2009年07月08日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その9(日常生活への脅威)

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新型インフルエンザの感染拡大に歯止めがかからない

個人的に関わっている2つの大学で感染が同時に発生しました。なお、両大学は横浜線沿線にありますが今回の感染発生に共通項はないと思われます。

市原が勤務する東京家政学院大学で非常勤講師の方が新型インフルエンザに感染し、担当科目の受講生150名余が7月6日(月)から9日(木)まで「出校停止」となりました。さらに、市原が非常勤講師として勤務している桜美林大学から連絡があり、町田キャンパスが新型インフルエンザに感染した学生が複数確認されたことにより7月8日(水)〜7月12日(日)の間閉鎖されることになりました。

「医学界新聞」(医学書院発行の週刊新聞)の2009年新年特集号が「インフルエンザパンデミック」でした。
ここでは鳥インフルエンザ(H5N1)を想定していますので、現在の新型インフルエンザA(H1N1)とは異なりますが、日常生活面でのコメントを抜粋してみると第2次流行に備え個人が何をなすべきかが見えてきます。
国家防衛戦略で万全の体制を整えていたはずのアメリカが、現時点で世界最大の感染者数である事実は非常に示唆的です。

以下抜粋します(医学界新聞第2812号 2009年01月05日を一部改変)

生活インフラで何が起こるか
新型インフルエンザによるパンデミックが起こった際に,どのようなことが予想されるのか。
一般の職場では,発病のため相当数の欠勤者が出ることが予想される。さらにそれ以外にも,家族の看病,学校や保育所などが閉鎖されるなどの理由で欠勤者が増えると考えられる。
そうした事態になると電気・ガス・水道などのライフライン,公共交通機関や運送業務などにも大きな影響が出ることが危惧されている。また日本の場合は特に,多くの患者が医療機関を受診することが予想され,その急激に増大する医療需要に対応するために,医療資源の確保あるいはその有効利用に向けたトリアージが重要になる。
過去のパンデミックをもとにした厚生労働省の試算では,医療機関を受診する患者数は1300―2500万人,入院患者数53―200万人,死亡者数17―64万人と推計している。

パンデミックが始まるとコントロールは困難
いったんパンデミックが始まってしまえば,現在の医学・医療ではきわめて限定的な状況を除いてウイルスを封じ込めることは難しく,その影響を完全にコントロールすることもできない。
しかしその一方,さまざまな対策を組み合わせることで被害を最小限に抑えることが可能なことも,各国で検討されている疫学モデルで示唆されている。幸いに新型インフルエンザ対策の基本予測される事態と被害想定して,スペインインフルエンザの時代にはなかったワクチンや抗ウイルス薬,公衆衛生上の対策に関する科学的根拠を私たちは持っている。

パンデミックでは他地域からの援助は期待できない
これらの対策を流行が起きてから考えても遅い。また従来のインフルエンザから想像できるように,地震や台風などの局所的災害とは違って,その社会的影響は同時に多発的に起こると考えられるので,各地域でさまざまな対策を立案および実行する必要がある。地域ごとの十分な事前準備と社会全体の協力が,被害を最小限に抑えるためには必須である。

アメリカの国家防衛的発想の戦略
虫明(NHK報道局科学文化部記者)
アメリカの場合は,2005年から国家安全保障上の問題として,年間約9000億円の特別予算を投入し,パンデミック対策を開始しました。政府が危機管理の問題として新型インフルエンザ対策をとらえたかどうかの違いがいちばん大きかったと思います。

 アメリカでは国土安全保障省を中心に,各省庁に明確な行動計画があります。それに基づき,すべての項目についてタイムラインを設けて実行し,成果を国民に示すという行政の枠組みを持っています。また,危機管理対策の伝統が非常に長いので,行政や医療機関にもさまざまなノウハウが蓄積されていることが日本と異なる点です。日本では,何か実施したときに,「結局起きなかったじゃないか」という批判が起こり得ますが,アメリカは最悪の状況を想定した体制整備に対して,ポジティブになり得る環境があります。


インフルエンザの未来予測は難しい
押谷(東北大学大学院医学系研究科 微生物学分野教授)
 日本での初発例が過疎地のような限られたシナリオなら別ですが,一度国内に入ってしまえば封じ込めは難しく,感染拡大は避けられません。

 ではその場合にどう対応するか。アメリカは早期封じ込めを最初から考えていません。パンデミックが起きたときに何ができるのか,シミュレーションを行い,その結果をもとに,2007年にCommunity Strategy for Pandemic Influenza Mitigationをまとめました。「被害をいかに最小限に抑えるか」という視点で対策を行っています

押谷
 最後にもうひとつ,パンデミック時にコミュニティでの対応をうまく機能させるためには,新型インフルエンザについて国民に正しく理解してもらう必要があります。

虫明
 情報の出し方を間違えると,心理的なパニックを引き起こしかねませんね。

川名(防衛医科大学校 内科学講座2感染症教授)
 地震や津波で起こる被害については想像しやすいですが,「新型インフルエンザが発生したら何が起きるか」というのは,専門家でさえ意見がばらつきます。一定のイメージを最初から共有するのが非常に難しい。


関係リンク(医学界新聞第2812号  2009年01月05日)
http://www.igaku-shoin.co.jp/contents/picture/paper/nwsppr/n2009dir/n2812dir/n2812_01.pdf

http://www.igaku-shoin.co.jp/contents/picture/paper/nwsppr/n2009dir/n2812dir/n2812_02.pdf

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02812_03

タグ:安全と安心
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2009年06月30日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その8(不気味な拡大)

6月末に注目すべき報道がありました。
ニュースヘッドラインは
新型インフルエンザ アメリカ疾病対策センター、米国の感染者は100万人以上と推計
フジテレビ系ネットのニュースですがNHKや共同通信でも配信されました。
日本では6月に入って気温が上昇しても感染が続き、20歳代以下が感染者の8割を占めているのも特異的傾向です。感染者数は29日午前11時現在で42都道府県1214人となっています。世界的にみても9番目(26日現在)に多いといいます。

しかし最近の大学生の受け止め方は「エッ、まだ流行っているの?!」が平均的です。社会一般も似たようなものだと思います。現実との乖離が大きいのが気になります。新型インフルエンザの報道が減少し興味関心が薄れています。そうした中で下記の記事は、新型インフルエンザの現状を手際よくまとめていると思います。疫学データの「信頼性」は元々不安定ですから、その意味でも今後の感染状況は注意深く観察する必要があります。

国立感染症研究所の速報サイトは こちら

新型インフル、不気味な拡大
 読売新聞)2009年6月30日
米CDC「真夏に消滅」撤回
新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染者が、世界で増え続けている。世界保健機関(WHO)がウイルスの警戒水準を「フェーズ6」に引き上げ、世界的大流行を宣言してから半月余り。
 ウイルスが活発化する冬に入った南半球だけでなく、夏を迎える北半球でもウイルスは依然、広がっており、病原性を増すようなウイルスの変化にも警戒を怠れない。(ワシントン 山田哲朗、バンコク 田原徳容、ジャカルタ 林英彰、ジュネーブ 平本秀樹)
南半球で急増
新型インフルエンザが最初に発生したメキシコのリゾート地カンクンで7月1〜3日、WHOのマーガレット・チャン事務局長や日本の厚生労働省幹部も参加して、国際会議が開かれる。新型インフルエンザ対策を練り直すのが狙いだ。
 メキシコと共に最初に感染が広がった米国は、感染が確認された人が2万人を超えており、今も世界最大の感染国だ。米疾病対策センター(CDC)による25日の集計では、感染者は1週間前より6000人以上増え、感染の勢いは加速している。
 CDCは当初、「北半球でウイルスは、真夏になれば消える」と予測したが、秋冬の流行シーズンまでじりじりと感染が続くとの見通しに改めた。CDCは26日、受診していない軽症患者を入れると全米の感染者はすでに100万人以上に上るとの推計を示した。
 南半球では、感染拡大の勢いはさらに著しい。WHOによると、豪州と南米アルゼンチン、チリの3か国の感染者の合計は、26日までの1週間で3600人増えて、9800人を超えた。人口当たりだと、米国の2倍以上のテンポだ。
 28日実施のアルゼンチン議会選挙では、マスクをかけて投票する有権者が目立った。
 同じ南半球でも、サハラ以南のアフリカ地域では、感染例は今のところごく少ない。だが、医療関係者の間で、貧困ゆえに病院に行けない住民の間に、流行がすでに広がっているのではないかと危惧(きぐ)されている。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域では、加盟10か国すべてで新型インフルエンザ感染者が確認されている。タイやフィリピン、シンガポールでは、連日数十〜百数十人のペースで感染者が増えている。特に学校や飲食店、軍施設での集団感染が目立つ。
 フィリピンでは、死亡した感染者が下院の職員だったため、23日以後、下院が閉鎖されている。
 ASEANの中でも所得水準が低い、カンボジアやラオス、ミャンマーで6月下旬に最初の感染者が出た。カンボジア保健省の担当者は「爆発的に増えれば対応が難しい。先進国の支援が必要」と訴えた。
「鳥」との混合警戒
インドネシア上陸
 インドネシアでは24日、2人の感染例が初めて確認され、感染者は28日に8人に増えた。
 インドネシアは、高い致死率を持つ強毒性の鳥インフルエンザの世界最大の流行地域で、4年ほどの間に100人以上が死亡している。鳥インフルエンザは今年も中部ジャワ州プルバリンガ県の20村で鶏へ感染が広がっている。新型インフルエンザの上陸で、二つのウイルスが混ざり合い、致死率、感染力ともに強力な新たなウイルスが出現する可能性が懸念されている。
 永井美之・理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センター長は、「理論的に、新型インフルエンザとH5N1型鳥インフルエンザのウイルスが、豚や人の体内で混じり合って新しいウイルスが生まれる可能性がある」と指摘する。
 チャンWHO事務局長は25日、記者団に、「ウイルスの動きはまったく予測できない」と述べ、ウイルス遺伝子の監視に力を入れていく方針を強調した。
国内「長期戦覚悟」
 国内では、関西での新型インフルエンザの感染が一時のピークを過ぎた後も、各地で感染者が相次いで見つかっている。厚生労働省などによると、感染者数は29日午前11時現在で42都道府県1214人(検疫、在日米軍基地を含む)に達した。世界的にみても9番目(26日現在)に多いという。
 6月に入って気温が上昇しても感染が続き、20歳代以下が感染者の8割を占めるなど、季節性インフルエンザと異なる傾向を示す。ただ、現時点で重症化した症例はなく、約7割はすでに治癒している。
 岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長は「感染経路がはっきり分からないケースが増えている。地域的にもばらけており、感染がくすぶっている」として、今後も断続的に感染が広がると予想する。政府の諮問委員会委員長の尾身茂・自治医大教授も「秋冬に、感染が大きく広がる可能性が高い。長期戦の覚悟をした方がよい」と注意を呼びかける。
 政府は秋以降の第2波に備え、感染者は原則、全医療機関で受診し、重症者以外は自宅療養とする方針を示した。新型向けのワクチンは、国内4メーカーが来月にも製造に着手する方針だ。(科学部 高田真之)
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2009年06月19日

インターネットは矛盾そのもの その4(ウィキペディア問題)

「ウィキペディアに殺害予告容疑」には正直驚きました。
記事にもあるように「2ちゃんねる」など掲示板サイトではこの種の事件は有りました。が、ウィキペディアでこのような記述を見せられるショックは大きいと思います。
しかし、ウィキペディアの「危険性」「信頼性」は常に警鐘が鳴らされていましたから、落ち着いて考えてみるとこの種の事態は起こって当然とも言えます。「ウィキペディア」は「コスモス的世界」(「秩序」「調和」「美しさ」)。「2ちゃんねる」は「カオス的世界」(秩序なき状態、と同時にすべての事物を生みだすことのできる根源)といえます。共に両極端の世界を象徴しています。まさにインターネットが内包する矛盾を端的に示しています。
以下はその記事です。

ウィキペディアに殺害予告容疑 福岡の高3男子逮捕
朝日新聞 2009年6月18日
 誰でも自由に執筆・編集できるインターネットの無料百科事典「ウィキペディア」に殺害予告を書き込んだとして、警視庁は、福岡県古賀市に住む高校3年の男子生徒(17)を威力業務妨害容疑で逮捕したと18日発表した。同庁は、男子生徒は「十数回やった」と容疑を認めているとしている。ウィキペディア上には昨年12月〜今年5月、特徴の似た犯行予告が約100件あるといい、同庁は男子生徒が書き込んだ疑いがあるとみている。
 捜査1課によると、ネット上の犯行予告は従来「2ちゃんねる」など掲示板サイトへの投稿が多いが、最近、ウィキペディアが標的になる例が出ている。ウィキペディアへの書き込みが逮捕容疑となったのは、全国で初めてとしている。
 男子生徒の逮捕容疑は、2月26日午後2時半すぎ、自宅のパソコンで、ウィキペディアの編集機能を使って「釈迦」の項目に「3月8日に東京ビッグサイトのイベント会場で、参加者をライフル銃と手投げ弾で皆殺しにする」などと書き込んだというもの。東京ビッグサイト(東京都江東区)では3月8日、マンガ同人誌の即売会が開催されていた。
 同課によると、男子生徒とみられる投稿はゲーム関連の項目が多く、犯行予告を書き込む場合はドイツなど海外に置かれたサーバーを経由させていたという。


タグ:安全と安心
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2009年06月07日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その9(米GMなど破産と大恐慌)

世界金融危機の緊張は現在も続く
世界金融危機は「一段落」との報道も散見しますが、カルフォルニア大学バークレイ校のアイケングリーン氏とダブリン大学のオラーク氏による、1929年大恐慌とのデータ比較によれば、金融危機は現在も決して楽観を許さない緊迫した状況であることがわかります。
http://www.voxeu.org/index.php?q=node/3421

アメリカでは4月と6月に注目に値する巨大企業の「連邦破産法11条」申請がありました。

その1
4月16日、米ショッピングモール第2位のGeneral Growthが破産法11条を申請しました。負債総額は2兆7000億円と巨額です。アメリカでは「巨大ショッピングモール」が今や不調業種だと聞きました。以下は日経新聞の記事とウオールストリート・ジャーナルのリンクです。
 
●全米2位のマーケットモール
米不動産ゼネラル・グロース、破産法申請 負債2.7兆円
日経新聞 2009年4月16日
 経営難に陥っていた米商業用不動産2位ゼネラル・グロース・プロパティーズは16日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。負債総額は272億ドル(約2兆7000億円)で、米企業の倒産としては今年最大規模。同社は約200のショッピングモールを保有し、信用収縮による資金繰り悪化に加え、不動産市場の低迷と個人消費の冷え込みが追い打ちをかけた。
 ゼネラル・グロースは大型モールの開発から運営までを手掛け、多額の不動産担保証券を発行して積極的な投資を続けてきた。債権者にシティグループやドイツ銀行など大手金融機関が名を連ね、昨年から繰り返し、負債返済の先延ばしに応じていた。(ニューヨーク=杉本晶子)(16日 22:49)
 
●ウオールストリート・ジャーナル(米)
http://online.wsj.com/article/SB123985534483724219.html

その2
米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)が1日連邦破産法11条を申請したのも重大事態です。

●米GM:破産法を申請 負債16.4兆円、オバマ大統領「必ず復活する」
毎日新聞 2009年6月1日
 【ワシントン斉藤信宏】経営危機に陥っていた米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)は1日午前(日本時間同日夜)、ニューヨーク市の破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。資産規模(08年末)は910億ドル(約8兆6500億円)で、米メディアによると負債総額は1728億ドル(約16兆4000億円)。米企業では過去4番目、製造業では過去最大の破綻(はたん)となった。不採算事業を分離した新生GMは、米・カナダ両政府が計396億ドル(約3兆8000億円)の追加支援を実施する。米政府が60%、カナダ政府が12%の株式を取得し、GMを一時国有化。6〜18カ月で再上場を目指す。
 1日会見したオバマ米大統領は「深刻な景気後退と金融危機の中で自動車大手の破綻が相次げば、業界を超えて米国経済全体の崩壊につながりかねない」と述べ、破産法申請したGMに対する政府支援の必要性を強調した。また、「GMは持続可能な企業として必ず復活するだろう」と、再建は十分可能との見方を示した。
 クライスラーも4月末に同11条適用を申請しており、昨秋以降深刻化した米大手自動車3社(ビッグ3)経営危機問題は、フォードを除く2社が破綻する歴史的な転換点を迎えた。
 GMは今後、破産裁判所の管理下で事業を継続しながら、再建計画を策定する。米工場の従業員を10年までに35%減の4万人に減らし、工場数も47から33に削減することなどが柱。米政府とGMは今後、60〜90日で破産手続きを終え、早期再建への道筋を付けたい考え。
 米政府は再建に向けて巨額債務の足かせを外すには破産法11条の活用は不可避と見て、これまで債権者や全米自動車労組(UAW)への事前調整を進めてきた。その結果、5月29日には労務費削減でUAWと合意、また、難航した債務削減交渉でも最大25%の新生GM株を提供することで金額ベースで社債保有者の5割以上の同意が得られたため、破産法申請に踏み切った。
 新生GMは販売ブランドを「シボレー」など四つに集約、年間の新車販売台数で500万〜600万台程度と規模を従来の6割程度に縮小して、再建を目指す。
 GMは拡大路線と販売不振で債務を膨張させ、09年1〜3月期(59億7500万ドルの最終赤字)まで7四半期連続の赤字を計上。累計の赤字総額は約821億ドルにも上った。
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2009年06月02日

ネットにファイルを保存し共有する

WEB上に自分専用のハードディスクを持てる無料サービスです。
クラウドコンピューティングの一形態です。
ネットにつなげばどこからでもアクセスできます。
サービスサイトの一つが「Dropbox」です。容量は2GBまでなら無料。 
使用しての実感は「便利」「実用的」です。
ただし他のクラウドサービスと同じく、セキュリティについては「未知数」です。

「Dropbox」の紹介サイトは
こちら

使い方は
手元・自分のパソコンの延長として使う場合
→ネット上のハードディスクにアクセスしていますがそれを意識する必要がありません。手元パソコンのデータとネットストレージ上のデータは自動的に最新情報に同期(されます。
1 ソフトをダウンロードして実行する 
こちら
2 メールアドレスやパスワードを入力(ユーザー登録)
3 「マイドキュメント」にドロップボックスの専用フォルダ「マイドロップボックス」が作られる
4 保存したいファイルを「マイドロップボックス」にドラグ・アンド・ドロップする
  (ネットストレージと手元パソコンの両方にファイルが保存される)
5 出先で使うパソコンに1-4と同じくソフトをセットする
  その際、2のステップでI already have a Dropbox account にチェックを入れる
以上でネットに繋がった複数のパソコンからファイルを共有できる

出先のパソコンからファイルにアクセスする方法
「Dropbox」のウェブサイトにアクセスすれば専用ソフトを使わなくても「マイドロップボックス」にあるファイルをダウンロード可能です。大学や会社などソフトのインストールを禁止しているパソコンからもアクセスできます。
1 Dropboxにアクセスする 
こちら
2 画面上段にある「メールアドレス」と「パスワード」を入力する
3 ファイルにアクセスできる
  (ファイルをダウンロードした場合ファイル名が化けるの場合がある)
タグ:便利情報
posted by ichi3 at 12:59| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月29日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その7(心理的問題)

伝染病は病気そのものは当然として、感染の心理社会的影響が極めて重要です。
14世紀ヨーロッパで黒死病とよばれたペストが大流行し3千万人余が死んだと言われます。これは中世封建社会を崩壊させるきっかけの一つとなりました。

伝染病の拡散を防ぐには「隔離」が究極の方法であるのは当時も現代も変わりません。
そして「隔離」は最大級の心理的ストレスです。なぜなら「差別」と「排除」が正当化される恐れがあるからです。今回の新型インフルエンザでも、患者さんのみならず関係先(学校や会社)が誹謗中傷される現象が発生しています。

以下に関連した記事があります。

●「感染したら、行動バレちゃう」 夜の外出控える動き
朝日新聞 5月28日
新型の豚インフルエンザの感染者が国内でじわじわと見つかっていることを受け、就職活動や、夜の外出、そしてスポーツなどに影響が各地で出始めている。感染予防とはいえ、なかには過剰ともとれる動きもある。

 平日の夜10時すぎ。高級クラブなどが集まる東京・銀座は人通りが少なく、客引きの男性ばかりが目立った。「不況に、インフルエンザで追い打ちをかけられた感じ」。客のいないスナックで、50代のママがため息をついた。
 「夜遊び禁止」の通達を出した会社もある。都内の外資系IT企業は「感染のリスクを防ぐため」との理由で、社内外の宴会や食事会の禁止を社員に通告。20代の女性社員は「飲み会を2件キャンセルしました」と不満顔だ。
 感染者や周辺への行動調査を心配する向きもある。
 新型インフルエンザへの感染が確認されると、自治体は感染症法に基づき、感染者に発症前の行動や「濃厚接触者」のことを調査する。さらに周囲の人たちにも「接触者調査」を始める。そのうえで、感染者の行動を記者会見などで公表している。これまでのケースでは、野球観戦やユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったことなどが公表されてきた。さらに、接触者に対しては、保健所から外出自粛も要請される。
 法律事務所に勤める都内の男性(52)は「感染したときに行動のすべてを明らかにするのは勘弁してほしい」と話す。最近はまっすぐ帰宅しているという。(三橋麻子、石田博士)
    ◇
 新型インフルエンザの影響は、本格シーズンを迎えた学生の就職活動にも広がる。
 5月下旬に採用試験をした大阪市の機械メーカーは、学生全員がマスクを着けて臨んだ。会社側も人事担当者らがマスクを着用。参加した男子学生は「声がこもって、説明がよく聞こえなかった」。筆記試験中も息苦しさを感じ、集中できなかったという。
 名古屋市の食品会社の採用試験も全員マスク姿。同じくマスクをした先輩社員への質問コーナーがあったが、参加した女子学生は「顔が隠れているから、積極的に質問できた」。一方、兵庫県内の商社の試験を受けた男子学生は、面接官のマスク姿に「表情が分からず、手応えがあったのかどうか」と戸惑う。

 NTTファシリティーズ(東京都)は21日、都内での説明会を中止した。日立製作所(同)も5月下旬に大阪で予定した説明会を中止。都内の外資系IT企業は、学生によるグループ討論の予定を筆記試験に変えた。急な変更は「顔をあわせると感染のリスクが高まってしまう」との理由からという。(島康彦)

タグ:安全と安心
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2009年05月22日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その8(09年度の実質GDP戦後最低を更新)

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危機の連鎖;経済と病気
「危機襲来」はこのところ新型インフルエンザ一色ですが、GDPデータも経済危機が続く予想を出しています。就活の大学生が受ける企業数は「数十社」に至り、大学で授業「崩壊」を連想させるナレーションがNHKクローズアップ現代(2009年5月19日放映)で紹介されていました。経済データを見るとあながち誇張ではないように感じます。以下は日経新聞のデータと記事です。

2009年度の実質成長率、マイナス4.1%に・NEEDS予測

日本経済新聞 5月20日
日本経済新聞デジタルメディアの総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、5月20日に内閣府が公表した2009年1−3月期の国内総生産(GDP)速報を織り込んで予測したところ、09年度の実質GDPは4.1%減と大幅なマイナスになった。2年連続で戦後最低を更新する見通しだ。

 世界経済の低迷による貿易の縮小で生産が激減。その影響が雇用と所得を通じ家計に広がっている。その一方で、生産調整が進んだため、足元の月次指標は底打ちの兆しを示し始めたものもある。どこまで落ちるのか見当すらつかなかった数カ月前の状況に比べれば、日本経済は徐々にではあるが不透明感が薄れてきている。続きを読む
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2009年05月15日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その6 (最悪シナリオ)

新型インフルエンザの将来について様々なシナリオが飛び交っています。
EBM(Evidence-Based Medicine)「科学的根拠に基づいた医療」
今回の感染拡散にも当てはまります。CDCやWHOの公開情報からは断片的なEvidenceしかないと感じます。
毎日新聞に一つのケースが紹介されています。
まさに
「認識において悲観主義者、意志において楽観主義者たれ」 グラムシGramsci(1891-1937)

新型インフルの「最悪」 冬に再襲?闘いはまだ始まってもいない
毎日新聞 5月13日
 新型インフルエンザの感染者は13日現在、世界で6000人に迫る勢いで、日本でも発症者が出た。症状は普通のインフルエンザとほぼ同じらしいが、安心して良いのだろうか。最悪の場合に備え、専門家にワーストシナリオを聞いた。【國枝すみれ】
 <専門家が描く悲劇的シナリオ>
 ・免疫なく人口の2〜4割が罹患
 ・爆発的感染で戦時並み犠牲
 ・高病原性の出現
 ◇「それでも理性保って」
 ★「スペイン」の悪夢
 慶応大学の速水融名誉教授(歴史人口学)は、新型インフルエンザは1918年から3年間猛威をふるったインフルエンザ「スペイン風邪」に似ていると警告する。スペイン風邪のウイルス構造は今回の新型インフルエンザと同じH1N1型で、やはり弱毒型だった。だが最終的に世界で2500万〜4500万人の死者を出した。
 速水氏によれば、スペイン風邪は最初、人々の注意をひかなかった。1918年3月に米カンザス州の軍基地で発生。新兵数千人が罹患(りかん)し、数十人が死んだ。「3日風邪」と呼ばれ症状は軽かった。ところが8月後半までにウイルスが変異。最初の感染爆発が起きた米国の港町ボストンでは病院に死体が積み上がる惨状となった。
スペイン風邪は日本をどのように襲ったのか。東日本の32紙の報道によると、1918年4月3日に最初の感染報道が、5月中旬には死者が出るが、数件で終わる。はやりの症状は軽かった。「最初は相撲風邪と呼ばれていた。力士が次々と休場したから」
 しかし同年10月から再び死者が発生。11月だけで13万人以上が死亡。翌19年の12月〜20年2月にも流行に襲われ、ピークの20年1月には7万人以上が死んだ。死者の総計は45・3万人。「日露戦争の戦死者だって約8万人だったんだよ。いかに多くの国民が短期間に死んだかが分かるでしょう」と速水氏。
 スペイン風邪は2波、3波と襲いかかり、そのたび致死率は高まった。今回も南半球にウイルスが滞在し、日本がウイルスに適した乾いた冬になった時に再襲する可能性はある。ウイルスという概念さえなかった当時に比べ、現代社会は薬やワクチンがあり、情報網も発達している。だがジェット機やエレベーター、全館空調システムのビルなど密閉空間も生まれ、ウイルスに味方するものも増えた。速水氏は言うのだ。「新型インフルエンザとの闘いはまだ始まってもいない」。
★免疫がない
 免疫の有無で状況は大きく異なる。日本人の多くが免疫を持つ季節性インフルエンザでは毎年人口の1〜2割が感染、1万〜3万人が死ぬ。致死率は0・05〜0・1%。ところが、住民に免疫のないマダガスカル島に季節性インフルエンザが02年に上陸した際は、罹患率は67%、致死率は2%に達した。
 そして我々は新型インフルエンザに対する免疫を持っていないのだ。
 厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議の議長で、国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は、過去のパンデミックの感染率から推測して、新型のインフルエンザが国内で広がった場合、全人口の2〜4割が感染する可能性があるという。25%の感染と想定した場合、57年に流行したアジア型並み(致死率0・53%)の強さなら、入院患者は53万人、死者は17万人。スペイン風邪並み(致死率2%)なら、200万人が入院し、64万人が死亡する計算だという。
 今回の新型インフルエンザの致死率は、メキシコで0・4%だ。医療が進んでいる日本での数字は低くなるとみられる。
 しかし、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の土居弘幸教授(疫学・衛生学)は「今回の新型インフルエンザがもっと病原性や感染力を強めて、世界にまん延する可能性がないともいえない」と話す。
 糖尿病、人工透析、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)など基礎疾患を持っている人や妊娠後期の妊婦はインフルエンザが重症化しやすい。
 土居教授はいう。
 「必ず犠牲者は出る。仮に2、3カ月に64万人が死ぬようなことになれば太平洋戦争以上のペースだ。数カ月の間にあの人もこの人も死んだという事態が起きる。その時に冷静な対応をすること。いくら心配しても状況は変わらない。変えられるのは自分の行動だけだ」
★強毒性の恐怖
 岡部氏にもワーストシナリオを聞いてみた。
 「H5N1ですね」と迷わず答えが返ってきた。トリの間で流行している高病原性のインフルエンザウイルスだ。人に感染した例は数百件あり、一部では人から人への感染例も出ている。感染した場合、脳、心臓、肝臓、腸、血管内膜など全身にウイルスが広がる。WHO(世界保健機関)統計によれば、致死率は56%、10代に限れば73%にもなる。危険度は今回の新型インフルエンザの比ではない。
 また、地球上には豚とトリと人が一緒に暮らす地域もある。豚の体内でトリと人のウイルスが混じり合い、トリのウイルスの強毒性を保ったまま人間に罹患するタイプの豚インフルエンザウイルスが出現することもありえる。
 新型インフルエンザは今のところタミフルとリレンザが効くが、耐性を持つウイルスが生まれるシナリオも考えられる。
 強毒の新型インフルエンザがまん延したらどうするのか。土居教授が強調するのは理性だ。不要不急の外出はしない、マスクをして、うがい、手洗いをする、症状が出たら病院に行かず発熱外来に電話する、など決められたことを守ることが重要だという。
 「行動は制約されますが、空爆直下、戒厳令下と思えばいいわけです。サンフランシスコ大地震の時は暴動が起きたが、阪神淡路大震災では何も起きなかった。日本人の美徳を発揮すればいい」
 最悪のシナリオは、爆発的な感染で患者が一度に医療機関に押し寄せ、社会がパニックになって経済がストップすることだ。速水氏は「(ピーク時の外出を避けるため)3週間分の食料は備蓄しておきなさい。マスクは使い捨て」という。
 今ですら店頭でマスクは品薄だが、足りない場合は? 「70度以上のお湯で熱湯消毒してもいいよ。ウイルスは熱に弱いから」。マスクにアルコール(エタノール消毒液)をスプレーして、一晩干すという手もあるという。

 情報を集めて準備を整え、万一の場合は落ち着いて行動するしかなさそうだ。

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2009年05月12日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その5 (強毒型はなぜ生まれたか)

強毒型の高病原性鳥インフルエンザ
新型インフルエンザ2009を知る資料として、高病原性鳥インフルエンザに関する注目点を抜粋しました。
(田代眞人氏、ウイルス学、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長 インタビューより)
日経BP社SAFETY JAPANサイトより 2008年3月28日掲載
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/90/index.html
 
強毒型インフルエンザとは
 
―強毒型の高病原性鳥インフルエンザウイルスというのは、自然界には存在しなかったのでしょうか。
 
田代:過去、自然界に存在した鳥インフルエンザウイルスはすべて弱毒型で野鳥を殺しませんでした。今回の強毒型ウイルスは野鳥も殺します。それだけではなく、ほとんどのほ乳類に感染して死に至らしめます。当然、ヒトも例外ではありません。
 
――その強毒型、弱毒型というのは具体的にどういうことなのでしょう。
 
田代:従来のインフルエンザウイルスはトリ型もヒト型も弱毒型です。トリの場合は感染してもほとんど症状が出ませんし、ヒトでは気道の粘膜細胞など一部の細胞でしか増殖しません。ウイルスは細胞に入り込んで増殖し、最後に細胞を破壊して出てきます。ですからウイルスに冒された部位では細胞が破壊されて炎症が起きます。弱毒型の場合は、気管しか炎症を起こさないわけです。
 
 一方強毒型は、全身の細胞で増殖する能力を持ちます。ですからさまざまな臓器で炎症が起きて多臓器不全を起こしますし、血流にウイルスが入り全身に回るウイルス血症という症状も出ます。特に重症の肺炎を起こすため、治療には人工呼吸器が欠かせません。
 

サイトカインストームとは

 これとは別にH5N1ウイルスはサイトカインストームという症状も起こします。免疫は通常、ウイルスから身体を防御するのですが、その免疫が暴走して、自分の体を攻撃してしまうのです。免疫活性が低い老人よりも、活性の高い若者のほうが危険なのです。
 
――全身に感染する強い毒性と、サイトカインストームを起こす性質が、高い死亡率につながるわけですね。
 
田代:人に感染した場合の症状は、既に我々が過去の経験で知っているインフルエンザではありません。いままで人類が経験したことがない強力な感染症です。
 
 普通のインフルエンザは上気道にしか感染しませんし、健康な若い人が死亡することはほとんどありません。65歳以上の高齢者や、妊婦、糖尿病や腎臓病などの慢性疾患の患者といったハイリスク群が合併症を起こして死ぬ危険性がある程度です。
 
 ところが今回のH5N1ウイルスは、致死率が非常に高いのが特徴です。気道のみならず、肺の深いところに感染し、ウイルスによる肺炎を引き起こします。細菌による合併症の肺炎ではなく、ウイルスが肺炎を起こすのです。妊婦が感染した場合には、ウイルスが胎盤を通過して胎児に感染した例も報告されています。このようなことは通常のインフルエンザではありえません。
 

トリ型からヒト型への変異について

――非常に強い毒性を示すにもかかわらず、累計の全世界での死者は360人ほどと非常に少ないです。これはなぜなのでしょう。
 
田代:現在のH5N1が、まだヒトからヒトへと感染する特性を獲得していないからです。
 
 にもかかわらず、現実に患者が出ているわけですが、実のところ現状ではどういう人がかかるのかよく分かっていません。鳥との濃厚な接触で、大量のウイルスを体内に取り込んでしまったという可能性はあるのですが、それだけではないのです。インドネシアの場合、患者の25%は鳥との接触がありませんでした。中国の患者も鳥との接触がありません。しかも、鳥の世界で流行が起きていない地域でも、人への感染が起きています。これが何を意味するのかは、まだ分かっていません。
 
 ウイルスの遺伝子の、どの部分がどう変わるとトリ型からヒト型へと変化するのか、本当のところはまだよく分かっていません。ウイルスが細胞に侵入する時に使うレセプターという部位は、トリ型とヒト型ではアミノ酸が1、2カ所違うだけです。既に2カ所のアミノ酸がヒト型と同じに変異したH5N1ウイルスが見つかっていますが、それでもまだパンデミックには至っていません。
 
――それは、「そう簡単にトリ型からヒト型になることはない」という安心材料と考えてよいのでしょうか。
 
田代:そうではありません。ウイルスは増殖の過程において、ある一定の確率でランダムな突然変異を起こします。そしてH5N1ウイルスは、既に鳥の世界ではパンデミックを起こしています。パンデミックということは、鳥の体内でウイルスが非常に多数回の増殖を行っているということです。確率的に、ヒト型ウイルスが出現する可能性はぐっと上昇しているのです。
 
 例えばサイコロを1回振ると1の目が出る確率は、1/6です。しかし2回振って少なくともどちらかで1の目が出る確率は11/36で、1/6より大きくなります。サイコロを振る回数が増えれば増えるほど、少なくともどこかで1が出る確率は1に近づいていきます。
 
 鳥の世界でパンデミックを起こしているということは、サイコロを振る回数が増えているのと同じです。ヒトに感染しやすいH5N1ウイルスが出現する確率はどんどん大きくなっていると考えなくてはなりません。
 
 ひとたび、ヒトに感染しやすい形質を獲得したウイルスが出現すれば、一気に広がるのは間違いありません。なぜなら、新たに出現したウイルスに対して免疫を持っている人はほぼ皆無だからです。感染したヒトからさらに別のヒトヘと広がる過程で、免疫によって拡大が阻止されるということがありません。
 
 どうやら、ウイルスがヒト型に近づきつつあるという傍証も存在します。トリ型のウイルスは、鳥の体温である42℃付近で増殖しやすく、それ以下の温度では増殖が鈍ります。一方ヒト型のインフルエンザウイルスはヒトの体温である35?36℃付近で活発に増殖します。同じインフルエンザウイルスでも増殖に適した温度が違うのです。
 
 ところが、先ほど説明した「クレード2-2」の亜種のH5N1ウイルスでは、既にヒトの体温で活発に増殖するように突然変異を起こしたウイルスが見つかっています。これは、ウイルスが着実にヒトに感染する形質を備えつつあることを示しています。
 
――いつごろヒト型に変異したウイルスが出現するか予測できないのでしょうか。
 
田代:突然変異が確率で起きる以上、予測は不可能です。ヒトに感染するために必要な特性にしても、まだ我々の知らない要素があるのでしょう。
 
 ただし、鳥の世界でパンデミックを起こし、活発にウイルスが増殖していること、そして徐々にヒト型の特性を一部備えたウイルスが出現してきつつあることを考え合わせると、そう遠くない将来にヒト型ウイルスが出現する可能性は高いと考えねばなりません。
 
 実際問題として、ヒト型とトリ型のウイルスの遺伝子は共通点が多いのです。比較すると、はっきりと異なる遺伝子は10個です。そのうちの5?6個については、既にヒト型に変異したウイルスが確認されています。10個の遺伝子の差異のうち、どれがヒト型へと変化する決定的な要素なのかは分かっていません。ひょっとすると10個全部そろわないとヒト型には変異しないのかも知れませんし、逆にあと一つでも変異したらヒト型になるのかも知れません。研究が進んでいるとはいえ、分かっていないこともたくさんあるのです。
 

致死率について

――強毒型のH5N1ウイルスへの対策が問題になっているにもかかわらず、日本の厚生労働省は、弱毒型のスペインインフルエンザをモデルケースにした対策を立てています。これは取り組みが甘いのではないでしょうか。
 
田代:厚生労働省は、感染率25%、致死率2%で対策を立てています。全人口の25%が感染し、感染者のうち2%が死亡するという意味です。
 
 スペインインフルエンザの感染率は48%でしたから、対策の前提となる被害見積もりはスペインインフルエンザよりも甘いです。
 
 この数字は米国のCDC(疾病予防管理センター)が、1968年の香港インフルエンザの時のデータに基づいて作成した数式で算出されています。この数字を算出した時は「仮に」というモデルケースとして出したのですが、報告書では「仮に」が取れて数字が一人歩きしてしまいました。
 
 ちなみに、この数式はソフトウエア化されているのですが、米国では既にそのソフトウエアは使われていません。
 
 米国では新型インフルエンザが起きた場合の対策を2006年に改訂しているのですが、その中で台風と同じ1から5までの「カテゴリー」というスケールで被害規模を表しています。香港インフルエンザがカテゴリー2、スペインインフルエンザはカテゴリー5の一番下に分類しています。つまりスペインインフルエンザを最悪のケースとは考えていないということです。
 
――NHKの番組では米国の取り組みが進んでいるとして紹介されていましたが、米国ではどの程度の被害を想定して対策を立てているのでしょうか。
 
田代:米国の保健省が昨年大手メディア向けに行ったカンファレンスでは、感染率20?40%、致死率20%ということでした。
 
 オーストラリアのシンクタンクであるロウイー研究所が出した推定では米国では死者200万人が出るとしています。日本は人口密度が高くて米国よりも条件が悪いので死者210万人です。しかし、ロウイーの推計はスペインインフルエンザのような弱毒型ウイルスに対してのものです。
 
 H5N1のような強毒型ウイルスがパンデミックを起こした場合、どの程度の被害が発生するのかについて、きちんとした推計はまだ出ていません。
 
 実際にはどの程度の被害を想定すべきなのか。そこで米国が想定している致死率20%を採用し、感染率を中間の30%として、日本の人口1億2800万人を掛けてみてください。米国の見積もりを採用すると、なんの対策もなしにパンデミックが起きると日本では768万人が死亡するという数字が出てきます。感染率を25%としても、600万人以上の死者が出るということになります。
 
――第二次世界大戦の2倍以上の死者が出るということになりますね。
 
田代:スペインインフルエンザの時と同じく、全く無防備のままで強毒型のH5N1ウイルスによるパンデミックを迎えると、こういう事態が起きるということです。これは社会崩壊を意味すると考えていいでしょう。
 
 しかも現在は交通機関が発達しています。米国のカンサス州で最初の流行を起こしたスペインインフルエンザがオーストラリアに上陸するのに1年かかりました。現在はこんな時間的猶予はないでしょう。ひとたびパンデミックが発生したら1週間程度で全世界に広がると考えておかなくてはなりません。
 
――米国が想定している致死率の20%は、これよりも下がる見込みはないのでしょうか。
 
田代:現在までのところ、鳥インフルエンザは致死率63%ほどですが、これらの患者はそれぞれの国で最高水準の医療を受けているということを忘れてはなりません。肺炎になれば人工呼吸器を付けますし、タミフルの大量投与も受けています。それでもなおかつ、この致死率なのです。

パンデミックでは
 
 パンデミックが起きると、まず人工呼吸器が足りなくなります。患者は重い肺炎を発症しますから、人工呼吸器なしては呼吸困難に陥ります。
 
 現状ではタミフルも不足するでしょう。日本はタミフルを2800万人分備蓄しているとしていますが、現在鳥インフルエンザ患者には、通常のインフルエンザの2倍の量を2倍の期間投与しています。つまり日本の備蓄量は実質700万人分でしかないのです。これでは全く足りません。過去の経験によれば、パンデミックでは第一波、第二波というように爆発的感染拡大が波状攻撃をかけてきます。現在の備蓄量では第一波をしのいだとしても、第二波以降はタミフルが尽きてしまいます。
 
 しかもパンデミックは、全世界同時に起こりますからその時になっても海外からタミフルを緊急輸入することはできないでしょう。タミフルを持っている国から「お気の毒ですが日本は日本で対応してください」と言われて終わりです。
 
 このように考えていくと、たとえ今後、ウイルスの突然変異で致死率が下がっていったとしても、パンデミック時の死亡率は高くなると言わざるを得ません。
 
 日本には危機に直面しているという意識がありません。パンデミック時に医療サービスをどうやって維持するのか。患者が病院に殺到すると、医療体制が崩壊します。崩壊を防ぐためには、感染の拡大を防いで、感染者が一気に集中する“流行の山”を低くすることが必要ですが、そのために具体的にどうすればいいのかは、まだ話し合われていません。
 
 そのほか、生活必需品の輸送やライフラインをどうやって維持するか。感染を避けるためには家庭への籠城が推奨されますが、では籠城を可能にするにはどのような環境を整備するのか。世界経済が一蓮托生になっている今、ビジネスをどうやって継続していくのかも大切な課題です。要するに準備が全然足りていないのです。
 

安全保障の一環として

――米国はどこまで準備を進めているのでしょうか。
 
田代:米国は、はっきりと強毒型のH5N1ウイルスによるパンデミックを安全保障の問題だと認識しています。テロや核戦争と同じ、国家の危機という位置づけで、どうやって国民を守り国力を維持するかの対策に予算を注ぎ込んでいます。
 
 CDCは、日本では保健所の大きいものというイメージで見られているでしょうが、実態は軍とともに、衛生保健面で米国という国の安全保障を司る組織です。日本の保健所とは全く組織の性格が異なる、疾病に対して攻撃的な姿勢を持つ軍隊に似た組織なのです。
 
――スペインインフルエンザでは軍隊が流行の発信地となりましたが、米国は国防総省も含めてパンデミック対策を組んでいるということでしょうか。
 
田代:米国防総省がなにをやっているかは外からは分かりません。しかし、当然のことながら相当の予算を注ぎ込んで対策を行っているはずです。現在米国は毎年約9000億円をパンデミック対策に注ぎ込んでいますが、表に出てこない国防費からの支出を考えるとこれだけでは済まないでしょう。表から見えるのがすべてだと思ってはいけません。
 
 在日米軍を含む在外派遣軍を、パンデミック時にどのようにして米本土に撤収するかという行動計画も、当然のことながら策定済みのはずです。
 
 米国は、国民に対して、新型インフルエンザに関する知識の周知徹底や籠城のための家庭備蓄の呼びかけを行う一方、事前に用意できるプレパンデミックワクチンの備蓄、全国民分のワクチンを半年で製造し、定めた優先順位で順次接種していく体制の整備を着実に進めています。
 
 もちろん医療分野のみならず、例えば学校を休校にした場合、子どもにどうやって教育を届けるかというような生活面での対策も行っています。ありとあらゆる手段を使って社会機能を維持することを目指しています。
 
 それだけではなく、パンデミックが起きてしまった後に、どのようなプランで社会や経済を回復させていくかという行動計画の策定すら行っています。「何があっても米国は生き残る」というのが彼らの意志です。それに従って着々と手を打っているのです。
 
文明が強毒型ウイルスを招き寄せた

――しかし、なぜ今、この時代に、これまで自然界には存在しなかった強毒型のウイルスが出現したのでしょうか。
 
田代:人間が大規模な養鶏を始めたことが大きく影響しているのでしょう。自然界には同種の鳥類が何万羽も集まるところなどめったにありません。自然界では強毒型の突然変異が起きても、感染したトリがすぐに死んでしまうので、ウイルスは感染拡大を起こせず、消滅してしまうのです。
 
 養鶏場のような、トリが密集している場所があって初めて、強毒型のウイルスは増殖し、さらなる突然変異を起こして鳥類の間に広がることができたのです。
 
 その意味では、強毒型のウイルスの出現は、人が起こしたことと言えなくもありません。便利さや快適さを求める文明が強毒型ウイルスを招き寄せたのです。
 
 しかし、文明は同時に科学技術をも進歩させました。過去のパンデミックは常に起きてみなければ分からない、予測不可能の災厄でした。それは20世紀に起きたスペインインフルエンザでも同じでした。
 
 しかし今、H5N1インフルエンザウイルスは、何年も前からその脅威がはっきりと分かっています。21世紀の我々は科学技術を使い、やがてやってくるであろうパンデミックに対して事前に対策を立てることが可能なのです。
 
 対策を立て、パンデミックに対する準備を可能な限りしなくてはなりません。パンデミックが来てから対応策に追われるのが20世紀の防疫ならば、事前の十分な準備こそが21世紀の新しい防疫なのです。

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2009年05月10日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その4(感染最新情報)

感染症情報センター速報
国立感染症研究所感染症情報センターの「新型インフルエンザ速報サイト」では最新情報が頻繁にアップデートされています
こちら 
WHOの流行地図もリンクされ世界の感染状況が分かります。

新型インフルQ&A
成田空港の検疫で新型インフルエンザの感染者が確認されたことにより、国内での人から人への感染発生は必至の段階となりました。
朝日新聞に、対人感染についてのわかりやすい解説がありました。
●なぜ足止め?濃厚接触者って? 新型インフルQ&A
朝日新聞 5月10日
Q 患者と同じ飛行機に乗った人が、空港周辺の施設に足止めされたのはなぜ?

 A 感染拡大を防ぐためだ。患者に面と向かって話したり、2メートル以内の席に座ったりしていた場合、感染の可能性が高い「濃厚接触者」とみなされる。新型インフルエンザは普通のインフルと同じで、主に「飛沫(ひまつ)感染」でうつると考えられるからだ。

 Q 「飛沫感染」って何?

 A 患者のくしゃみやせきが原因の感染だ。患者はのどが炎症を起こし、粘液が普段より多い。せきなどでウイルスが粘液の水分とともに粒子(飛沫)になって飛び出す。吸い込めば感染する可能性がある。実験で、飛沫は1〜2メートルしか飛ばないとされ、足止めする同乗者の範囲を決める元になっている。

 Q 席が離れていれば安心なの?

 A ウイルスを含む飛沫より小さい粒子が空気中を漂い、それを吸い込んで起きる「空気感染」(飛沫核感染)も注意が必要だとする専門家もいる。しかし、それもまれとみられ、機内全体に感染が広がる可能性は、ほとんどないとされる。

 Q 別の経路で、感染の恐れはないの?

 A 患者がせきなどを抑えた手でドアやスイッチを触れば、そこにウイルスが付く。それらに触れた人が、さらに鼻や口を触ることで「接触感染」も起こるため、手洗いが大切だ。

 Q 感染力はどうなの?

 A 新型インフルは通常のインフルのように、その場にいる患者1人からまわりの1〜4人程度に感染するとみられる。空気感染するはしかは患者1人から15〜20人で、これよりは弱い。電車の同じ車両に乗り合わせたぐらいではうつらないようだ。

 Q どの程度の期間、注意が必要なの?

 A 発症する1日前から7日後までが、患者から他人にウイルスがうつる期間だ。今回はこの期間中だったため、保健所が感染の可能性がある人を追跡調査する。必要と判断すれば、患者に接触してから10日間は自宅待機してもらう。従わずに出歩く人は感染をさらに広げてしまいかねないので、名前の公表も必要だと専門家は指摘している。
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2009年05月02日

エクセルのファイルが修復できず

エクセルのファイルが破壊されました

いくつかの方法でファイルを読もうとしましたが
下記のエラーメッセージが出て止まってしまいます。

「ファイル名.xls:ファイル形式が正しくありません」

記録メディアはポータブルハードディスクです。
ファイル名や拡張子そしてファイルサイズは見た目正常です。しかしエラーが出て読めません。
同じフォルダある他のエクセルファイルは問題なく読めます。
なぜこのような事態に至ったか心当たりはありません。

あえて考えれば、同一ファイルをエクセル2000(自宅)とエクセル2007(職場)のアプリケーションで使っているのが原因かもしれませんが、この使い方は半年以上常用しており、しかも数枚のエクセルファイルを毎日アップデートしていますが、今回の事態は初めてです。

ファイルには授業の出席記録と受講生からの質問やコメントが記録されており、たまたま学期始めのためデータは少ないものの、失われると再入力を強いられダメッジは甚大です。

グーグルで調べたところ以下のサイトにヒントがありましたが、ファイルの修復は出来ませんでした。

富士通のサイト
http://www.fmworld.net/cs/azbyclub/qanavi/jsp/qacontents.jsp?rid=7&PID=5806-0372#case3

ファイルの修復について
残念ながら結局出来ませんでした。しかし・・
・あきらめない
自宅の外付けハードディスクにバックアップをとっていたため、こちらから現状復帰できました。

対策について
その1
他のメディアにバックアップをとる!!
これは基本中の基本ですが・・・
しかしながら今回現状復帰できたのは「偶然の幸運」ともいえます。
なぜなら・・・
バックアップは2-3日に一回とっているので、もし破壊された後にバックアップを実行していたら、破壊されたファイルでバックアップファイルが上書きされた恐れがあります。その意味では、バックアップさえすれば「安心」ではありません。

その2
アプリケーションで自動バックアップする
方法は以下の通りです
1 エクセルのファイルを保存する画面へ行く
2 「ツール」の横にある「▼」をクリック
3 「全般オプション」をクリック
4 「バックアップファイルを作成する」にチェックを入れる
これで同一フォルダ内にバックアップファイルが自動保存されます

以上はとりあえずの対策です。

素朴な感想
エクセルのファイルが読めないトラブルは、フロッピーディスク時代にはあったような気もしますが(ディスクの傷などが原因)、ハードディスク使用では初めてです。
ワードのファイル破壊は回復できました こちら
エクセルのファイルには、出欠や成績などの受業データ、実験データ、アンケートなど調査データ、文献データ、日常生活のデータその他大量の貴重なデータを保存してあります。今回初めて体験したエクセルデータの破損は非常に深刻に受け止めています。さらなる対策を模索中です。


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2009年05月01日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その3

「新型インフルエンザ」情報の時系列データは下記記事のコメント欄に継続的に書き込んでいます。
なお、「豚インフルエンザ」の呼称は「新型インフルエンザ」に呼び換えるのが一般的になりつつあるため、このブログでも「新型インフルエンザ」とします。
呼称の変更はCDCやEUなどが「政治・経済的配慮」から提起したものです。
http://ichi3.seesaa.net/article/118133573.html
タグ:安全と安心
posted by ichi3 at 02:22| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月29日

豚インフルエンザとリスクコミュニケーション その2(個人と行動)

何を信じどう行動すべきか???

2009年4月24日頃から一斉に報道されている「豚インフルエンザ」の人への感染は、WHOが「フェーズ4」にステージを引き上げたことにより「新型インフルエンザ」発生として世界の緊張が高まっています」。マスコミやインターネットでは膨大な情報が飛び交い、「情報過剰」の状況が発生し、まさに「信頼とコミュニケーション」が問われる事態です。

いったい何を「信用」すれば「安心」できるのか?報道や公的機関の発表はどこまで「信頼」できるのか?WHOやCDCの発表には当然「政治・経済的配慮」が含まれています。ネット情報にはデマや不安をあおるものもあります。


今回の事態は「心理的ストレス」とのつきあい方とも関わるものです。
イタリアの思想家グラムシGramsci(1891-1937)は次のように述べています。
「認識において悲観主義者、意志において楽観主義者たれ」

そこで、このページでは「日経BP社」のサイトからわかりやすく個人レベルで対応可能な情報をまとめてみました。
たとえば
実は役に立たない「うがい」
テレビでは「うがい」を推奨しますが、その限界について理由が述べられています。
日常生活での行動について具体的提案もあります。
以下「日経トレンディネット」からの情報です。

新型インフルエンザ危機のシナリオ!
全文はこちら
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20090113/1022726/?P=1
日経トレンディネット、2009年01月15日
なお、これら記事は「新型インフルエンザ」一般への対応であり、今回の「豚インフルエンザ」について書かれたものではありません。

●都道府県単位で学校閉鎖、マスクが買えない
厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議が2008年11月、ようやく指針を打ち出した。これは、国内で人から人への感染が一例でも発生した段階、つまり大流行する前に、発生した地域の都道府県内にある小中学校や高校、幼稚園を全校閉鎖するというもの。パンデミックと呼ばれる爆発的感染状態の前に大規模な学校閉鎖に踏み切れば、感染拡大をある程度食い止める効果も期待できる。


個人レベルでできる新型インフルエンザの防衛策
「不織布製のマスクを1人当たり20〜25枚を目安に備蓄する」。これは2008年9月、厚生労働省の専門家会議が発表した家庭で備蓄しておくべき目安だ。
 マスクには、感染者の咳、くしゃみなどで飛んでくるウイルスを遮断するという予防的な側面とすでに発熱など症状のある人が、ウイルスを他人に感染させないためにかけるという2つの側面がある。ただし、使い方を誤るとマスクの効果もなくなってしまう。
 
では、なぜマスクの1人当たりの備蓄目標が20〜25枚なのだろうか。国内での感染が始まった初期段階から大流行のピークを越えて、感染がほぼ終息するまでの期間を厚生労働省では約8週間(約2カ月)前後とみている。これはスペイン風邪など過去3回にわたる新型インフルエンザの流行を分析した結果の予測数値だ。

 この間に食料品の買い出しなど外出しなければならないことが週2回あると仮定し、外出のたびに使い捨てるので8週間で16枚は最低限必要。余裕を見て20〜25枚という計算だ。
全文は
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20090113/1022726/?P=5


食品と日用品の備蓄
食糧(長期保存可能なもの)の例
主食類
 米
乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)
切り餅
コーンフレーク・シリアル類
乾パン
各種調味料
その他
 レトルト・フリーズドライ食品
冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意)
インスタントラーメン
缶詰
菓子類
ミネラルウォーター
ペットボトルや缶入りの飲料

日用品・医療品の例
常備品 常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)
絆創膏(大・小)
ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)
※薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があります。購入時に医師・薬剤師に確認してください。

インフルエンザ対策の物品
マスク
ゴム手袋(破れにくいもの)
水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)
消毒用アルコール

通常の災害時のための物品(あると便利なもの)
懐中電灯
乾電池
携帯電話充電キット
ラジオ・携帯テレビ
カセットコンロ・ガスボンベ
トイレットペーパー
ティッシュペーパー
キッチン用ラップ
アルミホイル
洗剤(衣類・食器等)・石けん
シャンプー・リンス
保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)
生理用品(女性用)
ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)

米、乾麺、レトルト食品、缶詰、ミネラルウォーターなど2週間分に相当する食糧の各家庭での備蓄を勧めている。本来ならば国内で感染が発生してからほぼ終息するまでの予測期間である2カ月分を備蓄するのがベストだが、そうはいかない事情もある。「日本の住宅の広さを考えると家族全員の食糧、日用品などを備蓄するには、2週間分が量的限界だろう。この備蓄量は毎日の買い物を2週間に1回の頻度に下げて、感染するリスクを減らすための目安と考えてほしい」と厚生労働省の石川晴巳氏。とはいえパンデミックは全国的に広がるものなので、局所的な地震災害と違い、しばらく食糧支援は期待できない。部屋が狭くなっても最低1カ月分の食糧は備えたいところだ。そして、いざ新型インフルエンザが国内で発生したならば、不要不急の外出は極力控えて自宅にこもり、パンデミックが過ぎ去るのを待つ。これがもっとも賢明な防御対策といえる。

全文は
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20090113/1022726/?P=7


●関連情報
最大の防御策は篭城&マスク
実は役に立たない「うがい」
日経トレンディネット、2008年02月20日
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20080214/1007068/

治療法について
タミフルは2800万人分備蓄。しかし新型には効きにくい可能性も
 では、新型インフルエンザの脅威から身を守る術はあるのだろうか。まずは治療薬だ。通常のインフルエンザにも使われる治療薬「タミフル」を、国や都道府県は合計2800万人分を備蓄している。だが、「現状ではH5N1型鳥インフルエンザの人の発症例に、タミフル投与はあまり効果をあげていない。もちろん、新型インフルエンザになった段階でも効果があるという保証はない」(国立感染症研究所・感染情報センター、谷口清州第一室長)。

タミフルが効かない耐性ウイルスにも効果のある治療薬「リレンザ」もあるが、こちらの備蓄は今のところ135万人分であり、国が行動計画で想定する国内の患者数3200万人には遠く及ばない。朗報もなくはない。H5N1型鳥インフルエンザに対する効果が動物実験で確認された新薬「T-705」が、臨床試験の最中で2009年中には発売されそうだ。


予防ワクチンについて
新型発生に備えるという点ではワクチンも忘れてならない存在。H5N1型鳥インフルエンザ感染者のウイルスから作られた「プレパンデミックワクチン」1000万人分を国で備蓄しており、さらに異なるウイルス株のワクチンを追加して備蓄する予定だ。しかし、医療従事者などに優先的に投与する予定のため、誰でもが医療機関でこのワクチンを投与してもらえるわけではない。一方で、スイスでは政府が700万人を超える全国民分のプレパンデミックワクチンの備蓄を完了した。国によって対応には大きな差があるようだ。

なお、今回の「豚インフルエンザ」対応のワクチンは2009年4月から準備態勢に入り、一般向けに供給されるのは数ヶ月先とされる。

●マスクの有効性について
一般的にインフルエンザから身を守る身近な対策としてよく言われるのが、うがい、マスクの着用、手洗いだ。ところが、従来型も新型も含めてインフルエンザにうがいはほとんど効果がないという。「欧米でインフルエンザ予防にうがいを奨励している国はない。飛沫感染で喉の粘膜に付着したインフルエンザウイルスは、10分ほどで粘膜細胞の中に侵入する。外出して戻ってからうがいをしても遅過ぎる」(外岡所長)という。

 ただし、マスクと手洗いには一定の効果がある。使い捨ての風邪用マスクでも、きちんと顔に密着させて着けていれば、感染者の咳などで飛んで来るウイルスを遮断することができる。また、服や髪の毛、肌などに感染者の咳でウイルスが付いたとしても、極端に恐れる必要はない。個人が検疫用の防護服を着て出歩くようなことにもならないだろう。「新型も含めインフルエンザのウイルスは、衣服や肌に付いても1時間程度しか生きていられない。ウイルスが付着した手を舐めたりしない限りはまず感染しない」(国立感染症研究所・谷口室長)。とはいえ、ドアの取っ手などにウイルスが付着していて知らずにつかみ、その手を無意識に口元に、というケースはありうる。そこで頻繁な手洗いが新型の予防にも効果ありというわけだ
 

とりあえずなすべき事
新型対応のワクチンが完成するまで、いかに感染しないようにするかが重要になってくる。そのためには人の集まる場所に極力、行かないことが肝心だ。感染の最初のピークは6〜8週間前後で終わると専門家は予測する。「一定の食糧、水、日用品を家庭に備蓄しておくことが必要だ。宅配サービスなどを利用することは、人との接触をなるべく避ける意味でも考慮すべきだ」(谷口氏)。感染が全国に広まった場合には、地震と違ってどこからもしばらくは救援は来ない。一般的には、最低1カ月分の食糧の備蓄が必要と考えられている。最悪の場合を想定して今から何を用意すべきかを真剣に考えておくべきだろう。

タグ:安全と安心
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2009年04月26日

豚インフルエンザとリスクコミュニケーション(第一報)

image273.gif

以下は豚インフルエンザ発生の第一報
今後どのような展開を見せるのか予断を許さない緊張感があります

「豚インフル」が米・メキシコで WHO発表、60人死亡の疑い
4月24日 日経新聞
 【ロンドン=岐部秀光】世界保健機関(WHO)報道官は24日、米国とメキシコで最近、人間への「豚インフルエンザ」の感染が報告され、約60人が死亡した疑いがあると明らかにした。米保健当局は国内で見つかったウイルスは豚、鳥、ヒトの混合型でこれまでに見つかっていないタイプで、「ヒトからヒト」への感染が起きていると指摘。両国で新型ウイルスによるインフルエンザが流行する恐れがある。
 WHOによるとメキシコ市周辺だけで800件の感染が疑われる報告があり、うち57人が死亡した。このほかメキシコ中部サンルイポトシでも24件の報告があり3人が死亡しているという。同国内で多くの学校が学級閉鎖や休校に追い込まれた。
 米国ではカリフォルニア州とテキサス州で合計7人の感染報告があったが、全員が回復したという。当局は感染者や彼らと接触した人々の検査を行い、メキシコからもサンプルを取り寄せて感染経路の特定を急いでいる。感染力はまだ不明としている。
 
新型インフルエンザのパンデミック・シミュレーション 
市原が担当している「環境心理学」(家政学院大)と「免疫と自己のシステム」(早稲田大)の授業で使っている上記の図版とコメントです。「リスクコミュニケーション」、「免疫と感染」がキーワードです。
・海外で感染した1人が成田から八王子の自宅に帰宅したケース(図版)
・致死率60%(インドネシア等での鳥インフルエンザ・データによる)
・1人の感染者からパンディミックが発生し2週間で関東全域が感染地域となる
・食糧備蓄は最低2週間、出来れば4週間分 (1人あたり)
 →シリアル食品やフルーツ缶詰なども良い
・飛沫感染ゆえ、対人接触の回避が何より重要
・市販のマスクの有効性は限定的だが必要
 →30-50枚程度備蓄する。医療向けマスクで実績ある3M社の例はこちら
   
図版は国立感染症研究所、感染症情報センターより
WEDGE2008年12月号より 引用加筆
 
公衆衛生対策に求められる「コミュニケーション・ストラテジー」
――John Kobayashi氏(国立感染症研究所FETPアドバイザー)に聞く
医学書院、医学界新聞、第2559号 2003年11月10日 より抜粋
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2559dir/n2559_02.htm#00
 バイオテロやSARSをはじめとする感染症の発生など,健康に対する新たな脅威への効果的な公衆衛生対策が議論されている。その課題のひとつと考えられている,「情報戦略」の問題について,国立感染症研究所感染症情報センターの実地臨床疫学プログラム(Field Epidemiology Training Program=FETP)では,米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention=CDC)や,米国ワシントン州健康局において公衆衛生対策を行なってきた経験を持つJohn Kobayashi氏による,教育の機会が与えられているという。「情報の戦略的な提供(コミュニケーション・ストラテジー)」に主眼を置いた公衆衛生対策の重要性を強調するKobayashi氏に,日米の感染症対策の現状に詳しい五味晴美氏がインタビューした。
 
まとめると
・毎日12時に情報をアップデートしてプレスカンファレンスを行ない,新しい情報を流す。
・ 3つの短い文章を作る。シンプルで短い言葉はわかりやすく効果的である。
・自分がコントロールできないようなものに遭遇した時には,とてもリスクが大きいと感じる。
 → 米国ではウエストナイルウイルスの問題よりも,喫煙や飲酒の問題のほうが実際には健康に与える影響が大きい。しかし,人々が恐いと思うのは,自分がコントロールできないウエストナイルウイルスのほうだ。
・「肯定的」でかつ「個人的」なメッセージが効果的。
  → 「これをすれば死にますよ」というメッセージより「これをすれば健康になります」というメッセージのほうにより反応する。
  →「これがいいので,あなたもやりなさい」というメッセージより「私はこれがいいと思うので,私の子どもにはこうしています」メッセージを自分個人のもののようにして伝えると効果的

アメリカでのニュースビデオ
以前紹介した「クーガー・エース」の海難事故ビデオMSNBC(アメリカ)は現在も再生可能です。 こちらをクリックし、さらに事故映像をクリックすると「クーガー・エース」のニュースに引き続き「豚インフルエンザ」の最新ニュースを見ることが出来ます。当事国だけにニュースは深刻です。



タグ:安全と安心
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2009年04月25日

インターネットは矛盾そのもの その3

サン・マイクロシステムがついに消える?
2009年4月21日「オラクルがサン・マイクロシステムを買収」という衝撃的ニュースが世界を駆けめぐりました。サン社ウェブサイトにも合併のメッセージが掲載されました。このニュースを受け同社の株価は39%も上昇しました。
サン社はワークステーションやジャバ言語で知られる高度な技術を有する会社でしたが、ついに消滅するもでしょうか?オラクル社は1990年代からネットワーク・コンピューティングnetwork computingを提唱する会社の一つでした。
サン社はグーグル社の成り立ちと密接な関係があります。
インターネットコミュニケーションと言えば、今やグーグル社の独壇場とも感じてしまいます。ネット社会の理想と現実は、このブログのキーワード「信頼とコミュニケーション」に関わる部分でもあります。

以下、カー「クラウド化する世界」(2008)から引用すると・・・

1990年代にサン・マイクロシステムズ社は「ネットワークこそがコンピュータである」というマーケッティングスローガンを打ち出した。目立ってはいたが、当時の大多数の人にとっては無意味なコピーだった・・・しかしインターネットは文字どおり自分のコンピュータになった。グーグルの最高経営責任者であるエリック・シュミットは当時サン・マイクロシステムズ社につとめていたが、後に「雲の中のコンピュータ」computer in the cloudといった。今日の我々が体験しているコンピューティングはもはや具体的な形状をとっていない。コンピューティングが行われているいるのは、インターネットで常に変動しているデータ、ソフトウエア、そしてデバイスの「雲」の中なのだ。我々のパソコンは,雲の中の一個の分子、巨大なコンピューティングネットワークのノードの一つなのである・・・
ユーティティコンピューティングではアプリケーションの実行からファイルの保存まで、インターネットを通じて行うこととなる。例えばグーグル・アプス(Google Apps)というパッケージサービスでは、ワープロ、表計算、電子メール、カレンダーなど日常業務でよく使うオフィスアプリケーションが含まれる・・・
マイクロソフトの技術者レイ・オジーは「ブロードバンドと無線ネットワークのユビキタス性は、人々のコミュニケーションの仕方を変えた」、という。


タグ:安全と安心
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2009年04月24日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その7(IMF戦後初のマイナス見通し)

IMFは国連の専門機関一つで世界銀行と共に、国際金融秩序を調整する機関とされます。例えば、為替相場の安定を目的に、国際収支が悪化した国への融資などを行いますが、近年は内政干渉とも思われる介入をすることもあります。
そのIMFが世界の経済見通しを発表しましたが、日本はとりわけ厳しいデータが予測されました。毎日新聞の記事を引用します。

IMF:世界経済見通し 戦後初、マイナス1.3%成長 日本も6.2%−−09年
毎日新聞、4月23日
 【ワシントン斉藤信宏】国際通貨基金(IMF)は22日、最新の世界経済見通しを発表した。昨年秋の金融危機以降、世界規模で急激な景気悪化が続いていることを受けて、世界全体の09年国内総生産(GDP)の実質成長率見通しを、1月の前回予測時の0・5%から1・8ポイント引き下げ、マイナス1・3%と大幅に下方修正した。
 世界のマイナス成長予測は、第二次世界大戦後では初めて。日本については3・6ポイント引き下げてマイナス6・2%と予測し、見通しを示した対象国の中では引き下げ幅が最も大きかった。
 日本以外にドイツもマイナス5・6%とマイナスの幅が大きく、不況による世界的な生産・貿易の急縮小の影響が、輸出依存型の経済大国を直撃した形となった。
 米国はマイナス2・8%、ユーロ圏もマイナス4・2%とそれぞれ大幅なマイナス成長を予想。先進国全体では前回のマイナス2・0%から1・8ポイント引き下げられマイナス3・8%と予測された。
 一方、高成長で世界経済をけん引すると期待されていた新興国も、ロシアが5・3ポイントの大幅引き下げでマイナス6・0%と日本並みに落ち込むとされ、中国が6・5%、インドも4・5%とそれぞれ成長率が鈍化する見通しとなった。
 IMFは、10年については世界全体で1・9%、日本は0・5%とプラス成長への回復を予測しているが「見通しは前例がないほど不透明であり、大幅な下振れリスクが存在する」との危機感も表明。さらに「金融市場の安定化には想定よりはるかに長い時間がかかる」と明記し、金融機関への公的資金の投入や大規模な財政出動を伴う景気対策の実施を加盟各国に促した。
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2009年04月23日

操船シュミレータとSGI破綻

米Silicon Graphics(SGI)が、米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請し、米Rackable Systemsによって買収されるニュースには驚きました(2009年4月1日)。SGIば1982年にJames Clark氏が創業。高度なコンピュータグラフィックスワークステーションなどを開発・販売しました。個人的には東京商船大学(現、東京海洋大学)の「操船シュミレータ」が同社のシステムを用い綺麗なCGを生成していたのをよく覚えています。Clark氏は同社を離れ、Netscapeを起業してインターネット革命を創出したことでも知られています。そのSGIが破産したとは・・・
タグ:信頼とは
posted by ichi3 at 02:22| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月11日

大学授業「心理学実験」(ブログの活用事例)

大学授業におけるコミュニケーションについて その2
−「心理学実験」授業におけるデータ分析−
「実験授業」を例にブログのアクセスデータによる実験的検討です。
全文はこちら

サマリ
大学の授業場面でのコミュニケーションについて,「心理学実験」を例に出席カードとブログを使い日常的にデータを収集して分析した。その結果少人数で実験の授業の場合も,今回用いたコミュニケーションチャネルは技術的質問や補足そして課題への取り組み方など様々な情報が共有され活用されていた。Web リテラシーを身につけることにより,携帯電話などモバイル情報端末を授業場面で活用し,大学授業における新しい学習スタイルを構築していく必要がある。
キーワード:大学授業 コミュニケーション ブログ Web リテラシー
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2009年04月07日

インターネットは矛盾そのもの その2(Gmailトラブル1年後)

Gmailの使いにくさについて
家政学院大学のメールがGmail(グーグル社が運営するウェブメール)に切り替わってちょうど1年たちました。

素朴な感想は「時間が命のビジネスには使えない」
「安心」して使える状況には至っていません。

対策の一つとしてクライアントメール(従来のメール、データは手元のパソコンに保存)にメールを転送しています。
ウェブメールはネットとつながっていればどこからでもアクセスでき大変便利ですが、その「ネット」そのものがネックのように思います。これはクラウドコンピューティングが内包する特性の一つです。
反応の鈍さは致命的です。メール作業中に「思考停止」がたびたび強制されます。大学のGmailは一般向けとは異なるシステムを使っているので、原因の一つはそこにあるのかもしれません。自宅では一般向けGmailを使っていますが「症状」はやや軽く感じますが、システムとしての使いにくさが目につきます。メールはそもそも「素人にも容易に使える」が基本です。
2009年4月7日も下記のメッセージが出て使えない状態が起きました。
gmail_error_1.JPG

タグ:安全と安心
posted by ichi3 at 17:46| 東京 晴れ| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月04日

無料の英和、和英、国語辞書ソフト

英和、和英、国語辞書ソフト「キングソフト辞書」が下記サイトからダウンロードできます。例えば、Webサイト上などで、単語にマウスカーソルを合わせると、意味をポップアップ表示します。文章をドラッグするとポップアップで翻訳結果を表示します。
各モードの切り替えやソフトの終了はタスクトレイ(画面右下隅)のアイコン(虫眼鏡)を右クリックして行います。
ソフトのダウンロードは 
こちら

タグ:便利情報
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2009年04月02日

ネットラジオでリラックス

音楽は人間の行動に大きな影響を与えます。
たとえば、行進曲は行動を賦活化し、バロック音楽など宗教的な曲は行動を抑制します。「心」の状態としては「興奮」と「沈静」にあたります。

「インターネットラジオ」を検索すると「世界文化」の底深さを感じます。市原研究室では部屋の雰囲気をリラックス状態にする目的で、FMラジオを「バックグラウンド・ミュージック」として流しています。
ところが、最近の放送はパーソナリティの「対話」が多く「バックグラウンド」になりません。

そこで「あきらめない」・・・

インターネットラジオでリラックス

リンク集は沢山ありますが 
ここ が使いやすいと思います。
「vTuner」は世界に展開するネットラジオの総合ディレクトリです。

画面左上の
「Stations by Format」
からロック、ジャズ、クラッシック、ブルース、フォーク・・・好みのジャンルを選ぶと放送局一覧が表示されます。
1万円程度の外付けスピーカをセットすれば音質もなかなか良好です。ノートPCならヘッドフォンで聞くのも一案です。

posted by ichi3 at 01:22| 東京 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月31日

ドバイのQE2はどうなる

ドバイ港Dubaiに係留しているQE2をキュナード社の僚船クイーン・ビクトリアQueen Victoriaのブリッジカメラがとらえていました(2009年3月29日)。ファンネルが照明されデッキに灯がともり、この映像でからは「現役」のようにさえ見えますが・・・

同じ日にNHK総合テレビで「沸騰都市のそれから」で最近のドバイが詳しく紹介されていました。それによると、ドバイも不動産バブルは完全にはじけ、「金融危機」の直撃を受けたドバイ株式市場の下落率は実に76%、そして20以上のプロジェクトが中止や中断に追い込まれているそうです(米国金融機関調べ、2630億ドル相当額)。QE2は20世紀を象徴する客船でしたが、本船を所有する企業の経営状況はギビシイとの情報もありQE2の未来は???
QE2dubai0309.JPG
Queen Victoria: Bridge Cam
★QVブリッジカメラのライブ映像
posted by ichi3 at 01:50| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月28日

インターネットは矛盾そのもの その1

クラウド化する世界(ビジネスモデル構築の大転換)
Car,N.G、ニコラス・G・カー、村上彩(訳)、翔泳社、2008
原題はThe Big Switch: Rewiring the World, From Edison to Google
このタイトルに本書の本質が集約されていると感じます。

その視点がユニークで刺激的です
1 経済システムの視点からネット世界を分析している
2 文献やデータを参照し、事実分析をベースに論じている

例えば次のように書かれています。
インターネットは多くの矛盾を内包している。すなわちその誕生は軍事目的の通信システムであり、官僚支配の道具でありながら個人を解放する道具でもあり、共同体の理想と企業の収益の双方につながる導管である。ネットが多目的技術として利用される機会が増えるにつれて、こうした技術的・経済的・社会的緊張はより顕著になりつつある。この緊張を解決することが、良くも悪くも、来るべき時代にネットワークがどのような結末を迎えるかを決める。
タグ:安全と安心
posted by ichi3 at 01:26| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月11日

ネットブックパソコン2009春情報

「ネットブック」が登場して1年以上、日本でのブームはまだまだ続いています。
百花繚乱ともいえる価格競争の激化、ユニークさを強調したモデルも登場しています。たとえば工人舎のマイクロソフトOffice 2007(エクセルとワード)とワンセグテレビが付いて6万円を切る価格は驚きです(
ML6KL12F)
。また、液晶のサイズは8.9型ワイドから10型ワイドが主流になって見やすいモデルが増えました。ただし、10型モニタでも解像度は8.9型より低いものもあります。記憶容量は160GBのHDDモデルも登場し、ビデオクリップを入れたとしても十分です。バッテリーも4時間程度のモデルが増え、モバイルユースも可能です。

最新パソコン購入ガイド2009春版
「ネットブック主要20機種を徹底比較!○と×をズバリ解説」
日経BP社の記事は こちら

タグ:便利情報
posted by ichi3 at 00:49| 東京 晴れ| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月09日

「クラウド・コンピューティング」の光と影

グーグルが提供する「無料情報サービス」には圧倒されますが、まさに「クラウド・コンピューティングcloud computing」の世界そのものです。著作権関連で興味ある記事が毎日新聞に掲載されました。

書籍デジタル化:米グーグルと著作権所有者の和解案、日本にも波紋
毎日新聞 2009年3月9日
 インターネット検索サービス大手の米グーグルが進める書籍全文のデジタル化を巡り、同社と作家や出版社など著作権の所有者側が合意した和解案が波紋を広げている。米国での和解が日本でも効力があるとし、和解参加の有無を日本の関係者にも求めてきているためだ。【臺宏士、棚部秀行】
 ●「拒むメリットなし」
 「貴殿の権利に、グーグルの書籍および執筆物のスキャンおよびその使用に関する集団訴訟の和解案が影響することがあります」
 先月下旬の新聞各紙にこんな広告が掲載された。グーグルは04年に米国の大学図書館などと提携し、著作権の所有者に許諾を得ないまま、所蔵する書籍のデジタル化を進めた。既に700万冊に及び、日本では慶応大が参加しているという。
 これに対して翌年、作家団体や出版社が著作権侵害だと訴えていたが、その集団訴訟の和解案が昨年10月にまとまった。著作権に関する国際条約の「ベルヌ条約」の締約国である日本の著者や出版社は、米国でも保護されている。広告は、著作権所有者も集団訴訟の当事者に含まれることを告知するものだった。
 集団訴訟は、ある人が利害の関係する全員を代表して行うという形態で、判決や和解は全員に及ぶ。原告に加われない人への救済として設けられた日本にはない仕組みだ。
 和解案によると、対象は今年1月5日以前に出版され、グーグルが入手困難もしくは絶版と判断した書籍。新聞や雑誌は含まれない。グーグルは、引き続きデジタル化できるほか、データベース(DB)アクセス権の販売や広告集めができる。その見返りとして、著作権所有者に▽収益の63%を分配する▽許諾なくこれまでにデジタル化した書籍については最低総額4500万ドル、1作品に60ドルを支払う▽DB販売などの収益を分配する非営利機関設立などのため3450万ドルを拠出する−−という。著作権所有者は、何も意思表示をしないと自動的に和解に参加することになり、拒否するには今年5月5日までに通知する必要がある。
 出版社でつくる日本書籍出版協会(東京都新宿区、467社)が和解案を知ったのは昨年12月末。同協会が加盟する日本複写権センターに連絡があった。先月下旬に会員社に通知した。現在、グーグルに対し9日を期限に、デジタル化の対象となる書籍の判断基準などについて質問書を出している。担当者は「和解に参加するかどうかは会員各社が自分で判断することになるが新たな訴訟を起こすには大きな労力を要する。今のところ拒否するメリットは見いだせず、拒もうという声は出ていない」と話した。
 和解案は日本の国内法には抵触しないのか。グーグルは、和解案について「ノーコメント」として取材には一切、応じていない。
 文化庁著作権課はこのサービスが日本向けでない限り、日本の著作権法には抵触しないという見解だ。担当者は「米国から世界に向けて発信するというのであれば別だが、米国内にとどまっていれば、日本での法的問題は生じない」との認識を示す。

 ◇文芸家協会「和解前提に対応」
 ●中小出版社「黒船だ」
 作家や詩人、評論家らで構成し、著作権管理事業などを行う社団法人・日本文芸家協会(東京都千代田区、坂上弘理事長)は、3月2日の常務理事会でグーグル問題について緊急協議。協会として、「会員とグーグルとの和解」を前提に対応していく方針を確認した。
 協会によると、和解に際しては、協会が一括して会員の意思表示を代行する。和解交渉を協会に一元化するようグーグルに要請し、和解金を受理して対象の会員に分配することも検討している。
 今後協会は、著作権管理を協会に委託している会員ら約4800人に対し、3月半ばまでに和解の意思を確認する文書を発送。3月末までの回収を目指す。その文書には今回の問題の経緯などを記し、ネットになじみのない人でも理解できるよう便宜を図るという。
 協会副理事長で、知的所有権委員長も務める作家の三田誠広(まさひろ)さんは「使い放題の状態から一定の歯止めがかかったわけで、米作家団体が和解にこぎつけた努力を評価したい。第1段階として和解しなければ始まらないが、和解しない人は、個々に裁判を起こす決意が必要になる」と話す。
 その上で三田さんは「和解後、作品をグーグルのデータベースから削除する要請業務も協会で代行する。ただし、作品ごとに削除を選択したい人は、煩雑なので、個別にやってもらうことになります」と語った。
 三田さん自身もすでに62作品がグーグルでデジタル化されているが、今後、データベースからの削除を求めていくという。「全図書館が提携すると、どこかの図書館に1冊あると、本を買わなくてよくなる。一般ユーザーも料金を払ってデータベースにアクセスできるよう、グーグルは範囲を広げていくのでしょう」と危機感をあらわにする。
 理事会では他に「グーグルの日本の担当者にきちんと説明させるべきだ」「こちらからにじり寄る必要はない」などの批判的な意見があった。
 坂上理事長は「日本には日本で培ってきた著作権の伝統があり、運用方法がある。日本の出版文化を守るためにはどうすればいいのか。文芸家協会だけの問題ではなく、出版業界などとも情報交換や連携を図って適切に対処したい」と語った。
 一方、中小出版社98社で作る出版流通対策協議会(東京都文京区、高須次郎会長)も5日の定例総会で、急きょグーグル問題についての意見交換をした。
 「早急に勉強会を開いて対応すべき大きな問題」として認識が一致したが、具体策は「これから」というのが実情だ。
 グーグルは出版された本を開いて、電子的に複写しているとみられ、高須会長は「複写の許諾を個別に拒否するしかないが、小さい出版社は、人が少なくてアメリカでの訴訟にまで手が回らない。大手と連携して、連合体で交渉するしかない」と語る。
 別の幹部は今回の問題を「黒船のようなものだ」と表現。「著者がOKすれば、出版した本をデジタル化してもいいのか疑問だ」と語る幹部もいた。
 和解の期限までわずか2カ月足らず。高須会長は「日本の出版社が、まともにデジタル化の問題に取り組んでこなかったつけが回ってきている。本の売り上げが減って倒産する会社がさらに増える」と顔を曇らせた。

 ◇「不参加申し出義務」進め方は乱暴−−岡村久道弁護士
 表現の自由に詳しい岡村久道弁護士に聞いた。
 和解案は米国で著作権を持つ米国以外の人にも効果が及ぶとしている。参加したくないという申し出をしない限り、グーグルは書籍をデジタル化して検索できるようにしてしまうという。ベルヌ条約がこんな形で利用されることになるとは日本人のだれもが考えてもみなかったことだろう。青天のへきれきだ。
 和解案を見ると、確かに読者にとっては、絶版や一般に流通していない書籍を入手できるし、作家にとっても絶版になってしまった自分の作品が再び日の目を見ることになるうえ、収入にも結びつくかもしれない。しかし、和解案に参加したくない人には、申し出義務を課すという進め方はあまりに乱暴だ。しかも期限も短く、米国で決まったことを他国に押しつけると批判されてもやむを得ない。
 著作権者や遺族の中には、絶版にし、もう人の目には触れないままにしておきたいと思う人もいるはずだ。せめて、和解に参加する意思を示した人だけに限定すべきではないか。
 一方、過去に出版された書籍の中には今日の基準からして適切でない表現もある。名誉棄損となった書籍のケースでは著作権者以外にも利害関係人は存在し、著作権者からの了解があれば事足りるというほど単純ではない。
 今回の問題はグーグルがデジタル化の見返りとして対価を支払えばいいという問題ではない。沈黙を続けるという「表現の自由」が問われていると思う。


 

タグ:安全と安心
posted by ichi3 at 18:21| 東京 曇り| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月07日

再生医学最新情報(2009年3月)

再生医学(Tissue Engineering、Regenerative Medicineなど)のキーワードは「クローン」「ES細胞」「iPS細胞」「人工臓器」などです。発想としては工学( Engineering)に近いものと思います。この概念はリハビリテーションを始め臨床医学の一分野として古くからありますが、生体を徹底的に「要素還元主義」的にとらえる点ではロボット工学と類似の面があるように感じます。最大の特色は遺伝子やコンピュータサイエンスの最先端技術を駆使して、従来不可能とされた領域に挑戦していることだと思います。したがって「あきらめない」もキーワードの一つに当てはまります。また、「ビジネスモデル」「ビジネスチャンス」といった経済システムとの親和性が高い点も注目です。そこで最新のマスコミ情報を掲載します。

iPS細胞、相次ぐ研究成果 再生医療に新たな展望
毎日新聞 3/7/09
 さまざまな細胞に分化する能力を持つ新しい万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」が、ヒトの体細胞から作られて1年あまり。使えなくなった組織や臓器の再生を目指す研究が脚光を浴び、6日まで東京で開かれた日本再生医療学会では、iPS細胞を使った成果が数多く報告された。難病治療の切り札と期待される再生医療の実現は、どこまで近づいたのか。【奥野敦史、永山悦子】
 ◇「がん化」防止が課題
 「iPS細胞登場の衝撃から研究が進み、医療応用への展望が見えてきた」。iPS細胞を開発した山中伸弥・京都大教授が座長を務めたシンポジウムでは、会場からこんな発言が飛び出した。
 事実、学会では期待を抱かせる成果が次々と発表された。中内啓光(ひろみつ)・東京大教授は、マウスの骨髄から取った血液のもとになる細胞を使いiPS細胞を作った。将来は採血だけで自分の治療に必要なiPS細胞を作ってもらえるかもしれない。岡野栄之(ひでゆき)・慶応大教授は、ヒトiPS細胞から作った神経細胞を使い、脊髄(せきずい)損傷マウスの運動機能を回復させることに成功した。
 iPS細胞から再生医療に利用可能な細胞の作成に成功したとの報告も相次いだ。▽出血性の病気の治療に役立つ血小板▽脊髄損傷やパーキンソン病の回復につながる神経細胞▽心臓病治療に役立つ心筋細胞−−などだ。
 以前から注目されてきた万能細胞「胚(はい)性幹細胞(ES細胞)」は、生命の萌芽(ほうが)とされる受精卵を壊して作るため、倫理的に問題があるとの批判があった。研究のスピードは上がらず、ヒトES細胞が作成されたのは98年だが、世界初の臨床試験が米国で承認されたのは今年1月。ようやく、脊髄損傷患者を対象にした臨床試験が始まる見通しだ。
 iPS細胞にはそうした問題点はなく、専門家は「目的の細胞に分化する能力はES細胞と基本的に同じ。ES細胞の研究で培った技術はiPS細胞にも利用できる」と話す。研究の加速が期待でき、今後5〜10年後には臨床研究にこぎつけるとの見方が多い。
 だが、時計の針を戻すように、分化を終えた体細胞を人工的に受精卵と同じ状態に戻したiPS細胞には謎も多く、治療に使うことへの不安は大きい。最も大きな障害は、作った細胞にがん化の恐れがあることだ。
 山中教授が開発した方法では、がん遺伝子を含む四つの遺伝子や、それらの運び役のレトロウイルスを使う。いずれも細胞のがん化を招くと指摘されているため、がん遺伝子やレトロウイルスを使わない方法の研究が進んでいる。しかし、山中教授は同学会で「本当にレトロウイルスなし、がん遺伝子なしが最適か?」と問題提起した。マウスの実験では、がん遺伝子を使わないとiPS細胞の分化能力が落ちるとのデータを紹介。レトロウイルスを使わない方法でも、6割でがんが生じたと明かした。
 〓島(ぬでしま)次郎・東京財団研究員(科学政策論)は「iPS細胞研究には、生命発生の謎を解明するという意義がある。性急に治療の実現を望むだけではなく、科学的な解明を求めていく息の長い付き合いが必要」と話している。
 ◇難しい「規格化」
 顕微鏡の向こうで、一つの細胞が拍動している。バイオベンチャー「リプロセル」(東京)が、ヒトiPS細胞から作成した心筋細胞だ。同社は4月、薬物の毒性試験を受託する事業を始める。ヒトiPS細胞を使ったビジネスは世界初という。横山周史(ちかふみ)社長は「新薬開発の期間短縮に役立ってほしいが、治療用の細胞販売が事業化されるかどうかは未知数だ」と話す。
 再生医療を一般的な治療に広げる産業化には、大量に生産する細胞などの品質を保証する標準化が必要だ。製品の信頼性を担保する規格作りや品質管理が欠かせないが、ここにも壁がある。
 細胞の均質性を確保するのは難しい。日本では、再生医療用の素材や細胞を「医薬品」として扱うか、「医療機器」として扱うかも決まっていない。
 国際標準化機構(ISO)の再生医療関連部会委員の堤定美・日本大特任教授は「承認基準に透明性を確保し、医療機器扱いにして規格化を進めるべきだ。日本企業の技術を規格案として提出し、世界中の患者に貢献できる産業化をけん引してほしい」と提言する。
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 ■ことば
 ◇iPS細胞
 大人の皮膚細胞など体細胞に遺伝子などを導入することで、受精卵のように体のさまざまな細胞になれる能力を再現した細胞。京都大の山中伸弥教授らは06年、マウスの細胞で成功し、07年11月にはヒト細胞での成功を発表した。患者本人の細胞から作れるため、拒絶反応の起きない組織を作り、難病治療に使える可能性がある。病気の仕組みの解明や薬の探索にも役立つと期待されている。
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 ◇iPS細胞から作られた主な細胞
 ▽ヒト
・血小板(東京大)
・網膜色素上皮細胞(理化学研究所)
・大脳立体構造(同)
・神経細胞(慶応大)
・心筋細胞(米ウィスコンシン大)
 ▽マウス
・軟骨(近畿大)
・血液細胞(京都大)
・骨格筋細胞(同)
・角膜上皮細胞(慶応大)
 ◇マウス実験で治療に成功した病気
・脊髄損傷(慶応大)
・鎌状赤血球貧血症(米マサチューセッツ工科大)
・パーキンソン病(同)
・血友病(米ネバダがん研究所)
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2009年03月03日

100円でパソコン入手はホントにお得か?

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「100円でパソコンを買える!」は大いに気になるメッセージです。
本体価格が4万5千円程度なら100円、それより高ければ差額価格で本体を入手できます。
思わず飛びつきたくなりますが、実体は割引分の価格が2年間の通信料金に加算される仕組みです。
日経PC2009年4月号に比較記事がありました。目先のお得感は強烈ですが、2年間での実質経費は大差がない、と言うのがデータから見た実際のようです。
タグ:便利情報
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2009年02月27日

「ネット頼み」のリスク(Gmailケース)

インターネットの世界(これを雲にたとえて「クラウド」といいます)に頼るリスクは山のようにありますが、「Gmail障害で浮上したオンラインサービスの信頼性」というヘッドラインの記事がアメリカの経済専門紙ウォール・ストリート・ジャーナルに出たそうです。東京家政学院大学は2008年4月からGmailを使わざるを得ない体制となりましたが、リスクとは別に「レスポンスが遅い」「エラーを誘発しやすい」「高度の機能がわかりにくい」「一方的な押しつけ」など否定的イメージがつきまといます。以下ITmediaの記事です。

[WSJ] 「ネット頼み」は危険?――Gmail障害で浮上したオンラインサービスの信頼性
ITmedia、2009年2月27日
Google、Amazon、Salesforce.comなどが提供しているWebアプリケーションの利用は、企業にとってリスクを伴うこともある。
2009年02月27日 12時27分 更新
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)
 米GoogleのWebメールサービスが先日2時間以上にわたって使えなくなった問題で、従業員がインターネットでアクセスするソフトに頼ることは企業にとって安全なのかどうかという不安が浮き彫りになった。
 GoogleのGmailのようなオンラインソフトウェアサービスは、ソフトを企業がインストールして自社で運用する代わりに、GoogleやSalesforce.comなどの企業が管理する巨大コンピュータ群で運用するもので、ITセクターで脚光を浴びている。調査会社Gartnerによると、2008年の売り上げは27%増えて64億ドルになった。こうしたサービスの方が低コストで運用できて導入が簡単なことも多く、不況下では魅力的な選択肢となる。
 GoogleのGmailは最大手級のオンラインソフトウェアだ。ほとんどのユーザーが馴染んでいるのは無料版だが、GoogleはGmailの高機能版を含むオンラインソフトウェアサービスをセットにして、企業向けにユーザーアカウント当たり年間50ドルで提供している。
 しかし会社のコンピュータ業務にGoogleのようなサービスやAmazon.com、Salesforce.comなどが提供しているサービスを使うことは、企業にとってリスクを伴うことも判明しつつある。何か問題が起きれば、顧客はほかの誰かがその問題を解決してくれるまでただじっと待つしかない。
 米True Religion ApparelのIT担当副社長ジョン・ドーム氏は「障害が起きるたびに不安が生じる」と話す。
 2月上旬、True Religionが使っている倉庫管理システムが2時間にわたって使えなくなり、注文を処理できなくなった。「わたしにできることは何もなかった」とドーム氏は振り返る。
 Gmailの障害では米東部時間の23日午前4時半から2時間半にわたってサービスが使えなくなった。25日に取材に応じたGoogleエンタープライズ部門社長のデイブ・ジルアード氏によると、原因は新しいソフトウェアの予想外の影響を受けてGmailのコードにバグが発生したことにあり、これが原因で1つのデータセンターにユーザーのアクセスが集中して過剰な負荷が掛かった。
 これにより、世界各国でサービスを使っている何千万ものユーザーが影響を受けたという。
 サービスがダウンしている間、Googleの製品サポート掲示板にはGmailユーザーからの投稿が殺到した。中には「ひどいことになった。締め切りを控えているんだ」という書き込みもあれば、「何とかしてくれ、締め切りに間に合わない」というスペインからの書き込みもあった。
 まだ日が浅い技術ではこうした不幸な事態は避けられないとジルアード氏は言い、Googleはそれをなくそうと努めていると付け加えた。「先日のような障害があるたびに、1歩後戻りしている」と同氏。Googleによれば、強化版のGmailを含む同社のプレミアムサービスを有料で利用しているユーザーは何十万もいるという。
 オンラインソフトを提供している企業は、システムを常時使えるようにしておくことに常に心を砕いている。AmazonとSalesforce.comはいずれも、システムのパフォーマンスをチェックできるコーナーをWebサイトに設けている。両社ともGoogleと同様、過去数カ月でサービスが一時的に使えなくなる障害に見舞われた。
 Amazonは障害を最低限に抑えようと努め、発生時には顧客に継続的に情報を流していると、Amazon Webサービス担当副社長のアダム・セリプスキー氏は言う。
 Salesforce.comの企業戦略担当副社長ブルース・フランシス氏によると、オンライン障害はあってもSalesforce.comなどの各社は「企業が自分たちで運用するよりも信頼性の高いサービスを提供している」という。
 信頼性の問題はGoogleにとって重要だ。Webベースアプリケーションの提供は同社にとって大きな新事業になると見込んで拡大を図っているからだ。しかしGmailに障害が起きてもひるみはしないという潜在顧客もある。「これまでと何も変わらない」と話すのは、米石油会社SunocoのCIO、ピーター・ワットネル氏。
 Googleのメールサービスを検討中だというワットネル氏は、自分が現在運用しているメールサービスも時にクラッシュすることがあり、ただGoogleの障害のように騒がれないだけだと話している。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0902/27/news040.html
タグ:安全と安心
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2009年02月21日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その6(チョムスキー氏)

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アメリカ新政権は経済クライシスを救済できるか?
チョムスキー氏へのインタビューは辛口のコメントです
ダウ平均株価のトレンドも不気味なパタンを示しています

米国:ノーム・チョムスキー氏語る オバマ政権誕生、負の側面も見よ
毎日新聞 2009年2月21日
 長年にわたり、米国の内側から政府の非民主的、帝国主義的な側面を批判してきたマサチューセッツ工科大のノーム・チョムスキー教授(80)。オバマ大統領の就任や世界的な経済危機をどうみているか、インタビューした。【ボストン(米マサチューセッツ州)で小倉孝保】
 ◇黒人と女性競う 考えられぬ光景だった
 −−ブッシュ前政権8年の評価は。
 ◆大多数の国民の実質所得は減少し、巨額の貿易・財政赤字ができた。イラク戦争はテロの危険を増加させると予測されていたが、結果はこれをはるかに超えた。世界における米国の権威は失墜。「テロから国民を守る」との口実で拷問や不法拘束、市民へのスパイ行為が行われ、法による統治システムはずたずたになった。
 −−オバマ氏の当選をどう考えるか。
 ◆米国では建国以来、少数の豊かな者が権力を握り、政府の目的はそうした層の権利保護だった。黒人はいまだに2級市民で、女性が社会的権利を獲得するのも遅かった。だが、今回の民主党の候補者選びは黒人と女性の争いになった。わずか20年前にも考えられなかったことで、米社会の文明化を示すものだ。黒人とヒスパニック(中南米系)が投票に大きな役割を果たしたことも注目される。
 ただ、(大統領選の結果を)詳細にみると、白人はおおむねマケイン氏(共和)を支持したと言える。(金融危機の悪化などで)明日にも職を失うかもしれない状況の中、白人は保守傾向を示した。
 また、オバマ氏が草の根の資金調達を行った、というのは神話だ。メディアによると、オバマ氏の選挙資金の多くは金融界からだった。小口の寄付は全体の25%程度とみられている。巨大企業が当落を決める非民主的状況は変わっていない。
 −−国際社会の信頼回復は。
 ◆オバマ氏は(前政権のように)科学を否定しないし、(キューバの)グアンタナモ収容所での拷問も支持しない。ブッシュ(前大統領)・チェイニー(前副大統領)体制が高慢で不作法だったこともあり、欧州は米国と距離を置いたが、オバマ氏となら一緒に(政策を)やれるだろう。
 ◇経済危機の遠因作った者たち、新政権に
 −−今回の経済危機をどう見るか。
 ◆第二次大戦後の経済制度が終焉(しゅうえん)し、70年代に経済の中心が製造から金融に移行した結果、資本は管理されず、通貨は(規制や国境の枠を超えて)自由に飛び回るようになった。こうした新自由主義経済について、まじめな経済学者は当初から危険性を予測していた。
 今回の危機はまた、豊かな国が貿易や市場の自由化を自国に都合良く利用していることを示している。約10年前にインドネシアやロシア、ブラジルなど貧しい国が経済危機に見舞われた際、国際通貨基金は(公営企業の)民営化を促し、金利を上げるよう指導した。だが、米国は今回、金利を下げ、(金融機関への公的資本注入などで)国の関与を強めている。かつて貧しい国に求めた政策とはまったく逆なのだ。
 −−オバマ政権の対応ぶりは。
 ◆オバマ政権の経済担当者の中にも、この危機の遠因を作った者がいることを知っておくべきだ。(国家経済会議委員長の)サマーズ氏はクリントン政権時代に財務長官として、デリバティブなど金融派生商品の規制に反対した。
 また、オバマ氏の経済政策顧問を務めるルービン氏は、クリントン政権の財務長官から(米金融大手で政府の救済を受けた)シティグループの経営委員会会長になり、膨大な報酬を受け取っていた。オバマ政権では、こうした人々に歓迎される解決策が模索されるのだろう。
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 ■人物略歴
 1928年、米フィラデルフィア(ペンシルベニア州)近郊で、ユダヤ人の両親のもとに生まれる。ペンシルベニア大で言語学博士号を取得。61年からマサチューセッツ工科大言語・心理学部教授。すべての言語に普遍的特性があるとする生成文法理論をうち立て注目される。ベトナム戦争批判始め、詳細な事実分析で米国の政策を厳しく批判している。
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2009年02月16日

GDPショック

企業の決算ベースで経済的クライシスのニュースが続きますが、国家ベースでのクライシスを示すデータが公表されました。2009年第一四半期は今回よりさらに悪化するのは必至ですから、個人ベースでの対応策を考える段階にきていると強く感じます。キーワードは「情報力」。

GDP:年率12.7%減、落ち込み深刻 10〜12月期
毎日新聞 2009年2月16日
内閣府が16日発表した08年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報によると、物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は、前期(7〜9月期)比3.3%減、これが1年間続いた場合(年率換算)で12.7%減と3四半期連続で減少した。2けたマイナスは、第1次石油危機時の74年1〜3月期(3.4%減、年率13.1%減)以来、戦後2度目。深刻な金融危機と世界景気悪化で輸出が戦後最大の落ち込みとなり、個人消費も減少。内外需の総崩れが鮮明となった。09年1〜3月期も大幅なマイナス成長の見通しで、日本経済は戦後最悪の不況に陥ろうとしている。
 実質GDPの3四半期連続の減少はIT(情報技術)バブル崩壊後の01年4〜6月期から10〜12月期以来、7年ぶり。08年の実質GDP成長率は0.7%減となり、99年(0.1%減)以来、9年ぶりのマイナス成長となった。
 10〜12月期は、輸出が前期比13.9%減と2四半期ぶりに減少に転じ、減少幅は75年1〜3月期(9.7%減)を上回った。自動車、電子部品、建設機械などを中心に米国、欧州連合(EU)、アジア向けがすべて大幅に減少した。外需依存で輸出との連動性が高まっている設備投資は5.3%減と4四半期連続の減少で、マイナス幅は加速度的に拡大している。
 昨年夏にかけ、急激な物価高で打撃を受けた個人消費は、物価上昇が一服した昨秋以降も、実質賃金の減少や雇用不安の追い打ちで0.4%減とマイナスに転じた。自動車、家電、航空旅客輸送、衣服などの落ち込みが大きかった。輸出から輸入を差し引いた外需寄与度は、輸出の記録的減少によりマイナス3.0%と過去最悪に、内需寄与度もマイナス0.3%だった。
 物価変動の影響を含み、生活実感に近い名目GDPは前期比1.7%減(年率換算6.6%減)で、98年1〜3月期(2.0%減、年率換算7.7%減)に次ぐ、過去2番目のマイナス幅となった。【尾村洋介】
GDP0209.JPG
NHK総合テレビ「沸騰都市シリーズ」のシンガポール編(2月15日放映)では究極の、「知性=情報商品化」のエピソードが紹介されていました。市場原理主義と「科学」をリンクさせた一つのビジネスモデルと思いますが「幸・不幸」とは別次元の世界を感じます。

シンガポール 世界の頭脳を呼び寄せろ
NHKTV 2009年2月15日 こちら
東京23区程度の面積に480万人が住む都市国家シンガポール。最新の統計では、一人あたりのGDPは3万5千ドルを超え、日本を抜いてアジアで最も豊かな国となった。日本以上に狭く資源もないこの国の急成長を支えているのは、独自の人材確保政策。政府は『向こう20年間に200万人の高度専門人材の移民を受け入れる』という大胆な方針を発表した。世界的な金融危機の影響を大きく受ける中でも、その方針は揺らいでいない。
現在は将来を見据え、バイオや環境などの研究開発分野で優秀な人材獲得に力を注いでいる。最新の研究施設バイオポリスには、クローン羊を生んだイギリスのコールマン博士や日本人の研究者が、破格の研究費と待遇で続々と集められている。一方で、この政策は冷徹な側面も併せ持つ。未熟練の外国人労働者は家族を呼びよせることはもちろん、永住を防ぐため住民との結婚も許されない。 
リー・シェンロン首相のもと強引とも言えるトップダウンで政策を実現してきた『シンガポール株式会社』のしたたかな戦略を描く。
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2009年02月14日

ウェブ利用の自動翻訳ツール

多言語の双方向的翻訳ツールです
ウェブ全体を翻訳するツールとテキスト(文章)のみを翻訳するツールがあります。コンピュータによる機械翻訳のため、そのままでは使えませんが結構役立つシーンがあります。
たとえば、英語のウェブサイトを日本語に翻訳可能です。逆に日本語から英語への翻訳もok。リンクしたページも翻訳されます。なお、ウェブ翻訳ができない時はテキスト翻訳を試みます。
また、テキストベースの双方向翻訳も役立ちます。遊び感覚で語学の勉強にも使えます。
グーグルのサイト こちら
エキサイトのサイト こちら
タグ:便利情報
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2009年02月07日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その5(公的コントロール)

keizai0209_1.jpg

「製造業 底見えぬ不振」(上記グラフ)
というヘッドラインの記事が毎日新聞2009年2月7日に掲載されました。グラフを見るとたった半年で「天国から地獄」へ一気に転落する急激な変動が見て取れます。半期ベースの最終損益で、日立は7000億円、そして東芝2800億円、ソニー2600億円の大幅な営業赤字に陥る見通しだ、とあります。規模は違いますが、リーマン・ブラザーズの時も似た変動パタンがありました。

また、同ページには小見出しで「欧州パソコンNEC撤退へ」とありました。00年には米国市場から撤退し、今後は日本と東南アジア市場に注力する、そうです。同記事によれば09年3月期決算の純損益は2900億円の赤字見通しで、大規模なリストラを実施する、とあります。

「AppleII」「PC98」のパソコンユーザーであった市原にとっても最近のパソコン市場の急激な変動は信じがたいものがあります。

「下請け悲鳴 売り上げ9割減少」
すぐ隣のヘッドラインです。そこにはトヨタ自動車の関連会社の窮状が書かれていますが、後半で「本体価格が数千ー5万円以下の低価格パソコン売り場には人だかり・・・」とあり、当ブログで話題にしているネットブックパソコンの話題が出ています。

人間の欲望には際限がない 
いい尽くされている現実ですが、そこを自己コントロールしようとして失敗した結果が2008年「9.15」の「リーマンショック」だと感じます。以下は毎日新聞のシリーズインタビュー記事です。

世界不況:識者に聞く 東大経済学部教授・岩井克人さん
毎日新聞2009年2月3日 
  ◇政府介入、スマートに
 ――金融危機の背景をどう考えますか。
 ◆米国などでは80年代以降、「国家の介入を排して市場経済を純粋化するほど『神の見えざる手』で効率化と安定化を達成できる」と主張する新古典派経済学が主流になり、規制緩和や市場のグローバル化が急激に進んだ。だが、資本主義は基本的に投機で成り立っている不安定な仕組みだ。実際の需給とは無関係の値上がり期待がバブルを発生させ、恐慌も引き起こす。「資本主義の純粋化」が不安定性を増幅させ、危機につながった。
 ――過去の危機との違いは?
 ◆80年代以降もアジア通貨危機やIT(情報技術)バブル崩壊などがあったが、米金融当局は金融緩和で次のバブルを起こして破綻(はたん)を先送りしてきた。その間に市場はグローバル化した。市場が大きくなり過ぎて、利下げ程度で対応できなくなったのが今回の危機だ。
 ――危機克服の方策はありますか。
 ◆本質的に不安定な資本主義を維持していくには、政府によるコントロールが不可欠だ。米国などでは住宅や金融資産の価格が下がっているが、企業や個人が先行きに不安を抱いて「まだ下がり続ける」と思っている限り、買い手は現れず、価格は底打ちしない。これが市場の失敗だ。政府が大規模な経済対策で需要を創出し、人々の景気や物価の予測を好転させることが必要だ。
 ――米国でオバマ政権が誕生しました。
 ◆米国民は「自由放任主義は行き過ぎだった」と自覚し、政府の役割をより強調した民主党のオバマ大統領を選択した。世界恐慌直後にニューディール政策を掲げたルーズベルト大統領を選んだ時に似ている。オバマ政権は思い切った経済対策を打つことが可能で、危機克服には有利な条件が整った。
 ――今後の資本主義経済のあり方は?
 ◆新古典派が唱える理想状態が存在しないことが明らかになった今、ある程度の規制や財政政策など適度な介入で、継ぎはぎのように資本主義を守っていくしかない。同時に国家の肥大化と非効率化への不断の注意が必要だ。大きな政府でも小さな政府でもない「スマートな政府」を追求することが必要だ。【聞き手・坂井隆之】
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 ■人物略歴
 ◇いわい・かつひと
 東大経済学部卒。米エール大准教授などを経て89年から現職。著書「不均衡動学の理論」(87年)などで注目を集める。専攻は理論経済学だが、M&A(企業の合併・買収)など現実の経済問題でも積極的に発言。61歳。
posted by ichi3 at 14:37| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月06日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その4(市場原理主義)

市場原理主義と規制緩和がキーワード

人間の欲望に歯止めはほとんど不可能です。
コントロールを失った「規制緩和」の恐ろしさが、今回の経済パニックの根底にあるように思います。
わかりやすいインタビュー記事が2つ毎日新聞に掲載されました。
問題はいかにしてクライシスから立ち直るか、その具体的シナリオです。

危機を解く:/2 東大名誉教授・宇沢弘文氏
 ◇市場原理主義、転換を
2009年2月6日
 −−金融危機の本質を、どう見ますか。
 ◆市場原理主義の破綻(はたん)だ。1980年代以降の米レーガン政権や英サッチャー政権の経済改革以来、市場原理主義が主流となり、米ブッシュ政権も推進した。その結果「もうける機会があれば、何をしてももうかればいい」という考え方がはびこった。危機は市場原理主義の結末であり、世界経済を破壊した打撃は計りしれない。
 −−大恐慌では、ルーズベルト米大統領が登場しました。
 ◆大統領は33年のグラス・スティーガル法(銀行法)で銀行と証券を分離した。預金を幅広く集める銀行と株式でもうける証券は性格が全く違う。銀行はバブルをあおったが、本来は経済活動が円滑に機能し、人々が安定した生活を営むために基軸的な役割を果たす「社会的共通資本」であり、決して投機に利用されてはならない。この理念を明確にしたのがニューディール政策で、資本主義の歴史上大きな意味を持つ。
 −−しかし米国は再び投機に走りました。
 ◆市場原理主義で規制緩和が推し進められ、銀行は放漫経営になった。今回の金融危機は返済能力の低い人たちに住宅ローンを売りつけ、そのローン債権を加工した金融商品をあたかも安全な商品であるかのように世界中にばらまいた結果だ。
 −−規制撤廃による自由な経済活動の保障が必要、との指摘も根強くあります。
 ◆自由には、市場原理主義の「フリーダム」と、人間の尊厳を守り、市民の基本的権利を尊重し市民的自由を最大限に享受できる社会にする「リバティー」の二つの意味がある。市場原理主義は貧しい人や苦しんでいる人を搾取する。日本も競争原理を導入し医療や教育が荒廃した。
 −−地球温暖化対策にもブッシュ政権は消極的でした。
 ◆自国の経済成長を追求し、「他国はどんな被害にあっても構わない」という論理で、もうけ優先の市場原理主義の発想だった。イラク戦争も含めた米国の単独行動主義はひどかったが、最終的に金融危機という形で跳ね返ってきた。危機を契機に米国の一極支配は終わりを迎えつつある。
 −−オバマ新大統領の経済政策は「新ニューディール政策」とも言われています。
 ◆オバマ氏は志も高く、素晴らしい人物だ。市場原理主義を抜本的に転換し、新たな国際協調の枠組みを再構築するリーダーシップを発揮してほしい。ただ、経済チームには市場原理主義に近いメンバーもいて、実際にどこまで期待できるかは分からない。【聞き手・木村旬】=つづく
■人物略歴
 ◇うざわ・ひろふみ
 東大理学部卒。シカゴ大教授、東大経済学部長などを歴任。新古典派理論の新しい展開を導いた世界的経済学者。著書に「自動車の社会的費用」「地球温暖化の経済学」「社会的共通資本」など。80歳。
毎日新聞 2009年2月6日 東京朝刊


世界不況:識者に聞く 三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長・中谷巌さん
2009年1月27日  
 ◇「市場主義万能」は誤り
 ――金融危機と不況が世界を襲っています。
 ◆ここ20〜30年の間、世界を支配したグローバル資本主義の欠陥が露呈した。国境を越えて飛び交う投機資金は、いったん「もうかる」となれば殺到するが、「ダメだ」となれば一斉に引き揚げ、国や地域の経済を急変させる。アイスランドが国家破綻(はたん)の危機に陥ったのは象徴的で、資金流出で国家の体をなさないほどにじゅうりんされた。グローバル資本という怪物を制御する新たな仕組みを整えない限り、世界経済の混乱は収束しない。各国が事情に応じて投機資金を制御できる多元的な仕組みが必要だ。
 ――中谷さんはかつてグローバル資本主義の旗振り役でしたね。
 ◆一時は米国流新自由主義の理論の合理性や簡潔さに魅せられた。新自由主義の理論だけで経済や政策が割り切れると錯覚し、「規制緩和」や「市場開放」による経済活性化を訴えたが、「合理主義ですべて解決できるのか」と思い直した。
 政府の構造改革はいくつかの成果を上げたが、格差社会を作り、日本を米国に次ぐ貧困社会にするなど副作用が大き過ぎた。年収200万円以下の人が1000万人を超える事態を日本は経験したことがない。社会の安定を壊しては経済成長もできない。
 ――日本はどんな針路を取るべきでしょう。
 ◆すべて市場任せでは(最近の雇用不安に見られるように)個人が孤立し、社会が持たない。「小さな政府」路線を改め、消費税を大幅に引き上げてでも、社会保障を充実させ、国民の不安を取り除く必要がある。社会保障の国民負担が高くても、国際競争力を維持する北欧諸国の例も参考にすべきだ。
 ――成長シナリオも必要では?
 ◆自然との共生を大切にする日本人の精神は環境重視の時代の大きな強み。世界を圧倒的にリードする環境立国を目指すべきだ。国はガソリンの暫定税率収入をすべて環境政策に使うくらいの不退転の決意で取り組むべきで、企業やファンドに対して重大な環境破壊につながる投資は許可しない発想があってもいい。実現できれば、世界最高水準の研究者や技術者が日本に集まり、新しい技術革新も生まれる。【聞き手・赤間清広】
………………………………………………………………………………………………………
 ■人物略歴
 ◇なかたに・いわお
 マクロ経済学者。小渕政権の経済戦略会議議長代理など経済構造改革路線の旗振り役を務めたが、昨年末、市場原理主義への傾倒を「懺悔(ざんげ)」した「資本主義はなぜ自壊したのか」を出版した。67歳。

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ネットブックパソコンの売れ筋2009年2月

激安パソコンの売れ筋情報です こちら
エイサー社、ASUSTeK(アスーステック)社はともに台湾のメーカです。
両社はパソコンの基本的ユニット(マザーボード)供給元としての経験も豊かなメーカーです。
レノボ社はIBMのパソコン部門を買い取った中国の大手パソコンメーカーで、儒教精神とビジネスを連携させユニークな経営をしている企業として知られています。
NECはじめ日本企業は苦戦しています。富士通技術部門の取材映像(NHK)では、部品の品質にこだわっている様子が紹介されていましたが・・・
また、ソニーの「VAIO type P」は激安PCとは一線を画すコンセプトの製品です。
今後の展開に大いに注目しています。
タグ:便利情報
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2009年01月23日

ワードのファイルが壊れても「あきらめない」

卒論の締め切り前日に「ファイルが壊れて読めない!!」ゼミ生が飛び込んできました
まさか・・・卒論本文のファイル2本だけが開けません。ファイルサイズとしてかなりのものです(1,213KB+1,139KB)。同じフォルダ内のワード、エクセル、パワーポイントなどのファイルは問題なく開きました。メディアはUSBフラッシュメモリです。
アクセス中にメモリーをパソコンから抜く、などはしておらず思い当たる原因はないと言います。ウイルスチェックは2日に一度程度していました。
しかし、パソコン本体などへのファイルのバックアップはとっていませんでした。これはまずいです。印刷もしていません。しかし締め切り日が迫っています。何とかしてファイルを読み込まねばなりません。


画面のエラーメッセージは
「この文書を読み取ることができませんでした。ファイルが壊れているようです。次の操作を行ってください。*ファイルを開いて、修復してください。 *テキスト回復コンバータでファイルを開いてください。(ファイル名)
正直これでは具体的にどのような操作をすればよいか分かりません。


グーグルで「テキスト回復コンバータとは」で検索したところ
[W_WD98] 壊れた文書を復元する方法 (ファイル修復コンバータとは)
が出てきました。マイクロソフトのサポートサイトです。
http://support.microsoft.com/kb/156573/ja


そこで、ワードを起動し
1 [ファイル] メニューの [開く] をクリックし、文書を選択します。
2 [ファイルの種類] ボックスで [ファイル修復コンバータ] を選択し、[開く] をクリックします。
を実行したところ、文字データが回復できました。しかし、かなりの字が文字化けしておりそのままでは使えません。もちろん図版も回復は出来ませんでした。


あきらめないで、他の方法として「一太郎2007(それ以前のバージョンではダメのようです)」で上記と類似した処理でファイルを読み込んだところ、なんと文字化けもなく全テキストデータが無事復活しました。次にテキストデータをコピーしワードに貼り付けて文字データは復活しました。図版は再度貼り付けとなりました。

以上の作業により、卒論のファイルは見事復活し、締め切り日の1月20日に無事提出できました。ご本人は安堵大喜びでした。ちなみに、市原ゼミの9名全員が製本完成版を提出しました。おめでとう!! よかったです。
壊れたファイルを修復ソフトも市販されていますので、それらを使えば復活できたかもしれませんが、締め切り日直前の重大事故でもあり、そのような余裕も有りませんでした。

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2009年01月11日

右肩下がりのトレンドは修正可能か?その3(世界戦争)

s011009.JPG
1929年の大恐慌から何を学ぶべきか

大恐慌からの回復は世界戦争?
クライシス発生にはかなりのタイムラグがある?
1929年の大恐慌から何が透けて見えるか?
WEDGE 2009年1月号に、時系列データで見た興味ある記事がありました。
(グラフはウェブサイト「実効株式指標」より一部改変、●は市原の加筆)

大恐慌と第二次世界大戦の密接な関係
歴史は繰り返すか
佐伯啓思(京都大学教授、社会経済学、社会思想史)

1921年から28年にかけアメリカの実質GNPは45%上昇。自動車、ラジオ、家電などが大好調だったが実態はバブルであった。株式ブーム(投資信託など新商品も登場)。失業率は2%にまで低下した。
1929年10月24日に「暗黒の木曜日」で株式の暴落が起きた。その後年末から翌年にかけ多少買い戻され株価は持ち直す。
1930年の後半に銀行の倒産が相次ぎ、失業が増加し実体経済が悪化
1931年日本は大陸に軍を侵攻させる(満州事変●)
1932年アメリカGNPは29年の約半分に落ち込む
1933年に失業率は25%となり経済はどん底となった。
1933年にルーズベルト大統領が登場し、ニューディール政策を実施。
1933年ヒトラーが首相に就任(●)
1935,36年とアメリカ経済は回復に向かうが持続せず。
1936年日本で「2・26事件」が起こる(●)
1937年日中戦争勃発(盧溝橋事件●)
1938年にアメリカ経済は再び不況に陥る。失業率は19%でそれ以上の改善はなかった。つまりニューディール政策は雇用の確保という意味では決して成功とは言えなかった
1939年ドイツ軍によるポーランド侵攻とともに第二次世界大戦はヨーロッパ戦争としてはじまったが、41年6月のドイツによるソ連攻撃と12月の日本の真珠湾攻撃によって、戦火は文字どおり全世界に拡大した(エンカルタ、マイクロソフト●)
1941年対日戦に入り(真珠湾攻撃●)、この年アメリカの失業率は10%を切るに至るが、これはアメリカの戦争動員体性によるところが大きい。ドイツではナチスの再軍備とアウトバーンなどの公共事業により、日本は大陸進出等により劇的に大恐慌から脱却し「不況を克服」した。
今回の不況が世界大戦をもたらすと短絡する必要はないが、各国は、時刻の雇用確保と、資源と市場の確保だけで精一杯になって、これは必然的に国家間摩擦を引き起こさざるを得ない。アメリカは財政拡大と規制強化へと転換するであろうが、それが不況を食い止めるかどうかは、実際には誰にもわからない・・・

1929年10月24日におきたニューヨーク株式市場の株価大暴落は、全世界をまきこむ大恐慌への導火線となった。失業率が25%にまで達したアメリカではニューディール政策がとりいれられ、イギリスやフランスなどでは関税障壁がもうけられた。人々の深刻な生活難とこうした経済のブロック化は、ドイツその他でファシズムが台頭する要因となった(エンカルタ●)。

 ニューヨーク市場(Dow Jones Industrial Average)の長期株価トレンドグラフは こちら

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2009年01月04日

PCのリカバリをかける前に試みる技

以下のような場合、リカバリ(購入時状態に戻す)をかけたくなりますが、そうするとアプリケーションや各種設定を最初からやり直さなければならない。大変面倒なことになります。
1 レスポンスが遅い
  →極端に遅い場合はリカバリしかないかも知れません
2 パソコンが不安定になりフリーズを繰り返す
3 これまで出来ていた動画やライブカメラなど動的表示の画面がエラーとなりダメ
  →「javaソフト」をダウンローして解決できる場合があります こちら
4 アプリケーションをセットしようとすると以下のメッセージが出て先にいけない
  →「Windowsインストーラサービスにアクセスできませんでした。セーフモードでWindowsを実行している場合、またはWindowsインストーラが正しくインストールされていない場合に発生する可能性があります。サポート担当者に問い合わせてください」

そこであきらめないで・・・
以下を試みます
画面左端下の「スタート」から
  設定→コントロールパネル→ユーザーアカウント(アイコン)→「新しいアカウントを作成する」

新しいアカウントにより実用上問題が解決できる場合があります。
posted by ichi3 at 01:17| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月26日

脳細胞の新生についてのトピックス

「脳細胞は再生・新生する(発見)」のフォロー
記事は 
こちら
そこで紹介したゲージ博士が2008年10月に第13 回慶應医学賞を受賞しました。
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2008/kr7a43000000g8zg-att/081002_1.pdf

改めて画期的な研究だと思います。以下概略を紹介します。

紹介
Fred H. Gage(フレッドH. ゲージ)
Adler Professor, Laboratory of Genetics, The Salk Institute for Biological Studies, U.S.A.
1950 年10 月8 日生まれ
授賞研究テーマ 「哺乳類の成体脳におけるニューロン新生の生理的役割の解明」
中枢神経系の疾患や傷害は根治が難しく、成体哺乳動物においては、中枢神経系が一度損傷を受けると二度と再生しないと信じられてきました。ニューロン自体に分裂能がないことに加え、成体脳内にはニューロンを新しく産み出す幹細胞が存在しないためと長らく考えられてきたからです。

ゲージ博士は、ヒトを含む哺乳類の成熟脳の特定部位では生涯にわたってニューロン新生が起こっていることを発見されました。空間認識や記憶の中枢である海馬の歯状回には、持続的に分裂し、ニューロンやグリア細胞を生む神経幹細胞が存在し、恒常的に新しい脳細胞を生み出していることが示されました。

ゲージ博士の研究により、成体脳におけるニューロン新生が脳の構造と機能にとって重要な役割をしている事が明らかになるとともに、豊かな環境での生活や身体的運動によって成体脳ニューロン新生が活性化することも示されました。これらの研究は、神経系の再生医療実現への基礎となり、脳や脊髄の傷害および疾患に対する新しい治療戦略の確立に貢献すると期待されています。

略歴
1974 年9 月‐1976 年6 月 NIMH Predoctoral Fellow, The Johns Hopkins University
1976 年9 月‐1980 年6 月 Assistant/Associate Professor, Texas Christian University
1981 年6 月‐1985 年6 月 Associate Professor, Dept. of Histology, University of Lund,Lund, Sweden
1985 年6 月‐1988 年6 月 Associate Professor, Dept. of Neurosciences, University of California,San Diego
1988 年6 月‐現在 Professor, Dept. of Neurosciences, University of California, San Diego
1995 年6 月‐現在 Professor, Laboratory of Genetics, The Salk Institute for Biological Studies, La Jolla, CA

受賞者からのコメント
この度はこのような名誉ある賞をいただき大変光栄です。実のところ、この賞の栄誉を受けるのは、私だけでなく、私が幸運にもこれまで関わることのできた多くの勤勉で優秀な同僚達でもあるのです。
私は長年にわたり、たくさんの優れた日本人研究者と共に研究を行ってきたこともあり、この度の受賞はなお一層嬉しいものとなりました。科学には国境などありません。科学の探究を通して、世界中の人々が共通の利益のために協力し合えるのだということをまさに証明しているのです。

posted by ichi3 at 01:38| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月21日

あきらめないでついに成功(ドラロボのポケット)

ドラえもん・ザ・ロボットの「4次元ポケット」が開いた!!
あきらめないチャレンジの成果でした
「心理学実験II」の授業では・・・
人間と家庭用ロボットのコミュニケーション実験を行っています。
AIBOとドラロボがコミュニケーションの相手です。
あえて取説なしで、実験参加者(学生)が色々チャレンジする設定です。

2008年度の授業では、セッション終了後も「4次元ポケット」に
チャレンジし続けた結果、ついにポケットが開きました。
「わーっ」と歓声が上がり大いに盛り上がりました。
写真はその瞬間です。
dora2008.jpg
ドラえもん・ザ・ロボット(バンダイ、2004年発売)
ニュースリリースは
http://www.bandai.co.jp/releases/J2004011401.html
AIBO(ソニー、ERS-7、2005年発売)
http://www.sony.jp/products/Consumer/aibo/
posted by ichi3 at 14:06| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする