2016年11月25日

国立大学法人を「絶滅危惧種」へ国が誘導 3 (若手教員を使い捨てに)

40歳以下の国立大学教員で任期付き採用の比率が63%(2016年度)に達したとは衝撃的です。短期間で成果を出しやすいプロジェクト単位で採用されるケースが増えたのが一因と朝日新聞が報じています。背景には運営費交付金の削減があるとしています。
記事にもあるように、これでは長期的研究は出来ませんし、任期終了とともに契約終了で大学を解雇されるケースが当たり前となりそうです。記事では『任期が切れた場合、実績がかわれて任期なしの職を得るケースもあるが、実際には少なく、任期つきの職場を転々としたり、一般企業に就職したりするケースもあるという』としていますが、一般企業に就職できる人は例外的存在でしょう。
そして、『東京大など7旧帝国大と筑波大、東京工業大の計9大学について文科省が調べたところ、傾向は同じで、07年度の40歳未満の若手教員約7400人中、任期つきは約2800人(38%)。それが16年度は約7200人の若手のうち、65%に当たる約4700人が任期つきだった』と指摘しています。これでは若手が大学での研究を敬遠するのが当然で、国立大学法人は自然消滅してしまします。日本国政府は自分で自分の首を締め上げる愚挙を実践しています。

国立大の若手教員、任期つき雇用が急増 今年度は63%
朝日新聞 2016年11月22日
http://digital.asahi.com/articles/ASJCC7WLKJCCUTIL04X.html
 全国86の国立大学の40歳未満の若手教員のうち、5年程度の「任期つき」の雇用が急増し、2016年度は63%に達したことが文部科学省への取材でわかった。こうした傾向は04年度の国立大の法人化後に強まっている。主に教員給与にあてる国の運営費交付金が減り、特定の研究ごとに若手を雇う例が増えたためだ。長い時間がかかる基礎研究への影響を懸念する声も出ている。
 こうした現状について、文科省は「人件費を抑えるため、身分が不安定な任期つき雇用を増やさざるを得ない国立大が増えている」とみる。理系だけでなく人文社会系でも、若手が長期的な研究テーマに取り組みにくく、短期的に成果が出る研究に偏る可能性もある。
 文科省によると40歳未満の若手教員は、データを取り始めた07年度には約1万8千人おり、うち「任期つき」は約6900人で39%だった。その後、任期つきの若手は増え続け、16年度は約1万7千人のうち約1万1千人で若手全体の63%を占めた。
 さらに、東京大など7旧帝国大と筑波大、東京工業大の計9大学について文科省が調べたところ、傾向は同じで、07年度の40歳未満の若手教員約7400人中、任期つきは約2800人(38%)。それが16年度は約7200人の若手のうち、65%に当たる約4700人が任期つきだった。
 国立大の全教員では、任期つき教員は07年度の約1万5千人から16年度は約2万4千人に増加。全体に占める割合は25%から37%に上がった。この間、任期なしの教員は5千人減って約4万1千人となった。
 国立大は、任期なしの教員の人件費は国からの運営費交付金に頼っている。だが、国立大の法人化後、厳しい財政状況を背景に運営費交付金は約1500億円削減され、多くの国立大が任期なしの若手教員の新規雇用を抑制。代わりに、特定研究ごとに支給される科学研究費補助金(科研費)などで任期つき教員を雇う傾向が強まっている。
 任期つきの場合の待遇は大学によってさまざまだ。また、任期が切れた場合、実績がかわれて任期なしの職を得るケースもあるが、実際には少なく、任期つきの職場を転々としたり、一般企業に就職したりするケースもあるという。(水沢健一、川口敦子)
ラベル:研究 大学
posted by ichi3 at 23:15| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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