南海トラフ地震、真夜中なら犠牲者30万人…発生時刻別に被害推計 2003年想定の10倍超
産経新聞 2012.5.29 11:31 [地震]
「南海トラフ」の巨大地震対策を検討する政府の作業部会は29日までに、被害推計を(1)冬の午前5時(2)秋の正午(3)冬の午後6時−など複数で設定し、試算する方針を決めた。就寝、職場への人の集中、暖房や調理での火の使用などで被害の拡大が予想される時間帯。主査の河田恵昭関西大教授は「真夜中なら犠牲者が30万人を超えてもおかしくない」としている。
30万人は、国が2003年に想定した死者数約2万5千人の10倍超。河田氏は、昼間に発生した東日本大震災の死者・行方不明者が約1万9千人で、深夜なら6万人近くになったと指摘し、東海沖から四国沖の南海トラフが起こす巨大地震の被災地域人口が東日本大震災の約6倍であることから、最悪の数字で警鐘を鳴らしている。作業部会は6月以降、設定ごとに死傷者数や建物倒壊数などの被害想定をまとめる方針。必要に応じて、想定する季節や時間帯の追加も考える。
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