなどに影響が各地で出始めている。感染予防とはいえ、なかには過剰ともとれる動きもある。

 平日の夜10時すぎ。高級クラブなどが集まる東京・銀座は人通りが少なく、客引きの男性ばかりが目立った。「不況に、インフルエンザで追い打ちをかけられた感じ」。客のいないスナックで、50代のママがため息をついた。
 「夜遊び禁止」の通達を出した会社もある。都内の外資系IT企業は「感染のリスクを防ぐため」との理由で、社内外の宴会や食事会の禁止を社員に通告。20代の女性社員は「飲み会を2件キャンセルしました」と不満顔だ。
 感染者や周辺への行動調査を心配する向きもある。
 新型インフルエンザへの感染が確認されると、自治体は感染症法に基づき、感染者に発症前の行動や「濃厚接触者」のことを調査する。さらに周囲の人たちにも「接触者調査」を始める。そのうえで、感染者の行動を記者会見などで公表している。これまでのケースでは、野球観戦やユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったことなどが公表されてきた。さらに、接触者に対しては、保健所から外出自粛も要請される。
 法律事務所に勤める都内の男性(52)は「感染したときに行動のすべてを明らかにするのは勘弁してほしい」と話す。最近はまっすぐ帰宅しているという。(三橋麻子、石田博士)
    ◇
 新型インフルエンザの影響は、本格シーズンを迎えた学生の就職活動にも広がる。
 5月下旬に採用試験をした大阪市の機械メーカーは、学生全員がマスクを着けて臨んだ。会社側も人事担当者らがマスクを着用。参加した男子学生は「声がこもって、説明がよく聞こえなかった」。筆記試験中も息苦しさを感じ、集中できなかったという。
 名古屋市の食品会社の採用試験も全員マスク姿。同じくマスクをした先輩社員への質問コーナーがあったが、参加した女子学生は「顔が隠れているから、積極的に質問できた」。一方、兵庫県内の商社の試験を受けた男子学生は、面接官のマスク姿に「表情が分からず、手応えがあったのかどうか」と戸惑う。

 NTTファシリティーズ(東京都)は21日、都内での説明会を中止した。日立製作所(同)も5月下旬に大阪で予定した説明会を中止。都内の外資系IT企業は、学生によるグループ討論の予定を筆記試験に変えた。急な変更は「顔をあわせると感染のリスクが高まってしまう」との理由からという。(島康彦)

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2009年05月22日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その8(09年度の実質GDP戦後最低を更新)

GDP2009.JPG
危機の連鎖;経済と病気
「危機襲来」はこのところ新型インフルエンザ一色ですが、GDPデータも経済危機が続く予想を出しています。就活の大学生が受ける企業数は「数十社」に至り、大学で授業「崩壊」を連想させるナレーションがNHKクローズアップ現代(2009年5月19日放映)で紹介されていました。経済データを見るとあながち誇張ではないように感じます。以下は日経新聞のデータと記事です。

2009年度の実質成長率、マイナス4.1%に・NEEDS予測

日本経済新聞 5月20日
日本経済新聞デジタルメディアの総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、5月20日に内閣府が公表した2009年1−3月期の国内総生産(GDP)速報を織り込んで予測したところ、09年度の実質GDPは4.1%減と大幅なマイナスになった。2年連続で戦後最低を更新する見通しだ。

 世界経済の低迷による貿易の縮小で生産が激減。その影響が雇用と所得を通じ家計に広がっている。その一方で、生産調整が進んだため、足元の月次指標は底打ちの兆しを示し始めたものもある。どこまで落ちるのか見当すらつかなかった数カ月前の状況に比べれば、日本経済は徐々にではあるが不透明感が薄れてきている。続きを読む
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2009年05月15日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その6 (最悪シナリオ)

新型インフルエンザの将来について様々なシナリオが飛び交っています。
EBM(Evidence-Based Medicine)「科学的根拠に基づいた医療」
今回の感染拡散にも当てはまります。CDCやWHOの公開情報からは断片的なEvidenceしかないと感じます。
毎日新聞に一つのケースが紹介されています。
まさに
「認識において悲観主義者、意志において楽観主義者たれ」 グラムシGramsci(1891-1937)

新型インフルの「最悪」 冬に再襲?闘いはまだ始まってもいない
毎日新聞 5月13日
 新型インフルエンザの感染者は13日現在、世界で6000人に迫る勢いで、日本でも発症者が出た。症状は普通のインフルエンザとほぼ同じらしいが、安心して良いのだろうか。最悪の場合に備え、専門家にワーストシナリオを聞いた。【國枝すみれ】
 <専門家が描く悲劇的シナリオ>
 ・免疫なく人口の2〜4割が罹患
 ・爆発的感染で戦時並み犠牲
 ・高病原性の出現
 ◇「それでも理性保って」
 ★「スペイン」の悪夢
 慶応大学の速水融名誉教授(歴史人口学)は、新型インフルエンザは1918年から3年間猛威をふるったインフルエンザ「スペイン風邪」に似ていると警告する。スペイン風邪のウイルス構造は今回の新型インフルエンザと同じH1N1型で、やはり弱毒型だった。だが最終的に世界で2500万〜4500万人の死者を出した。
 速水氏によれば、スペイン風邪は最初、人々の注意をひかなかった。1918年3月に米カンザス州の軍基地で発生。新兵数千人が罹患(りかん)し、数十人が死んだ。「3日風邪」と呼ばれ症状は軽かった。ところが8月後半までにウイルスが変異。最初の感染爆発が起きた米国の港町ボストンでは病院に死体が積み上がる惨状となった。
スペイン風邪は日本をどのように襲ったのか。東日本の32紙の報道によると、1918年4月3日に最初の感染報道が、5月中旬には死者が出るが、数件で終わる。はやりの症状は軽かった。「最初は相撲風邪と呼ばれていた。力士が次々と休場したから」
 しかし同年10月から再び死者が発生。11月だけで13万人以上が死亡。翌19年の12月〜20年2月にも流行に襲われ、ピークの20年1月には7万人以上が死んだ。死者の総計は45・3万人。「日露戦争の戦死者だって約8万人だったんだよ。いかに多くの国民が短期間に死んだかが分かるでしょう」と速水氏。
 スペイン風邪は2波、3波と襲いかかり、そのたび致死率は高まった。今回も南半球にウイルスが滞在し、日本がウイルスに適した乾いた冬になった時に再襲する可能性はある。ウイルスという概念さえなかった当時に比べ、現代社会は薬やワクチンがあり、情報網も発達している。だがジェット機やエレベーター、全館空調システムのビルなど密閉空間も生まれ、ウイルスに味方するものも増えた。速水氏は言うのだ。「新型インフルエンザとの闘いはまだ始まってもいない」。
★免疫がない
 免疫の有無で状況は大きく異なる。日本人の多くが免疫を持つ季節性インフルエンザでは毎年人口の1〜2割が感染、1万〜3万人が死ぬ。致死率は0・05〜0・1%。ところが、住民に免疫のないマダガスカル島に季節性インフルエンザが02年に上陸した際は、罹患率は67%、致死率は2%に達した。
 そして我々は新型インフルエンザに対する免疫を持っていないのだ。
 厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議の議長で、国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は、過去のパンデミックの感染率から推測して、新型のインフルエンザが国内で広がった場合、全人口の2〜4割が感染する可能性があるという。25%の感染と想定した場合、57年に流行したアジア型並み(致死率0・53%)の強さなら、入院患者は53万人、死者は17万人。スペイン風邪並み(致死率2%)なら、200万人が入院し、64万人が死亡する計算だという。
 今回の新型インフルエンザの致死率は、メキシコで0・4%だ。医療が進んでいる日本での数字は低くなるとみられる。
 しかし、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の土居弘幸教授(疫学・衛生学)は「今回の新型インフルエンザがもっと病原性や感染力を強めて、世界にまん延する可能性がないともいえない」と話す。
 糖尿病、人工透析、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)など基礎疾患を持っている人や妊娠後期の妊婦はインフルエンザが重症化しやすい。
 土居教授はいう。
 「必ず犠牲者は出る。仮に2、3カ月に64万人が死ぬようなことになれば太平洋戦争以上のペースだ。数カ月の間にあの人もこの人も死んだという事態が起きる。その時に冷静な対応をすること。いくら心配しても状況は変わらない。変えられるのは自分の行動だけだ」
★強毒性の恐怖
 岡部氏にもワーストシナリオを聞いてみた。
 「H5N1ですね」と迷わず答えが返ってきた。トリの間で流行している高病原性のインフルエンザウイルスだ。人に感染した例は数百件あり、一部では人から人への感染例も出ている。感染した場合、脳、心臓、肝臓、腸、血管内膜など全身にウイルスが広がる。WHO(世界保健機関)統計によれば、致死率は56%、10代に限れば73%にもなる。危険度は今回の新型インフルエンザの比ではない。
 また、地球上には豚とトリと人が一緒に暮らす地域もある。豚の体内でトリと人のウイルスが混じり合い、トリのウイルスの強毒性を保ったまま人間に罹患するタイプの豚インフルエンザウイルスが出現することもありえる。
 新型インフルエンザは今のところタミフルとリレンザが効くが、耐性を持つウイルスが生まれるシナリオも考えられる。
 強毒の新型インフルエンザがまん延したらどうするのか。土居教授が強調するのは理性だ。不要不急の外出はしない、マスクをして、うがい、手洗いをする、症状が出たら病院に行かず発熱外来に電話する、など決められたことを守ることが重要だという。
 「行動は制約されますが、空爆直下、戒厳令下と思えばいいわけです。サンフランシスコ大地震の時は暴動が起きたが、阪神淡路大震災では何も起きなかった。日本人の美徳を発揮すればいい」
 最悪のシナリオは、爆発的な感染で患者が一度に医療機関に押し寄せ、社会がパニックになって経済がストップすることだ。速水氏は「(ピーク時の外出を避けるため)3週間分の食料は備蓄しておきなさい。マスクは使い捨て」という。
 今ですら店頭でマスクは品薄だが、足りない場合は? 「70度以上のお湯で熱湯消毒してもいいよ。ウイルスは熱に弱いから」。マスクにアルコール(エタノール消毒液)をスプレーして、一晩干すという手もあるという。

 情報を集めて準備を整え、万一の場合は落ち着いて行動するしかなさそうだ。

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2009年05月12日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その5 (強毒型はなぜ生まれたか)

強毒型の高病原性鳥インフルエンザ
新型インフルエンザ2009を知る資料として、高病原性鳥インフルエンザに関する注目点を抜粋しました。
(田代眞人氏、ウイルス学、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長 インタビューより)
日経BP社SAFETY JAPANサイトより 2008年3月28日掲載
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/90/index.html
 
強毒型インフルエンザとは
 
―強毒型の高病原性鳥インフルエンザウイルスというのは、自然界には存在しなかったのでしょうか。
 
田代:過去、自然界に存在した鳥インフルエンザウイルスはすべて弱毒型で野鳥を殺しませんでした。今回の強毒型ウイルスは野鳥も殺します。それだけではなく、ほとんどのほ乳類に感染して死に至らしめます。当然、ヒトも例外ではありません。
 
――その強毒型、弱毒型というのは具体的にどういうことなのでしょう。
 
田代:従来のインフルエンザウイルスはトリ型もヒト型も弱毒型です。トリの場合は感染してもほとんど症状が出ませんし、ヒトでは気道の粘膜細胞など一部の細胞でしか増殖しません。ウイルスは細胞に入り込んで増殖し、最後に細胞を破壊して出てきます。ですからウイルスに冒された部位では細胞が破壊されて炎症が起きます。弱毒型の場合は、気管しか炎症を起こさないわけです。
 
 一方強毒型は、全身の細胞で増殖する能力を持ちます。ですからさまざまな臓器で炎症が起きて多臓器不全を起こしますし、血流にウイルスが入り全身に回るウイルス血症という症状も出ます。特に重症の肺炎を起こすため、治療には人工呼吸器が欠かせません。
 

サイトカインストームとは

 これとは別にH5N1ウイルスはサイトカインストームという症状も起こします。免疫は通常、ウイルスから身体を防御するのですが、その免疫が暴走して、自分の体を攻撃してしまうのです。免疫活性が低い老人よりも、活性の高い若者のほうが危険なのです。
 
――全身に感染する強い毒性と、サイトカインストームを起こす性質が、高い死亡率につながるわけですね。
 
田代:人に感染した場合の症状は、既に我々が過去の経験で知っているインフルエンザではありません。いままで人類が経験したことがない強力な感染症です。
 
 普通のインフルエンザは上気道にしか感染しませんし、健康な若い人が死亡することはほとんどありません。65歳以上の高齢者や、妊婦、糖尿病や腎臓病などの慢性疾患の患者といったハイリスク群が合併症を起こして死ぬ危険性がある程度です。
 
 ところが今回のH5N1ウイルスは、致死率が非常に高いのが特徴です。気道のみならず、肺の深いところに感染し、ウイルスによる肺炎を引き起こします。細菌による合併症の肺炎ではなく、ウイルスが肺炎を起こすのです。妊婦が感染した場合には、ウイルスが胎盤を通過して胎児に感染した例も報告されています。このようなことは通常のインフルエンザではありえません。
 

トリ型からヒト型への変異について

――非常に強い毒性を示すにもかかわらず、累計の全世界での死者は360人ほどと非常に少ないです。これはなぜなのでしょう。
 
田代:現在のH5N1が、まだヒトからヒトへと感染する特性を獲得していないからです。
 
 にもかかわらず、現実に患者が出ているわけですが、実のところ現状ではどういう人がかかるのかよく分かっていません。鳥との濃厚な接触で、大量のウイルスを体内に取り込んでしまったという可能性はあるのですが、それだけではないのです。インドネシアの場合、患者の25%は鳥との接触がありませんでした。中国の患者も鳥との接触がありません。しかも、鳥の世界で流行が起きていない地域でも、人への感染が起きています。これが何を意味するのかは、まだ分かっていません。
 
 ウイルスの遺伝子の、どの部分がどう変わるとトリ型からヒト型へと変化するのか、本当のところはまだよく分かっていません。ウイルスが細胞に侵入する時に使うレセプターという部位は、トリ型とヒト型ではアミノ酸が1、2カ所違うだけです。既に2カ所のアミノ酸がヒト型と同じに変異したH5N1ウイルスが見つかっていますが、それでもまだパンデミックには至っていません。
 
――それは、「そう簡単にトリ型からヒト型になることはない」という安心材料と考えてよいのでしょうか。
 
田代:そうではありません。ウイルスは増殖の過程において、ある一定の確率でランダムな突然変異を起こします。そしてH5N1ウイルスは、既に鳥の世界ではパンデミックを起こしています。パンデミックということは、鳥の体内でウイルスが非常に多数回の増殖を行っているということです。確率的に、ヒト型ウイルスが出現する可能性はぐっと上昇しているのです。
 
 例えばサイコロを1回振ると1の目が出る確率は、1/6です。しかし2回振って少なくともどちらかで1の目が出る確率は11/36で、1/6より大きくなります。サイコロを振る回数が増えれば増えるほど、少なくともどこかで1が出る確率は1に近づいていきます。
 
 鳥の世界でパンデミックを起こしているということは、サイコロを振る回数が増えているのと同じです。ヒトに感染しやすいH5N1ウイルスが出現する確率はどんどん大きくなっていると考えなくてはなりません。
 
 ひとたび、ヒトに感染しやすい形質を獲得したウイルスが出現すれば、一気に広がるのは間違いありません。なぜなら、新たに出現したウイルスに対して免疫を持っている人はほぼ皆無だからです。感染したヒトからさらに別のヒトヘと広がる過程で、免疫によって拡大が阻止されるということがありません。
 
 どうやら、ウイルスがヒト型に近づきつつあるという傍証も存在します。トリ型のウイルスは、鳥の体温である42℃付近で増殖しやすく、それ以下の温度では増殖が鈍ります。一方ヒト型のインフルエンザウイルスはヒトの体温である35?36℃付近で活発に増殖します。同じインフルエンザウイルスでも増殖に適した温度が違うのです。
 
 ところが、先ほど説明した「クレード2-2」の亜種のH5N1ウイルスでは、既にヒトの体温で活発に増殖するように突然変異を起こしたウイルスが見つかっています。これは、ウイルスが着実にヒトに感染する形質を備えつつあることを示しています。
 
――いつごろヒト型に変異したウイルスが出現するか予測できないのでしょうか。
 
田代:突然変異が確率で起きる以上、予測は不可能です。ヒトに感染するために必要な特性にしても、まだ我々の知らない要素があるのでしょう。
 
 ただし、鳥の世界でパンデミックを起こし、活発にウイルスが増殖していること、そして徐々にヒト型の特性を一部備えたウイルスが出現してきつつあることを考え合わせると、そう遠くない将来にヒト型ウイルスが出現する可能性は高いと考えねばなりません。
 
 実際問題として、ヒト型とトリ型のウイルスの遺伝子は共通点が多いのです。比較すると、はっきりと異なる遺伝子は10個です。そのうちの5?6個については、既にヒト型に変異したウイルスが確認されています。10個の遺伝子の差異のうち、どれがヒト型へと変化する決定的な要素なのかは分かっていません。ひょっとすると10個全部そろわないとヒト型には変異しないのかも知れませんし、逆にあと一つでも変異したらヒト型になるのかも知れません。研究が進んでいるとはいえ、分かっていないこともたくさんあるのです。
 

致死率について

――強毒型のH5N1ウイルスへの対策が問題になっているにもかかわらず、日本の厚生労働省は、弱毒型のスペインインフルエンザをモデルケースにした対策を立てています。これは取り組みが甘いのではないでしょうか。
 
田代:厚生労働省は、感染率25%、致死率2%で対策を立てています。全人口の25%が感染し、感染者のうち2%が死亡するという意味です。
 
 スペインインフルエンザの感染率は48%でしたから、対策の前提となる被害見積もりはスペインインフルエンザよりも甘いです。
 
 この数字は米国のCDC(疾病予防管理センター)が、1968年の香港インフルエンザの時のデータに基づいて作成した数式で算出されています。この数字を算出した時は「仮に」というモデルケースとして出したのですが、報告書では「仮に」が取れて数字が一人歩きしてしまいました。
 
 ちなみに、この数式はソフトウエア化されているのですが、米国では既にそのソフトウエアは使われていません。
 
 米国では新型インフルエンザが起きた場合の対策を2006年に改訂しているのですが、その中で台風と同じ1から5までの「カテゴリー」というスケールで被害規模を表しています。香港インフルエンザがカテゴリー2、スペインインフルエンザはカテゴリー5の一番下に分類しています。つまりスペインインフルエンザを最悪のケースとは考えていないということです。
 
――NHKの番組では米国の取り組みが進んでいるとして紹介されていましたが、米国ではどの程度の被害を想定して対策を立てているのでしょうか。
 
田代:米国の保健省が昨年大手メディア向けに行ったカンファレンスでは、感染率20?40%、致死率20%ということでした。
 
 オーストラリアのシンクタンクであるロウイー研究所が出した推定では米国では死者200万人が出るとしています。日本は人口密度が高くて米国よりも条件が悪いので死者210万人です。しかし、ロウイーの推計はスペインインフルエンザのような弱毒型ウイルスに対してのものです。
 
 H5N1のような強毒型ウイルスがパンデミックを起こした場合、どの程度の被害が発生するのかについて、きちんとした推計はまだ出ていません。
 
 実際にはどの程度の被害を想定すべきなのか。そこで米国が想定している致死率20%を採用し、感染率を中間の30%として、日本の人口1億2800万人を掛けてみてください。米国の見積もりを採用すると、なんの対策もなしにパンデミックが起きると日本では768万人が死亡するという数字が出てきます。感染率を25%としても、600万人以上の死者が出るということになります。
 
――第二次世界大戦の2倍以上の死者が出るということになりますね。
 
田代:スペインインフルエンザの時と同じく、全く無防備のままで強毒型のH5N1ウイルスによるパンデミックを迎えると、こういう事態が起きるということです。これは社会崩壊を意味すると考えていいでしょう。
 
 しかも現在は交通機関が発達しています。米国のカンサス州で最初の流行を起こしたスペインインフルエンザがオーストラリアに上陸するのに1年かかりました。現在はこんな時間的猶予はないでしょう。ひとたびパンデミックが発生したら1週間程度で全世界に広がると考えておかなくてはなりません。
 
――米国が想定している致死率の20%は、これよりも下がる見込みはないのでしょうか。
 
田代:現在までのところ、鳥インフルエンザは致死率63%ほどですが、これらの患者はそれぞれの国で最高水準の医療を受けているということを忘れてはなりません。肺炎になれば人工呼吸器を付けますし、タミフルの大量投与も受けています。それでもなおかつ、この致死率なのです。

パンデミックでは
 
 パンデミックが起きると、まず人工呼吸器が足りなくなります。患者は重い肺炎を発症しますから、人工呼吸器なしては呼吸困難に陥ります。
 
 現状ではタミフルも不足するでしょう。日本はタミフルを2800万人分備蓄しているとしていますが、現在鳥インフルエンザ患者には、通常のインフルエンザの2倍の量を2倍の期間投与しています。つまり日本の備蓄量は実質700万人分でしかないのです。これでは全く足りません。過去の経験によれば、パンデミックでは第一波、第二波というように爆発的感染拡大が波状攻撃をかけてきます。現在の備蓄量では第一波をしのいだとしても、第二波以降はタミフルが尽きてしまいます。
 
 しかもパンデミックは、全世界同時に起こりますからその時になっても海外からタミフルを緊急輸入することはできないでしょう。タミフルを持っている国から「お気の毒ですが日本は日本で対応してください」と言われて終わりです。
 
 このように考えていくと、たとえ今後、ウイルスの突然変異で致死率が下がっていったとしても、パンデミック時の死亡率は高くなると言わざるを得ません。
 
 日本には危機に直面しているという意識がありません。パンデミック時に医療サービスをどうやって維持するのか。患者が病院に殺到すると、医療体制が崩壊します。崩壊を防ぐためには、感染の拡大を防いで、感染者が一気に集中する“流行の山”を低くすることが必要ですが、そのために具体的にどうすればいいのかは、まだ話し合われていません。
 
 そのほか、生活必需品の輸送やライフラインをどうやって維持するか。感染を避けるためには家庭への籠城が推奨されますが、では籠城を可能にするにはどのような環境を整備するのか。世界経済が一蓮托生になっている今、ビジネスをどうやって継続していくのかも大切な課題です。要するに準備が全然足りていないのです。
 

安全保障の一環として

――米国はどこまで準備を進めているのでしょうか。
 
田代:米国は、はっきりと強毒型のH5N1ウイルスによるパンデミックを安全保障の問題だと認識しています。テロや核戦争と同じ、国家の危機という位置づけで、どうやって国民を守り国力を維持するかの対策に予算を注ぎ込んでいます。
 
 CDCは、日本では保健所の大きいものというイメージで見られているでしょうが、実態は軍とともに、衛生保健面で米国という国の安全保障を司る組織です。日本の保健所とは全く組織の性格が異なる、疾病に対して攻撃的な姿勢を持つ軍隊に似た組織なのです。
 
――スペインインフルエンザでは軍隊が流行の発信地となりましたが、米国は国防総省も含めてパンデミック対策を組んでいるということでしょうか。
 
田代:米国防総省がなにをやっているかは外からは分かりません。しかし、当然のことながら相当の予算を注ぎ込んで対策を行っているはずです。現在米国は毎年約9000億円をパンデミック対策に注ぎ込んでいますが、表に出てこない国防費からの支出を考えるとこれだけでは済まないでしょう。表から見えるのがすべてだと思ってはいけません。
 
 在日米軍を含む在外派遣軍を、パンデミック時にどのようにして米本土に撤収するかという行動計画も、当然のことながら策定済みのはずです。
 
 米国は、国民に対して、新型インフルエンザに関する知識の周知徹底や籠城のための家庭備蓄の呼びかけを行う一方、事前に用意できるプレパンデミックワクチンの備蓄、全国民分のワクチンを半年で製造し、定めた優先順位で順次接種していく体制の整備を着実に進めています。
 
 もちろん医療分野のみならず、例えば学校を休校にした場合、子どもにどうやって教育を届けるかというような生活面での対策も行っています。ありとあらゆる手段を使って社会機能を維持することを目指しています。
 
 それだけではなく、パンデミックが起きてしまった後に、どのようなプランで社会や経済を回復させていくかという行動計画の策定すら行っています。「何があっても米国は生き残る」というのが彼らの意志です。それに従って着々と手を打っているのです。
 
文明が強毒型ウイルスを招き寄せた

――しかし、なぜ今、この時代に、これまで自然界には存在しなかった強毒型のウイルスが出現したのでしょうか。
 
田代:人間が大規模な養鶏を始めたことが大きく影響しているのでしょう。自然界には同種の鳥類が何万羽も集まるところなどめったにありません。自然界では強毒型の突然変異が起きても、感染したトリがすぐに死んでしまうので、ウイルスは感染拡大を起こせず、消滅してしまうのです。
 
 養鶏場のような、トリが密集している場所があって初めて、強毒型のウイルスは増殖し、さらなる突然変異を起こして鳥類の間に広がることができたのです。
 
 その意味では、強毒型のウイルスの出現は、人が起こしたことと言えなくもありません。便利さや快適さを求める文明が強毒型ウイルスを招き寄せたのです。
 
 しかし、文明は同時に科学技術をも進歩させました。過去のパンデミックは常に起きてみなければ分からない、予測不可能の災厄でした。それは20世紀に起きたスペインインフルエンザでも同じでした。
 
 しかし今、H5N1インフルエンザウイルスは、何年も前からその脅威がはっきりと分かっています。21世紀の我々は科学技術を使い、やがてやってくるであろうパンデミックに対して事前に対策を立てることが可能なのです。
 
 対策を立て、パンデミックに対する準備を可能な限りしなくてはなりません。パンデミックが来てから対応策に追われるのが20世紀の防疫ならば、事前の十分な準備こそが21世紀の新しい防疫なのです。

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2009年05月10日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その4(感染最新情報)

感染症情報センター速報
国立感染症研究所感染症情報センターの「新型インフルエンザ速報サイト」では最新情報が頻繁にアップデートされています
こちら 
WHOの流行地図もリンクされ世界の感染状況が分かります。

新型インフルQ&A
成田空港の検疫で新型インフルエンザの感染者が確認されたことにより、国内での人から人への感染発生は必至の段階となりました。
朝日新聞に、対人感染についてのわかりやすい解説がありました。
●なぜ足止め?濃厚接触者って? 新型インフルQ&A
朝日新聞 5月10日
Q 患者と同じ飛行機に乗った人が、空港周辺の施設に足止めされたのはなぜ?

 A 感染拡大を防ぐためだ。患者に面と向かって話したり、2メートル以内の席に座ったりしていた場合、感染の可能性が高い「濃厚接触者」とみなされる。新型インフルエンザは普通のインフルと同じで、主に「飛沫(ひまつ)感染」でうつると考えられるからだ。

 Q 「飛沫感染」って何?

 A 患者のくしゃみやせきが原因の感染だ。患者はのどが炎症を起こし、粘液が普段より多い。せきなどでウイルスが粘液の水分とともに粒子(飛沫)になって飛び出す。吸い込めば感染する可能性がある。実験で、飛沫は1〜2メートルしか飛ばないとされ、足止めする同乗者の範囲を決める元になっている。

 Q 席が離れていれば安心なの?

 A ウイルスを含む飛沫より小さい粒子が空気中を漂い、それを吸い込んで起きる「空気感染」(飛沫核感染)も注意が必要だとする専門家もいる。しかし、それもまれとみられ、機内全体に感染が広がる可能性は、ほとんどないとされる。

 Q 別の経路で、感染の恐れはないの?

 A 患者がせきなどを抑えた手でドアやスイッチを触れば、そこにウイルスが付く。それらに触れた人が、さらに鼻や口を触ることで「接触感染」も起こるため、手洗いが大切だ。

 Q 感染力はどうなの?

 A 新型インフルは通常のインフルのように、その場にいる患者1人からまわりの1〜4人程度に感染するとみられる。空気感染するはしかは患者1人から15〜20人で、これよりは弱い。電車の同じ車両に乗り合わせたぐらいではうつらないようだ。

 Q どの程度の期間、注意が必要なの?

 A 発症する1日前から7日後までが、患者から他人にウイルスがうつる期間だ。今回はこの期間中だったため、保健所が感染の可能性がある人を追跡調査する。必要と判断すれば、患者に接触してから10日間は自宅待機してもらう。従わずに出歩く人は感染をさらに広げてしまいかねないので、名前の公表も必要だと専門家は指摘している。
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2009年05月02日

エクセルのファイルが修復できず

エクセルのファイルが破壊されました

いくつかの方法でファイルを読もうとしましたが
下記のエラーメッセージが出て止まってしまいます。

「ファイル名.xls:ファイル形式が正しくありません」

記録メディアはポータブルハードディスクです。
ファイル名や拡張子そしてファイルサイズは見た目正常です。しかしエラーが出て読めません。
同じフォルダある他のエクセルファイルは問題なく読めます。
なぜこのような事態に至ったか心当たりはありません。

あえて考えれば、同一ファイルをエクセル2000(自宅)とエクセル2007(職場)のアプリケーションで使っているのが原因かもしれませんが、この使い方は半年以上常用しており、しかも数枚のエクセルファイルを毎日アップデートしていますが、今回の事態は初めてです。

ファイルには授業の出席記録と受講生からの質問やコメントが記録されており、たまたま学期始めのためデータは少ないものの、失われると再入力を強いられダメッジは甚大です。

グーグルで調べたところ以下のサイトにヒントがありましたが、ファイルの修復は出来ませんでした。

富士通のサイト
http://www.fmworld.net/cs/azbyclub/qanavi/jsp/qacontents.jsp?rid=7&PID=5806-0372#case3

ファイルの修復について
残念ながら結局出来ませんでした。しかし・・
・あきらめない
自宅の外付けハードディスクにバックアップをとっていたため、こちらから現状復帰できました。

対策について
その1
他のメディアにバックアップをとる!!
これは基本中の基本ですが・・・
しかしながら今回現状復帰できたのは「偶然の幸運」ともいえます。
なぜなら・・・
バックアップは2-3日に一回とっているので、もし破壊された後にバックアップを実行していたら、破壊されたファイルでバックアップファイルが上書きされた恐れがあります。その意味では、バックアップさえすれば「安心」ではありません。

その2
アプリケーションで自動バックアップする
方法は以下の通りです
1 エクセルのファイルを保存する画面へ行く
2 「ツール」の横にある「▼」をクリック
3 「全般オプション」をクリック
4 「バックアップファイルを作成する」にチェックを入れる
これで同一フォルダ内にバックアップファイルが自動保存されます

以上はとりあえずの対策です。

素朴な感想
エクセルのファイルが読めないトラブルは、フロッピーディスク時代にはあったような気もしますが(ディスクの傷などが原因)、ハードディスク使用では初めてです。
ワードのファイル破壊は回復できました こちら
エクセルのファイルには、出欠や成績などの受業データ、実験データ、アンケートなど調査データ、文献データ、日常生活のデータその他大量の貴重なデータを保存してあります。今回初めて体験したエクセルデータの破損は非常に深刻に受け止めています。さらなる対策を模索中です。


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2009年05月01日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その3

「新型インフルエンザ」情報の時系列データは下記記事のコメント欄に継続的に書き込んでいます。
なお、「豚インフルエンザ」の呼称は「新型インフルエンザ」に呼び換えるのが一般的になりつつあるため、このブログでも「新型インフルエンザ」とします。
呼称の変更はCDCやEUなどが「政治・経済的配慮」から提起したものです。
http://ichi3.seesaa.net/article/118133573.html
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2009年04月29日

豚インフルエンザとリスクコミュニケーション その2(個人と行動)

何を信じどう行動すべきか???

2009年4月24日頃から一斉に報道されている「豚インフルエンザ」の人への感染は、WHOが「フェーズ4」にステージを引き上げたことにより「新型インフルエンザ」発生として世界の緊張が高まっています」。マスコミやインターネットでは膨大な情報が飛び交い、「情報過剰」の状況が発生し、まさに「信頼とコミュニケーション」が問われる事態です。

いったい何を「信用」すれば「安心」できるのか?報道や公的機関の発表はどこまで「信頼」できるのか?WHOやCDCの発表には当然「政治・経済的配慮」が含まれています。ネット情報にはデマや不安をあおるものもあります。


今回の事態は「心理的ストレス」とのつきあい方とも関わるものです。
イタリアの思想家グラムシGramsci(1891-1937)は次のように述べています。
「認識において悲観主義者、意志において楽観主義者たれ」

そこで、このページでは「日経BP社」のサイトからわかりやすく個人レベルで対応可能な情報をまとめてみました。
たとえば
実は役に立たない「うがい」
テレビでは「うがい」を推奨しますが、その限界について理由が述べられています。
日常生活での行動について具体的提案もあります。
以下「日経トレンディネット」からの情報です。

新型インフルエンザ危機のシナリオ!
全文はこちら
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20090113/1022726/?P=1
日経トレンディネット、2009年01月15日
なお、これら記事は「新型インフルエンザ」一般への対応であり、今回の「豚インフルエンザ」について書かれたものではありません。

●都道府県単位で学校閉鎖、マスクが買えない
厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議が2008年11月、ようやく指針を打ち出した。これは、国内で人から人への感染が一例でも発生した段階、つまり大流行する前に、発生した地域の都道府県内にある小中学校や高校、幼稚園を全校閉鎖するというもの。パンデミックと呼ばれる爆発的感染状態の前に大規模な学校閉鎖に踏み切れば、感染拡大をある程度食い止める効果も期待できる。


個人レベルでできる新型インフルエンザの防衛策
「不織布製のマスクを1人当たり20〜25枚を目安に備蓄する」。これは2008年9月、厚生労働省の専門家会議が発表した家庭で備蓄しておくべき目安だ。
 マスクには、感染者の咳、くしゃみなどで飛んでくるウイルスを遮断するという予防的な側面とすでに発熱など症状のある人が、ウイルスを他人に感染させないためにかけるという2つの側面がある。ただし、使い方を誤るとマスクの効果もなくなってしまう。
 
では、なぜマスクの1人当たりの備蓄目標が20〜25枚なのだろうか。国内での感染が始まった初期段階から大流行のピークを越えて、感染がほぼ終息するまでの期間を厚生労働省では約8週間(約2カ月)前後とみている。これはスペイン風邪など過去3回にわたる新型インフルエンザの流行を分析した結果の予測数値だ。

 この間に食料品の買い出しなど外出しなければならないことが週2回あると仮定し、外出のたびに使い捨てるので8週間で16枚は最低限必要。余裕を見て20〜25枚という計算だ。
全文は
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20090113/1022726/?P=5


食品と日用品の備蓄
食糧(長期保存可能なもの)の例
主食類
 米
乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)
切り餅
コーンフレーク・シリアル類
乾パン
各種調味料
その他
 レトルト・フリーズドライ食品
冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意)
インスタントラーメン
缶詰
菓子類
ミネラルウォーター
ペットボトルや缶入りの飲料

日用品・医療品の例
常備品 常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)
絆創膏(大・小)
ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)
※薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があります。購入時に医師・薬剤師に確認してください。

インフルエンザ対策の物品
マスク
ゴム手袋(破れにくいもの)
水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)
消毒用アルコール

通常の災害時のための物品(あると便利なもの)
懐中電灯
乾電池
携帯電話充電キット
ラジオ・携帯テレビ
カセットコンロ・ガスボンベ
トイレットペーパー
ティッシュペーパー
キッチン用ラップ
アルミホイル
洗剤(衣類・食器等)・石けん
シャンプー・リンス
保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)
生理用品(女性用)
ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)

米、乾麺、レトルト食品、缶詰、ミネラルウォーターなど2週間分に相当する食糧の各家庭での備蓄を勧めている。本来ならば国内で感染が発生してからほぼ終息するまでの予測期間である2カ月分を備蓄するのがベストだが、そうはいかない事情もある。「日本の住宅の広さを考えると家族全員の食糧、日用品などを備蓄するには、2週間分が量的限界だろう。この備蓄量は毎日の買い物を2週間に1回の頻度に下げて、感染するリスクを減らすための目安と考えてほしい」と厚生労働省の石川晴巳氏。とはいえパンデミックは全国的に広がるものなので、局所的な地震災害と違い、しばらく食糧支援は期待できない。部屋が狭くなっても最低1カ月分の食糧は備えたいところだ。そして、いざ新型インフルエンザが国内で発生したならば、不要不急の外出は極力控えて自宅にこもり、パンデミックが過ぎ去るのを待つ。これがもっとも賢明な防御対策といえる。

全文は
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20090113/1022726/?P=7


●関連情報
最大の防御策は篭城&マスク
実は役に立たない「うがい」
日経トレンディネット、2008年02月20日
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20080214/1007068/

治療法について
タミフルは2800万人分備蓄。しかし新型には効きにくい可能性も
 では、新型インフルエンザの脅威から身を守る術はあるのだろうか。まずは治療薬だ。通常のインフルエンザにも使われる治療薬「タミフル」を、国や都道府県は合計2800万人分を備蓄している。だが、「現状ではH5N1型鳥インフルエンザの人の発症例に、タミフル投与はあまり効果をあげていない。もちろん、新型インフルエンザになった段階でも効果があるという保証はない」(国立感染症研究所・感染情報センター、谷口清州第一室長)。

タミフルが効かない耐性ウイルスにも効果のある治療薬「リレンザ」もあるが、こちらの備蓄は今のところ135万人分であり、国が行動計画で想定する国内の患者数3200万人には遠く及ばない。朗報もなくはない。H5N1型鳥インフルエンザに対する効果が動物実験で確認された新薬「T-705」が、臨床試験の最中で2009年中には発売されそうだ。


予防ワクチンについて
新型発生に備えるという点ではワクチンも忘れてならない存在。H5N1型鳥インフルエンザ感染者のウイルスから作られた「プレパンデミックワクチン」1000万人分を国で備蓄しており、さらに異なるウイルス株のワクチンを追加して備蓄する予定だ。しかし、医療従事者などに優先的に投与する予定のため、誰でもが医療機関でこのワクチンを投与してもらえるわけではない。一方で、スイスでは政府が700万人を超える全国民分のプレパンデミックワクチンの備蓄を完了した。国によって対応には大きな差があるようだ。

なお、今回の「豚インフルエンザ」対応のワクチンは2009年4月から準備態勢に入り、一般向けに供給されるのは数ヶ月先とされる。

●マスクの有効性について
一般的にインフルエンザから身を守る身近な対策としてよく言われるのが、うがい、マスクの着用、手洗いだ。ところが、従来型も新型も含めてインフルエンザにうがいはほとんど効果がないという。「欧米でインフルエンザ予防にうがいを奨励している国はない。飛沫感染で喉の粘膜に付着したインフルエンザウイルスは、10分ほどで粘膜細胞の中に侵入する。外出して戻ってからうがいをしても遅過ぎる」(外岡所長)という。

 ただし、マスクと手洗いには一定の効果がある。使い捨ての風邪用マスクでも、きちんと顔に密着させて着けていれば、感染者の咳などで飛んで来るウイルスを遮断することができる。また、服や髪の毛、肌などに感染者の咳でウイルスが付いたとしても、極端に恐れる必要はない。個人が検疫用の防護服を着て出歩くようなことにもならないだろう。「新型も含めインフルエンザのウイルスは、衣服や肌に付いても1時間程度しか生きていられない。ウイルスが付着した手を舐めたりしない限りはまず感染しない」(国立感染症研究所・谷口室長)。とはいえ、ドアの取っ手などにウイルスが付着していて知らずにつかみ、その手を無意識に口元に、というケースはありうる。そこで頻繁な手洗いが新型の予防にも効果ありというわけだ
 

とりあえずなすべき事
新型対応のワクチンが完成するまで、いかに感染しないようにするかが重要になってくる。そのためには人の集まる場所に極力、行かないことが肝心だ。感染の最初のピークは6〜8週間前後で終わると専門家は予測する。「一定の食糧、水、日用品を家庭に備蓄しておくことが必要だ。宅配サービスなどを利用することは、人との接触をなるべく避ける意味でも考慮すべきだ」(谷口氏)。感染が全国に広まった場合には、地震と違ってどこからもしばらくは救援は来ない。一般的には、最低1カ月分の食糧の備蓄が必要と考えられている。最悪の場合を想定して今から何を用意すべきかを真剣に考えておくべきだろう。

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2009年04月26日

豚インフルエンザとリスクコミュニケーション(第一報)

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以下は豚インフルエンザ発生の第一報
今後どのような展開を見せるのか予断を許さない緊張感があります

「豚インフル」が米・メキシコで WHO発表、60人死亡の疑い
4月24日 日経新聞
 【ロンドン=岐部秀光】世界保健機関(WHO)報道官は24日、米国とメキシコで最近、人間への「豚インフルエンザ」の感染が報告され、約60人が死亡した疑いがあると明らかにした。米保健当局は国内で見つかったウイルスは豚、鳥、ヒトの混合型でこれまでに見つかっていないタイプで、「ヒトからヒト」への感染が起きていると指摘。両国で新型ウイルスによるインフルエンザが流行する恐れがある。
 WHOによるとメキシコ市周辺だけで800件の感染が疑われる報告があり、うち57人が死亡した。このほかメキシコ中部サンルイポトシでも24件の報告があり3人が死亡しているという。同国内で多くの学校が学級閉鎖や休校に追い込まれた。
 米国ではカリフォルニア州とテキサス州で合計7人の感染報告があったが、全員が回復したという。当局は感染者や彼らと接触した人々の検査を行い、メキシコからもサンプルを取り寄せて感染経路の特定を急いでいる。感染力はまだ不明としている。
 
新型インフルエンザのパンデミック・シミュレーション 
市原が担当している「環境心理学」(家政学院大)と「免疫と自己のシステム」(早稲田大)の授業で使っている上記の図版とコメントです。「リスクコミュニケーション」、「免疫と感染」がキーワードです。
・海外で感染した1人が成田から八王子の自宅に帰宅したケース(図版)
・致死率60%(インドネシア等での鳥インフルエンザ・データによる)
・1人の感染者からパンディミックが発生し2週間で関東全域が感染地域となる
・食糧備蓄は最低2週間、出来れば4週間分 (1人あたり)
 →シリアル食品やフルーツ缶詰なども良い
・飛沫感染ゆえ、対人接触の回避が何より重要
・市販のマスクの有効性は限定的だが必要
 →30-50枚程度備蓄する。医療向けマスクで実績ある3M社の例はこちら
   
図版は国立感染症研究所、感染症情報センターより
WEDGE2008年12月号より 引用加筆
 
公衆衛生対策に求められる「コミュニケーション・ストラテジー」
――John Kobayashi氏(国立感染症研究所FETPアドバイザー)に聞く
医学書院、医学界新聞、第2559号 2003年11月10日 より抜粋
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2559dir/n2559_02.htm#00
 バイオテロやSARSをはじめとする感染症の発生など,健康に対する新たな脅威への効果的な公衆衛生対策が議論されている。その課題のひとつと考えられている,「情報戦略」の問題について,国立感染症研究所感染症情報センターの実地臨床疫学プログラム(Field Epidemiology Training Program=FETP)では,米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention=CDC)や,米国ワシントン州健康局において公衆衛生対策を行なってきた経験を持つJohn Kobayashi氏による,教育の機会が与えられているという。「情報の戦略的な提供(コミュニケーション・ストラテジー)」に主眼を置いた公衆衛生対策の重要性を強調するKobayashi氏に,日米の感染症対策の現状に詳しい五味晴美氏がインタビューした。
 
まとめると
・毎日12時に情報をアップデートしてプレスカンファレンスを行ない,新しい情報を流す。
・ 3つの短い文章を作る。シンプルで短い言葉はわかりやすく効果的である。
・自分がコントロールできないようなものに遭遇した時には,とてもリスクが大きいと感じる。
 → 米国ではウエストナイルウイルスの問題よりも,喫煙や飲酒の問題のほうが実際には健康に与える影響が大きい。しかし,人々が恐いと思うのは,自分がコントロールできないウエストナイルウイルスのほうだ。
・「肯定的」でかつ「個人的」なメッセージが効果的。
  → 「これをすれば死にますよ」というメッセージより「これをすれば健康になります」というメッセージのほうにより反応する。
  →「これがいいので,あなたもやりなさい」というメッセージより「私はこれがいいと思うので,私の子どもにはこうしています」メッセージを自分個人のもののようにして伝えると効果的

アメリカでのニュースビデオ
以前紹介した「クーガー・エース」の海難事故ビデオMSNBC(アメリカ)は現在も再生可能です。 こちらをクリックし、さらに事故映像をクリックすると「クーガー・エース」のニュースに引き続き「豚インフルエンザ」の最新ニュースを見ることが出来ます。当事国だけにニュースは深刻です。



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2009年04月25日

インターネットは矛盾そのもの その3

サン・マイクロシステムがついに消える?
2009年4月21日「オラクルがサン・マイクロシステムを買収」という衝撃的ニュースが世界を駆けめぐりました。サン社ウェブサイトにも合併のメッセージが掲載されました。このニュースを受け同社の株価は39%も上昇しました。
サン社はワークステーションやジャバ言語で知られる高度な技術を有する会社でしたが、ついに消滅するもでしょうか?オラクル社は1990年代からネットワーク・コンピューティングnetwork computingを提唱する会社の一つでした。
サン社はグーグル社の成り立ちと密接な関係があります。
インターネットコミュニケーションと言えば、今やグーグル社の独壇場とも感じてしまいます。ネット社会の理想と現実は、このブログのキーワード「信頼とコミュニケーション」に関わる部分でもあります。

以下、カー「クラウド化する世界」(2008)から引用すると・・・

1990年代にサン・マイクロシステムズ社は「ネットワークこそがコンピュータである」というマーケッティングスローガンを打ち出した。目立ってはいたが、当時の大多数の人にとっては無意味なコピーだった・・・しかしインターネットは文字どおり自分のコンピュータになった。グーグルの最高経営責任者であるエリック・シュミットは当時サン・マイクロシステムズ社につとめていたが、後に「雲の中のコンピュータ」computer in the cloudといった。今日の我々が体験しているコンピューティングはもはや具体的な形状をとっていない。コンピューティングが行われているいるのは、インターネットで常に変動しているデータ、ソフトウエア、そしてデバイスの「雲」の中なのだ。我々のパソコンは,雲の中の一個の分子、巨大なコンピューティングネットワークのノードの一つなのである・・・
ユーティティコンピューティングではアプリケーションの実行からファイルの保存まで、インターネットを通じて行うこととなる。例えばグーグル・アプス(Google Apps)というパッケージサービスでは、ワープロ、表計算、電子メール、カレンダーなど日常業務でよく使うオフィスアプリケーションが含まれる・・・
マイクロソフトの技術者レイ・オジーは「ブロードバンドと無線ネットワークのユビキタス性は、人々のコミュニケーションの仕方を変えた」、という。


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