2012年05月25日

「監視カメラ」と「防犯カメラ」の危機管理

毎日新聞のヘッドラインは「逮捕の決め手は120台の防犯カメラ」。逮捕に駆使したというカメラの台数に驚きました。
容疑者スピード逮捕に関連し、「防犯カメラの有効性」が広く報道されています。「防犯カメラ」と「監視カメラ」ではその印象が大いに異なります。「防犯カメラ」と表現すれば街頭カメラが「防犯機能」を有しているイメージがありますが、収集した映像についての取り扱いが現在の日本では曖昧なケースが多く「プライバシー保護」の観点から重大な不安があります。
ドイツでは「監視カメラ制限法」として法的な位置づけが出来ていると言います。カメラの設置と動画データの収集はネット利用を含め容易に出来る技術が一般化していますが、その運用を巡る危機管理の確立が急務です。


監視カメラに対する法的規制に関する意見書
日本弁護士連合会 2012年(平成24年)1月19日
の文書からドイツの事例を一部抜粋します。
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2012/opinion_120119_3.pdf
ビデオ監視について,EUデータ保護指令の多くの条文がそのまま適用され
る。適法で特定された目的のための収集と,その範囲内での利用,限定された
期間のみの保存などが求められている。
EU各国の規制状況は,公共の場においては,撮影が原則禁止される傾向に
ある。
特にドイツ法は,監視カメラについて,「公然と入りうる空間(店舗等を広く含む。)」でのビデオ監視は,すべて情報の自己決定権の侵害であり,したがって常に比例原則にかなった法律の根拠を必要とする,との考え方を基盤として,「公的に通行可能な場所の光学・電子装置による監視は,@公的機関の任務遂行A家屋権の行使B具体的に確定された当該関係人の正当な利益の行使のために必要であり,かつ本人の保護に値する利益を優越させる根拠が存しない場合にのみ許される。」として官民を問わず規制している(連邦データ保護法第6b条)。


渋谷駅刺傷:逮捕の決め手は120台の防犯カメラ
毎日新聞 2012年05月24日 22時05分
 東京メトロ副都心線渋谷駅で21日に男性が刃物で刺され、2日後に殺人未遂容疑で渡辺知宏容疑者(32)=埼玉県朝霞市=が逮捕された事件は、容疑者が逃走の際に通った駅などにある120台以上の防犯カメラの解析が逮捕の決め手になった。警視庁は事件直後から情報分析を専門に行う捜査支援分析センターの「モバイルチーム」を投入。逃走経路を割り出した。
 警視庁によると、モバイルチームは今年4月に新設された。今回はほかの捜査員と協力し、渋谷駅の防犯カメラの画像を分析。犯人とみられる男が持っていたリュックを手がかりに、さらに表参道駅や永田町駅、池袋駅などのカメラ映像の確認を徹夜で続けた。
 その結果、男は(1)発生約10分後の21日午後6時21分に渋谷駅から半蔵門線に乗った(2)同31分に永田町駅で下車し、同35分に有楽町線に乗り換えた(3)午後7時34分に東武東上線朝霞台駅の改札を出た??ことをつかんだ。捜査関係者は「目撃情報だけではこれほど早く逮捕するのは困難だった」と明かす。

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2012年05月22日

東日本大震災後の不安 2 (未知の超高層ビル被害)

2012年1月のニューヨークタイムスによると、バブル崩壊後150メートル以上の高層ビルは東京で81棟建設された、といいます(ニューヨークは64棟、シカゴ48棟、ロス7棟)。日本の経済活動は「意外にも活発」との根拠の一つですが、東日本大震災を経て超高層ビルの安全性(工学的スペック)に新たなる重大問題が発表されました。震源地から800キロ以上離れた大阪南港の咲洲庁舎(旧WTC)にも被害が出ました。
日本のリスクのある「超高層ビル」はさほど多くありませんが、ビル内人口は巨大です。対策の工学的モデルはあるようですから、地盤やビルの高さなどを調べ、行政はもとよりビル関係者は早急に行動すべきです。

The Myth of Japan’s Failure  By EAMONN FINGLETON
NYT Published: January 6, 2012
http://www.nytimes.com/2012/01/08/opinion/sunday/the-true-story-of-japans-economic-success.html?_r=1

東海など3地震、起こり方次第で大被害
日経新聞 2012/5/21
 東京大学地震研究所の古村孝志教授らは、東海、東南海、南海地震が時間差で発生した場合、超高層ビルを揺らす「長周期地震動」が20分以上も続くとの解析結果をまとめた。東日本大震災で発生した揺れの継続時間の2倍以上になり、超高層ビルに深刻な被害が出る可能性が高いという。千葉市で開催中の日本地球惑星科学連合大会で21日、発表した。
 東海、東南海、南海地震は過去にほぼ同時に発生したり、数年間の時間差で起きたりしている。古村教授らは数分の時間差で連続発生した場合、各地でどの程度揺れが続くのかをコンピューター上で再現した。その結果、長周期地震動は最低でも二十数分続くことがわかった。
 60階以上の超高層ビルの場合、揺れの強さは東京で2〜3倍、大阪で5倍程度になった。ビルが長く揺れ続ければ、高層ビルの柱などに負担がかかり、ビルが損傷する危険性が高まる。長周期地震動が長く続く場合に備え、制振装置などでビルを補強する必要がありそうだ。
 内閣府の検討会は3月末に、南海トラフで最大M9.1の超巨大地震が起き、沿岸各地を強い地震動や津波が襲う可能性があるとの想定を発表した。超巨大地震による長周期地震動の想定を、今後公表する予定。東大の研究は、この想定に影響を与える可能性が高い。そして、コンピュータによる予想で「超高層ビルに深刻な被害が出る可能性が高い」ケースもあり得る、との発表がありました。技術的には対策がある、とのことですが直ちに対応すべきだと思います。

<長周期地震動>南海トラフ連動時、大阪で「東日本」の5倍
毎日新聞 2012年5月21日
西日本の太平洋沖に延びる海溝「南海トラフ」で東海・東南海・南海地震が連動して発生した場合、超高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」の強さが、大阪で東日本大震災の5倍、東京で2〜3倍になるとの予測を、東京大の研究チームがまとめた。21日、千葉市で開催中の日本地球惑星科学連合大会で発表した。南海トラフのプレート(岩板)境界に堆積(たいせき)している軟らかい岩石が揺れを増幅するためで、高層ビルがある都市部では対策強化が迫られそうだ。
 チームは南海トラフでマグニチュード(M)8.7の3連動地震が起きたと仮定し、長周期地震動の強さを予測した。周期6秒の地震動(60階建て以上の超高層ビルが大きく揺れるとされる)の場合、揺れの強さの指標となる速度が、大阪湾岸部で震災の5倍に当たる毎秒250センチ、東京都心で同2〜3倍の毎秒110〜165センチとなった。いずれも揺れが続く時間も2倍以上になった。
 東日本大震災では、長周期地震動で東京都心の超高層ビルが揺れたものの、地震規模の割に、大きな被害が出なかった。研究チームは、南海トラフで3連動地震が起きた場合は、プレート境界に厚さ数キロで堆積している軟らかい岩石が長周期地震動を増幅させるが、東北沖の日本海溝には堆積物が少なく、震災では長周期地震動が大きくならなかったためと推測した。
 大阪は想定される震源に近いことに加え、トラフで地震動が増幅され影響が大きくなると予測。大阪より震源から遠い東京でも、地震動が増幅されながらトラフに沿って伝わり、すり鉢状の関東平野で強くなると結論づけた。
 東京大の古村孝志教授(地震学)は「南海トラフの連動地震でどれほどの被害が出るか分からないが、都市部では早期に対策を講じるべきだ」と話している。【鳥井真平】
 ◇長周期地震動◇
 2階建ての家屋など低い建物を揺らすカタカタという普通の揺れ(短周期)と違い、ゆっさゆっさと大きく揺れるのが特徴。揺れが1往復するのに2秒以上かかり、巨大地震の際に生じやすい。低い家屋は揺れず、超高層ビルは上の階ほどよく揺れる。周期に10をかけると揺れやすい高さのビル(例えば3秒なら30階建て)の目安になる。20〜60階建てに相当する周期2〜6秒がビルを揺らしやすい。

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2012年05月20日

東日本大震災後の不安 1 (富士山 山体崩壊の恐れも?)

fujihoukai2012.JPG
地震、津波、火山噴火、台風などの情報は気象庁や大学・研究機関などの公的組織がデータを収集し、NHKなど既存メディアや政府や自治体などの行政を通じて速報が流れます。
このところ大規模地震の可能性について報道が相次いでいますが、富士山の「山体崩壊の恐れ」というイメージに訴えて報道もされています。そうなれば日本列島の太平洋岸は東西に分断される未曾有な事態となります。
「文科省調査、自治体に説明」とありますから、まさに公的機関と行政の連携情報です。富士山噴火の科学的根拠は分かりませんが、「山体崩壊」わかりやすい表現だけに警戒心を喚起したのは事実でしょう(図版は産経新聞下記記事より)。

富士山直下に活断層か 山体崩壊の恐れも 文科省調査、自治体に説明
産経新聞 2012年5月10日
富士山(3776メートル)の直下に活断層が存在する可能性が高いことが文部科学省の調査で9日、分かった。地震の揺れで「山体崩壊」と呼ばれる巨大な山崩れが発生、東山麓の静岡県御殿場市などで大規模災害の恐れがある。約2900年前に起きた山体崩壊と泥流の引き金だった可能性もあり、調査チームが地元自治体に説明を始めた。
 文科省が実施した3年間の調査で判明した。チームの佐藤比呂志・東大地震研究所教授は9日、結果を静岡県に伝えた。千葉市で20日から始まる日本地球惑星科学連合大会で発表する。
 調査報告書などによると、富士山の東山麓で人工地震波などを使って地下構造を探査し、御殿場市付近で地下に隠れている断層を発見した。数十万年前以降の火山噴出物の地層を動かした形跡があり、活断層の可能性が高いと分析した。北東−南西方向に伸びる長さ約30キロの逆断層で北西に傾斜しており、下端は富士山直下の深さ十数キロと推定。マグニチュード(M)7級の地震を起こすとみられ、揺れで東斜面が崩壊し、大量の土砂が雪崩のように下る「岩屑(がんせつ)雪崩」や泥流が発生する恐れがあり「甚大な被害を周辺地域に引き起こす危険性がある」と結論付けた。
 富士山では約2900年前に大規模な山体崩壊と岩屑雪崩が発生した後、泥流が御殿場付近を広範囲に埋め尽くす「御殿場泥流」が起きた。地震などが原因とされており、今回の断層が動いた可能性もある。
 この断層は御殿場泥流以降に動いた形跡はほとんどなく、地震の頻度は数千年に1回程度とみられるが、切迫度などは分かっていない。佐藤教授は「山体崩壊は噴火を伴う場合は事前に分かるが、突然の地震で起きると避難する余裕がなく、防災上は厳しいシナリオになる」と話す。
 この断層は活断層「神縄(かんなわ)・国府津(こうづ)−松田断層帯」の西側延長線上にある。付近は泥流の堆積層で厚く覆われ地下構造は不明だった。国が平成16年に作製した富士山のハザードマップもこの断層は想定していないため新たな防災対策を迫られそうだ。

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2012年05月04日

メンタルヘルスの曖昧さとリスク管理

「メンタルヘルス検査」をリスクマネジメントを絡ませて厚労省が準備をしている、との報道があります。精神に関わる項目を自己診断するアンケート方式を想定しているようですが、主観的な査定は個人差も大きく結果についての科学根拠も薄弱です。「検査実施」という「形式」を作るだけで終わると思いますが、そのための労力と予算は無駄そのものと言えます。リスクマネジメントは客観的根拠があっての「データ」が前提です。

リスクと向き合う:メンタルヘルス検査 焦る厚労省
毎日新聞 2012年05月03日 10時23分

 自殺・うつ病という現代社会のリスク軽減を図ろうと、厚生労働省はメンタルヘルス(心の健康)検査の義務付けに向け準備を整えた。「それがかえって混乱を生む」という批判をかいくぐって進む姿からは、リスクと向き合う真摯(しんし)さより、走り出したら止まらない官僚の習性が垣間見える。
◇学会要望に撤回働きかけ
 法制化を巡り、厚労省の焦りを印象付ける出来事があった。
 <「今求められるメンタルヘルス対策、法律改正への要望」の一部改正について>
 4月20日夕、産業医や保健師らが集まる日本産業衛生学会のホームページ(HP)に掲載されていた大前和幸理事長(慶応大教授)名の要望文の内容がこのように差し替えられた。
 学会は3月上旬、事業者に従業員のメンタルヘルス検査を義務付ける労働安全衛生法改正案に反対を表明する要望文をHPに掲載。厚労省が標準例とする検査項目の妥当性や、精神医療現場へのしわ寄せなどへの疑念を示した。
 ところが、新たな要望文からは「反対」の文言だけが消えた。学会幹部が内実を明かす。
 「3月31日に、東京・新宿の学会事務所に厚労省労働衛生課の担当者が訪れ、複数の学会理事と懇談しました。厚労省側は、学会が示す問題点に『指針等で対応したい』とし、法案成立への理解を求めたんです」
 学会はその後、反対撤回の「担保」として、3月31日の懇談で厚労省側が示した「考え方」を学会HPに公開することを要求。後日、厚労省は受け入れた。国会での審議を前に障壁を取り除きたかったようだ。
 HPに掲載された厚労省の「考え方」は、妥当性に疑問を呈された検査項目について「具体的な項目は、法案成立後に国会での審議や各方面の意見等を踏まえ、策定する」というものだった。
 毎日新聞の取材に、大前理事長は4月24日付で「(改正案は)検査項目を義務化するものではなく、(検査の)有効性については、各方面で検討され、本学会を含む関連学協会・機関で検証していくことになるのであろうと見込まれます」との回答を文書で寄せた。厚労省の対応に、学会幹部は「問題点を理解するなら法案を出し直せばいい。小手先で取り繕わず、本当に国民のためになるかを考えるべきだ」と憤る。
 厚労省の「焦り」の背景には、政策にかかわる人々の「小さな利益」も見え隠れする。経緯を知る同省関係者は「霞が関では、法改正の実績は評価され、修正されれば良い評価にはつながらない。法改正の実現で何らかの利益を得る人が省内にいることは否定しない。その法律が国民の役に立つのなら、問題ともいえないのだが……」と言葉を濁した。
 官僚機構に詳しい東京都市研究所の新藤宗幸・研究担当常務理事は「通常なら法案作成段階で関係学会などに根回しをする。国会提出後にこうしたやりとりがされるのは珍しい。民主党政権の『政治主導』の意向を踏まえて拙速に対応するあまり、ボタンの掛け違いが生じたのではないか」と推測する。
◇「形」優先、メタボ健診ほうふつ
 厚生労働省が、科学的な根拠の薄い制度の導入を目指すのは、メンタルヘルス検査が初めてではない。
08年度に始まった特定健診・保健指導制度もその一つだ。メタボリックシンドローム対策(肥満対策)に特化して、心筋梗塞(こうそく)など心血管疾患の予防を目指すものだが、日本人の肥満者の割合は海外より極めて低く、心血管疾患の発症にも肥満の有無は関係ない。導入前から「肥満に特化した健診は、本来指導が必要な人を見落とす」と、反対する専門家は多かった。
 だが、健診見直しは、当時の自民党政権が実現を目指していた医療制度改革の一環。厚労省は、批判を振り切って法案化し、与党と一体となって成立にまい進した。結果として健診受診率は下がり、必要な指導ができない現場に混乱が広がった。厚労省は、肥満以外の人への対策に乗り出さざるを得なくなり、来年度から実施する。
 「国の財政が厳しくなり、国民に負担を求める政策が増えた。(将来を見越した政策より)分かりやすく、世間受けする政策に政治家も官僚も飛びつくようになった」と、厚労官僚として医療制度改革に携わった村上正泰・山形大教授(医療政策学)は話す。行財政改革で人が削られても、業務は減らない。仕事のスピードも求められる。結果として、拙速でも「形」にすることが優先され、骨太な制度設計や政策の効果に関する検討がなおざりになっている面は否めない。村上教授自身も「医療制度改革では、根拠の薄い数字を『えいや』と決めた」と振り返る。
 ただ、本質的な問題もある。官僚は間違えないという、いまだ残る「無謬(むびゅう)神話」だ。公共事業だけではなく、医療制度などソフト分野の政策でも「一度始まると止まらない」状態が起きている。問題に気付いても、取り繕う程度の修正しかしない。村上教授は「霞が関の政策決定プロセスを、客観的に検証する仕組みが必要だ」と訴える。
◇厚生労働省が標準例と示すメンタルヘルス検査の9項目
最近1カ月間のあなたの状態についてうかがいます。
(1)ひどく疲れた
(2)へとへとだ
(3)だるい
(4)気がはりつめている
(5)不安だ
(6)落ち着かない
(7)ゆううつだ
(8)何をするのも面倒だ
(9)気分が晴れない
※それぞれの質問項目に対し▽ほとんどなかった(1点)▽ときどきあった(2点)▽しばしばあった(3点)▽ほとんどいつもあった(4点)??から最もあてはまる一つを選択させ、合計点を算出する


リスクと向き合う:メンタルヘルス検査義務化に批判
毎日新聞 2012年05月03日 09時52分
 自殺・うつ病対策の一環として、科学的な根拠の薄いメンタルヘルス(心の健康)検査が職場で義務化されようとしている。厚生労働省は具体的な検査法を示して導入を目指すが、専門家からは「効果が確立されていない」と懸念の声が上がる。拙速にまとめられた政策が、医療現場の混乱や労働者の不利益につながる恐れがある。
 労働安全衛生法改正案として昨年末、国会に提出された。事業者に対し、通常の健康診断とは別に、メンタルヘルス不調者を見つけるための検査を義務付ける内容だ。まだ実質審議に入っていない。
 厚労省は使用する検査票の標準例として「ひどく疲れた」「ゆううつだ」など9項目の自覚症状を挙げ、労働者に4段階で自己評価させる方法を提示。結果は本人の同意なしには事業者に知らせず、必要があれば医師による面接を実施する。同省は「ストレスが高い人の早期発見につながる」と説明する。
ところが、川上憲人・東京大教授(精神保健学)は「ストレスが高い人が、必ずしもうつ病のリスクが高いとは限らない。民間で使われる検査票で『うつ状態』と判断されても、実際にうつ病と診断されるのは5?20%程度」と指摘。9項目の検査票で、うつ病や自殺の予防につながったことを示す研究もない。
 同省の試算では、面接を含めた1人当たりの検査費用は350円。対象は約3000万人で、導入されれば事業者は計105億円の負担となる。「効果が実証されていない仕組みに費用を投じれば無駄になる」と川上教授は言う。
 一方、中村純・産業医科大教授(精神医学)は「検査の結果、機械的に精神科への受診が勧められれば医療機関に混乱が広がる」と懸念する。精神疾患全般への理解が進まない中で導入されれば、労働者が職場で排除的に扱われる恐れもあるとして「モデル事業でエビデンス(根拠)を検証してからでも義務化は遅くない」と慎重な対応を主張する。
自殺やうつ病は、日本経済の停滞が鮮明になった90年代後半から急増。厚労省の政策立案は、こうした状況の改善を目指す長妻昭厚労相(当時)の指示で始まった。企業の定期健診に精神疾患検査の導入を求めた長妻氏に対し、省内のプロジェクトチームは10年5月、同氏の意向を反映した報告書を作成。その後、専門家の検討会を設置し、約1カ月半(計6回)で検査の枠組みなどをまとめた。
 その間、当時の菅内閣は「メンタルヘルス対策を実施する職場を20年までに100%にする」という目標を入れた新成長戦略を閣議決定している。早期の取りまとめは政治主導の色も強く、検討会の委員の一人は「結論ありきの拙速な印象だった」と振り返った。
 検査内容への批判について厚労省労働衛生課は「妥当性は審議会でも合意を得た」と話している。

タグ:安全と安心
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ソーシャルネットと「預金シフト」

アメリカ大手銀行の顧客に対する手数料を巡り、預金口座の乗り換え運動が発生しました。ソーシャルネットの役割は個人レベルでも社会的インパクトを持ちうる実験例と思います。


「預金乗りかえ」で圧力 消費者団体など銀行戦略に影響も
日経新聞 2011年11月7日
 【ニューヨーク=西村博之】銀行の手数料引き上げに対抗する手段として、顧客や米消費者団体が「預金シフト」を呼びかけて圧力をかけている。バンカメをはじめ大手銀の戦略に影響を及ぼす可能性がある。
 「バンカメとの取引をやめ、手数料のない銀行や信用組合を探そう」。当初そう呼びかけたのは民主党のダービン上院議員。デビットカード取引に絡み、銀行が商店からとる手数料を制限する規制を提案した人物だ。
 その後バンカメの顧客からも「バンク・トランスファー・デー(銀行乗りかえの日)」と銘打った運動がわき起こり、預金を移す動きが広がった。
 今のところ大規模な預金流出とはなっていないが、銀行は欧州危機で資金繰りに神経をとがらせるだけに中長期の影響を懸念したのは間違いない。今回のバンカメの判断を促したはず、と銀行関係者はみる。
 勢いづくのは消費者団体だ。有力団体の米コンシューマーズ・ユニオンはバンカメなどの手数料撤回を受け「消費者が連携すれば大手銀の不公正な行為に対抗できる」と興奮を隠さない。
 影響が他行にも及ぶ可能性もある。最近、個人向け当座預金の口座手数料引き上げを決めた米シティグループは、理由の一つに「デビットカード手数料を課さない」ことを挙げた。同手数料が見送られ、口座手数料にも批判が向かう可能性もある。
 
【米国】堪忍袋の緒が切れた「99%」の連帯――メガ銀行から信用組合に乗り換え
週間金曜日 2011 年 11 月 22 日  5:33 PM 
 米市民のメガ銀行への静かな反乱が起こっている。ネット上に立ち上げられた「メガ銀行口座を解約、信用組合や地方銀行へお金を移そう」という「バンク・トランスファー・デイ」運動がそれである。約一カ月で一〇〇万人が大手銀行口座を解約。一一月五日には全米各地で、市民が大手銀行へ向けてデモ行進し気勢を上げた。
 この運動の創案者は、ロサンゼルスで画廊を経営するクリスティン・クリスチャンさん(二七歳)。九月末フェイスブックで友人に呼びかけたのが、またたく間に全米各地に広がった。
 きっかけとなったのは、バンク・オブ・アメリカ(以下、バンカメ)が来年からデビットカード利用者に月額五ドルの手数料を課すと発表したことだ。対象となるのは、当座・普通預金口座の預金額が計二万ドル(約一五六万円)未満の顧客。クリスチャンさんは「労働者階級を食い物にする銀行には我慢ならない」と運動を起こした動機を語っている。
 バンカメは、二〇〇八年のリーマンショック時に政府から救済された銀行の一つ。今年第3四半期で、六%増の収益が見られた。だがリーマンショック後も米経済は立ち直れず、市民の生活は逼迫している。デビットカード手数料導入に、大手銀行に不満を募らせてきた市民の堪忍袋の緒が切れた。
 この市民の動きに合わせて、信用組合側は「非営利で収益は会員に還元される」と強調し、新規口座開設キャンペーンを始めた。信用組合全米協会によると、九月二九日から四週間で六五万人が新規に口座を開設。これは昨年一年間の新規開設六〇万を上回る。
 一方、口座解約の広がりを受けてか、バンカメは一一月一日、デビットカード手数料案を撤回。同様に手数料を考慮していたJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴも見送る方針を決めている。 
(マクレーン末子・ジャーナリスト、11月11日号)
 

タグ:ネット
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2012年04月23日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 89 (放出約1000万ベクレル/1時間)

福島原発からの放射性セシウムは「今年1月は毎時7000万ベクレルから同1千万ベクレルに低減」と2月の政府と東電の中長期対策会議で報告されました。その理由として「原子炉建屋の機器の搬入口にカーテンを設置したことなどが主な要因」としています。数値的には「同原発敷地境界の放射線量は年0.02ミリシーベルト」になると言います。原発周辺の地上環境へのセシウム放出は「低減イメージ」ですが、海水への放出については不明です。したがって今回明らかにされたデータは原発の現状を示す情報の一つと認識するのがよいと考えます。

毎時1千万ベクレルに低減=1〜3号の放射能放出量−新浄化装置導入へ・福島第1
時事通信 2012年2月27日
 東京電力福島第1原発の廃炉に向けた政府と東電の中長期対策会議が27日開かれ、1〜3号機格納容器から外部に放出される放射性セシウムの量が毎時1000万ベクレルに低減したことなどが報告された。同原発敷地境界の放射線量は年0.02ミリシーベルトとなる。
 対策会議によると、放出量は昨年12月で同約6000万ベクレル、今年1月は同7000万ベクレルだった。凍結防止対策として1〜3号機建屋の開口部をふさいだため、放射性物質の舞い上がる量が減ったとみられる。
 一方、高濃度の放射能汚染水の浄化処理はこれまでガンマ線(電磁波)を放出するセシウムの分離が中心だったが、ベータ線(電子)を放出するストロンチウムなどの多様な放射性物質を分離する「多核種除去設備」を今年9月ごろまでに設置し、運転を始める。(2012/02/27-21:14)

放射性物質放出、1月の7分の1に減 福島第一原発
朝日新聞 2012年2月27日
 政府と東京電力の福島第一原発の廃炉に向けた中長期対策会議が27日、開かれ、原子炉建屋からの放射性物質放出は先月の7分の1に減ったことなど、作業の進捗(しんちょく)状況を明らかにした。放射能汚染水を海に放出できるぐらいにまで浄化できる設備を9月までに新たに設置。3月上旬に工業用内視鏡による2号機格納容器内の2度目の調査をするという。
 炉心溶融事故を起こした1〜3号機の原子炉建屋からの新たな放射性物質の大気への放出量は毎時約1千万ベクレルで、先月の7分の1に減った。放出源のほとんどが、爆発で原子炉建屋が激しく破損した状態がそのままになっている3号機からの放出だった。津波で破損した大物搬入口を塞いだことなどが理由としている。
 対策会議では、東電が東芝製浄化装置の多核種除去設備「アルプス」の基礎試験結果を公表。現在の浄化装置はセシウムの除去が主だが、セシウム以外の核種も取り除くことができるという。試験ではガンマ核種45種類で、法的に海に放出できる限度以下に減らすことができた。

福島第一の放射性物質放出量、2月上旬は大幅減

読売新聞 2012年2月27日
 東京電力は27日、福島第一原子力発電所1〜3号機から2月上旬に放出された放射性物質量は
毎時約1000万ベクレルで、1月公表時の同7000万ベクレルから大幅に減少したと発表した。
 東電は、測定時に原子炉建屋内での作業をしていなかったため放射性物質の舞い上がりが
少なかったことや、原子炉建屋の機器の搬入口にカーテンを設置したことなどが主な要因と説明している。
この放出による敷地境界の被曝線量は年間0・02ミリ・シーベルトと推定した。

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2012年04月19日

首都直下地震の被害想定を更新(東京都の予測データ)

「地震の専門家」による東京都の被害予測が公表されました。毎日新聞のヘッドラインは「首都直下型:最大死者9700人 都防災会議、想定見直し」とありますが実感がもてません。むしろ、記事中の「帰宅困難者は517万人、自宅が被災した避難者は339万人と推計」のデータが予測の困難さと空虚さをリアルに示していると思います。図は東京都心の火災推定マップです。クリックで拡大(朝日新聞2012年4月18日)。
なお、東日本大震災時当日に都内で発生した帰宅困難者は350万人を超え、首都圏(茨城県南部を含む)では515万人、ただし10代を含まない推定です。このデータは産経新聞記事(2012年1月28日)によります こちら
kaji041812.jpg
首都直下地震「死者9700人」 都の想定1.5倍に
朝日新聞 4月18日
首都直下地震の被害想定を見直していた東京都は18日、都内の死者数を約9700人とする被害想定を公表した。23区内の7割が震度6強以上となり、前回2006年に算出した約6400人の約1.5倍となった。火災による死者は木造住宅の密集地を中心に約4100人にのぼった。

 地震の専門家らでつくる東京都防災会議が作った。東京湾北部地震(マグニチュード7.3)で、空気が乾燥し、火災被害が大きくなる冬の午後6時(風速毎秒8メートル)で算出した。

 前回の想定より震源が10キロほど浅くなったことで、震度6強の地域は444平方キロメートルと、前回の305平方キロメートルから拡大。震度7も23区の湾岸地域の一部にあった。
 圧死など揺れによる死者は、約5600人(前回約2900人)。火災による死者も約3500人だった前回より約2割増えた。高齢者など災害時に支援が必要な人の死者数は約4900人と2倍以上に増えた。
 倒壊や火災による建物被害は約30万4300棟。震災で自宅に帰れない帰宅困難者は約517万人にのぼった。

首都直下型:最大死者9700人 都防災会議、想定見直し
毎日新聞 2012年04月18日
 東京都防災会議は18日、東京湾北部を震源とするマグニチュード(M)7.3の首都直下地震が発生した場合、都内の建物の約1割に相当する30万棟が全壊・焼失し、9700人が死亡するとの被害想定を公表した。帰宅困難者は517万人、自宅が被災した避難者は339万人と推計した。これを踏まえ、都は9月までに地域防災計画の改定素案をまとめる。
 首都直下地震の被害想定見直しは06年以来6年ぶりで、東日本大震災を受け昨年9月から作業を進めていた。最新の研究成果や震災の被害実態を反映させ、都内約282万棟の建物の1棟ずつの不燃化率を考慮して延焼予測を立てるなど、精度も高めた。
 想定した地震のパターンは(1)東京湾北部(2)多摩直下(M7.3)(3)海溝型の元禄型関東地震(M8.2)(4)地表近くの活断層が動く立川断層帯地震(M7.4)??の四つ。(3)と(4)は初めて実施した。発生時の気象条件を複数設定し「冬の午後6時、風速毎秒8メートル」が最も被害が大きかった。

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2012年04月16日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 88 (再稼働とリスクコミュニケーション)

「信頼とコミュニケーション」はこのブログのキーワードです。関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働を巡り朝日新聞の世論調査データが報道されました。それによると「内閣が再稼働判断の直前に決めた暫定的な安全基準について「信頼しない」は70%。政府や電力会社の夏の電力需給の見通しを、「信用しない」は66%」としています。国民は原発そして電力供給を制御・管理する当局の情報を信頼しておらず、リスクコミュニケーションが崩壊しているのが分かります。

再稼働判断に「反対」が55% 朝日新聞世論調査
朝日新聞 2012年4月15日
 朝日新聞社が14、15日に実施した全国定例世論調査(電話)によると、定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を野田内閣が妥当と判断したことについて、賛成は28%にとどまり、反対は55%にのぼった。内閣支持率は25%で、下落傾向が続いている。
 大飯原発の再稼働判断に反対が強い背景には、野田内閣が主張する安全性や必要性に対する不信感がある。内閣が再稼働判断の直前に決めた暫定的な安全基準について「信頼する」は17%で、「信頼しない」は70%。政府や電力会社の夏の電力需給の見通しを「信用する」は18%、「信用しない」は66%だった。
 安全基準を「信頼しない」人の70%、需給見通しを「信用しない」人の65%が再稼働に反対と答えている。
 原発を再稼働する場合、「地元の市町村や県の同意が必要か、それとも、政府が判断すればよいか」との質問に対しては、88%が「地元の同意が必要」と答え、「政府の判断でよい」は8%にとどまった。
 地元の同意が必要という人に、さらにその範囲を聞くと、「原発立地市町村や県の同意でよい」は13%で、「近くの市町村や近くの県の同意も必要」は83%にのぼった。全体でみると7割にあたる人が近隣自治体の同意も必要と考えていることになる。
 大飯原発の再稼働に際して野田内閣は、原発が立地している福井県、おおい町の同意は得る方針だが、同意が必要な自治体の範囲をどこまで広げるかは明確にしていない。
 野田内閣は昨年9月の発足以来、「脱原発依存」の方針を掲げている。しかし、その方針を「進めている」と答えた人はわずか19%で、「進めていない」は61%に達した。

 
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2012年04月01日

ネット情報の共有は諸刃の剣

情報の「共有」は頻繁に使われるキーワードです。グーグル社は同社が提供する60以上のサービスでユーザーの情報を「共有」しました。管理者による情報の一元管理が原理的には可能となります。
2011年「アラブの春」ではツイッターやフェースブックの代表されるソーシャルネットが社会変革に大きな影響を与えたと言われました。それは、個々人のユーザがネット情報を「共有」出来たからです。
一方、アメリカ政府は「同時多発テロ」を教訓にFBI、CIA、国防総省などの情報を共有化しましたが、その結果大量の機密情報が流出しウィキリークスにより世界に公表されました。
直近では、中国政府が自国のソーシャルネットに強烈なプレッシャをかけているようです。
ネット情報の「共有」はまさに「諸刃の剣」です。


“北京でクーデター”投稿者を拘束
NHK 2012年3月31日
中国で「北京でクーデターが起きた」というデマがインターネット上に広がり、国営の新華社通信は、警察がネット上に書き込みをした6人を社会の秩序を乱したとして拘束したと伝えました。

中国では、20日ごろ、インターネット上に「北京でクーデターが起きた」とか、「軍の戦車が北京に入った」などという複数の書き込みが、人民解放軍の戦車や兵士とみられる写真と共に掲載され、急速に広がりました。
これについて国営の新華社通信は、デマを流し、社会の秩序を著しく乱したとして、警察が書き込みをした6人を拘束したと伝えました。
デマが広がった背景には、次の最高指導部入りの可能性が指摘されていた薄煕来氏が、今月、重慶市の書記を突然解任されたことを受けて、秋の共産党大会に向けて、最高指導部のポストを巡る権力争いが激しくなっているとの臆測が国民の間で広がっていたことがあるとみられています。
中国版ツイッターの「ウェイボー」の運営会社は、31日から来月3日まで、書き込みが広がらないようサービスを一部停止していて、社会の安定を揺るがしかねない「ネット世論」に政府が神経をとがらせていることをうかがわせています。


北京で警察がネット情報取り締まり 1000人超逮捕
朝日新聞 2012年3月31日
 中国・北京の警察当局は、ネット上のデマや虚偽情報などを取り締まるキャンペーンを実施して1065人を逮捕した。国営新華社通信が31日伝えた。「有害情報の広がりに対する市民の苦情にこたえた」としているが、世論への影響力が高まるネット言論の弾圧だとの批判が出そうだ。

 市当局は2月中旬から銃器や麻薬、臓器の売買、証明書の偽造などに関する情報を中心に取り締まりを展開。3千を超えるサイトに警告を出し、70の運営会社がサイト封鎖などの処分を受けたという。
 市当局は「北京で事件が起きた」「軍が出動した」などのデマを流したとして6人を逮捕し、サイト運営会社2社に4日間の書き込み機能停止を命じたことも明らかにした。
 
タグ:ネット
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首都圏と南海トラフ地震予測(地震予測は科学か?)

nankai1.jpgnankai2.jpgkantou2012.jpg
自然現象の予測は天気予報がその代表です。これは過去の気象データに基づき、予測モデルを使ったコンピュータによる予測です。
地震の予測もカテゴリーとしては同じですが、データもモデルもその科学的根拠は明確ではなく、統計的な確率の範囲でしかありません。政治や経済的要因も大きく絡むので、地震予測は「自然科学」としては信頼性かなり低いと言えます。
にもかかわらず、日本政府と学者は「地震予測」を公表しています。2012年3月には関東から九州・沖縄にかける広大な地域の「衝撃的予測」が報道されました。
地震といえば、土地や建物の破壊・火災、津波が脅威でしたが今は原子力発電所の破壊と放射線被ばく、という全く次元の異なる恐怖が付加されました。
地震予測と原発事故を素直に受け止めれば、「直ちに日本脱出」が正解かもしれません。しかし、「予測」の科学的根拠があいまいと受け止めれば、「情報収集」と生活物資の備蓄などの「地震対策」です。
南海トラフ地震予測マップ(朝日新聞)と首都圏震度予測マップ(東京新聞)を掲載します。 

南海トラフ地震予測、10県で震度7 津波最大34M
朝日新聞 2012年4月1日
内閣府が設けた有識者の検討会が31日、南海トラフ沿いの巨大地震について新たな想定をまとめた。震度7になりうる地域は10県153市町村に及び、面積で従来想定の23倍に拡大した。最大で34.4メートルの津波が考えられ、従来の想定にはなかった20メートル以上の津波が来る可能性がある地点は6都県23市町村に広がった。中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の立地地点では、建築中の防波壁の高さ18メートルを上回る想定だ。
 発表したのは「南海トラフの巨大地震モデル検討会」(座長・阿部勝征東大名誉教授)。地震の規模を示すマグニチュード(M)を最大で東日本大震災なみの9.1に設定。そのうえで、震度分布のモデルを検討した。強い揺れを起こす領域の仮定に応じて、震源からの距離で揺れが弱まることなども考慮に入れ、多くのパターンを試算した。
 すべてのパターンを通じた地点ごとの震度の最大値を組みあわせた震度分布では、震度6弱以上の恐れがある地域は24府県687市町村に及んだ。中央防災会議が2003年時点で出した想定(20府県350市町村)から、総面積は3.3倍に増加。震度6強以上になる地域も5.6倍に拡大した。


首都直下地震 文科省想定 揺れ分布図公表
東京新聞 2012年3月31日
 文部科学省は三十日、東京二十三区東部や川崎市などが最大で震度7の揺れに襲われる、とする新しい首都直下地震の震度予測地図を公表した。これまでの国の想定では、二十三区内は震度6強が最大としていたが、最新の研究成果に基づいて計算し直した。
 震度6強では耐震性の低い木造住宅の多くが倒れるが、震度7では耐震性の低い鉄筋コンクリート建物も倒壊することが多くなるとされる。揺れが一段と強まることで、被害想定や防災計画も変更を迫られそうだ。
 中央防災会議は二〇〇五年、東京湾の地下三十〜四十キロでM7・3の地震(東京湾北部地震)が発生すると仮定。東京都の荒川周辺と湾岸地域、千葉県や神奈川県の一部で震度6強を予想していた。
 今回、文科省の委託を受けて東大などが地震計で首都圏の地下を調べたところ、東京湾北部地震を起こすと考えられるプレート(岩板)の境目の位置が、想定より十キロ浅い地下二十〜三十キロと判明。断層が浅くなると震度が大きくなるため、揺れを計算し直した。
 その結果、荒川沿いの江東区や江戸川区、多摩川沿いの大田区や川崎市などの一部で震度7となった。また震度6強の地域も二倍近い面積に広がり、二十三区のほぼ全域と川崎市、横浜市の一部に及んだ。文科省は具体的な自治体名を明言していないが、地図から読み取れる。
 計算を担当した東京大地震研究所の纐纈(こうけつ)一起教授は「仮定に仮定を重ねた試算。計算の条件を少し変えると震度7が予測される場所は変化する。今回の結果で震度7が予想された場所だけでなく、南関東のどこでも強い揺れに備えてほしい」と話している。
 国の中央防災会議や都はこの結果などを基に、一二年度中にも想定や対策を見直す。現在の被害想定は最悪で死者一万千人、建物の倒壊・焼失が八十五万棟だが、さらに厳しい数字となることが予想される。

 
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2012年03月24日

ユーストリーム画面が突如真っ白に(対策)

インターネットエクスプローラ(IE9)で突然ユーストリームの動画画面が真っ白となりました。
発生時のきっかけはわからず原因は不明です。
OSはwindows7。
ネットで検索したところいくつかの対策が見つかりました。
なおグーグル社のクローム(clome)では問題有りません。
下記サイトを参考に色々試しましたがなかなかうまくゆかず
「フラッシュプレーヤ」が使えなくなるなど難航しましたが突如回復しました。
http://qa.itmedia.co.jp/qa7097043.html
【ITmedia Keywords】
どの操作で回復したかはわかりませんが
「ActiveX フィルター」
を外したのが一因かも知れません。

アプリケーションの使いこなし、あれだけ普及しているIEも機能が多すぎてトラブルシューティングはとても難しい・・・
パソコンの「ユニバーサルデザイン化」を切望!!
タグ:ネット
posted by ichi3 at 02:08| 東京 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月18日

グーグル社のプライバシーポリシー統合の先は? 3(個人情報の不安)

グーグル社がプライバシーポリシーを統合して半月がたちました。自分の周辺ではこの問題に不安や危機感を感じている人は少ないと思います。しかし毎日新聞は「情報流出、根強い不安」とのヘッドライン記事を報じています。日常生活と関連するわかりやすい部分を書き出すと・・・
1)例えば、猫が好きで、猫について頻繁に検索している利用者が、ログインした状態でユーチューブを使うと、改めて検索しなくても猫に関係した動画がお勧めとして表示されたり、キャットフードの広告が出る−−といったイメージ
2)ネットで検索した言葉や、視聴した動画の履歴は個人情報なのか。個人情報保護法では、個人が識別できるか、ほかの情報と照合して簡単に個人を識別できる情報を「個人情報」としている。
経産省は「氏名が実名でない可能性があっても、個人情報と認められる」とする。同法は、集めた情報の利用目的を特定し、変更する場合は利用者の同意が必要だと定めている。

グーグル:個人情報一括管理方針 情報流出、根強い不安
毎日新聞 2012年3月17日
大手検索エンジンのグーグルは1日、個人情報の収集・利用に関する新しい「プライバシーポリシー」(個人情報保護方針)の運用を始めた。開始に先立って、同社の多数のサービスの登録、履歴情報が一括管理されることが明らかになり関心が高まった。個人情報流出の懸念が消えない中、日本では総務省と経済産業省が同社に対し、法令順守を文書で求めた。【岡礼子】
 ●変更点
新たな方針では、これまで60以上あったプライバシーポリシーを統一する。また、利用者の
アカウント(登録者情報)に、検索サービスで何を探したかや動画サイト「ユーチューブ」で何を見たかの利用履歴が関連づけられる。同社は「これまでも複数あるサービスの利用履歴をまとめて管理していたが、2サービスを追加した。(新方針によって)新たに情報を収集することはなく、まとめるだけ」と説明する。
 例えば、猫が好きで、猫について頻繁に検索している利用者が、ログインした状態でユーチューブを使うと、改めて検索しなくても猫に関係した動画がお勧めとして表示されたり、キャットフードの広告が出る−−といったイメージだという。利用者にとって関心がある情報が表示されやすくなる利点がある。
 グーグルなど多くのインターネットサービスは、利用者のネット上の動向を分析し、関心を持ちそうな情報や広告を表示する「ターゲット広告」の仕組みを使っている。
 グーグルが収集を明示しているのは、利用者自身が登録する名前やメールアドレスなどのプロフィル情報、同社のサービスから利用したメールの送受信や電話番号、クレジットカードの情報、スマートフォンの位置情報など多岐にわたる。
 フェイスブックも同様で、利用者は名前、年齢、趣味・関心、学歴、勤務先などを登録する。広告主はこうした情報に基づき、対象を絞った広告を出せる。例えば、「毎日新聞に勤務している30代の男性で、料理に関心がある人」に向けて広告を表示することも可能だ。
 グーグルは新方針にした理由を「新しい製品の開発に役立てるため」とする。しかし、「個人情報データベースを統合し、より効果的な広告を表示する狙いがある」とみる専門家もいる。
 ●サービス向上名目
 ネットで検索した言葉や、視聴した動画の履歴は個人情報なのか。個人情報保護法では、個人が識別できるか、ほかの情報と照合して簡単に個人を識別できる情報を「個人情報」としている。グーグルもフェイスブックも、利用者は「名前」を登録しており、サービスの利用履歴も名前に関連づけられる。経産省は「氏名が実名でない可能性があっても、個人情報と認められる」とする。
 同法は、集めた情報の利用目的を特定し、変更する場合は利用者の同意が必要だと定めている。インターネット関係の法律に詳しい森亮二弁護士は「グーグルが提示する利用目的は抽象的なだけではなく、変更に対して利用者の同意を得たとは言えない。プライバシーポリシーが複数あるのに、(以前から)個人情報の統合を進めていたことも問題だ」と指摘する。
 グーグルもフェイスブックも「個人情報は広告主に渡さない、販売しない、利用者の同意なしに公開しない」としているが、プライバシーの問題は相次いでいる。10年2月にはグーグルが、ツイッターに似た「グーグルバズ」(11年10月、終了発表)を公開した際、Gメール(グーグルの電子メール)で使っている名前や、スマートフォンの位置情報が利用者の意図に反して投稿とともに公開されて批判された。フェイスブックも企業に利用者の個人情報を無断で送信する問題を何度か起こしている。日本でもネットサービス「はてな」(京都市)が、収集した利用者の行動情報を販売していることが問題視され、13日に販売を停止した。
 米国でも個人情報の問題には敏感だ。日本貿易振興機構(JETRO)ニューヨーク事務所情報技術部ITディレクター、和田恭さんは「グーグルを使っていると、かなりの個人情報がネット上にあることになる。別々に扱われていた検索が統合されたことで、(利用履歴などが)ほかの利用者に知られてしまうのではないか。自分のプライバシーが漏えいするのではないかということを利用者は一番懸念している」と話す。
 グーグルは利用者から集めた情報を「サービス向上に役立てる」としているが、「将来どんなサービスに使われるか分からない怖さがある」とも懸念する。
 ●自分で管理を
 グーグルもフェイスブックも、自分の情報の公開範囲や、広告などへの利用を止める設定ができる。
 グーグルの場合、「ダッシュボード」という機能で、自分のアカウントに関連付けられたウェブ履歴、Gメールなどのデータを管理する。例えば、初期設定では「有効」になっているウェブ履歴を無効に変更したり、公開プロフィルを入力、または削除できる。広告表示に、検索履歴やGメールの情報を利用されたくなければ、広告に自分のデータを使うことを拒否する状態に設定する。
 初期設定はデータ利用を許諾する状態になっている。検索や、ユーチューブの閲覧など、ログインしなくても利用できるサービスは、ログインせずに使えば、自分のアカウントと利用履歴が関連づけられる可能性は減る。複数のアカウントを使い分けることもできる。
タグ:ネット
posted by ichi3 at 11:11| 東京 霧| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月05日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 87 (日米の緊急時対応の格差)

大震災から1年が近づき、原発事故の最重要キーワード「メルトダウン」についての日米当局の対応の格差がが報道されています。

日本では、1週間後(3月18日)に「保安員暫定チーム」がメルトダウンと分析した記録があるが、政府はそれを公表せず事故後2ヶ月もたった時点で「炉心溶融」を認めました(下記朝日新聞)。当時開催された重要会議の議事録は「無し」と発表しています。

アメリカでは、翌12日にメルトダウンを推定、16日にはさらなる「最悪事態」をも想定し、原発から半径50マイル(約80キロ)以内に避難勧告を出すのが妥当としていた事実が当時の議事録や録音記録によって明らかとなっています(下記毎日新聞)。

毎日新聞は2011年12月に「検証・大震災:トモダチ作戦 米のアジア太平洋戦略、鮮明」という長文の検証記事を掲載し、そこでは米軍の情報収集と作戦の一端が詳しく記載されています。日米のスタンスが際だつのが原発事故に関する情報の取得とそれに基づく行動計画です。
1 米軍は原発の異常事態が始まった3月11日夜には米エネルギー省の専門家が米ネバダ州ラスベガスを放射線量測定器を携えて出発し、横田基地へと向かった。
2 日本側は、菅直人首相が15日、東電本店に政府との「統合本部」を置き、海江田万里経済産業相と細野豪志首相補佐官を常駐させるまで、原発事故に関する十分な情報を得られていなかった。
3 米国は日本の情報提供を待たず、グアム基地の最新鋭無人航空機グローバルホークや、米ネブラスカ州に駐機中の放射性物質を観測できる大気収集機WC135コンスタントフェニックスを出動させ、独自の情報収集と分析を進めていた。
4 米軍は大震災の翌12日からグローバルホークをグアムの空軍基地から福島原発上空に急派した。5月11日までの2カ月間、撮影した4400枚以上の写真を日本に無償で提供した。
日本は「主観=感性的」、アメリカは「客観=即物的」であったといえます。日本の原発事故はアメリカの軍事戦略の一環として取り込まれていたことが読み取れます。

炉心溶融、1週間後に指摘 保安院暫定チーム
朝日新聞  2012年3月4日
経済産業省原子力安全・保安院のチームが、東京電力福島第一原発事故から1週間後には、1〜3号機の原子炉内の核燃料は溶け落ちて炉心溶融(メルトダウン)したと分析していたことが、朝日新聞が情報公開請求した文書でわかった。ただし公表はされず、国が炉心溶融を認めたのは事故から2カ月後だった。分析を国民への説明などの初期対応に生かせなかった。
 分析したのは、保安院内にある「緊急時対応センター(ERC)」で昨年3月14日から活動を始めた「情報分析・対応評価チーム」。もともと想定されていたチームではなく、保安院企画調整課の要請で、経産省や原子力安全基盤機構などの有志約10人で急きょ結成された。従来の分析部署が緊急対応に追われるなか冷静に分析する集団が必要だという判断だった。
 メンバーが注目したのは、東電から24時間態勢で送られてくる水位や圧力データ、原子炉格納容器内の放射線量を測る「CAMS」(格納容器雰囲気モニター)の数値。昨年3月15日には1、2号機で放射線量が急激に上昇し、格納容器底部に燃料が溶け落ちたことをうかがわせた。ほかのデータの変化もあわせ、同18日午後2時45分の時点で、1〜3号機ですでに炉心溶融が起きたと判断している文書が残されていた。
 文書では、溶融した燃料は底にたまって水に浸されやすくなっているため、「外部から注水を続ける限りにおいては安定した状態が継続している」と評価している。


福島原発:5日後「炉心溶融も」 NRC、最悪事態を想定
毎日新聞 2012年2月22日
 【ワシントン白戸圭一】米原子力規制委員会(NRC)は21日、昨年3月の福島第1原発事故の発生から5日後の時点で1〜3号機原子炉のメルトダウン(炉心溶融)を懸念していたやりとりなどが含まれた議事録を公開した。
 議事録によると、NRCは事故発生翌日の昨年3月12日、原子炉内部で部分的な炉心の損傷が起きている可能性を想定。ヤツコNRC委員長は同月16日、「最悪の場合、三つの原子炉がメルトダウンを起こしている可能性がある」と発言した。
 また、4号機の使用済み核燃料プールから冷却水が蒸発して放射性物質が漏れる事態を危惧。NRCのボーチャード事務局長が「同じ事態が米国で発生すれば、原発から半径50マイル(約80キロ)以内に避難勧告を出すのが妥当と思われる」と進言していた。
 議事録は事故発生から10日間のNRC内部の会議や電話でのやり取りなどを記録した内部文書で、約3000ページ。米メディアなどが情報公開法に基づいて公開を請求していた。
 

検証・大震災:トモダチ作戦 米のアジア太平洋戦略、鮮明
毎日新聞 2011年12月29日
 東日本大震災の被災地支援に陸海空で緊急展開した米軍。最大時約2万4000人を動員した大規模作戦「トモダチ」は、窮地の同盟国・日本を救うための活動だったが、一皮めくれば、軍事的に台頭する中国をにらんだ米国のアジア太平洋戦略が色濃く浮かぶ。米政府・米軍は作戦を通じ、どんな目的から何を実施し、教訓を残したのかを検証した。(肩書は当時、日本時間)
◆発生直後
 
 ◇強行着陸に空自「衝撃」
 
 「全可動艦艇出港」。海上自衛隊自衛艦隊(司令部・神奈川県横須賀市)の倉本憲一司令官が「戦時」を思わせる緊急命令を全国部隊に発令したのは東日本大震災発生から6分後の3月11日午後2時52分のことだ。
 
 海自の歴史上初めて出された命令だった。横須賀基地にいた護衛艦は緊急船舶の指定を受けて、通常の倍以上で、最高速度にあたる最大戦速に近い時速27ノット(約50キロ)で東京湾を抜けた。
 
 同司令部と隣り合わせの米軍横須賀基地。在日米海軍司令部があり、日本防衛と米軍世界戦略の拠点だが、08年から同基地を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンは定期整備中で、稼働できる状態ではなかった。代わって米国防総省が投入したのが、韓国軍との合同演習に向かうため西太平洋を航行中だった原子力空母ロナルド・レーガンを中心にした空母打撃群。大震災発生から4時間余経過した午後7時に首相官邸に「ロナルド・レーガンを宮城県沖に派遣する」との連絡が伝わり、13日朝に三陸沖に到着した。
 
 直ちに、米部隊司令官のギリア少将が、海自の護衛艦きりしまに乗り込み、指揮を執る第1護衛隊群司令の糟井裕之将補と会談。日米互いの艦艇に1佐(米軍では大佐)クラスを連絡官として送り込むことを決めた。
 
 米軍の被災地支援「トモダチ作戦」は、米海軍と海自が主導して始まった。米海軍と海自には戦後構築してきた「太いパイプ」がある。米海軍にとって日本は東アジアだけではなく、中東やアフリカまで含めた安全保障の要衝であり、双方は半世紀以上、環太平洋合同演習(リムパック)などで訓練を重ねてきていた。
 
 米空母と海自の両指揮官は毎晩、「テレビ会議(VTC)」を開いて活動内容を話し合った。ロナルド・レーガンが合同演習用に積んでいた生活物資類などはすべて被災地支援に使われた。防衛省幹部は米海軍の迅速な対応について「アジア太平洋の米軍戦力の要は海軍。日本という拠点を失うわけにはいかないという危機感の表れ」との見方を示す。
 
 「事態にどう対処すればいいのか」。3月12日、在日米軍司令部がある米軍横田基地(東京都福生市など)では、フィールド司令官(空軍中将)ら幹部が対応を協議していた。防衛省・自衛隊との連絡でいくつもの項目が支援リストに挙がった。13日には通常は横田基地の要人輸送に使うUH1Nヘリコプターで捜索・救援要員を仙台市の陸上自衛隊霞目駐屯地に輸送した。
 
 そして米軍は自衛隊の度肝を抜く作戦にとりかかった。特殊部隊潜入などに使われる米空軍嘉手納基地(沖縄県)特殊作戦航空群の輸送機MC130Hが仙台空港に着陸したのは16日。滑走路にがれきが散乱していたが、偵察を兼ねた捜索飛行などの調査結果をもとに「仙台空港を拠点とする」との方針が決まり、最低限のがれき除去で強行着陸し、復旧作戦に着手した。
 
 仙台空港の管制塔は1階のレーダー室に土砂が流入し、使用不能になった。米軍の特殊作戦部隊は独自のレーダーで飛行経路と地形を掌握していたという。空自幹部は「トモダチ作戦の中で最も衝撃的な作戦だった」と驚きを隠さない。
 
 ◆原発事故
 
 ◇連日の会議、不信払拭
 
 国防総省を巻き込んだ米軍と自衛隊の連携はスムーズに走り出したが、大震災翌日の3月12日午後に起きた東京電力福島第1原発1号機の水素爆発で、日米両政府は情報不足と連携の欠如で互いに疑心暗鬼を深めていく。
 
 「正確な情報を教えてもらいたい」。大震災発生から2日後の13日昼前、ルース駐日米大使が枝野幸男官房長官に電話で直談判した。枝野長官は「自衛隊と米軍の間で、連携はちゃんと取れている」と説明した。
 
 首相官邸は早くから米軍との連携を模索。11日夜には外部電源を失った福島第1原発の原子炉冷却に必要となった電源車(約8トン)を米軍の大型ヘリコプターで輸送できないか米側に打診したが「重すぎて困難」との返答を受けていた。その後始まった「トモダチ作戦」は順調に稼働しているはずだった。
 
 だが、複数の日本政府関係者によると、ルース大使の懸念は、爆発事故を起こした原発の現状がさっぱりわからないところにあった。14日深夜、大使は再び枝野長官に電話で「わが国の原子力専門家を首相官邸に常駐させたい。意思決定の近くに置きたい」と申し出た。同盟関係とはいえ、機密情報があふれ、厳しい政策判断を次々と迫られる官邸中枢部に入り込まれることに抵抗感を覚えた枝野氏は「難しい」といったんは断った。
 
 日本側は、菅直人首相が15日、東電本店に政府との「統合本部」を置き、海江田万里経済産業相と細野豪志首相補佐官を常駐させるまで、原発事故に関する十分な情報を得られていなかった。米国は日本の情報提供を待たず、グアム基地の最新鋭無人航空機グローバルホークや、米ネブラスカ州に駐機中の放射性物質を観測できる大気収集機WC135コンスタントフェニックスを出動させ、独自の情報収集と分析を進めていた。
 
 ルース大使が「米専門家の官邸常駐」を要請した翌日の15日、来日中の米原子力規制委員会(NRC)とエネルギー省の担当者が、班目(まだらめ)春樹原子力安全委員長、原子力安全・保安院の担当者らと面会した。「炉心は損傷しているが、メルトダウン(溶融)は起きていない」という班目氏らの説明を米側は黙って聞いていたが、日本側の出席者の一人は「米側はここで日本側との認識のズレを感じたのではないか」と振り返る。
 
 米側はすでにメルトダウンの発生を推定しており、「日本側が情報を隠しているのではないかとの疑念があった」(日本政府関係者)という。一方、躍起になって情報を探る米側の対応に日本政府内では「エシュロン(米軍を中心に運用されているとされる世界通信傍受システム)を使っているのではないか」との声も漏れた。
 
     ◇
 
 菅首相や枝野長官は協議の末、NRCの担当者らが官邸内の危機管理センター横の原子力安全・保安院や東電担当者が詰める「連絡室」に16日から常駐することを認めた。
 
 しかし、大使の懸念は消えず、北沢俊美防衛相とのパイプを頼って情報不足の解消を求めた。北沢氏はNRCの担当者を防衛省に呼び、経産省や東電の担当者らとの情報交換の場を設置。会議は計4回に及んだ。
 
 一方、防衛政務官を経験し、太い対米人脈を持つ長島昭久民主党衆院議員は18日午後、福山哲郎官房副長官、細野補佐官とともにルース大使と東京都内のホテルで会談した。
 
 長島議員「世界が注目している。日米協力で乗り切るしかない。情報共有の場を作りましょう」
 
 ルース大使「それはいい。複合的な災害の初期段階だから各省庁とも大変でしょう。お手伝いしたい」
 
 大震災発生から11日後の22日、官邸横にある内閣府ビルの一室で日米政策調整会議の初会合が開かれた。統括役の福山副長官は「この協議で出なかった話が、他の場で出ることはあり得ない」と表明した。
 
 日本側からは福山副長官のほか、官邸の細野補佐官と伊藤哲朗内閣危機管理監、防衛省、外務省、経産省、原子力安全・保安院、資源エネルギー庁、文部科学省、厚生労働省などの局長クラス、東電の武藤栄副社長らが参加。米側はズムワルト駐日公使、在日米軍副司令官、NRCやエネルギー省担当者が参加した。
 
 同会議は以後、連日午後8時から開かれ、原発への注水や、ロボットや真水を運ぶバージ(はしけ)船投入などが議論され、原発事故収束に向けた日米協力の一元的・基幹的会議となった。
 
 長島議員は言う。「(同会議設置で)深刻な不信感が払拭(ふっしょく)された。喉元過ぎれば熱さ忘れるではなく、日米協力の常設の調整機関の設置が重要だ」
 
 ◆総力投入
◇「強圧的な組織」 日本側戸惑いも
 
 米軍は原発の異常事態が始まった3月11日夜には米エネルギー省の専門家が米ネバダ州ラスベガスを放射線量測定器を携えて出発し、横田基地へと向かった。測定器は上空から地上の放射線量を測定することができる。しかし、在日米軍には放射線被ばくを想定したリスク管理の厳格なガイドラインは存在しなかった。フィールド司令官は放射性物質が人間や自然にどんな影響を与えるかについてほとんど知識がなかったことを悔いた。
 
 「ここには輸送機もヘリもある。おそらく放射性物質がある未踏の場所へと飛んでもらうことになる。だれがやる?」。専門家らが基地到着後、フィールド司令官は基地のパイロットらにこう聞いた。あくまで志願制をとるしかなかったが、全員が「やります」と返事した。上空からの測定作業は14日に始まった。
 
 米軍は生活支援に心遣いをみせた。
 
 <ここには何人いますか?>
 
 <必要なものはどんなものですか?>
 
 米軍は孤立した地域にヘリで降り立って、事前に準備していた、日本語で書かれた質問票を見せる。回答を持ち帰り、大急ぎで英訳して、その地域で必要な物資を配る。ニーズを的確に把握し、その変化に即応できる態勢が整っていた。
 
 米軍は、現場の指揮官に多くの日本勤務経験者を派遣、「日本のルール」に従う姿勢を通した。3日目以降は支援物資の搬送も頻繁になった。通常、米軍はヘリで上空から物資を投下し帰還する。04年のスマトラ沖地震・津波の災害現場でもそうだった。しかし、今回は時間をかけて着陸し物資を手渡した。緊急食として出した「戦闘糧食(レーション)」の食べ方が分からないという被災者の声を聞いて、急きょ日本語の説明書を作成した。
 
 フィールド司令官はこのころ、制服組トップのマレン統合参謀本部議長(海軍大将)からの電話を受けた。
 
 マレン議長「これからウォルシュ太平洋艦隊司令官とチームをそちらに送る」
 
 フィールド司令官「私はクビということですか?」
 
 議長「違う。できうるすべてを提供するということだ」
 
 海軍大将のウォルシュ司令官はフィールド司令官より格上で、米政府の総力を挙げた支援の意思を示すことになる。ウォルシュ司令官は3月下旬から約3週間にわたり、トモダチ作戦の指揮をとる。
 
     ◇
 
 迅速で入念な米軍の対応に自衛隊側がけおされる場面もあった。
 
 「なんだか占領軍みたいで、どうも気になるのだが」。震災後しばらくしたあと、制服最高幹部の集まる防衛省内の非公式の会合で、そんな意見が表明された。ウォルシュ司令官派遣に伴い、米太平洋軍がJTF(Joint Task Forces)の司令部を米ハワイから東京・横田基地に移すとされたことに対する懸念だった。
 
 太平洋地域で起きる有事・大規模災害に対処するための統合任務部隊の常設司令部だが、一部将官の目には「支援はしてくれるが米国流を押し通そうとする強圧的な組織」に映った。米軍は司令部移転の際は名称を変え、JSF(Joint Support Forces=統合支援部隊)として設置。日本に対する配慮を見せた形だった。
 
 作戦面でも一部に戸惑いがあった。強襲揚陸艦エセックスは多数の沖縄の海兵隊員を乗せて訓練のためにいたマレーシア沖から急きょ北上。18日には秋田沖に到着したものの、物資輸送などが主で、海兵隊の機能を発揮した27日からの宮城県気仙沼市・大島での復旧活動まで約1週間かかった。防衛省幹部は「まさか精鋭の海兵隊の部隊にゴミ拾いをさせるわけにもいかず、どこに行ってもらっていいか迷いがあった」と振り返る。
 
 日米共同復興作業の象徴と位置づけた「ソウル・トレイン(魂の列車)」作戦では、在日米軍にJR仙石線の野蒜(のびる)駅など、2駅の復旧を依頼した。そこはすでに、自衛隊が遺体の捜索を終えていた。もし、米軍が遺体を見つけ、被災地とトラブルが起きれば「米国が支援しようとしているのに、逆効果になる」(陸自幹部)との配慮があったからだ。
 
 さらに米軍との調整に関わった自衛隊幹部は「普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題もある中、沖縄の海兵隊に活躍の場を与えてほしいという米軍の意思を強く感じた」と明かす。
 
 ◇空母、中国の接近けん制
 
 日本の防衛の重点が「東方集中」する中、その空白を埋めるように米軍が静かに動き出した。
 
 「なんでこんなところに米軍がいるんだ」。3月17日、統合幕僚監部内がざわついた。マレーシア沖での訓練を切り上げて被災地支援へと向かう米強襲揚陸艦エセックスが、被災地に近い太平洋ではなく、日本海を航行していたためだ。
 
 呼応するかのようにロシア軍の動きが活発化。17日にはIL20電子情報収集機が日本領空に接近し、航空自衛隊が戦闘機を緊急発進(スクランブル)させた。
 
 続いて、米軍横須賀基地で定期整備中だった原子力空母ジョージ・ワシントンが21日、急きょ乗員や民間の整備員らを乗せ出港した。その後、伊豆大島、土佐湾沖で洋上整備を続け東シナ海にまで足を伸ばした。
 
 防衛省幹部によると、この頃、中国空軍が偵察機を頻繁にジョージ・ワシントンに向け飛ばしたことが自衛隊の警戒・監視活動で把握された。同幹部は「中国軍の偵察対象になっていたのは間違いない」という。
 
 また、中国は日本にも行動をとった。26日に東シナ海で警戒監視中の海自護衛艦いそゆきに中国国家海洋局ヘリZ9が約90メートルまで接近。4月1日には中国のプロペラ機Y12が同様に異常接近する行為もあった。
 
 3月21日には領空約60キロまで接近した集塵(しゅうじん)装置をつけたロシア軍のスホイ27戦闘機とAn12電子戦機に空自がスクランブルをかけ、29日にも情報収集機が接近。戦闘機は福島第1原発事故に伴う放射性物質の飛散状況調査が目的とみられるが、同幹部は、米軍の動向に神経をとがらせていた表れとみている。
 
 ジョージ・ワシントンは東シナ海を経由し、4月に2回、長崎県・米軍佐世保基地に物資補給などのために寄港。米海軍によると、原発事故の状況が発生当時より改善されたとして同20日に横須賀基地に帰港した。
 
 当初、ジョージ・ワシントンが横須賀基地を離れたのは、原発事故による放射性物質の被害を避けるため、と見られていた。しかし、防衛省幹部は「米軍は空母を前進配備させた。日本から要請したわけではないが、日本に手を出したら許さない、という意思表示だった」と解説する。
 
 「お客さんが来ないとおもしろくないよね」。トモダチ作戦終了後、米国防総省幹部は防衛省幹部に冗談めかして伝えたという。中露側の動きを想定し、関与を強める狙いがあったとみられる。
 
 一方、被災地支援では、中国政府による「軍事支援」の申し出が、幻に終わった事例もあった。
 
 大震災から5日後の3月16日、中国国防省が病院船派遣の用意があることを伝えたが、日本政府は27日、「港が津波で被害を受け、船を接岸できない」と、謝意を伝えたうえで辞退。だが、米海軍幹部は「中国軍の病院船が入ればトモダチ作戦のオペレーションに加わることになり、作戦会議を通じ情報を一部共有しなければならなくなる」と指摘。米軍の意向が働いた可能性を示唆した。
 
 米中両国が東日本大震災の舞台裏で繰り広げた激しい「神経戦」の背景には、中国の軍備拡大と海洋進出への野心から、劇的に変化するアジア・太平洋地域の安全保障の構図がある。
 
 中国は近年、米空母を近海に寄せ付けない「接近阻止」戦略を進め、地上から空母を攻撃する世界初の車載型対艦弾道ミサイルDF21D(通称・空母キラー)を開発。日本やフィリピン諸島を射程(約2000キロ)に収めたとされる。米国防総省によると、その攻撃能力を米領グアム付近にまで拡大させつつある。
 
 これに対して米国は昨年2月、米議会に提出した「4年ごとの国防政策見直し(QDR)」で、新構想「ジョイント・エア・シー・バトル(米空海統合戦略)」を公表。米海軍が開発中の世界初のステルス式空母艦載型無人爆撃機で対抗する戦略だ。戦闘行動半径は2780キロと長く、空母キラーの射程外から攻撃できる。
 
 米海軍関係者は「横須賀基地を(事実上の)母港とするジョージ・ワシントンに艦載することになるかもしれない。この爆撃機は日本や在日米軍基地を最前線で死守する防波堤になりうる」と話した。
 
 ただし、防衛省では大震災後の中国軍の動向を分析した結果、「日本の混乱に付け入るような不穏な動きはなかった」と結論付けたという。一方、トモダチ作戦終了後、中国関係者が防衛省幹部に伝えた。「自衛隊10万人と米軍2万人が短時間であれだけ調和した作戦を実行したのは驚きだ」
 
 ◇韓・豪と同盟強化へ布石
 
 米国のアジア太平洋での抑止力強化をベースとする対中戦略は、東日本大震災での被災地支援でも如実に透けて見えた。大震災後、被災地に世界23カ国・地域から救助隊などが駆けつけたが「軍事作戦」を組んだのは、日本の自衛隊のほかには米国と同盟関係にあるオーストラリアと韓国だけだった。
 
 豪州東部クイーンズランドを拠点とする捜索・救援タスクフォースが捜索犬を伴い大型輸送機C17で東京・米軍横田基地に着陸したのは大震災3日後の3月14日早朝。国際的な災害救援で急派される精鋭チームだ。
 
 すぐさま、米軍との調整で豪州主導の別の作戦「パシフィック・アシスト(太平洋支援)」が動き出す。到着したC17を被災地支援の輸送業務に任務変更して活用する作戦だった。
 
 C17は大型貨物を搭載できる一方、短い滑走路でも発着できる即応性・機動性に優れた輸送機。横田基地から沖縄の米軍嘉手納基地へと向かい、陸上自衛隊第15旅団の要員とトラックを乗せ、被災地へと運んだ。
 
 豪国防省は4機のC17のうち、さらに2機投入を決定。スミス国防相が21日、北沢防衛相に電話で伝えた。同夜と翌22日朝に相次いで豪州から飛び立ったC17は、米国の要請に基づき福島第1原発事故対応で使用する遠隔操作高圧放水砲システムを積んでいた。
 
 豪政府関係者は「日米豪の普段の連携があって初めてできたことだ」と振り返る。日本政府高官は「豪州からは同盟国の米国と、豪州が加盟する英連邦を通じたNATO(北大西洋条約機構)の情報が入ってくる。豪州との連携は有益だ」と語り、日米豪の連携の重要性を強調した。
 
 韓国の対応も早かった。「史上例のない大災害を経験している日本への支援に最善を尽くす」。震災当日の11日夕、韓国の李明博(イミョンバク)大統領は関係閣僚を緊急招集して指示した。12日に先遣隊を派遣し、14日からは空軍輸送機C130で救助隊や自衛隊の使う装備などを搬送。災害派遣では「過去最大規模」(韓国政府)となった。
 
 被災地支援で構築された日米韓豪の「同盟連合」の伏線は、大震災の5カ月前にさかのぼる。
 
 「エア・シー・バトル構想の成功のカギを握るのは、情報共有だ」。昨年10月、米軍の呼びかけで韓国で開催されたアジア太平洋の同盟国・友好国軍幹部の非公式会合で、同地域の米軍トップ、ウィラード太平洋軍司令官が表明した。日韓豪やシンガポール、フィリピンなどが参加。各国の軍幹部らが中国海軍力の拡大に懸念を示した。
 
 米国は、空軍の最新鋭無人偵察機グローバルホークを同盟国に売却する交渉を進めている。30時間以上の連続飛行ができ、約560キロ先まで見通し、ほぼリアルタイムで地上に情報を送ることができる。「地域全体を広範囲に監視下に置き、情報共有するネットワーク構築につながる」と米軍関係者は狙いを語る。
 
 韓国政府は「北朝鮮の警戒に役立つ」として4機を購入する計画。豪政府も「インドネシアからの不法移民や中国艦船の監視」を念頭に15年ごろをめどに5機前後を導入する方針だ。
 
 米軍は大震災の翌12日からグローバルホークをグアムの空軍基地から福島原発上空に急派した。5月11日までの2カ月間、撮影した4400枚以上の写真を日本に無償で提供した。
 
 トモダチ作戦終了から半年を経た11月。オバマ米大統領は豪州北部のダーウィン空軍基地を訪れ、最大2500人規模の米海兵隊を来年から順次駐留させると発表。中国をにらんだ同盟強化の布石を着々と打つ。
 
     ◇
 
 トモダチ作戦で日米の「軍と自衛隊」の一体化は進んだ。しかし、米国では景気悪化で国防総省予算が今後10年で最低でも5〜10%削減される見通しだ。同盟国に軍事的責任と負担を分散し、「より低コストで、より大きな効果」(クローニン新米国安全保障センター上級顧問)を生み出す狙いもある。
 
 だが、グローバルホークの売り込みに防衛省は「現在保有する偵察機で必要な役目は果たせる。日本も財政的な余裕がない」(幹部)と消極的で、米軍関係者からは「具体的な交渉の進展はない」との不満も漏れる。
 
 米国を軸とする「同盟強化」路線は、一皮めくれば、日本の防衛戦略の拡大と防衛力整備を一層迫るものでもある。窮地の日本を手助けしたトモダチ作戦や日米韓豪の軍事的連携が、日本に突きつけた課題は重い。
 
 ◇自衛隊派遣「10万人」 「防衛空白」を回避
 
 被災地支援と原発事故対応での日米作戦の裏側で、防衛省・自衛隊ではもう一つの「作戦」を遂行した。
 
 東日本大震災発生直後、東京・市ケ谷の防衛省の情報本部は緊迫した。電波や電子情報、衛星画像情報などの分析を通じ、国際的な軍事情勢や外国軍隊の動態を把握する機密情報の「総本山」だ。
 
 「本来任務を怠らず、万全を期すように」。本部内では幹部から冷静な指示が飛んだ。史上空前の災害だけに自衛隊派遣が大規模になるのはすぐに分かった。防衛省幹部が警戒したのは、大規模災害派遣と原発事故対処で国の守りに穴があく「防衛空白」だけは避けなければならない、ということだった。情報本部が収集・集約した機密情報は、司令部となった中央指揮所(CCP)にも送られ、自衛隊の運用に反映された。
 
 情報本部が提出する資料には、海上人命安全条約(SOLAS条約)に基づく船舶自動識別装置(AIS)による日本近海での中国民間船の動きや、電波情報などでとらえた中国海軍艦船の動きも含まれていた。
 
 「防衛空白」を警戒したのは、CCPに陣取る折木良一統合幕僚長も同じで、細心の注意を払った。官邸からは大震災発生直後から「大規模派遣」を促す指示が北沢俊美防衛相を通じて矢継ぎ早に出された。
 
 救援や復旧作業の要となる陸上自衛隊は地域ごとに全国に5方面隊あり、大規模部隊の師団9、機動的な旅団6で構成される。折木統幕長は幕僚会議の結果、九州や沖縄を防衛する西部方面隊の第15旅団(司令部・那覇市)と第8師団(同・熊本市)、関西地方を担当する中部方面隊の第3師団(同・兵庫県伊丹市)と、北海道防衛にあたる北部方面隊の第7師団(同・北海道千歳市)を極力、動かさないことを早々と決めた。九州や沖縄の海域を警戒する海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)の艦なども動かせないと考えた。
 
 背景にあるのは中国軍やロシア軍の存在だ。こうしてはじき出された派遣可能な自衛隊規模は、陸自に海自と航空自衛隊を含めて「12万〜13万人」だった。折木統幕長は北沢防衛相に「13万人までは大丈夫です」と伝えた。陸海空3自衛隊の実員は約23万人で、半数以上が災害派遣に割かれる事態になる。政治的な判断は実員半分以下の「10万人」に落ち着いた。
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 滝野隆浩、及川正也、尾中香尚里、大治朋子、鈴木泰広、坂口裕彦が担当しました。(グラフィック・菅野庸平 編集・レイアウト 屋代尚則)

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2012年03月03日

グーグル社のプライバシーポリシー統合の先は? 2(わかりよい対策)

情報統合のイメージが東京新聞に掲載されました。
グーグル新方針2012.jpg

グーグルが一方的に開始したデータの統合(結合)について一般ユーザはどうすればよいか?東京新聞によると、
1 自衛策としては、グーグル以外の会社のサービスを使う
2 グーグルを使う場合、検索やユーチューブなどは、メールアドレス(ID)とパスワードを入力する「ログイン」をしない状態で利用する
3 検索履歴を削除する 
などがかかれています。

ログインしないで検索した場合もデータは収集されますが、利用者の特定はしにくいとされます。しかし、アカウントを使うと状況は異なります。個人のプライバシーがアメリカの一企業に占有され、それがどのように使われるかは「闇の中」という恐ろしさがあります。グーグルは民間企業ですから資産としての「収集した情報」が漏洩・売却されるリスク、会社そのものが買収・解散あるいは海外企業による乗っ取りも当然あり得ます。

各国も懸念 グーグル新指針 個人情報一元化 筒抜けも
東京新聞 2012年3月3日
インターネット検索最大手の米グーグルが三月一日、個人情報の収集・利用についての新方針を導入しました。
 Q 新方針はどういうものですか。
 A グーグルには電子メールの「Gメール」、交流サイト「グーグル+(プラス)」など数多くのサービスがあります。これまでは個人情報の取り扱い方針はそれぞれで設けていましたが、今回は六十以上のサービスで一つにまとめました。利用者に分かりやすくしたというのがグーグルの主張です。
 Q それで何が変わるのですか。
 A 各サービスから集めた個人データが「一人の利用者」として管理されます。グーグルは「収集した情報をまとめることは、既に多くのサービスでやっていた」としていますが、これまで別に扱っていたネット検索と動画投稿サイト「ユーチューブ」の利用履歴もほかの情報と統合して活用できるようになりました。
 Q どういうことが可能になるのですか。
 A グーグルによると利用者がある有名な料理研究家のことをひんぱんにネット検索した場合、ユーチューブでレシピ動画を探すと、その料理家の動画が「おすすめ」として表示されるようになるなどサービスが向上するとしています。
 Q グーグル側のメリットは何ですか。
 A グーグルは無料サービスを通じて情報を集め、それを基に利用者に適した広告を配信する事業で成長してきました。より多くの情報をまとめることで、利用者ニーズを的確に把握できます。広告主が狙った層に商品やサービスをアピールする「ターゲット広告」の精度も上げられるでしょう。
 Q 各国で問題視する声も強いですが。
 A 個人の趣味や行動、交友関係などがグーグル側に筒抜けになることから「プライバシー侵害」につながる懸念が高まっています。欧州連合(EU)が反発しているほか、米国でも「情報がハッカーに狙われる」と反対意見が出ています。
 Q グーグルによる情報利用を制限する方法はあるのですか。
 A 自衛策としては、グーグル以外の会社のサービスを使うことが考えられます。グーグルを使う場合、検索やユーチューブなどは、メールアドレス(ID)とパスワードを入力する「ログイン」をしない状態で利用することです。また、複数のIDを取得してサービスごとに使い分けると、「一人の利用者」としては情報をまとめられなくなります。
 Q ほかにできることはありますか。
 A グーグルの「ダッシュボード」というサイトを開いてログインすると、グーグルがどんな情報を集めて保存しているのかが分かります。このサイトを通じて個人情報に関する設定が行えますが、検索履歴を削除することも可能です。


神保哲生 「グーグルのプライバシーポリシー」 
TBSラジオDIG  2012年2月28日
http://www.youtube.com/watch?v=HM8jOtMzi94
わかりやすく神保哲生氏がラジオでコメントしています。外山惠理アナウンサーとの対話も興味深い物があります(ユーチューブ)。


神保哲生 グーグルのプライバシーポリシー変更は大問題
ビデオニュースドットコム 2012年2月
http://www.youtube.com/watch?v=8fO0_gMolXg&feature=related
宮台真司氏との対話では情報統合の影響の大きさについて語られています(ユーチューブ)。アンドロイド基本ソフトを使っているスマートフォンでは自分と相手先の電話番号が収集されているそうです。また、GPSによる使用者の位置情報が取得されるので日常生活の軌跡が収集されます。

タグ:ネット
posted by ichi3 at 14:03| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月02日

大型クルーズ船インド洋を漂流3(事故後4日でセーシェルに入港)

機関室での火災発生で発電機が使えない状態で漂流し、その後フランスの大型漁船などに曳航されてコスタ・アレグラがセーシェルの首都ビクトリア港に到着しました。停電のため船室環境は劣悪だったようですが、熱帯海域で天候も安定していたため、デッキに避難して過ごした乗客も多かったようです。
米カーニバルクルーズ社の巨大クルーズ船カーニバルスプレンダCarnival Splendorの火災事故と似た状況ですが、本船では事故発生の海域が沿岸からはるけ遠く、しかも海賊の危険もありストレスを強く生じさせ環境でした。運行会社コスタ・クロシエレは立て続けの重大事故発生を意識して、乗客へのサービス提供などいくつかの対策を発表していますが、これで信頼が回復するかは疑問です。

航行中に火災のコスタ・アレグラ号、セーシェルの港に到着
AFPBB News 2012年03月02日
【3月2日 AFP】(一部更新、写真追加)2月27日にインド洋をセーシェルに向けて航行中に機関室から出火して動力を失ったイタリアのクルーズ船「コスタ・アレグラ(Costa Allegra)号」は1日、フランスの漁船にえい航されてセーシェルの首都ビクトリア(Victoria)の港に入った。

 記者会見したニコロ・アルバ(Niccolo Alba)船長は、出火から完全に鎮火するまでの3時間ほどは非常事態体制を取り、乗客にライフジャケットを着せ、救命ボートに乗せる準備をしていたと語り、非常時の国際的な規則には全て従ったと述べた。
 火災で電気系統が故障したため照明、トイレ、空調が使えなくなった。船長によると、予備のディーゼル発電機も数時間で壊れてしまったという。乗客はうだるような暑さの中、火災発生後からセーシェル入港までのほとんどの時間をデッキに出て過ごした。
■さんざんな船旅
 船を降りた乗客たちは怒り、疲れ果てた様子だった。乗客の1人は、「最悪の事態が起きたと思った。(1月中旬にイタリア中部で座礁した同じ運航会社の)別のクルーズ船の事故もあったばかりだったし、信じられない気持ちだった。海に飛び込む光景が頭に浮かんだよ。妻は怖がっていた」と話した。
 ベルギーから来た乗客の男性(62)は、「大変な旅だった。エアコンは使えないし、トイレが流せないので船室はひどく臭い。仕方がないのでデッキで寝たよ。食べ物はあったが、料理されたものはなかった。パンばかり食べていた。とても疲れた。この騒ぎが終わってくれてうれしい」と話した。
 コスタ・アレグラ号に乗り込んでいたカミロ・テスタ(Camillo Testa)神父は、「インド洋の真ん中で子供たちや高齢者を連れて船を捨てざるを得なくなることを恐れました」とイタリアのニュースチャンネルSky TG24に語った。「最悪の瞬間は警報が聞こえたときでした。すぐに非常時の対応が取られました。船室に戻れなくなったので、ちょっとしたパニックが起きました」
■セーシェル旅行の費用を提供
 しかし、そのパニックが収まった後は、できる限り休暇を楽しもうとした人もいた。「常時バーを開けておきました。水はちょっと不足気味でしたが、酒は十分にありましたからね」(フィリピン人バーテンダー)
 港には医療チームと救急車が待機したが、報告された負傷者は転んで手首と肩に軽傷を負った高齢の女性2人だけだった。乗客たちはおおむね疲れた様子だったが、デッキから手を振る人もいた。乗客をホテルに運ぶたくさんのバスと、イタリアの捜査当局者も港でコスタ・アレグラ号を待った。
 運航会社コスタ・クロシエレ(Costa Crociere)は、希望する乗客がセーシェルで1〜2週間過ごす費用として、「乗客が支払ったクルーズ船の料金および関連の旅行費用に相当する金額」を負担すると発表した。乗客の約70%がこの提案を受け入れたという。残りの乗客にも、今回のクルーズ費用のうち火災で実施できなかった分の金額に相当する同社クルーズのクーポン券を提供するという。
 25日にマダガスカルを出航したコスタ・アレグラ号は、セーシェルを経て、オマーン、紅海、地中海に行く予定だった。(c)AFP/Ella Ide


航行不能のイタリア客船、セーシェルに入港 乗客は全員無事
CNN JP 2012年3月2日
セーシェル・ビクトリア港(CNN) インド洋上で火災を起こし航行不能になったイタリアのクルーズ船「コスタ・アレグラ3 件」が1日、フランスの大型漁船に曳航されてセーシェルの首都ビクトリアに入港した。

約1000人の乗客乗員は到着から約2時間後、無事下船した。運航会社のコスタクルーズによると、ロシア人乗客2人が船上で転んでけがをしたほか、甲板で3日間過ごすことを強いられたために日焼けがひどい乗客も数人いるが、全般的には乗客の健康に問題はないという。
コスタ・アレグラ3 件は2月27日に機関室で火災が起きて航行不能になった。同じコスタクルーズが運航する姉妹船の「コスタ・コンコルディア」は1月13日にイタリア沖で座礁事故を起こし、これまでに21人の死亡が確認されている。
出火当時の様子について乗客の1人は、最悪の事態を考えて恐怖に陥ったが、乗員の対応で落ち着きを取り戻したと話している。船内は停電に見舞われたため温かい食事は出なくなり、洗い物にはミネラルウォーターを使ったという。
コスタクルーズは1日に記者会見し、旅行代金の返還やセーシェルでの休暇を含む乗客への補償内容を発表した。休暇を望まない場合は同社が運航するクルーズを2年間無料で利用できるクーポンを提供する。休暇を選んだ約70%の乗客はホテルに案内し、残り30%には帰国便を手配したという。
同社幹部は今回の事故処理について、「手際の良さや、われわれがジェノバから行った応援、事態に対する乗員の対応は非常に誇れるものだと思う」と胸を張った。出火原因や、船内にある非常用発電機が作動しなかった原因については明らかにしていない。コンコルディアの事故後、同社の予約は35%落ち込んだという。
タグ:船舶事故
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グーグル社のプライバシーポリシー統合の先は?

ネット上のデータを分析し国家、企業、団体そして個人の行動を予測するビジネスがあり、その一つがアメリカCIAとグーグル社の関連組織が投資しているRecorded Future 社です。
Welcome To Recorded Future タイトルのビデオは
http://www.youtube.com/watch?v=nG97B7tiUQg&feature=player_embedded
グーグル社のターゲットはとりあえず広告と公言していますが、バーチャルな国家機能の生成をも視野に入れていると推測します。今回のプライバシーポリシーの統合は一連のプロセスとしての実験と思います。
グーグル社のプライバシーポリシーについての詳細なコメントは下記サイトにあります。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/google_policy/20120215_512247.html

グーグル、個人情報新方針を導入 延期要請には従わず
東京新聞 2012年3月1日
 米グーグルは1日、個人情報の収集・利用についての新方針を導入した。同社の公式ブログで明らかにした。新方針には各国で「プライバシー侵害」を懸念する声が出ており、欧州連合(EU)が導入延期を求めていたが、グーグルは事前の予告通り、導入に踏み切った。
 日本語サイトでも表明。新方針は、日本の利用者を含む世界全体が対象とみられる。
 グーグルによると、1日からは電子メールや予定管理など60以上のサービスで別々に設けていた方針を統合し、一つにまとめた。検索サービスと動画投稿サイト「ユーチューブ」の利用履歴も一元化し、新サービスや広告配信に利用する見込みだ。(共同)
 
グーグル広告部門幹部、「次なる狙いは検索と広告のパーソナライズ」と発言
プライバシー・ポリシー変更への批判集中をものともせず、個人に最適化されるメリットを強調
Computerworld 2012年03月01日
こちら
 米国Googleの広告事業部門上級副社長であるスーザン・ウォジッキ(Susan Wojcicki)氏は2月29日、同社が今後数年間のイノベーションの核と考えているのは、個々人に最適化される「検索結果と広告のパーソナライズ」であると述べた。
 ウォジッキ氏がこの発言を行ったのは、同日開催された「Search Marketing Expo」コンファレンスでのこと。折しもGoogleが3月1日に施行した、全サービスを包括するプライバシー・ポリシーをめぐって激しい議論が巻き起こっているさなかのことである。
 もっとも、同コンファレンスに出席していたウォジッキ氏やGoogleの製品マネジメント担当ディレクター、ジャック・メンゼル(Jack Menzel)氏は、検索クエリや広告コンテンツをどうパーソナライズするべきか、具体的な方法についてはまだ手探り状態であることを認めている。
 今後3年から5年のうちに、Googleはどんな大きなイノベーションをわれわれに見せてくれるのかという質問に対し、ウォジッキ氏は自分自身を例に挙げ、個人に最適化されたGoogleの広告エクスペリエンスについて説明した。
 そのストーリーはこうだ。ウォジッキ氏には3歳になる娘がおり、あるとき彼女が「中国語を習いたい」と言った。そこで、あらゆる友人に「最高の先生はいないか」と尋ねる電子メールを送った。複数の友人から回答を得て、ようやく1人の中国語教師の名前が挙がった。ここで同氏は、最初に「Gmail」で電子メールを送った際に、広告として表示されていた名前がまさにその人物だったことに気づいたのだという。
 「何度もこういうケースに遭遇すれば、友達にあれこれ尋ねたりはしなくなるだろう。Googleがまるで魔法のように答えを教えてくれるのだから」と、ウォジッキ氏は語る。「これを実現するため、われわれは(パーソナライズ化に関する)現在の取り組みや、ユーザーの情報をより深いところまで取得する仕組みを少しばかりいじらなければならない」(ウォジッキ氏)。
 GoogleのSNS「Google+」に関する議論においても、ウォジッキ氏はこれと同じ点を指摘した。Google+といえば、Wall Street Journal紙が最近の記事で、ユーザーが1カ月間にGoogle+で滞在する時間はわずか3分であるというcomScoreの調査結果を紹介している。
 ユーザーはまだGoogle+の全容をまだ理解できていないのかもしれないが、Google+こそが「次世代のGoogleサービス」への扉だとウォジッキ氏は示唆する。これまでのサービスと次世代サービスとの違いは、「ユーザーがログインして、ユーザー自身のことをGoogleに教えてくれる」(ウォジッキ氏)点だという。
 ウォジッキ氏はさらに、例えば「best vacations」(すてきな休日)という同じフレーズを入力した場合でも、ユーザーごとに最適な結果が提示されることで、必然的に優れたユーザー・エクスペリエンスが実現されると展望を述べている。同氏の場合ならば、検索結果はファミリー向けのものになるのだろう。このように、個人ごとに異なる検索結果を表示することについては賛否両論があるものの、新しいプライバシー・ポリシーの施行によって、Googleは検索以外のサービスの利用データを統合/分析し、検索結果をパーソナライズすることが可能になる。
 同氏いわく、広告は単なる情報ではないという。ユーザーが「見たいと思う」広告だけを表示できるところまでGoogleがたどりつければうれしいと、ウォジッキ氏は語った。
(Cameron Scott/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)

 
グーグルの無料サービス利用で個人情報が危険にさらされている?
週刊朝日 2012年3月9日号
 グーグルが公表した新しいプライバシーポリシー(個人情報保護指針)が波紋を呼んでいる。無自覚にネットに接続しただけで、名前や位置情報、電話番号がネット企業に"ダダ漏れ"になってしまう。便利で無料のサービスを享受することと引き換えに、あなたはどこまで個人情報をさらけ出すことができますか?
 グーグルのメールサービス「Gメール」を使っている人なら、1月下旬に届いたこんな表題のメールに覚えがないだろうか。
〈Googleのプライバシーポリシーと利用規約の統一について〉
 本文の書き出しは、
「Google全体で60を超えるプライバシーポリシーがありましたが、今回、これらをより短くて読みやすい一つのポリシーに統一することにいたしました」
 以下、文章は続くが、よほどのIT通ならともかく、理解できずにそれ以上読むことをやめてしまったり、メールを削除したりした人も多かったのではないか。
 そこで、ITジャーナリストに聞くと、こう解説してくれた。
「グーグルは検索エンジンだけでなく、カレンダー機能やGメール、動画配信サイトのYouTubeなど数十のサービスを展開しています。メールの趣旨は、各種サービスを利用する人の個人情報を集約し、横断的に使うことで一人ひとりのニーズに合う情報を提供するということです」
 つまり、新たなポリシーが適用される3月1日以降は、今まで以上に「かゆいところに手が届く」サービスが提供されるようになるらしい。
 別のITジャーナリストが解説する。
「個人が"丸ハダカ"にされる、ということです。例えば、Gメールやソーシャルネットワークサービスのグーグル+などを利用する時には、個人情報を登録します。ログインしていると、そのユーザーがどんなページを見て、いつどこで何を検索したかなどが知られてしまいます」
 新たなポリシーではグーグルが集めると"宣言"した情報は、氏名やメールアドレス、電話番号、クレジットカードの個人情報、端末固有のID、検索したキーワード、通話相手の電話番号や通話日時、通話時間、IPアドレス、現在地の位置情報など多岐にわたる。

「グーグルの新ポリシーはデータ保護指令に違反」 フランス当局が仮判断
日経新聞 2012/2/29 23:
フランスのデータ保護に関する監督機関である情報処理・自由全国委員会(CNIL:Commission nationale de l'informatique et des liberte)は現地時間2012年2月27日、米Googleの新たなプライバシーポリシーについて、欧州データ保護指令に違反している可能性があるとの見解を明らかにした。
 Googleは1月24日に、製品およびサービスを統一する取り組みに沿ってプライバシーポリシーを整理統合する方針を発表した。Googleアカウントを持つユーザーが複数のGoogleサービスを使用している場合、Googleはそのユーザーに関して各サービスから個別に取得する情報を一つにまとめる。Googleはこれがサービス向上につながると主張しているが、プライバシーを懸念する声も多く、欧州連合(EU)のデータ保護に関する第29条作業部会(Article 29 Working Party)から追加情報の提出を求められた。Googleは「喜んでデータ保護当局の質問に答える」としながらも、3月1日の新ポリシー施行を中止あるいは延期するなどの措置をとる意向は見せなかった。
 CNILは第29条作業部会の依頼を受けて新ポリシーの初回分析を実施し、今回「Googleの新ポリシーは欧州のデータ保護指令の条件を満たしていない」との仮判断を下した。
 CNILはGoogleへの書簡で「新たなポリシーの条項と、サービス全体でデータを統合するというGoogleの発言からは、透明性が高まるよりむしろ、同社の実際の慣習に対する不安が募る。初期の調査では、正確にどのデータがどのサービス間でどのような目的で統合されるのか、プライバシーの専門家でも非常に分かりにくい」とし、この件に関して3月半ばまでに質問状を送ることを告知した。
 またCNILは、Googleがポリシー改訂について事前にEUの当局に概要を説明したと主張していることに対し、「すべての当局が報告を受けたのではない。内容を知ったのは新ポリシーが発表される数時間前で、フィードバックを送る余裕は無かった」と述べた。
 米New York Timesや英Financial Timesによると、Googleプライバシー担当法務顧問のPeter Fleischer氏は「当社は、簡潔かつ明確で透明性の高い新たなプライバシーポリシーが欧州のすべてのデータ保護法および原則にかなっていると確信している」と述べている。また、「CNILと協議する機会を得ようと何度か試みたが、約束を取り付けることができなかった」と反論した。
[ITpro 2012年2月29日掲載

グーグルの個人情報扱い異議あり…米で懸念拡大
読売新聞 2012年2月28日
【ニューヨーク=吉形祐司】インターネットの米検索大手「グーグル」が個人情報の取り扱い指針(プライバシー・ポリシー)を3月1日をもって変更することを決めた。
指針がプライバシーの侵害につながるのではとの懸念が米国内で広がっており、超党派の議員が詳細の説明を求めたほか、36州・特別区の司法長官が懸念を表明する事態になっている。
 グーグルが今年1月に発表した変更は、これまで60以上のサービスで個別に設けていた指針を一本化するというもの。グーグル側は「プライバシー(保護の)原則は今後も変わらない」と主張する。
 しかし、新指針の下では、グーグルに利用登録する際に提示した個人情報や検索で調べた内容、グーグルが運営する動画投稿サイト「ユーチューブ」で見た動画の履歴などが関連会社に自動的に提供されることになる。
 グーグルが収集する個人情報には、名前のほか電話番号やクレジットカード番号なども含まれ、グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を組み込んだスマートフォン(高機能携帯電話)では、利用者の位置情報も集められることになる。
 グーグル側が新指針を導入する背景には関連会社のビジネスを利する狙いのほか、利用者の関心の対象を絞り込むことで効果的なネット広告が掲載できるとの思惑もあると見られる。
 これに対し、これまでに36州・特別区の司法長官が「自動的に個人情報が共有されることによって、消費者のプライバシーが侵害される」と指摘する書簡をグーグルに送った。
 グーグル側は「利用者が、有益な情報をより迅速に得られることになる」と反論するが、個人情報の保護を巡る議論は今後も続きそうだ。

タグ:ネット
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2012年03月01日

大型クルーズ船インド洋を漂流2(生活環境劣化の中曳航中)

船内は停電で空調、トイレや調理器具も使えない状態が続いているようです。幸い気象状況は良好のようですが、海域の気温は高いため過酷な環境に長時間1000人余がさらされていると思われます。
インド洋の気象情報

http://ja.allmetsat.com/images/met5_cimss_irc.php

火災で航行不能の伊豪華客船、えい航続く トイレや調理器具使えず乗客に疲労
産経新聞 2012年3月1日
 インド洋で火災を起こし、航行不能となったイタリアの豪華客船コスタ・アレグラ(乗客乗員約千人)のえい航は29日も続き、同船は3月1日午前(日本時間同日午後)にもセーシェルの首都ビクトリアに到着する。
 運航会社コスタ・クロチエレは29日、乗船者のためにチャーター機の座席を約600席、宿泊施設を約400室確保したと明らかにした。セーシェルの航空当局によると、チャーター機は乗客らを乗せてローマに向かう予定だという。
 同社によると、船内に大きな混乱はなく、気象条件も良好。乗客らには水や果物などが配られているという。一方、ロイター通信などによると、船内は火災による停電で空調が効かず、トイレや調理器具も使えない状態だといい、乗客らの疲労は蓄積しているとみられる。コスタ・アレグラの乗客にはイタリア人やフランス人ら欧州からの客が多く、日本人は乗船していない。(共同)


航行不能のイタリア客船、漁船に曳航されセーシェルへ
CNNJP 2012年2月29日
ローマ(CNN) 乗客乗員1000人あまりを乗せたイタリアのクルーズ船「コスタ・アレグラ2 件」が機関室で起きた火災のためインド洋のセーシェル沖で航行不能になった事故で、フランスの大型漁船が28日までに現場に到着し、同船の曳航(えいこう)を開始した。セーシェルの沿岸警備隊が明らかにした。
セーシェルの大統領報道官によると、同国の沿岸警備隊の船舶と空軍機1機、タグボート2隻もこの日のうちに合流し、首都ビクトリアの港に向かっている。
コスタ・アレグラ2 件を運航する客船運航会社コスタクルーズによると、同船は27日、乗客636人と乗員413人を乗せてインド洋を航行中に機関室で火災が発生、航行不能になった。29日夜か1日朝にセーシェルの首都があるマヘ島に到着する見通しで、同国政府の協力を得て、乗客を収容する宿泊施設や国際便などの手配を進めている。
同船には欧州各国のほか、米国人8人、カナダ人13人の乗客が乗っているという。イタリアの沿岸警備隊によれば、27日の時点で健康状態は全乗客とも良好だった。食料や懐中電灯などの物資はヘリコプターから供給する予定だが、28日朝は温かい朝食は出なかったという。
コスタ・アレグラ2 件は25日にマダガスカルのディエゴスアレスを出港し、当初の予定では28日にセーシェルに着くはずだった。同じコスタクルーズが運航する姉妹船の「コスタ・コンコルディア」は1月13日にイタリア沖で座礁事故を起こし、これまでに21人の死亡が確認されている。

タグ:船舶事故
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2012年02月29日

ウィキリークスの攻撃行動再開

ウィキリークスが久しぶりに大量のメール情報を公開しました。国際ハッカー集団「アノニマス」がストラトフォーから得た情報とされます。ネット戦争の一部をかいま見た思いです。

ウィキリークス、米大手シンクタンクの電子メール公開
日経新聞 2012/2/28 23:00
内部告発サイトWikiLeaks(ウィキリークス)は2012年2月27日、米大手シンクタンクStratforの電子メールを公開する専用サイト「Global Intelligence Files」を立ち上げた。2004年7月から2011年12月にやりとりされた500万通以上の電子メールデータが含まれる。
 Stratforは2011年12月にサイバー攻撃を受けて、電子メールやクレジットカードの情報が漏えいした。この攻撃については国際的ハッカー集団「Anonymous(アノニマス)」が犯行声明をTwitterに投稿している。Anonymousは入手したクレジットカード情報を使って慈善寄付を行ったほか、Stratforの顧客リストを公開。顧客リストには米陸軍、米海軍、マイアミ警察をはじめ、銀行、防衛産業の契約事業者、技術関連企業などが含まれていた。
 Global Intelligence Filesでは、電子メールを日付ごとに整理し、件名、送信者、受信者、送信日時、電子メールIDを一覧表示できる。件名あるいは電子メールIDをクリックするとメッセージ内容を閲覧可能だ。メッセージ内容から、情報提供者の確保、情報提供者への報酬の仕組みなどがうかがえる。
 また、米政府によるWikiLeaks創設者Julian Assange氏に対する攻撃やStratforのWikiLeaks転覆計画の部外秘情報も含まれ、WikiLeaksあるいはAssange氏に言及した電子メールメッセージは4000通を超えるという。
 なお、WikiLeaksはこれら電子メールデータの入手経路については明らかにしていない。
[ITpro 2012年2月28日掲載


ウィキが暴いた大企業御用達スパイ会社の正体
Wikieleaks Emails Allege ' Stratfor Spied on Activists'
ジェブ・ブーン
コカコーラやダウ・ケミカルが調査会社に活動家の監視を依頼していた事実が明るみに
ニューズウイーク 2012年02月28日
政府や企業の機密情報を暴いて数々の騒動を巻き起こしてきた内部告発サイト、ウィキリークスが、新たな攻撃を開始した。
 今度のターゲットは米民間調査会社ストラトフォー。ウィキリークスは今週、国際ハッカー集団「アノニマス」がストラトフォーから盗み出したという500万通もの電子メールを順次公開しはじめた。2月27日の初回公開分には、ストラトフォーが有名企業の依頼を受けてアメリカやカナダの活動家の動向を探ってきた様子が克明に記されている。
 公開されたメールによると、ストラットフォーはコカコーラや米化学大手のダウ・ケミカルとユニオンカーバイドなどの依頼を受け、反グローバル化と反資本主義を掲げるアメリカの活動団体「イエス・メン」や動物愛護団体PETA(動物の倫理的待遇を求める人々)の動向を監視していたという。
 イエス・メンが監視対象にされたのは、1984年12月にインド中部ボパールで農薬工場から有毒ガスが漏出し、1万人近くが死亡した悲劇について世論を喚起しようとしていたため。この史上最悪規模の産業事故を起こした張本人が、ユニオンカーバイドだった。

 同社と後に同社を買収したダウ・ケミカルは、事故から25年の節目に再び世論の反発が高まるかどうかを知りたかったようだ。公開されたメールには、イエス・メンのメンバーの個人情報やメディアへの露出、ニュース媒体での扱いなどについて詳細に報告されている。
 ストラットフォーのバート・モンゴベン副社長が04年11月に送ったとされるメールには、こう書かれている。「(事故から25年の式典まで)1か月を切り、主要なプレイヤー、特に(国際人権団体)アムネスティ・インターナショナルがボパールの事故を利用してより大きな問題を提起していると思うだろう。だが、その証拠は見当たらない」「彼らが25周年を機により大きな問題提起ができないなら、おそらく今後もできないだろう」

バンクーバー五輪の妨害を恐れたコカコーラ
 ウィキリークスのメール公開を受けて、イエス・メンは即座に声明を発表。自分たちの活動がウォール街占拠運動などと同じように成功した証しだと胸を張った。
「ウォール街がウォール街占拠運動を怖れたように、今回のメール流出によって、企業が『より大きな問題』、つまり組織的な犯罪行為に光が当たることを最も恐れていることがわかる」
 一方、コカコーラ社がストラットフォーに依頼して、カナダにおける動物愛護団体PETAの活動を監視していたことも明らかになった。2010年のバンクーバー冬季オリンピックのスポンサーに決まっていたコカコーラは、PETAがスポンサーへの嫌がらせや五輪期間中のイベントへの妨害行為を行う可能性を恐れて調査を依頼したのだ。
 ストラットフォーとコカコーラ社員の間を09年に飛び交ったとされるメールをみると、コカコーラはPETAのカナダでの活動の詳細について報告を求めていたようだ。その内容は、カナダ国内の賛同者の数、そのうち積極的な活動行為に傾倒している人の数、アメリカ国内のPETA賛同者がカナダを訪れて活動に参加する可能性、PETAとは無関係の活動家らがデモに参加する可能性、PETAの国境を越えた支配体制、妨害行為を計画・実行する能力まで多岐に渡っていた。

(GlobalPost.com特約)


「影のCIA」のメール500万通、ウィキリークスが公開
ロイター 2012年 02月 28日
[27日 ロイター] 政府等の内部文書を公開する民間サイト「ウィキリークス」は27日、米情報関連企業「ストラトフォー」の電子メール500万通以上の公開を開始した。
ストラトフォーは「影の米中央情報局(CIA)」とも呼ばれる民間企業。同社は事業内容について、地政学的なリスク分析を行い、購読者に情報を提供していると説明している。購読企業には「フォーチュン500」(米経済誌フォーチュンの米企業トップ500社)に選出された企業も含まれる。
ストラトフォーは声明で、電子メールが盗まれたことは同社に対する脅迫だとし、それには屈しないと強調。一方で、公開される電子メールの一部は「偽造、もしくは変更が加えられた可能性がある」とした。
ウィキリークスは電子メールを入手した経緯を明らかにしていないが、国際的ハッカー集団の「アノニマス」は今年初め、ストラトフォーの社員約100人の電子メールを盗んだとし、内容を公開すると発表していた。


タグ:ネット
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2012年02月28日

大型クルーズ船インド洋を漂流1(機関室火災で主電源失う)

イタリアの豪華客船コスタ・アレグラCOSTA ALLEGRA(乗客636人、乗員413人)がアフリカ東部のインド洋上を航行中に機関室で火災が発生し漂流中です。外部との通信などは確保されているようですが船内は停電して生活・住居環境は悪化していると思われます。
大型クルーズ船の火災で漂流は、2010年11月のカーニバル・スプレンダCarnival Splendorと似ていますが、この時は米国沿岸海域だったこともあり、近海で訓練中だった原子力空母ロナルド・レーガンが救援活動をするなど、支援体制が活発で多くの報道もありました。
http://ichi3.seesaa.net/article/168989125.html
 しかし今回は漂流現場が遙か洋上であり、本船の状況についての情報が乏しく、セーシェル当局が派遣した航空機による観察と本船との無線くらいしか無いようです。コスタ・アレグラには船首と船尾にブリッジカメラあり、ライブで静止画を断続的に見ることが出来ますが現在サービス停止中です。
http://www.costacruisesasia.com/jp/costa_allegra.html
漂流で気になるのは気象状況ですが、今回の事故現場はソマリア沖の海賊が出没する海域であり、その対策としてイタリアの海兵隊のチームが乗り込んでいるとされますが、海賊は不安要素の一つです。
海賊の発生情報(IMB;International Maritime Bureau)は
http://www.icc-ccs.org/piracy-reporting-centre/imb-live-piracy-map
今回の事故との関係は不明ですが、本船が今年1月にイタリア西岸で座礁し、死亡・不明者32人を出した、「コスタ・コンコルディア」と同じ会社に所属しているのも話題となっています。また意外なことに、本船が1969年建造のコンテナ船を改造したもので、ANNIE JOHNSON号の写真と基本データそしてCOSTA ALLEGRAの写真も下記サイトに掲載されています。
http://kommandobryggan.se/johnson/annie69.htm

近くを航行中のコンテナ船や漁船の支援も報道されていますが、本船を曳航する船の到着に時間がかかり、本格的な支援体制が事故後24時間を経過しても取れていない状況は心配です。


曳航が始まった、との速報を追記します(中国新聞)
近くの島へ向けえい航 火災の伊客船、度重なる事故に批判も
中国新聞 2012年2月28日
近くの島へ向けえい航 火災の伊客船、度重なる事故に批判も 【ローマ共同】イタリアのメディアによると、インド洋のセーシェル諸島付近で火災を起こし、航行不能となったイタリアの豪華客船コスタ・アレグラ(2万8597トン、乗客乗員約千人)は28日午前、セーシェル当局の要請で駆け付けたフランス船籍の漁船にえい航されて、近くのデロシュ島に移動を始めた。セーシェルの沿岸警備隊が明らかにした。

 同船は、1月にイタリア中部沖で死者25人、行方不明者7人を出した座礁事故を起こしたコスタ・コンコルディアを運航するコスタ・クロチエレ社が所有。度重なる事故に、同社の安全対策への批判が高まりそうだ。
 イタリア港湾当局によると、セーシェル当局が派遣した航空機が上空から観察した結果、沈没の危険はないという。
 乗客らはデロシュ島から、船の本来の目的地であるセーシェル諸島最大のマヘ島へ向かい、帰路に就くという。デロシュ島までは24時間以上かかるとみられている。
 救助のため、セーシェル当局が派遣した2隻のえい航船が28日午後にも現場海域に到着する予定だったが、停電で空調が効かないなど船内の状況が悪いため、えい航を急いだとみられる。近くで操業していたフランス船籍の漁船は、28日未明にコスタ・アレグラと合流した。
 事故が起きた海域はソマリアの海賊が出没することで知られ、コスタ・アレグラが狙われるのではないかとの懸念も出ている。同船には、あらかじめ海賊対策としてイタリアの海兵隊のチームが乗り込んでいるという。
 コスタ・クロチエレは27日夜、乗客の国籍の内訳を発表。イタリア人やフランス人ら欧州からの客が多く、日本人は乗船していなかった。


出火の伊豪華客船 身動きとれず
NHK 2012年2月28日
アフリカ東部のインド洋で27日、乗客乗員1000人余りを乗せた豪華客船が航行できなくなり、救助の船が向かっていますが、現場に到着するのは日本時間の27日遅くの見込みで、身動きがとれない状態が1日以上続くことになります。

航行できなくなったのは、イタリアの豪華客船「コスタ・アレグラ」で、船会社によりますと、27日午前、アフリカ東部のインド洋にあるセイシェル諸島の沖合を航行中に、機関室から火が出て電源を失ったということです。
火はまもなく消し止められ、乗客乗員合わせて1000人余りにけがはなく、沈没などのおそれもないとしています。
外務省によりますと、乗客の中に日本人はいないということです。
現場には、港までえい航するための船が向かっていますが、到着するのは早くても現地時間の28日午後(日本時間の27日遅く)になるということで、身動きがとれない状態が1日以上続くことになります。
客船がいる海域は、ソマリアの海賊が出没することで知られ、船の安全が懸念されています。
この客船を運航していたのは、先月、イタリア中部の島で、乗客乗員合わせて少なくとも25人の死者を出す座礁事故を起こした豪華客船「コスタ・コンコルディア」を所有していた船会社で、今回の客船の火災を巡っても、安全対策が十分だったかどうかを問う声が高まりそうです。


伊客船インド洋で火災、航行不能に 乗客ら1000人超 沈没の恐れはなし
日経新聞  2012/2/28
【ローマ=共同】ANSA通信によると、インド洋上で火災を起こし、航行不能となったイタリアの豪華客船コスタ・アレグラ(乗客636人、乗員413人)について、近隣のセーシェル当局が派遣した航空機が上空から観察した結果、船が沈没する危険はないことが27日、分かった。イタリアの港湾当局が明らかにした。
 同船は、1月にイタリア中部沖で死者25人、行方不明者7人を出した座礁事故を起こしたコスタ・コンコルディアを運航するコスタ・クロチエレ社が所有。度重なる事故に、同社の安全対策への批判が高まりそうだ。
 事故が起きた海域はソマリアの海賊が出没することで知られ、コスタ・アレグラが狙われるのではないかとの懸念も出ている。同船には、あらかじめ海賊対策としてイタリアの海兵隊のチームが乗り込んでいるという。
 同社によると、船は火災により停電して空調が効かず、非常電源を使って無線などを稼働させている。近くにいた漁船などが救援に向かったが、乗客の救助はせず、通信面などを支援。えい航船2隻の現場到着は28日午後(日本時間同日深夜)になる見通し。えい航先は不明。
 コスタ・クロチエレは27日夜、乗客の国籍の内訳を発表。イタリア人やフランス人ら欧州からの客が多く、日本人は乗船していなかった。


伊の大型客船、今度は火災で漂流 座礁船と運航会社一緒

イタリア沿岸警備隊は27日、同国の大型客船「コスタ・アレグラ」(約2万9千トン)がインド洋西部のセーシェル近くで火災を起こし、乗員・乗客千人以上を乗せたまま漂流していると発表した。船は1月にイタリア西岸で座礁し、死亡・不明者32人を出した「コスタ・コンコルディア」と同じ会社が運航している。
 AFP通信などが伝えた。火災は機関室の発電機付近で起き、すでに消し止められた。船はマダガスカルからセーシェルに向かっていたという。同警備隊は「船はエンジンが止まっている。連絡は取れている」としている。
 乗客636人、乗員413人にけがなどはなかった。伊メディアによると乗員・乗客のうち212人がイタリア人だという。
 近くの貨物船が救助に向かったほか、セーシェルからも救助船や航空機が向かっているという。(ローマ)
タグ:船舶事故
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2012年02月24日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 86 (パニックか被ばくかの危機管理)

事故後11ヶ月を過ぎた今になって事故当初の日本政府・東電と米NRCの危機管理対応を比較する報道が出てきました。日本では発電所から3キロ避難、10キロ屋内退避、20キロ避難、30キロ屋内待避と時間経過にしたがい徐々に範囲を広げました。一方アメリカは、いきなり発電所から半径50マイル=およそ80キロ圏内に避難勧告を出しました。
原子力事故では放射線被ばくの回避が最優先事項ですから、避難範囲を大きくとったアメリカの対応は危機管理の原則に従った選択でした。日本の対応は、避難範囲を小さくとり段階的に広げる戦略で「住民のパニック行動を防ぐ」を優先したもので、いわば心理面に焦点を合わせています。アメリカの対応は「被ばく回避」すなわち生理的側面を優先させたものです。
「最悪の事態から出発」が原子力事故の原則であることは、実は日米政府とも共通していました。東京新聞(下記に掲載)によるとアメリカでは「300キロ超の避難を議論」したとあります。日本では、朝日新聞(下記に掲載)によると「事故が起きた2週間後の昨年3月25日、事故が拡大すれば、東京都も含む半径250キロ圏内の住民が避難対象になる」と事故後10ヶ月の2012年1月に報道されました。
日本は心理優先、アメリカは生理優先の原則は「除染」「健康被害」「賠償」「住民対策」の分野にも貫かれている重要な要因の一つです。被ばくと健康被害は取り返しの効かない事態ですから「生理的」要因が優先されるべきと考えます。


300キロ超の避難を議論 第1原発事故で米NRC
東京新聞 2012年2月23日
 【ワシントン共同】東京電力福島第1原発事故で、米原子力規制委員会(NRC)が原発から300キロ以上離れた場所にいる米国民に、自主避難を呼び掛けるかどうか議論していたことが22日、明らかになった。同委員会が公表した電話会議などの議事録で判明した。
 実際には、米国による避難勧告は半径80キロ以内だったが、自国民の安全確保を最優先に、さまざまな検討を行った様子が浮き彫りになっている。

事故翌日「スリーマイル超える」 震災当初の保安院広報 中村幸一郎審議官
東京新聞2012年2月22日
福島第一原発の事故当初、記者会見で「炉心溶融の可能性がある」と説明した後、経済産業省原子力安全・保安院の広報担当を交代した中村幸一郎審議官(52)が21日、本紙のインタビューに応じ、その経緯などを語った。事故は深刻で、発生翌日には、米スリーマイル島原発事故を超えると思ったと当時の認識を語る一方、交代は発言とは無関係だと強調した。
 交代の経緯は、政府事故調査・検証委員会の中間報告でも検証されているが、報道機関に詳細を語るのは初めてという。
 中村氏は、1号機の原子炉を覆う格納容器の圧力が上昇した昨年三月十二日未明には「難しい状況に入ってきているなと思った」と、当時の認識を説明。
 消防車で注水を始めたのに、原子炉の水位が低下している状況をとらえ「(過熱した)核燃料の溶融が始まっている可能性がある」と考えた。大学で学んだ原子力工学の知識も判断を下支えした。
 同日午前の会見で、「(核燃料を覆う)被覆管が一部溶け始めていることも考えられる」と、初めて溶融の可能性に言及した。
 午後の会見前には、「コア(幹部)の人たちはそういう(溶融の可能性があるとの)認識を持っていた」と、寺坂信昭院長(当時)らと認識を共有していたと説明。寺坂氏の了承を得て、会見で「炉心溶融の可能性がある。ほぼ進んでいるのではないか」と踏み込んだ経緯を説明した。
 その後、首相官邸側が保安院の説明に懸念を示しているとの情報を得た寺坂氏から、ほかの審議官を介して「発言に注意するように」と指示された。
 中村氏は同日夕の会見を最後に広報担当を交代した。その後、保安院の説明は「炉心が破損」など、「溶融」を使わなくなった。
 このため、溶融発言によって交代させられたと受け取られてきたが、中村氏は「一、二時間おきに計十数回、二十五、六時間寝ずに会見をし、長い仕事になると思ったので休もうと考えた」と、自ら願い出ての交代だったと強調した。

米当局 メルトダウン想定して対応
NHK 2012年2月22日
アメリカ原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の事故発生直後の委員会内部のやり取りを記録した議事録を公表しました。この中では、アメリカ当局が、事故発生から5日後には、最悪の事態を想定すると1号機から3号機までの3つの原子炉がすべてメルトダウンする可能性もあるとして、日本政府が付近の住民に出した避難・屋内退避指示よりも広い範囲の勧告を行うよう提起していたことが分かりました。
アメリカ原子力規制委員会は、21日、東日本大震災が発生した去年3月11日から10日間にわたる、委員会内部の電話などによる緊急会議のやり取りを記した3000ページ以上にわたる議事録を公表しました。
それによりますと、事故発生から2日後のアメリカ東部時間12日には、福島第一原発の敷地内の周辺でセシウムなどが検出されたことが分かったことから、少なくとも原子炉内部で部分的な炉心損傷が起きている可能性があるなどとして、発電所から半径50マイル=およそ80キロ圏内に避難勧告を出すべきはないかと、幹部が原子力委員会に対して進言していたことが分かりました。
さらに、16日には、原子力規制委員会のヤツコ委員長が、最悪の事態を想定すると、1号機から3号機までの3つの原子炉がすべてメルトダウンする可能性もあると指摘し、また、ボーチャード事務局長が、「同じ事態がアメリカ国内で発生すれば、原発から50マイル以内には避難勧告を出すのが妥当だと思われる」と述べて、日本政府が福島第一原発の付近の住民に出した半径20キロ圏内の避難指示、20キロから30キロ圏の屋内退避指示よりも広い範囲の勧告を行うよう、委員会に提起していたことが分かりました。
今回、公表された議事録は、アメリカの規制当局が福島第一原発の事故を受けてどのような初動対応を行ったかを示す資料だけに、関心を集めるものとみられます。
錯そうする情報
今回公開された議事録からは、事故直後の情報の錯そうぶりも伝わってきます。3月16日の早い段階では、東京で対応に当たっている専門家チームのメンバーが、「東京電力から、4号機の使用済み燃料プールに水が残っていないとの情報を得た」として、とにかく注水を急ぐべきだとしています。しかし、ヤツコ委員長らが、50マイル圏内の避難勧告を出すと決めたあと、同じ日の遅い時間になって、「東京電力は、燃料プールに水が残っていないとは言っていない」という情報がもたらされ、委員長が、正確な情報を改めてスタッフにただす様子もうかがえます。
専門家チームのカスト代表は、「東京電力が扱うには、あまりに問題が大きすぎる」と漏らし、日本側との間で、情報が錯そうしていたことをうかがわせています。
議事録とは
公開された議事録は、原子力の安全規制を担当する原子力規制委員会が、アメリカとして、東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応を検討するために開いた電話会議などの内容を記録したものです。議事録は、アメリカの情報公開法に基づいて公開され、事故が発生した3月11日から20日までの10日分、合わせて3200ページ余りに上ります。
議事録には、原子力規制委員会のトップであるヤツコ委員長と、日本に派遣されていた担当者などとの間で交わされたやり取りが詳細に記され、日本側から得られた福島第一原発に関する情報などを基に、委員会が日本に滞在するアメリカ人の避難などを検討していった様子がうかがえます。一方、議事録では、日本にいる担当者と当時の北澤防衛大臣ら防衛省幹部とのやり取りを記した部分など一部が黒く塗りつぶされ公開されていません。非公開の理由について、委員会側は、「外国からもたらされた情報で機密に当たる」と説明しています。


福島原発:5日後「炉心溶融も」 NRC、最悪事態を想定
毎日新聞 2012年2月22日
 【ワシントン白戸圭一】米原子力規制委員会(NRC)は21日、昨年3月の福島第1原発事故の発生から5日後の時点で1〜3号機原子炉のメルトダウン(炉心溶融)を懸念していたやりとりなどが含まれた議事録を公開した。
 議事録によると、NRCは事故発生翌日の昨年3月12日、原子炉内部で部分的な炉心の損傷が起きている可能性を想定。ヤツコNRC委員長は同月16日、「最悪の場合、三つの原子炉がメルトダウンを起こしている可能性がある」と発言した。
 また、4号機の使用済み核燃料プールから冷却水が蒸発して放射性物質が漏れる事態を危惧。NRCのボーチャード事務局長が「同じ事態が米国で発生すれば、原発から半径50マイル(約80キロ)以内に避難勧告を出すのが妥当と思われる」と進言していた。
 議事録は事故発生から10日間のNRC内部の会議や電話でのやり取りなどを記録した内部文書で、約3000ページ。米メディアなどが情報公開法に基づいて公開を請求していた。


半径250キロ圏内を避難対象 政府の「最悪シナリオ」
朝日新聞 2012年1月6日
東京電力福島第一原発で事故が起きた2週間後の昨年3月25日、事故が拡大すれば、東京都も含む半径250キロ圏内の住民が避難対象になるという「最悪シナリオ」を政府が想定していたことを、6日の閣議後会見で細野豪志原発担当相が明らかにした。
 シナリオは、当時首相補佐官だった細野氏が菅直人首相の指示を受け、近藤駿介原子力委員長に依頼、委員長が個人的に作成して政府に提出した。
 資料では、最悪のシナリオとして、原子炉2炉心分の1535体もの燃料が貯蔵されていた4号機の使用済み燃料プールの燃料が溶けることを想定した。プールは3月15日の原子炉建屋の爆発でむき出しになっており、さらに1号機の原子炉が水素爆発を起こして作業員が退避、復旧作業が止まると、14日程度でプールから放射性物質が大量に放出されると推定した。

 
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2012年02月14日

ケータイ・携帯電話は定額制廃止へ(ネット世界も格差拡大時代)

スマートフォンはデータ通信のコスト環境を変えつつあります。アメリカと香港のネット提供企業が定額制を廃止しつつあるニュースが流れています。
関連した「事件」として、毎日新聞(1月25日、下記に掲載)によると「NTTドコモは25日、東京都心部で午前8時26分から起きた通信障害は午後1時過ぎに復旧したと発表した。データ通信を処理する「パケット交換機」の不具合が原因で、最大252万人に影響が出た」とあり、日本の政治とビジネスの中枢「東京都千代田区、港区、新宿区など14区内の一部」が長時間にわたり通信遮断状態に陥ったのですから「大事件」です。
通信分野でも日本の信頼度は急落です。通信障害多発の一因はスマートフォンの普及拡大とされますが、根底にはベスト・エフォートBest Effort(インターネットの基本にある発想。最善努力のこと 。サービスの品質保証もしない。「ギャランティ」(保証)はしない。謝罪で事が済む)が有ると思います。
したがって、ネットワークの提供側から見れば、今回の事件は通信料金の従量制・高額化を主張する絶好のチャンスととらえていると想像します。毎日新聞(2月7日、下記に掲載)によると「ドコモは通信設備を増強するため、11年度から4年間で1640億円の設備投資を計画」とあります。
しかし、Best Effortの呪縛からの解放は困難と思いますから、個人ユーザーにとっては高額負担で通信制限、不安定な「踏んだり蹴ったり」になる可能性があります。なお、日経BPによると「ベスト・エフォートという言葉自体は,以前からある普通の英語表現なのだが,国内で一般に広く使われるようになったのは1996年以降のこと。この年に始まったインターネット接続サービス「OCN」の仕様を,NTT(当時)が説明するために使った」とされます。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NNW/NETHOT/20050204/155750/

データ定額制、香港で相次ぎ廃止 スマホ普及で
日経新聞 2012/2/13 19
【香港=川瀬憲司】スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の急速な普及を背景に、香港の携帯電話各社が一定額を払えばデータ通信が使い放題になる「定額制」料金を相次ぎ廃止する。他社に先駆けて13日から新規受付停止を決めていた数碼通(スマートーン)に続き、PCCWモバイルが同日、新規受付の即日停止を発表。CSLも同日、年内廃止の方針を公表した。香港では定額制から、使用量に応じて課金する「従量制」への移行が一気に進む見通しだ。
 各社の定額制廃止に向けた動きは、スマホの爆発的な普及によるデータ通信量の急増とともに、香港の監督当局である香港電訊管理局(OFTA)が同日施行した新たな規制の効果が大きい。
 OFTAの新規制では定額制で「無制限」をうたい文句にした事業者は、一切の通信制限を禁じられる。これまで事業者は一部のヘビーユーザーの接続速度を遅らせるといった措置をとることがあった。このような通信制限ができなくなることが、事業者の背中を押した形だ。
 ただし、各社とも廃止するのは新規受付のみ。過去に交わした定額制サービスの契約は、期間満了まで尊重される。
 スマホの普及で通信網への負荷が過大になる現象は、日本を含めた世界各国・地域の携帯電話事業者にとって共通の経営課題。米国ではAT&Tやベライゾン・ワイヤレスなどが従量制に切り替えており、香港での動きはこれに続く形だ。


au通信障害:スマホ設備投資に遅れも…KDDI
毎日新聞 2012年2月13日
 KDDI(au)の携帯電話で通信障害が相次いでいる。11日夜に約3時間半にわたりメール送受信が困難になるなど、1月25日〜2月11日に3回の通信障害が起きた。昨年6月〜今年1月には、スマートフォン(多機能携帯電話)普及による通信混雑への対応不足などによって、NTTドコモで相次ぎ通信障害が発生している。KDDIは「通信混雑が直接原因ではない」との見解だが、どこに問題があるのか根本原因が明らかにならない中では、スマホ普及に向けた設備投資が遅れるなどの影響が出る可能性もある。
 11日の通信障害は、栃木県内の電源装置が故障して、メールを管理する装置へ電源を送れなくなったことが原因。ただ、電源装置の故障原因は不明だ。今回の通信障害は「2時間以上継続、影響3万人以上」の「重大事故」に当たる。総務省は行政指導を検討している。
 相次ぐ通信障害を巡っては、総務省が1月26日、ドコモに対して「スマホ急増への対応が不十分」と行政指導をした。一方、KDDIの場合、3件とも「個々の機器の故障。ドコモのケースとは違う」(広報部)と説明する。
 ただ、9日のケースは、直前にスマホ普及対策の工事をしていた。KDDIは工事と通信障害の関連を調査中で、原因を究明するまでは工事も進められない。社内にも「短期間に複数回起きるのは異常」と危機感も募る。同社は一連の通信障害の原因究明を進め、社内処分はその後になる見通しだ。【種市房子】


NTTドコモ:通信障害 アプリ信号過多で負荷 情報量把握不能、「オープン性」裏目
毎日新聞 2012年2月7日
 <検証>
 昨年から相次ぐNTTドコモの通信障害は、スマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)の普及で急増するデータ通信量に、インフラ整備が追いついていない通信業界の危うさを浮き彫りにした。携帯電話事業者は各社とも、データ通信の使用が多いヘビーユーザー向けの抑制対策や、通信をさばくための設備投資に腐心しているが、スマホ特有の事情から完全に問題を解決するのは難しそうだ。【種市房子】
 スマホの売り物は、携帯大手以外の事業者や個人が作ったアプリ(アプリケーションソフト)を利用して、機能を増やせることだ。しかし、1月25日にドコモで発生した通信障害では、このメリットが裏目に出た。
 通信障害の原因は、スマホの扱う情報量がドコモの想定を超えるほど多くなり、情報を処理する「パケット交換機」の能力をオーバーしたことだった。情報量を押し上げたのは、スマホと交換機との間で常時やりとりされる「制御信号」だ。
 ドコモの多くのスマホで採用している米グーグル社製の基本ソフト(OS)「アンドロイド」は28分に1回、接続状況などを知らせるために制御信号を発している。また、無料で通話やメールをやりとりできるアプリを組み込むと、使っていない時でも、端末がどこにあるかという位置情報や接続状況を知らせる制御信号を3〜5分間隔で送受信するため、さらに情報量が増える。つまり、使っている人の知らないうちに一定のデータが流れているため、そこに電話やインターネット閲覧などの使用が一定時間に集中すると、交換機に負荷がかかり、異常が起きやすくなるわけだ。
 だが、この制御信号の量を事業者が把握するのは難しい。アンドロイドは、誰でも自由にアプリを開発できる「オープン性」が売り物のため、日々アプリは増えている。すべてのアプリについて、何分間隔でどのくらいの量の制御信号を出すのかをつかむのは至難の業だ。実際、「データ量をつかめなかった」とドコモの山田隆持社長は1月27日の会見で、アプリの情報をつかみ切れていなかった実態を認めた。
 ソフトバンクやKDDI(au)が販売している米アップル社製の「iPhone(アイフォーン)」ではアップルが対応アプリを審査しており、アプリの制御信号量も把握できる。それでも、端末の機能が向上してアプリの使用が増えれば、対応には限界がある。ソフトバンクの孫正義社長は「OSとアプリの製作者が一緒になって問題解決に取り組まなければ、みんなが困る」と述べ、業界全体で取り組む必要性を指摘する。ドコモは再発防止策として、グーグルやアプリ開発者に、制御信号を減らす改良や、制御信号量などの情報開示を呼びかける方針だ。
 ◇ヘビーユーザー対策急務
 携帯電話のデータ通信は、1%の利用者の通信量が全体の3分の1を占めるとされる。背景には、スマホ普及のため、各社ともデータ通信が5000円前後で使い放題となる定額料金制を導入していることがある。ヘビーユーザー対策は各社にとって重要な課題になっている。
 ドコモは、直近3日間の通信量が300万パケット(1パケット=128バイト)に達すると、通信速度を遅くする規制を09年10月から実施。KDDI(au)にも同様の規制がある。さらにドコモは、今年10月から、高速無線通信サービス「Xi(クロッシィ)」については、通信量が7ギガバイトまで定額で、それ以上は通信量に応じて追加料金を払う制度を導入。メールだと730万通分に相当するため、「98%の利用者には影響しない」(ドコモ)という。
 ただ、スマホ利用者が増えると通信量は底上げされる。ドコモは通信設備を増強するため、11年度から4年間で1640億円の設備投資を計画。このうち500億円は、一連の通信障害を受けて積み増した分だ。
 これだけ巨額の投資をしてでもスマホに対応しなければならないのは、スマホ販売が市場の主戦場になっているからだ。調査会社、MM総研の推計では、今年3月末の携帯電話契約数は1億1239万件で、スマホは約2割の2598万件。しかし、15年3月末には従来型の携帯電話を上回り、全契約数1億2068万件のうち6137万件を占めると予測されている。
 収入の柱は音声通話からデータ通信に移っており、スマホ需要を取り込むことが各社の最重要課題になっている。値下げ競争で契約者獲得に走る一方で、急増する通信量をカバーするために巨額の投資が必要になるという構図になっており、「通信の質」を維持しながらどう契約者を増やしていくか、経営のかじ取りは難しさを増している。


ドコモ:一時、通信障害…都心部で252万人に影響
毎日新聞2011年1月25日
NTTドコモは25日、東京都心部で午前8時26分から起きた通信障害は午後1時過ぎに復旧したと発表した。データ通信を処理する「パケット交換機」の不具合が原因で、最大252万人に影響が出たという。ドコモでは通信障害などのトラブルが相次いでおり、総務省は同日、同社に対して原因を特定するよう指示した。
 通信障害が起きたのは、第3世代携帯「FOMA」。25日未明に、パケット交換機を新型に切り替えた後、十分にデータを処理できない不具合が生じた。さらに同日午前、JR山手線で運転見合わせがあり、乗客らによる通信が集中。交換機に一段の負荷がかかりデータ通信がしづらくなった。交換機を旧型機に戻したところ復旧した。
 影響したのは東京都千代田区、港区、新宿区など14区内の一部。日中のビジネス街とあって、利用者から「何でつながらないのか」「いつになったら復旧するのか」との問い合わせが午後2時現在、228件に達した。
 ドコモは昨年8月の通信障害を受け設備増強を進めたが、トラブルが続き、最近2カ月で4回目。昨年12月には、スマートフォン(多機能携帯電話)でメールアドレスが他人のものと置き換わるトラブルが起きている。【種市房子】

タグ:ネット
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2012年02月12日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 85 (放出約7000万ベクレル/1時間)

政府が表した「冷温停止状態」の福島第一原発は、しかしながら2012年1月時点で1-3号機の放出量が増加、と東電が発表し時事通信が報じました。1時間当たりで約7000万ベクレルといいます。
そして、2号機での原子炉格納容器下部での温度上昇も気になる活動です。今の福島第一原発は決して「停止状態」ではありません。

1〜3号機の放出量増加=放射性物質「作業で舞った」−東電
時事ドットコム 2012年1月24日
 東京電力は23日、福島第1原発1〜3号機の原子炉格納容器から放出された放射性セシウムの量を測定した結果、1時間当たり計約7000万ベクレルだったと発表した。昨年12月の測定に比べ、約1000万ベクレル増えており、東電は「作業員の出入りや、がれきの撤去で放射性物質が舞い上がった」と説明している。
 測定結果は、同日開かれた政府と東電の中長期対策会議の第2回会合で報告された。
 東電は毎月、放出量を測定している。前回12月の測定では1、2号機が1時間に1000万ベクレル、3号機は同4000万ベクレルだったが、今月は1号機が同200万ベクレルと減少した一方、2号機で同2000万ベクレル、3号機で同5000万ベクレルに増加。1〜3号機で計1200万ベクレル増えた計算になる。

2号機の温度、75度に上昇 福島第一原発、原因は不明
朝日新聞 2012年2月12日
東京電力は12日未明、炉心溶融事故を起こした福島第一原発2号機の原子炉圧力容器の底の温度が一時約75度に達したと発表した。11日午後10時45分に原子炉への注水量を毎時1トン増やし同14.6トンにしたことで、温度上昇は止まると見ているが、依然として原因はわかっていない。

 東電によると11日午後5時の温度は69.5度。午後11時に74.9度まで上がった。午前9時は71.3度だった。ただ、同じ高さには別に二つ温度計があり、こちらは35度近くで推移している。
 圧力容器下部温度は6日には一時73.3度に達したが、原子炉への注水量を増やした7日未明以降、64〜71度の間で推移していた。圧力容器下部の温度が80度を超えると「冷温停止状態」の条件を満たさなくなる。
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2012年01月30日

ツイッター社は検閲容認姿勢か

「表現の自由」と「検閲」のバトルは古くて新しい問題ですが、現代のネット時代では身近で個人的な現実です。
「ツイッター」は今や一般名詞のイメージがありますが1民間企業にすぎません。したがってそこに託したメッセージや情報がどのように扱われるかは当該企業のポリシー任せとなります。民間企業ですから、倒産、買収、売却、合併などは国境を越えて発生する可能性はいつでも起こりえます。これはネット情報を今や独占的に掌握しているグーグル社も同じです。つまり。こうしたインフラに依存するリスクは高いのを前提として利用すべきでしょう。
 
法律違反の短文投稿は削除 ツイッター社、検閲助長の恐れ
47ニュース 2012年 1月29日
【ロサンゼルス共同】短文投稿サイトを運営する米ツイッター社は28日までに、ある国の法律に違反する書き込みが行われた場合、その国では見られなくする措置を開始すると発表した。政府が国民の目に触れさせたくない情報の検閲につながる恐れがある。
 ツイッター20+ 件は昨年の中東の民主化運動「アラブの春」で、民衆が連帯して政府に対抗するのに大きな役割を果たしただけに、ツイッター20+ 件社に対して批判が出ている。
 AP通信によると、「国境なき記者団」はツイッター20+ 件社の措置に「極めて失望」と表明。中東からはツイッターのボイコットを呼び掛けるメッセージが多数書き込まれた。

ツイッター社が検閲容認? 国別に特定の書き込み非公開
朝日新聞 1月28日
 米ツイッター社が、現地の法律に基づき自社の簡易投稿サイトへの書き込みの削除を求められた場合、その国や地域では見られなくする仕組みを導入した。「アラブの春」など表現の自由を抑圧された市民らが規制をくぐって活用してきただけに、「検閲を認めるのか」と反発が出ている。
 ツイッター社の26日の発表によると、削除要請があれば、利用者に知らせたうえで、その国・地域では「書き込みは閲覧不能」といった文言に置き換える。他の国・地域では引き続き見られる。削除要請などの詳細はサイトで随時報告する。これまでは削除する場合でも、世界で一挙にするしかなかったという。
 これに対し、NPO「国境なき記者団」(パリ)は27日、「表現の自由を規制するもので、アラブの春につながった検閲抵抗の運動に逆行する。政府高官の電話一本で書き込みを違法とするなど、あらゆる乱用にドアを開け放つ」との抗議文を同社トップに出した。
 
ツイッター、「要請あれば」国別に投稿削除の方針を表明
CNN JP 2012.01.28
(CNN) 簡易投稿サイト「ツイッター2 件」は28日までに、外国政府などが要求すれば投稿内容を削除するなどの措置を行う方針を明らかにした。あくまでも要請があった場合で、それも個々の事例を配慮して実施するとしている。

ただ、内容の削除は当該国のユーザーのみが対象で、他国の利用者には引き続き見られるようにする。削除が実施された国のユーザーに対し、削除の事実やその理由を知らせる措置も講じるという。
これまでの方法では、内容を削除する場合、該当の投稿を全世界的に抹消するしか手段がなかった。
ツイッター2 件の今回の方針について、言論の自由やネットユーザーの個人情報保護を訴える団体エレクトロニック・フロンティア・ファンデーションは明白な検閲2 件とも受け止めている。ただ、投稿内容を削除するよう指示や要請があった場合、無視して政府当局による接続阻止の危険に遭遇するか、求めに応じるかの選択肢しかないとし、ツイッターは厳しい状況の中で最良の対応を行っているとも評価した。
ツイッターの報道担当者はCNNに対し「表現の自由を非常に重視しており、削除に踏み切らないよう努力する。主義信条の変化を意味するものではない」と強調。ただ、国によっては削除を実施せざるを得ない場合があるとして、ドイツやフランスが実施しているナチズム支持の表現の規制に言及した。

また、表現の自由が厳しく抑圧され、ツイッター利用がない国もあると指摘。同社は「場所や日時にかかわらず投稿内容を掲載することに尽力する。これが出来なかった場合、ユーザーに隠すことなく知らせる」と主張した。

タグ:ネット
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2012年01月29日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 84 (地震頻発と70%不安?)

東北から関東にかけ地震が多発している「印象」が強まっています。ユーストリームでは
「緊急地震速報」
http://www.ustream.tv/channel/m-slive
「強震モニタ+地震波形音」
http://www.ustream.tv/channel/nied4maps-test
などのサイトがあり、音声や波形音で常時モニターをしていると、一日数回の速報は珍しくありません。

さらにマスコミ報道の「M7クラスの地震の発生確率は、4年以内に70%」はインパクトのあるメッセージですが、その算出根拠・モデルが気になります。新聞記事は「結論」だけなのでよく分かりません。
 素朴な不安にとらわれても不思議ではありません。そこで・・・「4年以内に70%」について調べてみました。
東京大地震研に掲載されている関連ページは
http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/shutoseis/

 東大地震研には「2011年9月の地震研究所談話会」での発表であるとしています。また、この発表は専門家のレビューを受けておらず、示された数字は非常に大きな誤差を含む、との研究所サイトから?のコメントがついています。
 また、発表者も、試算の対象である東北地震の誘発地震活動と,いわゆる首都直下地震を含む定常的な地震活動との関連性はよくわかっていないので,両者を単純に比較することは適切でない。そして、試算結果の数値に大きな誤差やばらつきが含まれている、とコメントしています。

 上記ページによると
1 「酒井准教授らは東北地震による首都圏の誘発地震活動も広い意味では余震である」との仮説を採用。
2 「グーテンベルグ・リヒターの式のパラメータb値や改良大森公式のパラメータp値を推定」を使った。
としています。

 筆者は地震予測についての専門知識はありませんが、ここで示される「確率70%」の科学的根拠は不確定要素が含まれています。

関連で
東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 40(日本の地震予知は非科学か?)
http://ichi3.seesaa.net/article/197406198.html

米サイエンス誌2011年5月20日号に茨城県沖のひずみについての記事があります。
http://www.sciencemag.org/content/332/6036/1421.full

酒井准教授ほか東大グループの試算(2011年)
M7クラスの地震の発生確率は、4年以内に70%、30年以内では98%と予測。
政府の地震調査研究推進本部の試算(2004年)
大震災前、別の計算方法で南関東でM7程度の地震が30年以内に70%の確率で発生すると予測。


M7級首都直下地震、4年内70%…東大地震研
読売新聞 2012年 1月23日(月)
 マグニチュード(M)7級の首都直下地震が今後4年以内に約70%の確率で発生するという試算を、東京大学地震研究所の研究チームがまとめた。
 東日本大震災によって首都圏で地震活動が活発になっている状況を踏まえて算出した。首都直下を含む南関東の地震の発生確率を「30年以内に70%程度」としている政府の地震調査研究推進本部の評価に比べ、切迫性の高い予測だ。
 昨年3月11日の東日本大震災をきっかけに、首都圏では地震活動が活発化。気象庁の観測によると12月までにM3〜6の地震が平均で1日当たり1・48回発生しており、震災前の約5倍に上っている。
 同研究所の平田直(なおし)教授らは、この地震活動に着目。マグニチュードが1上がるごとに、地震の発生頻度が10分の1になるという地震学の経験則を活用し、今後起こりうるM7の発生確率を計算した。 .


首都圏に直下型地震、4年以内に70% 東大地震研
朝日新聞 2012年1月23日
 東日本大震災の影響で地震活動が活発化していることを受け、東京大地震研究所は23日、首都圏でマグニチュード(M)7級の直下型地震が4年以内に70%の確率で起きる可能性があるとの計算結果を、ホームページで公表した。過去の地震の発生状況から統計的に計算した。家具の倒壊防止や緊急の連絡手段の確認などの備えを促している。
 地震研は、東日本大震災が起きてから昨年12月までに、東京都など首都圏で起きたM3以上の地震を気象庁の観測データから抽出した。震災前はM3以上の地震は5年間で約500回だったが、震災後は5.5倍の1日あたり1.48回に増えた。
 地震はMが1大きくなると、発生頻度は10分の1になることが経験的に知られている。これを踏まえ、今回のデータから、M7クラスの地震の発生確率を計算したところ、4年以内に70%、30年以内では98%になった。
 政府の地震調査研究推進本部は大震災前、別の計算方法で南関東でM7程度の地震が30年以内に70%の確率で発生すると予測している。地震研の平田直教授は「東日本大震災が起き、大地震はしばらくないと考えてしまう人がいるが、他の地域での発生確率はむしろ高まっていると認識してほしい」と話している。

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2012年01月24日

アメリカ「オンライン海賊行為防止法案」への危機感

アメリカ上・下院は2つのネット言論機制に関する法案を審議し、「言論の自由」と「著作権保護」の観点から世界の注目を集めました。特に下院で審議していた「Stop Online Piracy Act(SOPA)」は、ネットでの言論を「DNSサーバーにおけるコンテンツ遮断など」包括的に言論を規制する手段が含まれていることが判明しました。CNNによれば「ウィキペディア」やソーシャルニュースサイト「レディット」が法案に抗議してサイトを閉鎖し、グーグルも700万人以上の反対署名を集め、さらにニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンDCでは大規模なデモも行われた、とされます。ホワイトハウスや欧州委員会での政治的動きもあったようです。そしてアメリカ上・下院は著作権保護法案の審議を無期限延期しました。
 ネット言論の世界はこれからも目が離せません。CNETのニュースと関連サイトは こちら


米上下院、著作権保護法案の審議を無期限延期 抗議受け
CNN Japan 2012年1月21日
ニューヨーク(CNNMoney) 米上・下院は20日、論議を呼んでいる2つの著作権保護法案を取り下げた。
上院では来週、「Protect IP Act(PIPA)」法案を取り上げるか否かを決める投票が予定されていた。同法案は一時、広く浸透し、超党派の支持を得ていたが、ハリー・リード上院院内総務は20日、「最近の一連の出来事を考慮し」投票を延期すると発表した。
また、下院も独自の著作権保護法案「Stop Online Piracy Act(SOPA)」を保留すると発表した。下院法務委員会のラマー・スミス委員長は声明で「(下院は)解決策について幅広い合意が得られるまで同法案の審議を延期する」と述べた。
両法案に反対しているのは主にハイテク企業だ。ハイテク各社は今週、ユーザーに対し、議員に直接、法案反対を訴えるよう呼び掛けた。また1月18日にはオンライン百科事典「ウィキペディア」やソーシャルニュースサイト「レディット」が法案に抗議してサイトを閉鎖した。グーグルも700万人以上の反対署名を集め、さらにニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンDCでは大規模なデモも行われた。
PIPAとSOPAの目的は、海賊版コンテンツを扱ったり、その取引の便宜をはかったりするサイトへのアクセスやサービスを制限することにより、著作権違反を取り締まることにある。両法案は複数のメディア企業の支持を獲得し、当初は早急に可決されると見られていた。PIPAは5月に上院の委員会で満場一致で可決された。しかし、下院が独自の法案であるSOPAを取り上げると、ハイテク企業は反対のロビー活動を開始し、それが今週の一連の抗議行動につながった。
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米上下院、オンライン海賊行為防止法案を審議保留に
鈴木 英子=ニューズフロント
日経BP ITpro 2012/01/23
米上下院は現地時間2012年1月20日、抗議行動が相次いだオンライン海賊行為防止法案について、審議を保留することをそれぞれ明らかにした。

 米国では、海外サイトによる著作権侵害行為を防止することを主要な目的として、上院で「Protect Intellectual Property Act(PIPA)」が、下院で「Stop Online Piracy Act(SOPA)」が審議されていた。しかしこれら法案には、DNSサーバーにおけるコンテンツ遮断など「国内インターネットおよび技術企業に制約を与える手段が提案されている」として、多くのインターネット関連企業や業界団体が反発し、米ホワイトハウスも同様の懸念を示す声明を1月14日に発表した。また、1月18日には、オンライン百科事典「Wikipedia」やソーシャルニュースサイトの「reddit」が一時サービスを停止し、米Googleが議会への嘆願書の署名を促すリンクを英語版サイトに掲載するなどの抗議行動が繰り広げられた(関連記事:SOPAおよびPIPAに対する抗議行動が拡大、Facebookもあらためて反対表明)。
 上院多数党院内総務のHarry Reid議員は、「最近の動きを踏まえて」1月24日に予定していたPIPAの投票を延期すると発表。上院の判断を受け、下院法務委員会委員長のLamar Smith議員も「より広範な賛同が得られるまで」採決を延期する方針を明らかにした。しかし両院いずれも海賊行為が米国経済に与える重大な影響を強調し、引き続き米国の知的財産と雇用を保護するための法案に取り組むとしている。Reid議員は「数週間以内に妥協点に到達したい」との考えを示した。
 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、欧州連合(EU)欧州委員会(EC)のデジタルアジェンダ担当委員Neelie Kroes氏は、SOPAへの抗議行動を擁護するコメントをTwitterサイトに投稿。「オープンなネットの恩恵を保護するべきときに、悪法は必要ない」とツイートした。一方、PIPAを提案したPatrick Leahy議員は、採決延期の判断を「尊重する」としながらも、「オンライン海賊行為対策に時間がかかれば、それだけ米国の雇用、労働者や消費者が影響を被る」と述べている(InfoWorld)。


ウィキペディアが「スト」へ=ネット過剰規制に抗議
朝日新聞 2012年1月18日
 【ニューヨーク時事】オンライン百科事典「ウィキペディア」を運営するウィキメディア財団は17日までに、米議会が検討している知的財産権保護法案がインターネットの過剰規制につながるとして、英語版の運営を一時停止する抗議活動を18日(米国東部時間)に行うと発表した。一種のストライキで、ウィキペディアは同日午前0時から24時間「ブラックアウト」状態となる。 

 
タグ:ネット
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2012年01月23日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 83 (重要事項の記録なし)

「政府の原子力災害対策本部の議事録が作成されていなかった」とは事実でしょうか?
「公文書管理法」に反するし、これは意図的な「証拠隠滅」ではないか。議事録は事故原因や再発防止の資料としても意味があったはずです。関連で「最悪シナリオを封印」との記事があります。リスク・コミュニケーションからも国民と政府の「信頼性」は切れています。

原発事故 国本部の議事録作成せず
NHK 2011年1月22日 
東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡って、避難区域や除染の方針など重要な決定を行ってきた政府の「原子力災害対策本部」の議事録が作成されていなかったことが分かりました。専門家は「将来同じ失敗を繰り返さないようにするための財産が失われたという意味で、国民的な損失だと思う」と指摘しています。
政府の原子力災害対策本部は、総理大臣を本部長とし、経済産業大臣をはじめ全閣僚をメンバーとするもので、原発事故当日の去年3月11日に設けられ、避難区域や除染の基本方針、農作物の出荷制限など原発事故を巡る重要な決定を行ってきました。NHKで、去年11月、それまでに開かれた21回の会議について「議事録や内容をまとめた資料など」の情報公開請求を行ったところ、公開されたのは、議題を記した1回の会議について1ページの「議事次第」だけで、議論の中身を記した議事録は作成されていなかったことが分かりました。NHKの取材に対し、原子力災害対策本部の事務局を務めている原子力安全・保安院の担当者は「業務が忙しく議事録を作成できなかった」と説明しています。公文書管理法は、国民への説明義務を果たすとともに政府の意志決定の過程を検証できるようにするため重要な会議の記録を残すよう定めており、公文書の管理を担当する内閣府は、原子力安全・保安院の担当者から聞き取りを行うなど経緯を調べています。原発事故への対応を巡っては、東京電力と政府が合同で事故対応を検討した「事故対策統合本部」でも主要な会議の議事録が作成されていなかったことが分かっており、内閣府は、この経緯についても調べています。
公文書の管理や情報公開制度に詳しい名古屋大学大学院の春名幹男特任教授は「政府の重要な立場にあった人たちは、記録を残さないと責任を果たしたことにはならない。今回は、自分たちの失策がそのまま記録されると困るので、あえて記録を残さなかったと思われてもしかたない。将来同じ失敗を繰り返さないようにするための財産が失われたという意味で、国民的な損失だと思う」と指摘しています。

【最悪シナリオを封印】 菅政権「なかったことに」  大量放出1年と想定  民間原発事故調が追及
47ニュース 2011年1月21日
公文書として扱われず
 東京電力福島第1原発事故で作業員全員が退避せざるを得なくなった場合、放射性物質の断続的な大量放出が約1年続くとする「最悪シナリオ」を記した文書が昨年3月下旬、当時の菅直人首相ら一握りの政権幹部に首相執務室で示された後、「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが21日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。
 民間の立場で事故を調べている福島原発事故独立検証委員会(委員長・北沢宏一(きたざわ・こういち)前科学技術振興機構理事長)も、菅氏や当時の首相補佐官だった細野豪志原発事故担当相らの聞き取りを進め経緯を究明。危機時の情報管理として問題があり、情報操作の事実がなかったか追及する方針だ。
 文書は菅氏の要請で内閣府の原子力委員会の近藤駿介(こんどう・しゅんすけ)委員長が作成した昨年3月25日付の「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」。水素爆発で1号機の原子炉格納容器が壊れ、放射線量が上昇して作業員全員が撤退したと想定。注水による冷却ができなくなった2号機、3号機の原子炉や1〜4号機の使用済み燃料プールから放射性物質が放出され、強制移転区域は半径170キロ以上、希望者の移転を認める区域が東京都を含む半径250キロに及ぶ可能性があるとしている。
 政府高官の一人は「ものすごい内容だったので、文書はなかったことにした」と言明。別の政府関係者は「文書が示された際、文書の存在自体を秘匿する選択肢が論じられた」と語った。
 最悪シナリオの存在は昨年9月に菅氏が認めたほか、12月に一部内容が報じられたのを受け、初めて内閣府の公文書として扱うことにした。情報公開請求にも応じることに決めたという。
 細野氏は今月6日の会見で「(シナリオ通りになっても)十分に避難する時間があるということだったので、公表することで必要のない心配を及ぼす可能性があり、公表を控えた」と説明した。
 政府の事故調査・検証委員会が昨年12月に公表した中間報告は、この文書に一切触れていない。
 
 【解説】検証阻む行為許されず
 東京電力福島第1原発事故の「最悪シナリオ」が政権中枢のみで閲覧され、最近まで公文書扱いされていなかった。危機の最中に公開できない最高機密でも、公文書として記録しなければ、次代への教訓を残すことはできない。民主的な検証を阻む行為とも言え、許されるものではない。
 民主党は2年半前、政策決定の透明性確保や情報公開の促進を訴えて、国民の信を得たはずだ。日米密約の解明も「開かれた政治」を求める国民の期待に応えるための作業だった。
 しかし、今回明らかになった「最悪シナリオ」をめぐる一連の対応は、そうした国民の期待を裏切る行為だ。
 シナリオ文書を「なかったこと」にしていた事実は、「情報操作」と非難されても仕方なく、虚偽の大量破壊兵器(WMD)情報をかざしながらイラク戦争に突き進んだブッシュ前米政権の大失態をも想起させる。
 民間の立場で調査を進める福島原発事故独立検証委員会が文書の取り扱いをめぐる経緯を調べているのも、そうした民主的な視点に根差しているからだ。ある委員会関係者は「不都合な情報を握りつぶしていたのではないか」と指摘する。
 昨年末に中間報告をまとめた政府の事故調査・検証委員会が「最悪シナリオ」に切り込めていないのも問題だ。政府は民間の事故調査を待つことなく、自らが経緯を明らかにすべきだ。(共同通信)

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2012年01月22日

11万トン級クルーズ船座礁・水没・沈没 4(本船水没の経過)

乗客・乗員合わせて4200人余りが乗船し座礁し水没状態の「コスタ・コンコルディア」ですが事故から1週間、死者12人、不明20人と報道されています。船長の誤った状況判断と行動が重大事態を招いたとされます、
船体が岩礁に衝突し浸水が始まるまでの経過をウオール・ストリート・ジャーナルが報じています。

午後9時45分 岩石層に衝突
午後10時14分「単なる停電」と海洋オペレーション部門に応答
       この時点で亀裂から海水が流れ込み、エンジン室は浸水
午後10時58分 船の避難警報が鳴る

イタリア、沈み行く船は国を象徴との見方を自覚
ウオール・ストリート・ジャーナル 2012年1月19日
【ローマ】大型豪華客船「コスタ・コンコルディア」がイタリア中部ジリオ島沖で座礁・横転した13日の事故について、船が沈み始めた際に船長と運航会社が電話で交わした会話を当局が調べている。
 この調査により、4000人以上に対する避難命令が出されるまでに1時間以上かかった理由が明らかになる可能性がある。この遅れは救助活動の妨げとなり、乗客の間でパニックが起こった。
18日は海が荒れたため、10万5000トン級の同船の傾きが増し、ダイバーによる捜索・救出作業が停止された。事故5日後時点の死者は11人、行方不明者は21人。
 調査は、船が岩にぶつかった際にスケッティーノ船長が取った措置を中心に行われている。衝撃があった後、船長は船を海岸に近づけた。理由はまだわからないが、船長は避難を遅らせ、沿岸警備隊を呼ばなかった。船が避難警報を発するまでに、沿岸警備隊は船に少なくとも4回電話している。
 関係筋によると検察当局は、同船を運航するカーニバル傘下コスタ・クロチエレ社が緊急時に対応方法を船長に指示したかどうか見極めに努めている。
 同社の広報担当者は、船長との通話について緊急時の手順だと述べたが、捜査を受けている最中だとしてそれ以上のコメントは控えた。
 3方を水に囲まれ、忙しい港を擁し、数々の海戦を経験してきたイタリアは、この事故の話で持ちきりだ。新聞、ニュース番組、トークショーは、半分沈んだ巨大な船の写真であふれている。船が航路を外れていった過程、海外でも放送されている沈み行く船の映像、誰が救助活動を指揮するかをめぐる争い―この事故は多くの人にとって、10年に及ぶ景気低迷からの軌道修正に腐心する国の象徴になっている。
 52歳のスケッティーノ船長の行動は特に関心を集めている。船長と沿岸警備隊員が事故後数時間に電話で交わした会話の録音記録から、乗客を残して船を去ることについて、救助活動を救命ボートから「調整する」ほうがいいと言い訳する船長の姿が浮かび上がってくる。
 イタリアのメディアは、電話で船長を非難した沿岸警備隊の司令官グレゴリオ・デファルコ氏をもてはやしている。同氏が発した「船に戻れ、ちくしょうめ!」を意味する鮮やかなイタリア語をプリントしたTシャツがインターネットで売られている。 
 このほか、少年に救命ボートの席を譲り行方不明になっているバンドのドラマーや数人を救助し足を骨折した船員も英雄だ。
 主要ニュース番組のあるキャスターは18日、「海外の人にとって、この出来事はイタリアの象徴になっている」と述べた。「われわれは自分が悪い船長ではなく良い司令官だと思っている。しかし外の世界は逆だとみている」
 17日には、トスカーナ州グロッセートの判事がスケッティーノ船長をソレント近くの故郷の自宅に軟禁すると決定した。容疑は過失致死や乗客に対する救助義務放棄だ。18日発表の裁判所文書によると、船長は判事からの質問に対し、ジリオ島に近づくために本来の航路を外れたと答えた。
 船長は「その瞬間は電話で話していた」と判事に述べている。相手は同島にいた同僚。船を港に近づけ、警笛を鳴らして「あいさつ」したかったのだという。船に搭載されたコンピューターのナビゲーションシステムは使っていなかったとしている。
 関係筋が確認した供述書抜粋によると、同船長は「目視でナビゲーションしていた。あの辺の海底は良くわかっていた。それまでに同じ動きを3回か4回したことがあった」と述べた。
 船長は、救命ボート配置の混乱に対応する中で誤ってボートに転がり落ちたと判事に説明している。「逃げるつもりはなかった。乗客数人が救命ボートを海に降ろすのを手伝っていた」としている。
 船長を擁護する声も出始めた。新聞各紙に掲載された故郷の大きな横断幕には、「船長、あきらめるな」と書かれている。弁護士は依頼人の悪者扱いを嘆き、自分は「遺憾の意を示す」ことしかできないとしている。
 コスタ・クロチエレのフォスキ最高経営責任者(CEO)は記者団に対し、会社としてスケッティーノ船長に公式の航路を外れることを認めていないと述べた。ただ、昨年夏の終わりに、自社船舶にジリオ島の港近くを航行する許可を1度出したことがあるとしている。
 同CEOは会見で、会社側と船長の事故の夜のやりとりに言及。海洋オペレーション部門の幹部ロベルト・フェラリーニ氏が10時05分頃にスケッティーノ船長と電話で話したとしている。船長は同氏に、船が「まだ特定されていない緊急事態」に対応していると述べたという。
 16日のこの会見後、イタリアの当局は具体的な時刻を公表している。岩石層に衝突したのは午後9時45分。フェラリーニ氏が電話する20分前だ。船の避難警報が鳴ったのは10時58分という。同氏は電子メールでのコメント要請に応じていない。
 フェラリーニ氏が船と連絡を取ってから避難が始まるまでの間に、沿岸警備隊は乗客からの訴えを受け、船側に何度か電話し、コスタ・コンコルディアが危ない状況にあるのかどうか説明を求めた。
 10時14分、単なる停電だとの答えが返ってきた。このとき既に、船体の亀裂から海水が流れ込み、エンジン室は浸水していた。
記者: Stacy Meichtry  


イタリア客船座礁、しけで捜索難航 発生から1週間
朝日新聞 2012年1月20日
イタリア西岸での大型客船コスタ・コンコルディア(11万4500トン、乗客・乗員4200人)の座礁事故から1週間の20日、潜水班による捜索作業は、しけで中断を余儀なくされた。
 船は、イタリア半島から定期船で1時間のジリオ島の港近くに横倒しになっている。定期船の甲板から眺めると、コンコルディア号の左舷下に岩が食い込み、大きな亀裂が広がっていた。側壁に、避難の際に使えなかった救命ボートがそのままぶら下がっていた。


伊客船座礁:死者12人、不明20人に 新たに女性遺体
毎日新聞 2012年1月22日
 13日夜に起きたイタリア中部沖の豪華客船座礁事故で、新たに女性1人の遺体が船尾付近で21日発見された。これで死者12人、行方不明者20人となった。AFP通信などが伝えた。【大貫智子】

伊客船事故、死者12人に…依然20人が不明
読売新聞 2012年1月22日
【ローマ支局】AP通信によると、イタリア中部ジリオ島の沖合で13日、大型クルーズ船「コスタ・コンコルディア号」が座礁した事故で、沿岸警備隊のダイバーが21日、浸水した船内から新たに乗客とみられる女性の遺体を発見した。
 事故による死亡が確認された人は12人となった。依然として20人が行方不明となっている。
 遺体は救命胴衣を着けた状態で、船尾側の細い通路で発見された。

 
タグ:船舶事故
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2012年01月19日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 82 (国民より米軍に気遣いで被ばく)

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SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報公開が遅延たため、「南相馬市や飯舘村、川俣町のほか、南に位置するいわき市などの一部」住民が放射線被ばくをした可能性が指摘されています。3月23日の朝日新聞によれば「米国やフランス、オーストリアなど海外機関は、事故の直後から独自に放射能拡散予測をインターネットで公開」としています。また、8月9日の米ニューヨーク・タイムズは「避難コストがかさむことを恐れた政府が公表を避けた」と朝日新聞が報じました。
2012年1月18日東京新聞は、SPEEDIによる試算結果を3月14日に外務省を通じて米軍に情報提供していた事実を報じました。
2011年3月17日、ルース駐日米大使は「80キロ圏内の避難勧告」を日本にいる米国民に出しています。SPEEDIの情報を米軍に提供したのが3月14日ですから退避勧告を出すデータの一つとして使われていた可能性があります。
同時点で日本政府は、20キロ圏内の住民に対して避難指示、半径20キロ以上30キロ以内では、屋内待避を指示しており、放射線被ばくに対するリスクのとらえ方に大差があったことがわかります。


拡散予測先に米軍へ 住民公表9日遅れ
東京新聞 2012年1月18日
文部科学省の渡辺格科学技術・学術政策局次長は十六日、福島第一原発から放射性物質がどう拡散するか緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による試算結果を、事故直後の昨年三月十四日、外務省を通じて米軍に提供していたことを明らかにした。
 試算結果が公表されたのは、米軍への提供より九日も遅い三月二十三日のことだった。公表が遅れたため、住民の避難が遅れ、放射性物質が拡散する方面に避難した人もおり、無用の被ばくを招いたと批判されてきた。その一方で、米国側には早い段階で連絡していたことになる。
 十六日に開かれた国会の事故調査委員会で、委員からの質問に答える形で、渡辺氏が明らかにした。
 渡辺氏は「(事故対応を)米軍に支援してもらうためだった。公表という認識ではなかった。(住民ら国内への公表は)原子力災害対策本部で検討しており遅くなった」と釈明した。


30キロ圏外の一部、内部被曝の可能性 極端な例で試算
朝日新聞 2011年3月23日
原子力安全委員会は23日、福島第一原子力発電所の被災に伴う住民の被曝(ひばく)量や放射性物質が降る範囲を、SPEEDI(スピーディ)(緊急時迅速放射能影響予測)システムで試算、結果を初めて公表した。原発から北西と南の方向に放射性ヨウ素が飛散し、最も影響を受けるケースだと、30キロ圏外でも12日間で100ミリシーベルトを上回る甲状腺の内部被曝を起こす可能性がある、との結果が出ていた。
 委員会は、原発の被災後、12日午前6時から24日午前0時までずっと屋外で過ごしたという最も厳しい条件で、各地のモニタリングのデータなどを元にヨウ素の放出量を仮定、ヨウ素の影響をもっとも受ける1歳児の甲状腺の内部被曝量を試算した。
 試算によると、一日中外にいた場合、内部被曝が12日間で100ミリシーベルトに達する可能性がある地域には、原発の北西にある福島県南相馬市や飯舘村、川俣町のほか、南に位置するいわき市などの一部が含まれていた。100ミリシーベルトは、安定ヨウ素剤を飲むかどうかの判断の一つ、という。ただ、屋内にいた場合は、この4分の1から10分の1程度に減るという。
 班目(まだらめ)春樹委員長らは「非常に厳しい条件を想定した。ただちに対策を取る必要はない」と話した。
 SPEEDIは、原発の位置や放出された放射性物質の種類や量などから気象データを踏まえて計算する。安全委は16日から試算用に情報を収集し、研究者から早く結果を公表すべきだという声が上がっていた。
 安全委員会の会見が23日が初めてとなったことについて班目委員長は「安全委として会見するかどうかは議論したが、同じ内閣府ということで枝野長官への助言という黒衣役に徹していた」と述べた。
 米国やフランス、オーストリアなど海外機関は、事故の直後から独自に放射能拡散予測をインターネットで公開している。


「フクシマの情報公開怠り住民被曝」 NYタイムズ報道
朝日新聞 2011年8月10日
東京電力福島第一原発の事故をめぐり、米ニューヨーク・タイムズ紙は9日付紙面で、日本政府が緊急時迅速放射能影響予測(SPEEDI)のデータを事故直後に公表することを怠ったために、福島県浪江町など原発周辺自治体の住民らが被曝(ひばく)している可能性が高いと伝えた。
 長文の記事は、菅政権との対立で4月に内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘・東大大学院教授が、事故直後にSPEEDIのデータ公表を政府に進言したが、避難コストがかさむことを恐れた政府が公表を避けたと指摘。「原発事故の規模や健康被害のリスクを過小評価しようとする政府に対し、社会の怒りが増大している」と論評した。
 そのほか、原子炉のメルトダウンを裏付けるデータ公表の遅れや、校庭での放射性物質の基準値をめぐるぶれなども問題視した。(ニューヨーク=田中光)


 

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2012年01月17日

11万トン級クルーズ船座礁・水没・沈没 3(事故原因は恣意的ミス?)

日経新聞によると船長の個人的意志(恣意)でジリオ島に接近しすぎたのが第一原因と報じています。これは事実でしょうか???
航空機や船舶でも似た状況で重大事故が発生しています。良く知られるケースでは、通常ルートを外れ富士山に接近飛行し激しい気流で墜落した英国海外航空(BOAC)ボーイング707機、飲酒が一因とされるエクソン・バルディス号座礁事故(深刻なアラスカ沿岸海洋汚染)など過去には意外と多くあります。恣意や飲酒、薬物使用そして自殺企図、いねむり、急病そしてケンカなどによる事故・事件は、運行システムとは直接関係はありませんから「ヒューマンエラー」とはいえません。


船長、給仕長のため島接近か CEOが責任認める
イタリア豪華客船座礁
日経新聞 2012年1月17日
 【ローマ=共同】イタリア中部沖のジリオ島付近で起きた豪華客船コスタ・コンコルディア(乗客乗員約4200人)の座礁事故で、16日付の同国紙コリエレ・デラ・セラは、スケッティーノ船長が同島出身の給仕長に島を見せるため危険な距離まで近づいたと報じた。
 運航会社のコスタ・クロチエレ社のフォスキ最高経営責任者(CEO)は同日、記者会見し「人的な誤りがあったことは否定できない」と述べ、同社として船長の責任を認めた。
 同紙によると、給仕長は事故の起きた13日夜、船長からデッキに突然呼ばれて「見ろ、君のジリオ島だよ」と言われた。給仕長は目の前にある島に驚いて「岸に近すぎます」と注意したという。
 船は島から約150メートルまで近づき、船体を岩礁にぶつけたとされる。検察当局は過失致死などの疑いで、乗客より先に避難した船長の身柄を拘束している。
 CEOは会見で「文書と訓練に基づいた(緊急時の)社の手順が順守されていなかった」と説明。ロイター通信によると、船から海への燃料漏れの懸念については「その兆候はない」と否定した。
 ディパオラ国防相は15日、国営イタリア放送協会の番組で、原因は技術的問題などではなく「深刻な人為的ミスがあったとみられ、悲劇的結果をもたらした」と述べた。
 ANSA通信によると、16日に船内から新たに乗客の男性の遺体が見つかり、事故の死者は6人となった。

タグ:船舶事故
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2012年01月16日

11万トン級クルーズ船座礁・水没・沈没 2(船長の責任)

事故後の乗客避難について船長の責任が日本で次々と報道されています。
アメリカMSNBCでは最新情報を次々とアップデートしており、「運行会社がこの事故はヒューマンエラーとみている」と伝えています。
ビデオクリップは
http://overheadbin.msnbc.msn.com/_news/2012/01/15/10159776-ship-owner-significant-human-error-by-captain-likely
船長は「乗客全員の避難を確認せず、先に下船した」とされます。一方、船長のインタビュービデオ(ANNテレビニュース)で「私たちは最後に船を離れましたよ」と述べています。
また日本語の船内放送では「電気系統のトラブル」というアナウンスもテレビで放送されました。
AP通信によると「座礁が明らかになってからも適切な避難指示はほとんどなく、救命ボートの準備も遅かった」と乗客が証言しています。さらにAP通信は。運営会社は15日、船の針路や避難指示について「船長の判断ミスが重大な結果を招いた」との判断を示しています。
4000人超えの乗客乗員が避難するには多くのトラブルが有ったと推定しますが、船長の責任が問題視されています。救命ボートへの誘導と使用でも障害がありました。

客船運航会社 乗員の過失を示唆
NHK 1月16日 追加情報
 イタリア中部の島で大型客船が座礁した事故で、船を運航する会社が16日、記者会見を開き、「船は、何らかの人的なミスで本来設定されていた航路を外れた」として、船長ら乗員の過失の可能性を示唆しました。
 この事故は、イタリア中部トスカーナ州沖で13日、乗客・乗員合わせて4200人余りを乗せた大型の豪華客船「コスタ・コンコルディア」が島の近くの浅瀬に乗り上げて横倒しになったものです。この事故で、これまでに6人の死亡が確認されたほか、乗客・乗員合わせて16人が行方不明となっています。現場では、救助隊が1500の客室を備えた大型客船の内部の確認を続けていましたが、16日は天候が悪化し、船が動いて安定していないことから、捜索活動を中断しています。一方、船を運航する会社は日本時間の16日午後8時前、イタリアのジェノバで記者会見を開きました。この中で会社側は「船は去年の検査で安全面・技術面ともに問題はなかった」としたうえで、「安全な航行ができるよう航路はコンピューターで設定されていた。それにもかかわらず座礁したということは、何らかの人的なミスで本来の航路から外れたことになる」として、船長ら乗員の過失の可能性を示唆しました。捜査当局は、身柄を拘束した船長から当時の状況を聞き取るとともに、船の航行データを記録した装置を回収して分析を進めています。

戻れの説得聞かず…乗客救助中に逃げていた船長
読売新聞 2012年1月16日
【ローマ支局】イタリア中部ジリオ島の沖合で大型クルーズ船「コスタ・コンコルディア号」(乗員乗客約4200人)が座礁した事故で、13日の事故発生直後、船長が乗客の救助作業が続く中、船から先に逃げ出していたことがわかった。
 AP通信などによると、沿岸警備隊員が船を離れたフランチェスコ・スケッティーノ船長(52)を陸上で発見。「乗客全員が無事に避難するまで船にとどまるのが、船長の義務ではないか」と再三にわたって船に戻るよう促したが、従わなかったという。
 船長はすでに過失致死容疑で検察当局に身柄を拘束されており、最大で12年の禁錮刑を科される可能性がある。当の船長は地元テレビの取材に対しては、「最後まで船にいた」と主張している。


イタリア豪華客船事故 乗客より先に船長避難か
ANN(テレビ朝日系列)ニュース 2012年1月16日
5人が死亡したイタリアの豪華客船座礁事故で、当時、船長らが適切な対応を取らなかったため、乗客の避難が遅れるなど混乱が拡大した可能性が出てきました。
 船内アナウンス:「ただいま停電が起こっています。すべて指示のもとに動いていますので、皆様落ち着いて行動して下さい」
 日本語などで行われた船内放送では、電気系統のトラブルという情報しかなく、ANNの取材に複数の乗客が事故発生などの正確な状況を知らされなかったと証言しました。
 日本人乗客:「『電気系統の故障などでこういう状況になっていますが問題は特にないです』と。本当ですかねと疑問に感じた」「(Q.先に居なくなった乗務員もいる)我々(救命ボートに)乗ったら、乗務員が3分の1くらい乗っているんですね」
 イタリアのANSA通信は、乗客の避難より前に船長が脱出した疑いがあると伝えるなど、船長らの不適切な対応で乗客の避難が遅れた可能性が強まってきました。
 拘束された船長:「(Q.普通、船長は最後まで船に残りますが、あなたはどうしましたか)私たちは最後に船を離れましたよ」
 現在、事故による死者は乗客4人、乗務員1人の合わせて5人で、行方不明者は15人となっています。


伊客船事故「船長の判断ミス」 運営会社が見解
朝日新聞 2012年1月16日
 大型客船コスタ・コンコルディア(乗客・乗員約4200人)がイタリア西岸で座礁した事故で、15日午後にイタリア人とフランス人計2人の遺体が見つかり、死者は5人になった。安否が分からない20人弱の捜索が続いている。
 捜査当局はすでにブラックボックスを回収し、事故原因の解明を進めている。AP通信によると、運営会社は15日、船の針路や避難指示について「船長の判断ミスが重大な結果を招いた」との判断を示した。
 スケッティーノ船長(52)は乗客全員の避難を確認せず、先に下船したという。イタリアの法律では、緊急時に船長が船を放棄した場合、12年以下の禁錮刑が科される。(ローマ=石田博士)


伊豪華客船座礁:船長が乗客より先に避難
毎日新聞 2012年1月16日
 イタリア中部沖のジリオ島付近で13日夜、豪華客船コスタ・コンコルディアが座礁した事故で、過失致死などの容疑で検察に身柄を拘束されたスケッティーノ船長が、乗客らより先にジリオ島に避難しているのを沿岸警備隊関係者に見とがめられ、船に戻るよう促されていたことが15日、分かった。ANSA通信が伝えた。
 船長が島で目撃されたのは14日午前0時半ごろで、船内にはまだ大勢の乗客乗員が残されていた。同船長は船に戻ると答えたものの、その後も島にとどまり続けたという。(共同)


先に逃げた?船長…傾く豪華客船、ボート後回し
読売新聞 2012年1月16日
【ウィーン=末続哲也】イタリア中部ジリオ島の沖合で13日、大型クルーズ船「コスタ・コンコルディア号」(乗客乗員約4200人)が座礁した事故で、在イタリア日本大使館は14日、乗っていた日本人43人のうち連絡が取れなかった1人についても無事であることを確認し、全員の無事を把握した。
一方、沿岸警備隊によると、浸水した船内で15日、新たに2人の遺体が見つかり、事故の死者は5人になった。安否が確認できない人は17人に上る。
 地元検察当局は14日、船長の身柄を拘束し、過失致死などの疑いで取り調べを始めた。AP通信によると、船長は乗客の避難が終わる前に船から脱出したとの指摘がある。
 避難誘導の不手際も浮上している。事故後、乗員は乗客に「船は安全だ」「技術的な問題にすぎない」などとアナウンスする一方、救命ボートを降ろす作業などが後回しになったとの見方が出ている。船体の傾きが増すに連れて乗客はパニック状態となり、一部はボートに乗れず、海へ飛び込んだ。
 ANSA通信などによると、船内では15日、新婚旅行中の韓国人男女2人が救出された。続いて乗員1人も救出された。

 
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2012年01月15日

11万トン級クルーズ船座礁・沈没(短時間で水没)

イタリア・コスタクルーズ社の巨大クルーズ船「コスタ・コンコルディア」がイタリアのトスカーナ州沿海で座礁し水没に近い状態となりました。本船のデータは、
全長290メートル▽全幅36m▽総トン数11万2000トン▽乗客定員3800人▽乗組員数1100人 ▽デッキ:14層▽客室数:1430室▽巡航速度:20ノット▽船籍:イタリア▽就航年:2006年(毎日新聞)
今では10万トンを超えるクルーズ船は珍しくありませんが、このような巨大船がわずかの1日足らずで座礁・横転・水没したとは驚きです。
写真によると左舷の船腹が大きく損傷しており、フィンスタビライザーが広がっているのがわかります。なぜ座礁したか、どのように水没したか、など詳細はまだわかりませんが、10万トン超えのクルーズ船沈没事故は史上初めてです。

報道では死者3名と発表されていますが、行方不明者もいる模様です。
MSNBCのビデオニュースは
http://www.msnbc.msn.com/id/45996523

毎日新聞2012年1月14日ネット版の写真がわかりやすく状況を報じています(クリックで拡大)
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クルーズ船座礁 日本人42人無事確認
NHK 2012年1月14日
イタリア北部の島で13日、乗客・乗員合わせて4000人余りが乗った大型のクルーズ船が座礁して、3人の死亡が確認され、現地の海上警備隊は、船に取り残された人がいないかどうか確認を続けています。ローマの日本大使館によりますと、乗客の中には43人の日本人が乗っていたことが確認され、このうち42人については無事が確認されたということです。

イタリア北部のトスカーナ州沖で、13日午後10時ごろ(日本時間の14日午前6時ごろ)、大型クルーズ船「コスタ・コンコルディア」が、島の近くの浅瀬に乗り上げて、船体が大きく傾き、航行できなくなりました。クルーズ船には乗客・乗員合わせて4200人余りが乗っていて、現地の海上警備隊が救助に当たりましたが、70代の男性が逃げようとして海に飛び込み、心臓発作を起こして死亡するなど、これまでに3人の死亡が確認されたということです。また、所在が確認できていない人が60人以上いるということで、海上警備隊では、船に取り残された人がいないかどうか確認を続けています。ローマの日本大使館によりますと、乗客の中には43人の日本人が乗っていたことが確認されているということです。このうち42人については、すでにローマ市内のホテルに到着し、無事が確認されたということで、大使館ではさらに詳しい状況について調べています。「コスタ・コンコルディア」は、1500の客室やさまざまな娯楽施設を備えた大型の豪華客船で、イタリア中部のチビタベッキアを出港し、およそ1週間をかけて地中海を巡ることになっていました。乗客のイタリア人の男性は、「レストランで食事中、突然、大きな音がして、船が大きく針路を変えた。客たちが驚いているうちに船が傾き始め、パニックになった。デッキに逃げたが、海に飛び込む人もいた」と話していました。

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2011年12月31日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 81 (食品の被ばくと流通モデル)

食品の放射能汚染は非常に関心の高い重大問題です。なぜなら、食物を通しての内部被ばくは深刻な健康被害の原因となりうるからです。消費者、生産者、流通者そして行政など、関係者達がそれぞれの役割を公正に果たすにはどうすべきかが問題です。そこで「商品の流通モデル」が重要です。公正性、フェアネスそして相互の信頼を確立し維持するには何が必要か?それには長期的には戦略、短期的には戦術をたてねばなりません。
そのためには信頼のシステムを構築する必要があります。モデルの一つが「ベラルーシ方式」と思います。朝日新聞からその部分を書き出すと以下の通りです。
 『「ベラルーシは基準を下回る食品に認定証を発行します。認定証には1キログラム当たり何ベクレルだったかが書いてある。消費者は実際の数値を知ることができます」
 当局が白黒をつけてしまわず、消費者に情報を提供することで、市場原理が働く。これで、放射能濃度が低い食品は売りやすい一方、高い食品は売れにくいことになる。  
 「生産者はどうしたら売れるかを考えるので、農地の除染などの対策が進むことにつながります」』
基準値を下回った商品でも「データ」を公表し、それが市場原理と連動しているところが注目です。
消費者の年齢、性別、心身の状態、経済状況,ライフスタイルは多様ですから、行政が公表する一律の基準値は当てはまりません。したがって、消費者自身が放射能と健康被害についての知識を持つことが要請されます。そのためには教育システムの構築が大切です。
なお、事故から9ヶ月も経過した12月22日に厚労省は食品のセシウムについての新基準を放射線審議会に諮問し、2012年4月施行を目指すと伝えられました。チェルノブイリの先例があるにもかかわらずの遅延は、さらなる不信の連鎖を生み出しています。


輸入品 すり抜けて
(プロメテウスの罠)より
朝日新聞 2011年12月16日 
 東京都は福島原発の事故の後、25年間続けてきた輸入食品の放射能検査ができなくなった。
 実は、輸入食品の検査は、本来は国の担当で、検疫所が実施している。食品が国内に入る時点で、1986年の暫定限度値、1キログラム当たり370ベクレルで25年間検査してきた。
 これに対して東京都は、独自の事業として、小売店で買った輸入食品細入記すり抜けてを検査してきた。
 それによると、09年度は328検体を調べて、フランス産ブルーベリージヤムで暫定限度値を超える500ベクレルのセシウム1377を検出した。検疫所のサンプリングから外れたものが店頭に並んだと見ることができる。
 さらに、限度値を下回るものの一定の放射能が検出された食品がほかにもあった。 キノコ類4検体から100〜230ベクレル、ブルーベリー加工品3検体から90〜140ベクレルのセシウム137。国民は、知らずに基準を下回る放射能を体内に取り込んでいる。
 基準となる値の考え方について、ベラルーシのベルラド放射能安全研究所副所長、ウラジーミル・バベンコはこう話す。
 「ベラルーシは基準を下回る食品に認定証を発行します。認定証には1キログラム当たり何ベクレルだったかが書いてある。消費者は実際の数値を知ることができます」
 当局が白黒をつけてしまわず、消費者に情報を提供することで、市場原理が働く。これで、放射能濃度が低い食品は売りやすい一方、高い食品は売れにくいことになる。  
 「生産者はどうしたら売れるかを考えるので、農地の除染などの対策が進むことにつながります」
 都の調査によると、フランス、べルギーなど、チェルノプイリ原発から1500キロメートル以上離れた国の食品からも放射能が見つかっている。放射能の影響は広範囲に及ぶ。     
 しかし現在の日本では、福島県でさえ、測定器10台を郡山市の県農業総合センターに置いて検査する態勢ができたのは9月だった。それにしても、輸入食品の暫定限度値は370ベクレルなのに、国内食品の暫定規制値はなぜ500ベクレルなのか。厚生労働省食品安全部はいう。
「輸入食品は欧州の一部の地域が対象で、平常時の基準値です。それに対し、今回の事故は日本にとって緊急時なので、少し緩める必要がある。それは国際的にも認められています」 (松浦新)


セシウム新基準、厚労省が諮問 放射線審議会に
日経新聞 2011年12月27日
 厚生労働省は27日、食品に含まれる放射性セシウムの新基準値案について、放射線障害の防止を検討する文部科学省の放射線審議会に諮問した。22日にまとめた新基準値案は「飲料水」が1キログラム当たり10ベクレル、粉ミルクなどの「乳児用食品」と「牛乳」は同50ベクレル、「一般食品」は同100ベクレル。厚労省は一部食品に猶予期間を設けるが、来年4月1日に施行する方針。
 ほとんどの食品を含む一般食品のうち、乾燥した状態で流通する食品は実際に飲食する状態で判断する。例えば乾燥させたキノコ、海藻類、魚介類、野菜類などは乾燥前の原材料の状態と水で戻した状態で規制。茶はお湯を加えて飲む状態で飲料水として規制する。


一般食品の放射能、100ベクレル 新基準案を了承
朝日新聞 2011年12月23日
 食品に含まれる放射性物質の新たな基準案が22日、厚生労働省の審議会で了承された。「一般食品」は1キロ当たり100ベクレル、「乳児用食品」と「牛乳」は50ベクレル、「飲料水」は10ベクレル。新基準は原則、来年4月1日から適用される予定だ。

 今後、文部科学省の放射線審議会へ諮問するほか、国民から意見を聞いたうえで正式に決める。
 厚労省は、食品による放射性セシウムの許容被曝(ひばく)線量を、暫定基準の年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに厳しくした。
 新基準案の設定では、まず、すべての人が摂取し、代替が難しい「飲料水」について、世界保健機関(WHO)の水道水の基準に合わせて10ベクレルとした。6〜8月に福島県内の河川水や井戸水のセシウムを調べたところ1ベクレル以下だったため、可能と判断した。
 10ベクレルの水を1日2リットル、1年間飲み続けると、被曝線量は0.1ミリシーベルトになる。許容される線量の1ミリシーベルトから飲料水による0.1ミリシーベルトを除いた0.9ミリシーベルトを一般食品に割り振った。
 流通する食品の50%が汚染されていると仮定して、「1歳未満」から「19歳以上」まで5区分の年代のほか、男女別ごとに平均的な食品の摂取量や放射性物質による影響度を考え、それぞれ許容される値を計算。影響度は大きいが、食べる量が少ない「1歳未満」は460ベクレルまでは許容される一方で、食べ盛りの「13〜18歳」の男性が最も厳しい120ベクレルになった。全体の基準値では、より安全を見込んで100ベクレルにした。
 
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2011年12月27日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 80 (原発事故と秘密保全法案)

日本の大手メディアはあまり報道しませんが、米ウオール・ストリート・ジャーナル日本版が時事通信ソースで「秘密保全法案、懲役10年に=自衛隊法も引き上げ―政府」と報じています。
この法律が制定されると、たとえば
1 指定した秘密への取材行為で逮捕の可能性
2 取材だけで、令状なしの緊急逮捕あり。逮捕に伴い取材資料の押収も可能
とされます。
その結果日本でも独裁国家並みの「統制と自粛」が行使される恐れがあります。今日本が直面している「原発事項」は「国家機密」が含まれますので、今以上に情報が隠蔽・改ざんされる可能性があります。結果としてリスク・コミュニケーションでは住民のみならず国際的にも日本は信頼を失い、孤立への道をひた走るシナリオにはまりこむリスクが高まります。


秘密保全法案、懲役10年に=自衛隊法も引き上げ―政府
ウオール・ストリート・ジャーナル日本版 2011年 12月 27日 
政府は26日、来年の通常国会に提出を目指す「秘密保全法案」について、公務員らが「国の存立に重要な情報」(特別秘密)を漏らした場合の罰則を「懲役10年以下」とする方向で調整に入った。これに伴い、自衛隊法で懲役5年以下と規定している防衛秘密の漏えいも10年以下に引き上げ、新法案に取り込む考え。厳罰化によって政府内の情報管理を強化する狙いだが、運用によっては国民の知る権利や報道の自由を侵しかねない。
 現行の国家公務員法は、職員が職務上知り得た秘密を漏えいした場合の罰則を「懲役1年以下」と定めており、政府内では「抑止力が不十分」との指摘があった。政府の秘密保全法制に関する有識者会議が8月にまとめた報告書では、自衛隊法と同じ「懲役5年以下」とする案と、日米相互防衛援助(MDA)協定に伴う秘密保護法などと同じ「懲役10年以下」とする案を併記していた。[時事通信社]


秘密保全法案
時事通信 2011年12月26日
 秘密保全法案 防衛、外交、治安の各分野に関する重要情報の漏えい防止のため、「国の存立に重要な情報」を新たに「特別秘密」と指定、公務員らが漏らした場合の罰則が盛り込まれる。昨年9月の中国漁船衝突事件の様子を海上保安庁が撮影した映像がインターネットの動画投稿サイトに流出したのを機に、罰則が「懲役1年以下」の現行の国家公務員法では不十分との認識が政府内で強まり、検討が始まった。
 菅内閣の下で設けられた有識者会議が今年8月に法制化を求める見解をまとめ、現在は内閣情報調査室が中心となって具体的検討を進めている。日本新聞協会や日本弁護士連合会などは「国民の『知る権利』を阻害しかねない」などと法制化に反対している。

秘密保全法、通常国会提出へ=漏えいに最高懲役10年検討
ウオール・ストリート・ジャーナル日本版 2011年 10月 7日  
政府は6日、外交や治安などに関する国家機密を公務員が漏えいした場合の罰則強化を柱とする「秘密保全法案」(仮称)を来年1月召集の通常国会に提出する方針を固めた。7日に「情報保全に関する検討委員会」(委員長・藤村修官房長官)を開き、法制化を急ぐ方針を確認する。機密情報の管理徹底や米国など関係国との信頼確保が狙いだ。ただ、同法案は国民の知る権利や報道の自由、情報公開を制限しかねないだけに、与野党から異論が出る可能性もある。
 同法案は、(1)防衛など「国の安全」(2)外交(3)公共の安全・秩序の維持―の3分野を対象に、「国の存立に重要な情報」を新たに「特別秘密」と指定。特別秘密を取り扱う公務員が故意に漏えいした場合の罰則について、最高で懲役5年か10年とする方向だ。 [時事通信社]

 
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2011年12月25日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 79 (リスクコミュニケーション欠落)

 政府は12月に入り「福島原発事故収束宣言」そして「20mSv発がんリスク低い」
と記者会見などで発表しています。しかしこれらはリスク・コミュニケーション
の観点からは「一方向的」で「収束」しており住民との信頼の距離は広がる一方です。
 「細野豪志原発相は会議後、記者団に『(年間)20ミリシーベルトで人が
住めるようになるということだ』と述べた」と朝日新聞は報じています。
しかし日本の法律では「原子力基本法」の関連で線量限度として
「1年間に1ミリシーベルト」となっているそうです。武田邦彦氏ウェブサイト。
http://takedanet.com/2011/04/post_f1fe.html

 2011年12月22日(木)MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」で
細野原発相の「20mSv発がんリスク低い」という発言について、
京大原子炉実験所の小出裕章氏は「被曝はどんなに少なくても危険だ
ということは現在の学問の到達点」と話しています。
そして同番組でまた神戸大学の山内知也氏(放射線計測学)は
「20(mSv)はもう圧倒的に高すぎます。子どもを
そんなところにおいてる基準を持ってる国はどこ探してもない
ですよね」と述べています。
ユーチューブ録音ファイル
http://www.youtube.com/watch?v=cxi9TjXofac&feature=uploademail
住民と日本国政府と事故の当事者である東京電力のリスク・コミュニケーション
が取れていないことが透けて見えます。
 なお、リスク・コミュニケーションrisk communicationとは、重大な環境汚染や
健康被害などをもたらすリスクに関する正確な情報を、行政、専門家、企業、
住民などが共有し問題の解決をはかることです。ここで重要なのは
相互の信頼関係が確立され維持していることです。


年間20ミリシーベルト「発がんリスク低い」 政府見解
朝日新聞 12月15日
低い放射線量を長期間浴びた影響をめぐり、内閣府の有識者会議は15日、年間20ミリシーベルト(Sv)の放射線量を避難区域の設定基準としたことの妥当性を認める報告書をまとめた。そのうえで、線量を少なくするよう除染の努力を要請。子どもの生活環境の除染を優先することも提言した。
 東京電力福島第一原発の事故後、避難基準の健康への影響を判断したのは初めて。細野豪志原発相は会議後、記者団に「20ミリシーベルトで人が住めるようになるということだ」と述べた。野田政権はこれを踏まえ、原発事故による避難区域を縮小する準備に入る。
 この有識者会議は「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」(共同主査=長瀧重信・長崎大名誉教授、前川和彦・東大名誉教授)。発足からわずか1カ月余りで、報告書をとりまとめた。
 避難区域の設定基準については、国際放射線防護委員会が原発事故による緊急時被曝(ひばく)を年間20〜100ミリシーベルトと定めていることから「安全性の観点からもっとも厳しい値を採用」と指摘。チェルノブイリ原発事故後1年間の被曝限度が100ミリシーベルトだったことを挙げ、「現時点でチェルノブイリ事故後の対応より厳格」と評価した。
 年間20ミリシーベルトを被曝した場合の影響は、「健康リスクは他の発がん要因と比べても低い」と明記。「単純に比較することは必ずしも適切ではない」とことわりながら、「喫煙は(年間)1千〜2千ミリシーベルト、肥満は200〜500ミリシーベルト、野菜不足や受動喫煙は100〜200ミリシーベルトのリスクと同等」などといった目安を例示した。また、一度の被曝より長期間にわたって累積で同じ線量を浴びた方が「発がんリスクはより小さい」との考えを示した。
 被曝によるリスクを減らすために、除染の目標として「2年間で年間10ミリシーベルト、次の段階で同5ミリシーベルト」と段階的な目標の設定も提言。一方、放射線の影響を受けやすいとされる子どもについては、「優先的に放射線防護のための措置をとることは適切」と要求。避難区域内の学校を再開する条件として、学校での被曝線量を年間1ミリシーベルト以下にするよう主張した。

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2011年12月18日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 78 (収束宣言のデマ性)

 2011年12月16日に野田首相が記者会見を行い「福島原発事故収束宣言」をしました。首相の言葉を引用すると「私が本部長を務める原子力災害対策本部を開催をし、原子炉が冷温停止状態に達し発電所の事故そのものは収束に至ったと判断をされる、との確認を行いました。これによって、事故収束に向けた道筋のステップ2が完了したことをここに宣言をいたします」そして「事故発生以来、福島の皆さまはもちろんのこと、全ての国民の皆さま、そして世界中の皆さまに多大なご心配をお掛けし、大変ご迷惑をお掛けをいたしました。申し訳ございませんでした。この度、原子炉の安定状態が達成されたことによって、皆さまに不安を与えてきた大きな要因が解消されることになると考えます」と言いました。
 これは事故の「現実評価」ではなく「願望」を述べたと言えます。
 社会へ向けてのメッセージとしては「デマの典型例」といえます。デマdemagogyとは「情報操作のために流される情報。送り手の政治的,経済的,社会的な意図を実現するために流される真実でない情報をデマという。日常場面では,このような意図をもった情報が広く自然に流布することはない。しかし,社会状勢などが緊迫した場面では,人々が潜在的にもつ偏見やステレオタイプ,あるいは期待感や不安感に助けられ急速に広まることがある。また,自分にとって不利なうわさをデマとして否定することも多い」(心理学辞典、有斐閣、1999)。
 東京新聞社説は日本の現在を端的に表現していると思いました。社説のヘッドラインは「事故収束宣言 幕引きとはあきれ返る」とあります。そして、「原子炉は冷温停止状態に達し、事故そのものが収束に至った」と述べた野田首相の言葉に誰もが耳を疑ったことだろう」とあります。
 さらに「そもそも「冷温停止」という言葉は正常運転する原発で用いられる。「状態」というあいまいな文字を付けて宣言にこだわる姿勢は、幕引きありきの政治的な思惑からだろう」と引き取っています。
 廃炉へ進める節目とすることや、「いつ戻れるのか」という避難住民を少しでも安心させようという狙いがあろう。全国の原発の再稼働はむろん、世界へ原発輸出を進める底意もうかがえる。そして「収束宣言の内実は、原発事故の未知領域に足を踏み入れる「幕開け」といった方がいい」と締めくくっています。


事故収束宣言 幕引きとはあきれ返る
東京新聞 2011年12月17日
福島第一原発の「事故収束」を野田佳彦首相が宣言した。放射性物質の放出や汚染水の懸念も残り、絶対安全の保証はどこにもない。廃炉までの長き道のりを考えれば、幕引きとはあきれ返る。
 「原子炉は冷温停止状態に達し、事故そのものが収束に至った」と述べた野田首相の言葉に誰もが耳を疑ったことだろう。
 原発建屋内ではいまだに高い放射線量が計測され、人が立ち入れない場所もある。さっそく現場作業員から「政府はウソばかり」と批判の声が上がったほどだ。
 そもそも「冷温停止」という言葉は正常運転する原発で用いられる。「状態」というあいまいな文字を付けて宣言にこだわる姿勢は、幕引きありきの政治的な思惑からだろう。
 廃炉へ進める節目とすることや、「いつ戻れるのか」という避難住民を少しでも安心させようという狙いがあろう。全国の原発の再稼働はむろん、世界へ原発輸出を進める底意もうかがえる。
 だが、福島第一原発は「収束」どころか、溶け出した核燃料が格納容器内でどうなっているかもつかめず、ただ水を注ぎ込み、冷却しているにすぎない。
 循環注水冷却システムが正常に機能すればいいが、大きな地震が襲えば、再び不安定化する心配はつきまとう。綱渡り状態なのが現状ではなかろうか。
 放射能汚染水処理も難題だ。建屋への一日四百トンもの地下水流入は続いており、保管タンクはいずれ満杯になる。むろん海への放出など、漁業者や国際的反発などから安易に考えるべきでない。
 廃炉となると、核燃料取り出しに「十年以内」、炉の解体など最終的に「三十年以上」かかる見通しだ。その過程で放射能漏れなどの事故が起きる可能性もある。要するに課題山積なのだ。
 原発から半径二十キロ圏内の警戒区域と北西に延びる計画的避難区域を新たに三つの区域に再編する予定だ。年間放射線量が二〇ミリシーベルト未満を「解除準備区域」、二〇ミリシーベルトから五〇ミリシーベルトを「居住制限区域」、五〇ミリシーベルト以上を「長期帰還困難区域」に分ける。
 「解除準備区域」では除染とともに住民が戻れるようにするというが、子育て世代が安心して帰還できるだろうか。社会インフラの機能回復も見通せないままだ。
 収束宣言の内実は、原発事故の未知領域に足を踏み入れる「幕開け」といった方がいい。

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2011年12月11日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 77 (粉ミルクの不信感)

粉ミルクから放射性セシウムが検出されました。日経新聞によると「粉ミルクは7倍程度の湯に溶かして飲むため、実際には検出限界より低いレベルまで下がる。厚労省は「健康への影響はない」とみている」とされます。
しかし、放射性物質を「7倍に希釈」したとしても、飲むのは同一の赤ちゃんですから体内に入る放射性物質の総量は減るわけではありません。食物から摂取した場合は「内部被ばく」ですから「健康への影響はない」とする科学的根拠は成り立たないと思います。
また、汚染された原因が、「明治埼玉工場(埼玉県春日部市)」で「乾燥の過程で取り込んだ外気に含まれるセシウムが影響した」(下記の毎日新聞)とすると、3月14〜20日の首都圏での原発事故による放射線量が気になります。
早川由紀夫氏(群馬大学、火山の地質学)が2011年12月に公開した放射線汚染マップによると埼玉県の汚染度は相対的に低くなっています。福島とチェルノブイリの比較マップも掲載されています こちら

「健康への影響はない」というフレーズは繰り返し使われますが、今となっては人々の不安と不信を増幅するばかりです。
粉ミルクの放射能汚染は海外での反響が大きかったと言いますが、ウオールストリート・ジャーナル (米)の日本語版も大きく報道しました。


粉ミルクから放射性物質 健康への影響は
日経新聞 12月10日 2011年
福島第1原発の事故後、乳児向け粉ミルクから初めて放射性物質が検出された。暫定規制値を大きく下回っていたが、従来の検査や規制値の見直しの状況はどうなっているのか。
 Q これまで粉ミルクは放射性物質の検査はしていたのか。
 A 厚労省は事故後の7〜8月、明治を含む複数メーカーの粉ミルク25検体を調べたが、いずれも1キログラム当たり5ベクレル未満(検出限界)。明治などは自主検査も実施、同社も製品のほか、製造工程に使う水も定期的に検査していたが不検出だった。
 Q 最大同約30ベクレルだが、飲んだ乳児に影響はないか。
 A 粉ミルクは7倍程度の湯に溶かして飲むため、実際には検出限界より低いレベルまで下がる。同省は「健康への影響はない」とみている。
 Q 乳児用食品の規制はどう変わるのか。
 A 同省は「乳児用食品」の分類を新設し、放射線の影響を受けやすい乳児に配慮する方針だ。全体として規制値を5分の1程度に下げて厳格化するが、乾燥状態では1キログラム当たりの放射性物質が高くなるため、茶葉や粉ミルクなどは飲食する状態で規制する方向で検討している。


明治の粉ミルクからセシウム検出、消費者の不安高まる
ウオールストリート・ジャーナル 2011年 12月 7日
【東京】食品大手の明治は6日、販売されていた粉ミルク「明治ステップ」(850グラム缶)から放射性セシウムが検出されたと発表した。
 今回の発見で福島第1原子力発電所の事故の影響を受けた食品のリストがまた長くなった。放射線の影響を最も受けやすいとされる年齢層向けの製品では初の検出だ。
 明治によると、検出されたセシウム137とセシウム139は1キログラム当たり最大30.8ベクレル。汚染された缶の個数は不明だが、同じ時期に生産した40万缶が販売されており、回収はしないが、消費者が希望すれば無償交換するという。
 検出量は政府の暫定規制値(1キロ当たり200ベクレル)を大幅に下回っている。同社は文書で、「毎日飲用しても健康への影響はないレベル」としている。厚生労働省・監視安全課は電話取材に、問題ないとの見解を示した。
 しかし、政府の現行基準で安全なのかどうか、専門家や親の疑問は増幅している。消費者は牛肉やコメの汚染に関する報道を受け食品の安全性に神経をとがらせており、今回の検出で不安がさらに高まりそうだ。
 政府に対しては、食品検査の拡大、安全基準の見直し、規制強化といった訴えがあり、小さな子どもを持つ母親たちが特に積極的だ。
 自分で放射線量を量る草の根団体に参加する人も多い。こうした団体が相次ぎ今回のニュースをサイトに掲載すると、母親たちがツイッターなどで不安を訴えた。
 明治が今回検査を実施したのは、市民団体が「明治ステップ」について行った放射線検査で反応があったこときっかけだ。同社の広報担当者によると、不安に思った顧客からの電話が11月28日にあり、検査を行ったという。
 同社も政府もあらためて安全を確認したが、疑う声もある。「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」の代表で小児科医の山田真氏は、政府の基準は容認できないと述べた。山田氏によると、この基準は四半世紀前にチェルノブイリ原発の事故を経験したベラルーシやウクライナといった国に基づいている。今回検知された量のセシウムを含む製品は乳児にとって良くないという。
 明治は粉ミルク市場で40%のシェアを持つ。問題の製品は、大気中に大量の放射性物質が放出された3月14〜20日に製造したという。広報担当者によると、同社は3月21日に放射線量を検査したが、検出限界値未満だった。以来、その前後に製造された製品は安全だと考えていたという。
 同社工場のある埼玉県春日部市は、福島第1原発から約180キロの距離にある。
記者: Yoree Koh and Miho Inada  


<セシウム>明治の粉ミルクから検出 最大30ベクレル、埼玉で製造 40万缶交換
毎日新聞 2011年12月7日
 食品大手の明治(東京都江東区)は6日、粉ミルク「明治ステップ」850グラム缶の一部から1キロあたり最大30・8ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。厚生労働省によると、粉ミルクからのセシウム検出は初めて。乳製品の暫定規制値(1キロあたり200ベクレル)未満で、毎日飲んでも健康に影響ないレベルとされているが、同社は「安心して使っていただくことを最優先する」として、検出された製品と近い時期に製造した同銘柄の約40万缶を無償で交換する。
 セシウムが検出されたのは、同社埼玉工場(埼玉県春日部市)で3月14〜20日に製造した粉ミルクを使ったものの一部。11月28日、「ステップで放射性物質が出たと聞いた」と報道機関から問い合わせがあり、在庫分などを調べたところ、21・5〜30・8ベクレル検出された。前後の期間に製造した粉ミルクを使った商品は、いずれも検出限界値(1キロあたり5ベクレル)未満だった。
 原料の粉乳は大部分が豪州など外国産で一部は北海道産だが、いずれも東日本大震災以前に製造された。
 同社は、粉乳を水などと混ぜ合わせて霧状に噴霧したものを熱風で乾燥させて粉ミルクを作っており、「乾燥の過程で取り込んだ外気に含まれるセシウムが影響した」とみている。
 同社は4月末から毎月1回程度、放射性物質の定期検査を行っているという。
 無償交換の対象は、賞味期限が来年10月3〜6日、同21〜24日の製品で全国に流通。問い合わせは同社お客様センター(0120・077・369、平日午前9時〜午後5時)。【曽田拓、石川隆宣】
 ◇「驚きない」以前から検出情報
 粉ミルクからのセシウム検出について、2歳の長男がいる東京都世田谷区の主婦、中山瑞穂さん(41)は「驚きはない。やっぱりという感じ」。11月中旬には、市民測定所の検査で、この製品からセシウムが検出されたとの情報がフェイスブックを通して母親仲間で流れていたという。中山さんは「乳製品は放射線の影響を受けやすい子どもたちが毎日飲むもの。もっと早く調査をし、情報を開示してほしかった」と不信感を募らせる。
 東京都調布市の「二葉くすのき保育園」の栄養士、谷口春奈さん(32)は「乳児の成長にどう影響するか分からないので不安。原因を明らかにしてほしい」と話した。【和田浩幸、黒田阿紗子】
 ◇製造各社は対応追われ
 粉ミルクメーカー各社には6日、購入した母親らから「検査しているのか」などの問い合わせ電話が殺到し、対応に追われた。
 森永乳業(工場・東京都東大和市)は「自社の精密測定器で月に1回以上検査しているが、これまで不検出が続いている」とし、当面は現時点の検査態勢を維持する構え。アサヒビール系列の和光堂(工場・栃木県さくら市)は「精密測定器や簡易検査キットで数日おきにサンプル検査しているが、検出されたことはない」(親会社アサヒグループホールディングス広報部門)という。
 雪印メグミルクは、製造を関連会社ビーンスターク・スノー(工場・群馬県大泉町)に委託しており、「7月に1度商品を検査したが、不検出だった」と説明。ビーンスターク・スノーも販売を手がけており、明治の問題の商品が3月中旬に製造されたことから、「同じころに製造した商品があるかどうか調べている」としている。【川崎桂吾】

 
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2011年12月08日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 76 (心理的葛藤の連鎖)

福島原発事故による放射線の「健康被害」は身体的と心理的に一応分類できます。
身体的には遺伝子の損傷が代表的です。心理的にはストレスに関連する心身の障害が想定できます。心理的には葛藤に注目します。原発周辺はもとより、北海道から沖縄に至るまで放射性物質が降下した地域に住んでいる人々に葛藤状態を強いています。
「葛藤conflict」とは「複数の相互排他の要求(欲求)が同じ強度をもって同時に存在し,どの要求に応じた行動をとるかの選択ができずにいる状態をさす。
たとえば,昼食にAも食べたいが同時にBも食べたいという要求があり,どちらを食べるか迷い続けている状態などが考えられる」(心理学辞典、有斐閣、1999から抜粋)

福島原発事故は日本に住んでいる人達をストレス状態に巻き込みました。
主たるストレッサーは物理的には「放射線」、心理的には「葛藤」です。
葛藤で悩む福島の人達を描いた「裏切ったといわれる」記事が
朝日新聞のシリーズ「プロメテウスの罠」に描かれています。

裏切ったと言われる
プロメテウスの罠 無主物の責任11より
朝日新聞 2011年12月4日

「町を出る人はこっそり出ていきます、誰にもいわずに」
福島市飯野町の松崎三枝子(62)はそういつた。
 松崎の親戚が7月、被曝を避けて山形に避難したときも、
周囲にいわず、こそっと避難していった。小学校では子どもたちが、
お別れ会もないまま、ある日突然いなくなる。
 「私たちは避難します」とおおっぴらにはいえない。そんな空気が周り
にあるという。
 「裏切った、逃げ出したみたいにいわれるからです。非国民、
みたいな目で見られると感じます」
 同U福島市内に住む斎藤道子(47)は原発の事故後、県外の知人から
避難するよう勧められた。しかし、中3と高2の息子は「絶対に避難しない」
といった。友だち関係があってのことらしかった。
 最近は放射能のことを話題にしないようにしている。「放射能が心配だ」
といおうものなら、「県や市が大丈夫だといっているのにあんたは何だと
いわれる雰囲気だ」という。
 斎藤は子どもの部活動もあり、今すぐの避難は考えてはいない。しかし、
本当に危ないなら避難したい。その気持ちにブレーキがかかる。
 「県や市は大丈夫というし・・・結局、動けなくなってしまうのです」
 11月16日、福島市内の米から基準値超えの放射性セシウムが検出された。
福島市の放射線アドバイザーで東北大大学院教授、石井慶造が、飯野町で
開かれた講演会で「福島市ではは内部被曝はない」と語ったが、
そのわずか3日後のことだ。
福島県知事はそのーカ月前、10月にすでに安全宣言を出している。
 「いったい何を信じていいのか」その講演会に出ていた松崎は途方に暮れる。
自分の身は自分で守るしかない。だから、なるべく内部被曝しないように、
県内産の食材を控えている。
 「命は二つありませんから」さいたま市の医師の肥田舜太郎(94)はいう。
「政府が被害を小さく見せようとし、事実をきちんといわないから、住民の間で
反目が生まれるのです。そして住民の対立は、政府や東電にとっては
都合のよいことなのです」
 放射線は見えず、においもない。被害はまだはっきりと分からない。
 「被害が出てくるのはこれからです。66年前の原爆で、被害者が
いまだに国を相手に裁判を起こしている。これが事実です」(前田基行)

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2011年11月30日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 75(米のセシウム汚染はなぜ起こったか)

新米(玄米)のセシウム汚染がじわりと拡大しています。11月16日段階では「コメで初の基準値超 福島産、市場には流通せず(産経新聞)」でしたが、11月29日になって市場に流通したとの報道がありました(規制値超農家のもち米を販売=4〜17日店頭に−福島の直売所、時事通信)。米は主食で毎日食べる穀物ですから牛肉などとはリスクの質が異なります。
なぜこのような事態に至ったかについて、ダイヤモンド・オンラインは検査手法の問題点を解説しており、その一部を引用すると下記の通りです。
http://diamond.jp/articles/-/15016
「まず、具体的にどこを調査するかは、最終的には市町村や現地農協関係者が決めていたという点。 福島県では、各市町村に対して文部科学省が作成した空間放射線量の分布図に従い、最も高い地点で測定するように依頼していたという。だが、仕組みの上では、より低い点での計測をしようとすればそれができてしまう体制にあったわけだ。
 さらに、調査ポイントの少なさだ。重点調査地域ですら、検査地点の数は15ヘクタールに2地点だった。甲子園球場5個分に相当する広さの中から1点は、少なすぎるのではないか、という学識経験者の声は強かった。
 また厄介なことに、今回、当初想定以外の汚染経路の可能性もでてきた。これまで前提とされていたのは、原発事故直後に田に落ちた放射性物質による土壌からの汚染が主だった。今回、基準越えセシウムが検出された農家の畑は、山から水が流れ込む位置にあり「山の木の葉に付着したセシウムが落葉とともに水田に流れ込んだ可能性が強いのではないか」と宮崎毅・東京大学教授は指摘する。
 そもそも、田には収穫前に水を抜かれるまで、水が張られている。ここに山の湧き水や上流の用水路からの水の流入などが起こり、ホットスポット(部分的に放射能数値が高いエリア)が発生する可能性は他の作物より高いといえる。」

地元紙の河北新報は11月18日段階で『福島県産米の「安全宣言」が1カ月余りで大きく揺らいだ』と報じています。そして11月29日の毎日新聞は「荷停止は福島市大波地区に続き2例目で、コメの放射能汚染は広がりを見せ始めている」としています。
既存メディアの原発事故報道量が目に見えて減少する中、食物による内部被ばくのリスクはしっかりとチェックする必要があります。


規制値超農家のもち米を販売=4〜17日店頭に−福島の直売所
時事通信 2011年11月29日
 福島県伊達市のコメ(玄米)から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題で、生産した農家のコメを扱っていた同市の直売所の男性代表(63)が29日、取材に応じた。男性は4〜17日に農家のもち米を店頭に並べていたと説明し、「県の『安全宣言』で大丈夫だと思って売った」と話した。
 男性によると、旧小国村地区の農家が4日に1袋1.5キロ入りのもち米を12袋持ち込んだ。このうち6袋は販売されたが、16日になってこの農家が白米にした自家消費用コメを市の支所で検査したところ、セシウム濃度は規制値を下回ったものの、かなり高い値だったため、17日に持ち帰るなどしてもらったという。
 販売済みの6袋については購入者が分からず、県が所在を確認中。男性は直売所に回収を呼び掛ける張り紙を出すことを考えている。(


セシウム汚染:伊達市2地区のコメ出荷停止 政府が指示
毎日新聞 2011年11月29日
福島県伊達市の小国地区と月舘地区で収穫されたコメ(玄米)から最大で暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)の2倍にあたる1050ベクレルの放射性セシウムが検出された問題で、政府は29日、両地区のコメの出荷停止を県に指示した。コメの出荷停止は福島市大波地区に続き2例目で、コメの放射能汚染は広がりを見せ始めている。
 厚生労働省によると、小国地区と月舘地区では収穫前の予備検査と収穫後の本検査を計7カ所で実施し、いずれも暫定規制値を下回り出荷が認められた。しかし両地区には年間積算線量が20ミリシーベルトを超える恐れのある特定避難勧奨地点がある。同省監視安全課は「検査のサンプル地点をどのように選んだのか、県に問い合わせている」という。
 収穫前後の二重検査をすり抜け、規制値を超えるコメが流通する事態に至ったことについて、同課は「県の原因調査を見極めたうえで、来年以降の作付け制限や検査態勢の在り方を農林水産省など関係機関と協議したい」と説明した。
 出荷停止の解除について、政府は検査で安全が確認された農家や集落ごとに検討する考えを示している。同省幹部は「規制値超えが広がっている現状で解除の議論に入るのは難しいが、安全が確認されたコメまでも出荷を認めないのかという議論もある。県の検査の推移を見ながら検討するしかない」と語った。【佐々木洋】

サンプル調査に限界 福島・大波産米基準超セシウム
河北新報 2011年11月18日
福島県産米の「安全宣言」が1カ月余りで大きく揺らいだ。福島市大波地区のコメから国暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超す放射性セシウムが出た問題。「全量基準値未満」として安全宣言の根拠になった県の全県検査を擦り抜けた結果となり、検査の限界を指摘する声が出ている。(1.31面に関連記事)
 県検査の対象はことし作付けされた48市町村のコメ。検査地点の密度を国のマニュアルの2倍にし、約1000地点の1174サンプルを抽出して調べた。福島市大波地区を含む全地点で基準値を下回り、県は10月12日、安全宣言を出した。
 福島市大波地区は旧小国村の一部で、放射線量が局地的に高い特定避難勧奨地点の点在する伊達市霊山町小国地区に隣接する。大波地区では収穫前の予備検査を1カ所、収穫後の本検査を2カ所で実施した。
 県はどちらかの段階で200ベクレル以上が検出されれば検査地点を増やして精密に調べる方針だったが、大波地区は予備検査で136ベクレル、本検査で33ベクレル、28ベクレルにとどまり、結果的に擦り抜けた。
 新ふくしま農協(福島市)によると、問題のコメが収穫された場所は本検査で33ベクレルとなった水田から数百メートルしか離れておらず、サンプル調査の限界が指摘されている。
 県は今回の問題を受け、これまでの検査でセシウムが少しでも検出されたコメの産地は全農家を調査する方針を打ち出したが、「泥縄」の印象を拭えない。
 主婦連合会(東京)の佐野真理子事務局長は「福島県などの検査はきめ細かさに欠けていた。安全宣言の信頼性が揺らぎ、消費者は『基準値オーバーのコメが他にもあるのでないか』と疑心暗鬼になる。コメは主食なのだから、国は県任せにせずに主体的に関わるべきだ」と話している

コメで初の基準値超 福島産、市場には流通せず
産経新聞 2011.11.16 21:46
東京電力福島第1原発の事故後、福島市内の農家1戸が生産したコシヒカリの玄米から、国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を初めて超える630ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが分かった。福島県が16日夜、発表した。この農家が生産したコメ840キロは出荷前で、市場には流通していない。
 政府は16日夜、該当地域を含む旧小国村産のコメを出荷停止とする検討に入った。
 県は福島市を通じ、生産農家がある同市大波地区でことし収穫されたコメの出荷自粛を要請。この地区にある稲作農家約150戸すべてを対象に調査を行う。
 ことし作付けされた県内48市町村で一般米の放射性物質検査を終えている福島県は10月12日、全検体が基準値を下回ったとして「安全宣言」を出していた。
 県によると、農家の依頼を受けたJA新ふくしま(福島市)が今月14日に簡易分析器で調べた結果、基準値を超えたため、県などが調査して確認した。
 大波地区は局地的に放射線量の高いホットスポットがあるとして避難勧奨の対象となった伊達市の小国地区に隣接した場所にある。
 専門家によると、セシウムは玄米の胚芽などぬかの部分に多く蓄積される傾向があり、精米すると約6割が除去される。今回のコメも白米の状態では1キロ当たり300ベクレルで、厚生労働省では「仮に毎日食べたとしても、直ちに健康に影響はない」と冷静な対応を呼びかけている。

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2011年11月23日

東北地方太平洋沖地震・東日本大震災 74(ヒューマンファクターの関わり)

福島原発事故の原因は津波・地震などの物理的要因が主とされますが、緊急時の人間的要因(ヒューマンファクター)がどうであったかが公表されておらず曖昧です。
8月頃には非常用復水器(IC)の操作を巡りヒューマンエラーを検証すべき、との指摘がジャーナリストの上杉隆氏や民主党国会議員の原口一博氏、川内博史氏からありました。関連で「50行中48行黒塗り 東電、国会に原発事故手順書提出」(下記の朝日新聞記事)しましたが、10月24日に個人名を除き黒塗りをようやくはずしました。
11月22日になって既存メディアから、1号機での運転操作に関する東京電力の記者会見の記事が掲載されました。事故原因と再発防止上からも重要な情報が事故発生後8ヶ月も遅延して公表されたことに驚きます。なぜなら、現在も日本の原発は稼働しており類似の事故はいつ発生するかわからない、緊急時の対策や改善は直ちにとらなければならない行動だからです。

上杉隆 スリーマイルもチェルノブイリも福島もヒューマンエラーが原因 3回にわたって緊急冷却装置を作業員が停止
ざまあみやがれい!メールマガジン 2011年9月2日
JFNのラジオ番組「オンザウェイジャーナル」に上杉隆氏が出演し、事故直後に3回に渡って緊急冷却装置を停止していた旨の公の回答を根拠に、福島原発事故の原因がヒューマンエラーであると論じています」。下記に録音があります。
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65761507.html


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福島1号機の冷却装置、空だき懸念で手動停止 震災当日
朝日新聞 2011年11月22日
東京電力は22日、福島第一原子力発電所で最初に炉心溶融した1号機の冷却装置「非常用復水器」について、破損して放射性物質が放出されることを懸念した運転員が運転を止めていたとの調査結果を明らかにした。炉心を冷やす唯一の手段だった非常用復水器の動作状況は、政府の事故調査・検証委員会の事故原因究明で焦点になっており、今後、止めた判断の妥当性が検証課題になりそうだ。
 非常用復水器は1号機だけにあり、原子炉の蒸気を冷やして水に戻し、再び炉心を冷やすのに使う。装置は2系統あり、水を満たしたタンク内に通した配管に蒸気を送る構造で、電源を失っても機能する。
 東電によると3月11日、地震の後、2系統とも自動的に起動したものの、急な変化を防ぐためマニュアルに従いいったん停止。その後、片方の系統で起動、停止を繰り返していたところ、津波に襲われて電源が失われ、動作状況が分からなくなった。
 その後、一時的に電源が復活して停止を確認。午後6時18分に電動弁を開く操作をしたが、タンク内の水があたたまって発生するはずの蒸気が確認できなかったため、午後6時25分に弁を閉めて運転を止めた。タンク内に水がない可能性を考え、運転を続ければ配管が損傷して放射性物質を含む蒸気が放出される恐れがあると判断したという。
 実際には、タンクには容量の65%ほど水が残っていたことが10月の現場調査でわかっている。

1号機冷却装置、効果は限定的=破損を恐れ一時停止―福島第1
朝日新聞 2011年11月22日
東京電力福島第1原発事故で、東電は22日、緊急停止後の炉内を冷やす1号機の非常用復水器(IC)の動作状況について「一時的に動いていたが、効果は限定的だった」とする調査結果を公表した。津波到達後、ICを動作させる弁が一時閉じられていたことが分かっているが、聞き取り調査から、運転員がICの動作状況が分からない中、破損を恐れて動作を止めていたことが新たに判明した。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は同日の記者会見で「ICに原子炉への注水機能はなく、機能していたとしても時間の余裕ができる程度で本質的な解決にはつながらない」と説明した。
 しかし、解析上はICが機能した場合としなかった場合では炉心損傷開始まで約3時間の時間差が生じる。このため、3月12日午後に起きた1号機の水素爆発が遅くなった可能性もあり、今後、ICの動作状況が事故調査の焦点の一つになりそうだ。 
[時事通信社]

福島第1の非常用復水器、震災直後十分動かず 東電が分析
日経新聞 2011年11月22日
東京電力は22日、福島第1原子力発電所1号機の緊急時の冷却に使う非常用復水器が、3月11日の東日本大震災の津波到来後も一時機能はしていたが、十分に動作せずに効果は限定的だったとする分析結果を発表した。津波によって全電源喪失した後に非常用復水器が働いていたのかどうかの状況はこれまでよくわかっておらず、事故原因の焦点の一つにもなっている。
 10月18日に調査した2機の非常用復水器内に残った冷却水の量などから、事故後の運転状態を推定した。1基は事故当初、約80%あった水位がほとんど下がらず、働いていなかった。もう1基の水位も65%にとどまり、動作したのは3月11日午後6時18〜25分、同午後9時半以降の2回とみられるという。
 非常用復水器は内部に蓄えた冷却水で、原子炉から来た蒸気を冷やして戻し、原子炉内の圧力や温度を下げる設備。電源が失われても機能するため、緊急時に有効とされていた。
 ただ、非常用復水器を連続運転すると温度が下がりすぎて圧力容器の強度が劣化することから、マニュアルに従って作業員が津波直前に手動で停止。その後、起動と停止の操作を繰り返したという。

50行中48行黒塗り 東電、国会に原発事故手順書提出
朝日新聞 9月12日
福島第一原発の事故で、東京電力は12日、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)の求めに応じて、過酷事故に対処する手順書の一部を開示した。ただ、「機密」などを理由に、開示したのは黒塗りにした表紙と目次だけ。委員会側は事故の解明に支障をきたすと反発し、同日、東電を所管する経済産業相に対して、法に基づき東電に資料提出を命じるよう要請した。
 東電が開示した資料は、「1号機運転操作手順書(シビアアクシデント)」の表紙と目次で、A4判計3枚。12日、保安院を通じて、非公開の同委員会理事会で委員に配られた。
 川内委員長によると、手順書は2003年7月1日に作成され、今年2月1日に改定されたと記されていた。目次の序文など50行のうち48行が黒塗りにされ、その場で回収された。読めた単語は「消火系」「不活性ガス」だけ。委員からは、「資料開示に応じないのははなはだ遺憾」などと批判が出たという。
 東電の松本純一・原子力・立地本部長代理は12日の会見で、大半を非開示とした理由について「手順書は社内の文書なので一般公開するものではない。知的財産、核物質防護上の面もある」と説明した。
 同委員会は8月26日、過酷事故の手順書を提出するよう保安院を通じて要請。東電は9月2日に「事故時運転操作手順書」などを提出したが、「知的財産が含まれる」「安全確保・核物質防護上の問題が生じるおそれがある」として大半は黒塗りだった。
 しかも過酷事故の手順書は開示せず、同委員会が再び提出を要請。東電が開示を拒否したことから、「不十分・不誠実」として提出を再要請していた。

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2011年11月12日

Ultrabookは新ブームを立ち上げるか?

東海道新幹線で最近気がつく変化は、一時チラホラだったノートパソコンを使っている人が再び増えてきたことです。N700系車両でネット接続が出来るのも一要因かも知れません。使用機材は12インチサイズが多いように感じますが、2011年冬から日本でも発売されたUltrabookは新コンセプトのモバイルPCとしてブームを創るかも知れません。
ノートパソコンの新カテゴリーがUltrabookです。Ultrabookとは、2011年5月にIntelが提唱した薄型ノートPCの新カテゴリーです。
特徴として、薄い、軽い、高性能、実用性、10万円前後がキーワードとなります。
似た名称のNetbookは2008年にネット閲覧向けに提唱された低価格モバイルノートPCでブームとなりましたが、パソコンとしての汎用性に限界がありました。
その点UltrabookはアイパッドなどのキーボードレスのモバイルPC、ケータイの発展系にあるスマートフォンより一段と汎用性の高いモバイルデバイスとして今後発展していく可能性があります。
以下は日経トレンディネットの「ノートPC2011年冬モデル」の記事です

ウルトラブック続々、PC秋冬商戦は待たずに買う!
日経BP 2011年11月1日
 国内外のパソコンメーカーから2011年の秋冬商戦向けモデルが出そろった。スマートフォンやタブレットの普及でパソコンを取り巻く市場環境は大きく変わりつつある。用途によってはパソコンが不要な人もいるだろう。しかし、パソコンも着実に進化を続けている。スマートフォンや家電の良さを取り入れた「ウルトラブック」、初心者向けに手厚いサポートを用意したモデルなど、各メーカーとも新たな需要を掘り起こそうと躍起だ。(以下略)
全文は こちら
 

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