2010年08月11日

新型インフルエンザとリスクコミュニケーション その20(WHOと製薬企業)

WHOによる「パンデミック宣言」については、企業との癒着を告発する報道が2010年初頭にありました。ニューズウイークと朝日新聞の記事は下記の通りです。「社会心理的要因」についてもエビデンスに基づく評価が求められます。「でっちあげ」「癒着」は刺激的表現ですが「パンデミック」のレッテルが一人歩きしてパニック行動を誘発するリスクは常に存在しています。

新型インフル  パンデミックはでっち上げ?
Pandemicgate?
山田敏弘
ニューズウイーク 2010年2月 3日号
 世界を襲い、WHO(世界保健機関)のパンデミック(世界的大流行)宣言にも影響を及ぼした新型インフルエンザの脅威は薬剤メーカーがあおったものだった──。専門家のそんな主張が今、ヨーロッパを中心に物議を醸している。
 WHOと製薬メーカーの癒着を指摘しているのは、欧州会議保健委員会のウォルフガング・ウォダーグ委員長。呼吸器学が専門で伝染病学者でもあるウォダーグは、ワクチンを製造する薬剤メーカーがWHOや政府関係者に働きかけたことを示す「多くの情報が私の元に集まっている」と言う。
 欧州会議は1月12日、WHOと製薬メーカーの癒着への調査を開始すると発表。26日から企業や国への捜査と公聴会などが行われる予定だ。
 新型インフルエンザに関しては、世界全体で莫大な数のワクチンが発注され、各国がタミフルなどの薬の備蓄に走る混乱が起きた。しかし現在では多くの国が過剰発注で頭を悩ませている。
 「新型インフルエンザは今世紀最大の薬剤スキャンダルの1つだ」とウォダーグは言う。「比較的軽いインフルエンザが発生しただけ。パンデミック宣言は誤りだ」
 これに対してWHOは記者会見で、「世界はパンデミックの最中にあり、でっち上げと主張するのは無責任だ」と反論した。今月末には欧州会議で緊急の追加審議が行われる予定。これからさらに疑惑の渦が広がるかもしれない。


WHO、製薬会社と癒着?新型インフルで欧州会議が調査
朝日新聞 2010年1月13日    
【ローマ=南島信也】世界保健機関(WHO)と新型インフルエンザのワクチンを製造する製薬会社との癒着が、世界的大流行(パンデミック)を宣言したWHOの判断に影響を与えたとの疑惑が浮上し、欧州47カ国が加盟する欧州会議(本部・仏ストラスブール)は12日、調査を開始すると発表した。

 同会議保健衛生委員会の委員長で、感染症を専門とするドイツ人医師ボーダルク氏が「虚偽のパンデミック」との動議を提起したことが発端。仏リュマニテ紙のインタビューに「こんな厳戒態勢をとる正当な理由がない。WHO内のあるグループは製薬会社と癒着している」と、不透明な関係の存在を指摘した。
 25日から始まる同会議総会で認められれば、主要議題の一つとして審議される。26日には、WHOの代表や製薬会社、専門家から非公開で事情を聴くことも決まっている。
 欧州各国では、接種率の低さからワクチンが大量に余り、売却や製薬会社との売買契約解除の動きが加速している。WHOが当初、「2回のワクチン接種が必要」とし、各国が実際に必要な量の2倍のワクチンを調達したことも背景にあり、WHOに対する批判が強まっている。
 WHOのチャイブ報道官は12日の記者会見で「批判や議論を歓迎する。WHOの対応を検証するのはやぶさかではない」と語り、外部の専門家らを交えて経緯を調査する考えを明らかにした。
posted by ichi3 at 01:57| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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