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新型インフルエンザの情報は現在も「百花繚乱」状態です。感染と発症の関係はどうなのか。「重症化」の要因についても素朴な疑問が次々と出てきます。
そうした状況の中で、押谷仁氏(東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授)のインタビュー記事は、専門家によるデータ分析の事例として注目しています。「罹患率」と「致死率」についての部分を引用すると・・・
季節性インフルエンザと異なる「被害の社会的インパクト」
――被害想定はどのように考えられるでしょうか。
日本を例にとると,季節性インフルエンザの場合,毎年500−1000万人が罹患しています。一方,新型インフルエンザの場合,一部の高齢者で今回の新型インフルエンザに免疫があるとも言われていますが,ほとんどの人は免疫を持っていません。そのため,罹患率は季節性インフルエンザよりも高いことが想定されています。
罹患者を3000万人と仮定します。ウイルスの病原性が季節性インフルエンザと同程度の致死率0.1%としても,死者3万人。病原性が季節性インフルエンザを上回って致死率0.4%まで上がった場合は,死者12万人になります。moderateといっても,致死率が少し上がるだけで,これだけ被害が甚大なものになるということです。
――その一方で,罹患率・致死率ともに不確定要素が多いため,季節性インフルエンザと同程度の被害で収まる可能性も残されているのでしょうか。
押谷 確かにその可能性もあります。季節性インフルエンザでも,1998−99年のシーズンには3万人以上の死者が日本国内で出ています。ただ,これは数だけの問題ではないのです。
季節性インフルエンザによる死者の大半は高齢者です。それも,ウイルスが直接の死因になる場合は少なくて,インフルエンザ感染をきっかけに細菌性肺炎や心筋梗塞を起こすようなインフルエンザ関連死が大半です。ところが,今回の新型インフルエンザによる死者のほとんどは,子どもや働き盛りの成人。しかも主な死因はウイルス性肺炎による呼吸不全です。これは高齢者が季節性インフルエンザで亡くなるのとは,社会的なインパクトがまったく違うのです。
記事の全文は こちら
新型インフルエンザ
まだ来ぬ「第一波」に備えよ
医学会新聞 第2842号 2009年8月10日


