「7月以降のインフル患者、累計234万人」(読売新聞10月16日)のヘッドラインをみれば「感染列島パニック」も無理からぬことです。一方、日本の場合致死率が他国と比べ著しく低い事実も押さえておく必要があります。
手洗い、マスク、うがいの3点セットは日常でのインフルエンザ対策のように受け止められています。
以前にも一部紹介しましたが、以下の記述は注目です(抜粋)。
最大の防御策は篭城&マスク
実は役に立たない「うがい」
日経トレンディネット 2008年02月20日
一般的にインフルエンザから身を守る身近な対策としてよく言われるのが、うがい、マスクの着用、手洗いだ。ところが、従来型も新型も含めてインフルエンザにうがいはほとんど効果がないという。「欧米でインフルエンザ予防にうがいを奨励している国はない。飛沫感染で喉の粘膜に付着したインフルエンザウイルスは、10分ほどで粘膜細胞の中に侵入する。外出して戻ってからうがいをしても遅過ぎる」(外岡所長)という。
ただし、マスクと手洗いには一定の効果がある。使い捨ての風邪用マスクでも、きちんと顔に密着させて着けていれば、感染者の咳などで飛んで来るウイルスを遮断することができる。また、服や髪の毛、肌などに感染者の咳でウイルスが付いたとしても、極端に恐れる必要はない。個人が検疫用の防護服を着て出歩くようなことにもならないだろう。「新型も含めインフルエンザのウイルスは、衣服や肌に付いても1時間程度しか生きていられない。ウイルスが付着した手を舐めたりしない限りはまず感染しない」(国立感染症研究所・谷口室長)。とはいえ、ドアの取っ手などにウイルスが付着していて知らずにつかみ、その手を無意識に口元に、というケースはありうる。そこで頻繁な手洗いが新型の予防にも効果ありというわけだ。 こちら
うがいの効果は?
ところで、カテキンのウイルス予防効果は実験的にも確認されていますが、10月17日の毎日新聞の記事「実験に使ったカテキン水の濃度は市販されているペットボトルの半分程度。特段に濃い緑茶を用意する必要はない」のが事実なら、外出時のペットボトル携帯での随時利用は、感染予防に一定の効果があるかもしれません。
ヘルシーリポート:緑茶カテキン 新型インフル対策にこまめに緑茶うがい
毎日新聞 2009年10月17日
◇予防効果、水より高い可能性
全国的に感染が拡大している新型インフルエンザ。冬に向けてさらに注意が必要だ。予防対策の基本はこまめな手洗いとうがいだが、うがいに緑茶を使うとさらに予防効果が高まる可能性があることが分かってきた。【小林多美子】
◆抗菌作用に注目
緑茶にはポリフェノールの一種、カテキンが含まれ、お茶の渋みの主成分となっている。カテキンには近年、さまざまな健康効果があることが報告されている。例えば食事の際に脂肪の吸収を穏やかにする体脂肪低下作用や、血中コレステロール値の抑制作用など。加えていま注目されているのが抗菌作用だ。
インフルエンザウイルスは細胞膜に取り付いて増殖し、感染症状を引き起こす。だが、ウイルスの回りにカテキンが吸着すると、ウイルスは細胞膜に取り付くことが難しくなる=イラスト。水道水などでうがいする場合は、口内やのどに入ったウイルスを洗い流すだけだが、緑茶でうがいをすれば、さらに高い感染抑制が期待できるという。
◆感染率に大きな差
この働きは細胞培養の基礎的研究でも明らかにされていたが、実際に人間に効果があるかどうかを確認するため、静岡県立大学薬学部の山田浩教授が04年12月〜05年3月に臨床試験をしている。
東京都内の特別養護老人ホームに入居する高齢者124人のうち、76人が500ミリリットルの水に100ミリグラムのカテキン抽出物を溶かした「カテキン水」で、48人が「水」で、1日3回うがいをしてインフルエンザウイルスの感染率の違いを調べた。その結果、感染者数は「カテキン水」が1人(感染率1%)、「水」が5人(同10%)と差が現れた。このホームではその後もお茶でのうがいを続けており、インフルエンザウイルスの感染者数は06、07年が0人、08年に1人と極めて少ない。
◆型を選ばず吸着
さらに、06年には病院や高齢者施設の職員404人を対象にした試験も実施。「カテキン水」か「水」かを本人に伝えずに3カ月間1日3回、うがいをしてもらった。カテキン水のグループ195人のうち感染者は2人(1%)、普通の水のグループは200人のうち4人(2%)だった。統計学上で有意といえる数字ではないが、差が出た。
山田教授は「もともと緑茶にはさまざまな抗菌効果があると言われている。また、カテキンはインフルエンザウイルスの型を選ばず吸着するため、新型にも効果が期待できるだろう」と話す。
◆小学校でもガラガラ
お茶の名産地として知られる静岡県では、以前から医療の現場などでも緑茶が使われていた。山田教授がかつて勤務していた県内の病院では、入院患者のたんの吸引器を使用する際、口内で噴射する液体として、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の感染者には水ではなく緑茶を使用していた。効果がはっきりと見込まれていたわけではないが、看護師が自発的に行っていた。このことが、山田教授が感染症に対するカテキンの抗菌作用を研究するきっかけにもなったという。
県内では緑茶を使ったうがいを実施、推奨している小学校も多い。児童には自宅でいれたお茶をうがい用に持参させているだけでなく、蛇口から緑茶が出る給茶機を設置している学校もある。インフルエンザだけでなく、かぜの予防効果も期待されている。
◆しっかり15秒程度
実際に緑茶うがいを取り入れる場合、どんなことに注意すればいいだろうか。実験に使ったカテキン水の濃度は市販されているペットボトルの半分程度。特段に濃い緑茶を用意する必要はないという。
また、より予防効果を高めるには、水筒やボトルで持ち歩き、こまめにうがいをしたり、飲んでのどを潤すとよいという。「人ごみに出かけたり、スポーツをした後などに、すぐに緑茶でうがいする習慣をつけてはどうでしょう」と山田教授。のどの奥はウイルスがたまりやすいので、顔を上にあげて約15秒程度、ガラガラとしっかりうがいしたい。
新型インフルエンザは感染力が強いため、うがいだけでなく、十分な睡眠▽しっかり栄養をとる▽人が多い場所を避ける−−など、他の予防策も重要だ。


