2018年03月16日

資本主義はショー(フェイクニュースの魔力)

なぜ「フェイクニュース」が世界で跋扈するか?の解答は「ショー」だと言えそうです。毎日新聞は『「資本主義はショー」という言葉は、NHKBS1が1月に放映したドキュメンタリー「欲望の資本主義2018〜闇の力が目覚める時〜」で、ドイツの哲学者、マルクス・ガブリエルさんがさらっと放った。発言をまとめると次の通りだ』とし「資本主義はショー」がキーワードとしています。
そして『「資本主義の『生産』の語源は『モノを見せる』こと。その意味ではフェイスブックの『いいね』のような実体のないものも『見せる(ショー)』、つまり『生産』となる。『資本主義の顔』、トランプ(米大統領)の戦略は鉄鋼会社や雇用を守るのではなく、ショーを売ること。最近のアメリカ最強の製品は見せ物だ。フェイクニュースがあふれるのは、おそらく偽物が(コストのかからない)理想的な商品だからだ」』と言います。
確かに、見せ物として大量の情報を拡散すれば、我々の感情に強烈なインパクトで突き刺さります。情報の真偽は関係なく、「目立てばよい」という単純なルールに集約できます。これはまさに「反知性的」であり、圧倒的多数の人々の共感を引き出します。論理や理性そして科学枠組みを乗り越えるパワーがあります。
ネット、SNS(ツイッターやフェイスブック等)を移用した情報拡散のパワーは「民主主義」などのシステムを破壊し「新独裁制」を押し立てる可能性があります。
今や戦争は「ショー化」れ、アメリカと北朝鮮の戦争が勃発し、日本を含む極東が「核の戦場」となる可能性が現実味を帯びてきます。


資本主義はショーなのか 偽物も商品「トランプ景気」
毎日新聞2018年3月7日
https://mainichi.jp/articles/20180307/dde/012/020/002000c
偽物(フェイク)も商品
 「資本主義はショーだ」という言葉にはっとした。そうかもしれない。トランプ米大統領の立ち姿からインターネットでの過激発言「トランプ砲」まで全てが一種のショーで、それが今の米国の株高をもたらしている−−と思えなくもない。社会主義陣営が市場になだれ込んだのが1990年代。全く違う経済システムがなくなり、私たちは、資本主義という名の「チャンネルを変えられないワイドショー」を見続けているのだろうか。【藤原章生】

 「資本主義はショー」という言葉は、NHKBS1が1月に放映したドキュメンタリー「欲望の資本主義2018〜闇の力が目覚める時〜」で、ドイツの哲学者、マルクス・ガブリエルさんがさらっと放った。発言をまとめると次の通りだ。

 「資本主義の『生産』の語源は『モノを見せる』こと。その意味ではフェイスブックの『いいね』のような実体のないものも『見せる(ショー)』、つまり『生産』となる。『資本主義の顔』、トランプ(米大統領)の戦略は鉄鋼会社や雇用を守るのではなく、ショーを売ること。最近のアメリカ最強の製品は見せ物だ。フェイクニュースがあふれるのは、おそらく偽物が(コストのかからない)理想的な商品だからだ」

 トランプ氏が大統領に就任したのは昨年1月。彼に批判的な米国の主要メディアは「景気低迷」「株価の暴落」を予測したが、ニューヨーク株式市場はダウ工業株30種平均が史上最高値を更新。株価は当選直前に比べ、一時は4割も上昇した。17年の経済成長率も2・3%と見込まれ、18年はさらに上昇傾向にある。そんな「トランプ景気」に「ショー」という言葉がピタッとくる。

 まず、番組のプロデューサー、NHKエンタープライズの丸山俊一さんに哲学者が言う「ショー」の意味を聞いた。

 「一瞬驚かれる言葉かもしれませんが、奇をてらったものではないと思います。工業主体からサービス主体、ポスト工業社会へと変化した今の資本主義では『物質』より『体験』『共感』が商品になる方へシフトしています。つまり、感情を売り買いする面が強まり『ショー』に見えるということです」

 商取引が資本主義の基本だとすれば、そこで問われるのは、価値の中身ではない。倫理など関係なく、うそでも偽物でも構わないということになる。現代の資本主義の下では「あらゆる差異が商品になる」と丸山さんは言う。「買い手と売り手がいれば、マイナスの価値も商品になるということです。フェイクでも面白ければいい、刹那(せつな)的でもいいという風潮が広がる時代なのだと思います」

 「国境に壁をつくる」「アメリカを再び偉大な国に」といったトランプ氏の大言壮語に今のところ実現性は問われていない。従来の政治の言葉との差異が売り物になったということか。

 米大統領の言動には批判がつきまとうが、経済は順調だ。ただし「『トランプ景気』はオバマ政権から続く好景気の流れであり、彼の得点ではない」と説く記事が米英の主要紙に目立つ。市場予測のプロはどう見るのか。

 トランプ氏の当選をいち早く言い当てた英国在住の経済アナリスト、マック小西さんは「株高は彼が当選したから起きたこと。当時、これほど株が上がると誰が予想したでしょうか?」と語る。「株高は金融緩和策で有り余ったカネと企業の自社株買いという面が大きいのですが、そんな金融界をうまく味方につけたのがトランプ氏です」

 「資本主義はショー」という定義については「資本主義が目指すのが利益の極大化であれば、ショーと密接な関係にあるのは当然です。日本語でも『店』を『見世』と書くこともあります。ショー的な面がトランプ氏の出現でより鮮やかに出てきたということではないでしょうか」と話す。

 ドイツ証券アドバイザーなどを務める投資ストラテジストで、米国経済に関する著作がある武者陵司さんはこう分析している。「元々、マーケティングを得意とするトランプ氏は時代が求めているものを察知する能力が高い。それをツイッターなどで直接、観衆に向かって語りかけるショーを展開してきたのが、今の景気につながっています」

 では「時代が求めているもの」とは何か。「オバマ時代まで、大統領は上品な主要メディアを介して論理を知識人に訴えてきた。でもトランプ氏はタブロイド判のように下品な言い方で、大衆の欲求、感情を直接くすぐる。資本主義には欲望の充足などドロドロした要素がその大本にあり、多くの人がオバマ氏までの建前主義に飽き飽きしている中、出るべくして出てきた人と言えます」

 武者さんはトランプ氏がビジネスマンの「やる気」を引き出しているとも言う。「今の米国に必要なのは、ケインズの言うアニマルスピリッツ、起業する活力です。トランプ政権下、中小企業の楽観指数は史上最高を記録し、とにかくビジネスを支援するトランプ氏の政策はショー的なその戦術だけでなく、実も伴っています」

グローバル化で逃げ場なし 狂騒見通す冷めた目を
 トランプ氏は現代にマッチした絶妙なショーマンということだが、いつまでも表舞台に立てるわけではない。資本主義の側から見れば、トランプ氏も一つの商品。オバマ氏という商品の後に出てきた、派手で突拍子もない新商品にすぎない。

 「番組でも触れたように、資本主義の命は、今あるものを壊し新たなものを作る『創造的破壊』です。変化のない状態は、資本主義にとっては致命的で、常に次の商品が求められ続けます」とプロデューサーの丸山さんは言う。一方、マック小西さんはこう話す。「トランプ氏による今の好景気は一時しのぎで、富の最適配分など資本主義がはらんだ問題の解決には至らない。資本が最上の顧客だった中産階級を食ってしまい、彼らが再び借金して消費にうつつを抜かすことはもうなく、成長も次第に鈍化するでしょう」

 だが、経済縮小のままでは今のままの資本主義は前に進めない。

 「冷戦時代、経済だけでなく政治や文化まで、鉄のカーテンの向こうには全く違う社会制度がありました。それが自由主義陣営に緊張をもたらし、皮肉なことに、資本主義の秩序を保つのに一役買っていたのかもしれません。対して今は、市場の論理が世界中を包むグローバル資本主義がIT、AI(人工知能)によりそのスピードをより速めつつあるように思えます。そんな中、どうバランスをとっていくのか。現状にいら立ったり、諦めたりしない免疫力が必要です」と丸山さんは言う。

 今後、ショーはより騒がしく、過激になっていくかもしれない。それでも「ショーはあくまでショーに過ぎず、市場を沸かせても、豊かな社会を約束するものではない。そんな当たり前のことに世界中が気づき始めている」とマック小西さんは言う。「劇場」を見透かす冷めた目が求められている。
posted by ichi3 at 13:39| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月15日のつぶやき
















posted by ichi3 at 09:01| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする