2013年08月29日

ネット依存とストレス 1 (SNSはストレスを増幅する)

子どものネット依存について中日新聞(東京新聞)に興味あるレポートが3回シリーズで掲載されました。
取材した中学生は、「ラインにつながらないと明日の集合時間も分からない」、「夏休みになると、徹夜で友人と”ライン”漬け」となりヘッドラインにあるように「"つながり"に終日縛られ」るといいます。そして「ラインのグループは五つあり、ほぼ一分ごとに着信音が鳴り」となると、本人のみならず「集団依存」の実態があるのかもしれません。
学校でのクラスや部活では「集団」がキーワードの一つです。「個人」と「集団」の関係が「自由」と「拘束」に対応すると事態はやっかいです。「いじめ」や「スクールカースト」そして「差別と排除」の世界が生じやすい基盤がネット世界には埋め込まれていると考えます。なぜなら、「ネット」「いじめ」そして「依存」は親近性が高く、しかも実態が目に見えず24時間まとわりつく新しいタイプのストレス源といえそうです。
SNSという新タイプのインフラは「いつでもどこでも」しかも目に見えない強烈なエネルギーを我々に与えるコミュニケーションツールとしての強力なパワーを持っています。
記事では「メッセージを読んだことが相手に分かるので、素早い返信がプレッシャーに」だとすれば四六時中ストレスにさらされた状態にあると思われます。
サブタイトル「やめたいけれど陰口などが不安」で記事は締めくくっていますが、SNSの「自由さ」と「拘束性」という両極端の特性が拡大再生産されたループが形成され、結果としてユーザーががんじがらめの苦境に陥っている図式が見えてきます。


<ネット依存の子どもたち>(上) 「つながり」に終日縛られ
中日新聞   2013年8月21日

 
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2013082102000004.html
「スマホを持たせたのは間違いだったのでは…」。東京都練馬区の母親(45)は、中学二年の長男(13)の使い方に、頭を悩ませる。部活の連絡は、複数の会員が同時にメールできるスマートフォンの無料メールアプリ「LINE(ライン)」経由。「ラインにつながらないと明日の集合時間も分からない」と言われ、昨夏に買い与えた。夏休みになると、徹夜で友人と「ライン」漬け。「寝る時間を割いてまで友達とつながらなくていい」と、何度も没収した。
 家では居間からスマホを持ち出さないルール。だがラインのグループは五つあり、ほぼ一分ごとに着信音が鳴り、息子は「早く返信しなきゃ」。母親は「家族の時間を侵食されている」と嘆く。
     ◇
 「今の中高生は常に携帯電話に神経をとがらせていないといけない。かなり疲れている」。ネット依存予防に取り組む任意団体「エンジェルアイズ」(東京)代表の遠藤美季さん(52)は話す。
 内閣府の調査では、携帯電話は中学生が半数、高校生がほぼ全員持っている。うちスマホは中学生で四分の一、高校生で半数以上。中でも人気の「ライン」は連絡手段として“インフラ化”している。時差がなく、感情を表すイラスト画像でニュアンスも伝えられる。グループでのやりとりがしやすいため、利用者が一気に広がった。
 遠藤さんのもとには昨年、中学生を中心に相談件数が急増。ある中三男子は「毎日徹夜でラインをするので、学校で注目され、期待されていると感じる。やめたいが一人だけ抜けられない」と睡眠不足に悩む。「子どもはどこかに属し、誰かとつながることで安心感を得ている。無駄な時間と分かっていても、続けざるを得ないようだ」と遠藤さん。
 ネット問題に詳しい「全国webカウンセリング協議会」(同)にも相談が急増。一人だけラインのグループから外されるいじめが横行している。メッセージを読んだことが相手に分かるので、素早い返信がプレッシャーに。返信しないと学校で無視された、嫌がらせされたとの相談も。このため食事中や勉強中もスマホを手放さない子や、授業中にノートに隠して続ける子もいるという。
 メール依存に詳しい千葉大大学院の藤川大祐教授によると、送信数が多い子ほどストレスが大きく、「親との会話がない」「勉強に自信がない」などの問題を抱える傾向にある。藤川教授は「ラインは、メールより依存的になる可能性が高い。家庭でのルールづくりが不可欠」と話す。
      ◇
 一日に発表された厚生労働省研究班の調査結果で、ネット依存を強く疑われる中高生は全国で8・1%に上り、約五十一万八千人と推計された。子どものネットや携帯電話の利用時間が長くなる夏休み。現状と対策を考える。
 (この企画は砂本紅年が担当します)
◆やめたいけれど陰口などが不安
 東京大大学院の橋元良明教授が三年前、会員同士が交流するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で利用者五万六千人に調査したところ、依存者は全体の一割強。トイレや風呂でも続け、食事や仕事、授業の間も利用していた。一方、その半数がSNS上の人間関係を「負担」と感じていた。
 橋元教授は「SNSによる『きずな依存』は、大勢順応主義で人目を気にしすぎる日本人の特徴。やめたいと思っても、やめると陰で何を言われるか分からないとの不安で続けている」とみている。

ラベル:ネット 依存
posted by ichi3 at 17:40| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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