2007年05月06日

授業とコミュニケーション

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授業とブログの連携
実験的検証


授業のスタイル
授業時のプレゼンはパワーポイント(マイクロソフト)とペンタブレット(ワコム、CTE-640、)を用い、手書きで情報を追加したり重要部分にアンダーラインを引くなどして、従来の板書に近い手法も組み入れました。新しいコミュニケーションチャネルとして「授業ブログ」を立ち上げ、授業と同時進行で授業関連情報の送受信を可能としました。教壇には授業プレゼン用ともう一台ノートパソコンを設置し、学内LAN経由で受講生のケータイからの情報発信をモニタしました。なお、ブログの読み書きはパスワード認証を行い履修生のみがアクセス可能としました。さらに、ブログ内に「Q&Aコーナー」を設置し、ブログの「コメント」機能により再質問や受講生同士の意見交換も可能なようにしました。分析対象とした授業は心理学の入門科目で、延べ13回の授業日平均出席者数221.0名、出席率は86.0%でした。

ブログアクセスの状況
ブログにアクセスした一日あたりの人数(ユニークユーザーUnique User、必ずしも個人を意味するものではない)で時系列経過を示したのが図1です。それによると1日あたりの人数は16.8でした。第2回と3回の授業日にともに約100人のピークがあります。その後の経過では30-40人のピークが周期的にありこれらは授業日と同期しています。そして試験日直前の18日目あたりで62人のピークがあります。ブログへの書き込み数は1授業あたり平均6.7、総計74でした。授業への積極的参加を示す指標として、出席カードまたはブログによるコメント数を出席者数で除したものが「コメント率」です。授業全体の平均で73.9%、授業日別の最高は86.5%、最低は66.1%でした。また、授業への質問数はブログの「Q&A」コーナーに掲載していますが、1回受業での平均で26.3件、授業日別の最高値は43件、最低値15件、総計316件でした。また、試験直前のページビューの変動も興味あるもので(図2)、試験日直前にページビューが急増し試験当日でさえ多数のアクセスがありました(試験は14時40分から開始)。

ブログでの問題点
ブログへの書き込みは1授業あたり平均で6.7件、授業総計で74件でした。ページビューやアクセスユーザー数から見るとこの数値は多いとは言えません。ブログの「コメント」機能によるユーザー同士のコミュニケーションもありましたが活発とは言えませんでした。また、ブログ同士の相互リンクである「トラックバック」の機能が使われることはありませんでした。以上、ブログのデータから言えることは、今回使用したインフラはコミュニケーションチャネルとして機能するにはまだまだ不十分であると思います。パソコンでの操作がよくわからない、手間がかかる、ケータイの課金が困る、ケータイからの送信が出来ない、着信が遅延する1−2時間以上)などの否定的意見もありました。いっぽう、ブログは他の受講生の意見が読めるが良いとする意見が一番多く、移動中やバイト先でも勉強できる、気軽にアクセスできて良い、などの肯定的な意見も多くありました。ブログを使う人とそうでない人の二極化傾向がありました。いずれにしても、ブログのコミュニケーションチャネルをどう活性化させるかが今後の重要テーマです。データから分析すると、この授業への受講生の参加姿勢は積極的でした。出席カードとブログ書き込みを合算した「コメント率」は授業全体で73,9%、授業日別で最高値は実に86.5%2にも達していました。 

将来の可能性
今回の検証では特定受業という極めて限定された範囲のネットワークとして、特別の機材などを必要とせずとも受業におけるコミュニケーションチャネルを構築することが出来ることを示しました。それはケータイが日常的なコミュニケーションツールとして受講生に幅広く受け入れられているからこそ可能であったと思います。情報の送受信にはいくつかの問題がありましたが、ケータイ電話に関わる技術革新は急テンポで進んでいます。ブログは知識、意欲、自己表現などのチャネルとして、今後は授業における画期的な役割を担う可能性があると感じました。

ラベル:ブログと授業
posted by ichi3 at 00:37| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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