2019年03月29日

新幹線で台車に亀裂発生17(正常性バイアス)

2017年に発生した東海道新幹線「のぞみ」の台車亀裂事故について「正常性バイアス」と「確証バイアス」などの心理現象が台車破断寸前の重大事態を進行させた背景にある、と国の運輸安全委員会が報告しました。JR西日本の東京駅の司令員と岡山駅から乗り込んだ車両保守担当者らのやりとりを根拠としています。
朝日新聞によると『当時のJR西の車両点検について、「列車の終着駅で点検することが恒常化していた」と指摘。17年4月から問題発生までに、JR西が運行する山陽新幹線の異音申告は101件あったが、列車に保守担当が乗って点検したのは4件(4・0%)だった。JR東海は東海道新幹線で同じ期間に156件の異音申告があり、127件(81・4%)で車両保守担当が乗車して点検していた』としており、JR西の車両点検法に重大な欠点があったと指摘しています。
また、台車製造上の問題点として、『製造元の川崎重工業が台車枠の鋼材の底面を過度に削り、強度が不足して亀裂が発生、進展したなどと推定。「根本的な要因や対策を検討せず対処し、台車枠の強度に関わる作業指示が十分認識されないまま進められた」と結論づけた』としています。
JR西日本の安全管理の不足と、台車製造上のミスという2重の重大欠陥が指摘されました。


のぞみ亀裂、事態を過小評価「問題ない感じで大丈夫か」
朝日新聞 2019年3月29日
https://digital.asahi.com/articles/ASM3X5JJ5M3XPTIL026.html?iref=sp_nattop_feature_list_n
 2017年12月に新幹線のぞみの台車で破断寸前の亀裂が見つかった問題で、国の運輸安全委員会は28日調査報告書を公表し、JR西日本の乗務員らが音や臭いなどの異常に気づきながらも運行を継続したことについて、「大したことにはならないだろう」と事態を過小評価する「正常性バイアス」が働いた可能性を指摘した。
報告書では17年12月11日午後、博多発東京行き「のぞみ34号」の異常を点検するために岡山駅から乗り込んだ車両保守担当3人と東京の指令員のやり取りを詳細に再現した。

 岡山駅を出発後、指令員が「走行上問題がない感じで大丈夫か」「今のところ走行に支障があるという感じではないですよね」などと尋ねた。これに対し、保守担当は「そこはちょっと判断がつかない」「乗っている段階では判断できかねる」などと返答したという。

 これらのやり取りで、指令員に「正常性バイアス」や、自分の思いを支持する情報に意識が向く心理「確証バイアス」が作用したことで、走行に支障がないと判断した可能性があるとしている。再発防止に向け、報告書は「運行継続が前提であるかのような誘導的な言い回しを用いないようにする必要がある」と提言した。

 また、当時のJR西の車両点検について、「列車の終着駅で点検することが恒常化していた」と指摘。17年4月から問題発生までに、JR西が運行する山陽新幹線の異音申告は101件あったが、列車に保守担当が乗って点検したのは4件(4・0%)だった。JR東海は東海道新幹線で同じ期間に156件の異音申告があり、127件(81・4%)で車両保守担当が乗車して点検していた。

 運輸安全委は「何が起きているかわからない事態は重大な事故に結びつく可能性があるとの意識を組織として醸成する必要がある」と求めた。

 問題発生後、JR西は車両に乗り込んで点検する走行管理班を岡山、広島両駅に配置した。安全が確認できない場合は、停車させて点検するケースが増えている。JR西の平野賀久(よしひさ)副社長は28日午前、報道陣の取材に「報告書の内容を真摯(しんし)に受け止め、発生直後から取り組んできた再発防止策を強力に推進し、お客様に安心してご利用いただける新幹線の運行に引き続き取り組む」と話した。

 一方、亀裂の原因について報告書は、製造元の川崎重工業が台車枠の鋼材の底面を過度に削り、強度が不足して亀裂が発生、進展したなどと推定。「根本的な要因や対策を検討せず対処し、台車枠の強度に関わる作業指示が十分認識されないまま進められた」と結論づけた。(波多野大介)


車両点検「終着駅で恒常化」 のぞみ台車亀裂で報告書
朝日新聞 2019年3月28日
https://digital.asahi.com/articles/ASM3W3S3VM3WPTIL00T.html?iref=pc_extlink
 新幹線のぞみで2017年12月に台車に破断寸前の亀裂が見つかった問題で、国の運輸安全委員会は28日、調査報告書を公表した。JR西日本の乗務員らが音や臭いなどの異常を認めながらも運行を継続したことについて、「列車の終着駅で点検することが恒常化していた」と指摘した。

 報告書によると、17年4月から問題発生までの間、JR西が運行する山陽新幹線で異音の申告が101件あったが、車両保守担当が列車に乗り込んで点検を行ったのは4件だった(4・0%)。JR東海は東海道新幹線で同じ期間に156件の異音申告があり、127件(81・4%)で車両保守担当が乗車して点検していた。

 また、乗務員と指令員との詳細なやり取りを示し、重大な異常がなく、過去の異常発生が少なかったことなどで「走行に支障がないだろう」との心理作用(正常性バイアス)があった可能性も認めた。

 問題発生後、JR西は車両に乗り込んで点検する走行管理班を岡山、広島両駅に配置した。安全が確認できない場合は迷わず停車し、点検するケースが増えている。

 JR西の平野賀久(よしひさ)副社長は28日午前、報道陣の取材に「報告書の内容を真摯(しんし)に受け止め、発生直後から取り組んできた再発防止策を強力に推進し、お客様に安心してご利用いただける新幹線の運行に引き続き取り組む」と話した。

 一方、亀裂の原因について報告書は、製造元の川崎重工業が「軸ばね座」と呼ばれる部品を台車外枠の底面に溶接した際、ひびが生じて起点になった可能性を示した。さらに、底面の膨らみを解消しようと過度に削り、強度が不足して亀裂が発生、進展したと推定。「根本的な要因や対策を検討せず対処し、台車枠の強度に関わる作業指示が十分認識されないまま進められた」と結論づけた。(波多野大介)
posted by ichi3 at 11:56| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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