2017年06月17日

米イージス艦とコンテナ船が伊豆沖で衝突 1(航跡と映像)

acx_1.JPGacx_2.JPGacx_3.JPG
米イージス駆逐艦とコンテナ船(フィリピン船籍)が伊豆半島・石廊崎の沖約20キロで衝突しました。両船はともに東京湾に向け航行していました。
米海軍によると、乗組員7人が行方不明、艦長ら3人が負傷しました。コンテナ船側に負傷者はいません。イージス艦はブリッジ下部から艦の中央部にかけ大きく破損し、コンテナ船は船首部左舷が損傷しました。
事故原因の解明は、民間船の捜査権は日本にありますが、米軍艦は日米地位協定により1次裁判権が米軍にあるためイージス艦の情報開示は困難と思われます。
コンテナ船「ACX(エーシーエックス) CRYSTAL(クリスタル)」の航跡を図示します。
コンテナ貨物船の航跡
https://www.marinetraffic.com/jp/ais/home/centerx:138.9/centery:35.0/zoom:8
18ノット前後で直進し、事故発生後に大きく右舷側に舵を切り11.2ノットに減速しています。


イージス艦衝突は午前1時半ごろ
共同通信 2017年6月17日 20;42
第3管区海上保安本部は米イージス艦とコンテナ船が衝突したのは17日午前1時半ごろだったと発表した。


米イージス駆逐艦とコンテナ船が衝突 7人不明3人負傷
朝日新聞 2017年6月17日
http://digital.asahi.com/articles/ASK6K24XBK6KULOB002.html?iref=pc_extlink
17日午前2時25分ごろ、フィリピン船籍のコンテナ船から「米艦船と衝突した」と第3管区海上保安本部(横浜市)に通報があった。現場は静岡県の伊豆半島・石廊崎の南東沖約20キロの地点。米艦船はイージス駆逐艦で、米海軍によると、乗組員7人が行方不明になっているほか、艦長ら3人が負傷したという。
 海保によると、業務上過失往来危険の容疑も視野に調べる方針。イージス駆逐艦に関しては、日本の領海での事故なので捜査権はあるが、日米地位協定によって1次裁判権は米軍側にあり、協力を求めるという。
 衝突したのはフィリピン船籍のコンテナ貨物船「ACX(エーシーエックス) CRYSTAL(クリスタル)」(2万9060トン、全長222・6メートル)と、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されているフィッツジェラルド(8315トン、同154メートル)。同艦は船体の右舷真ん中付近にへこみがあり、浸水したものの沈没のおそれはないという。
 また、コンテナ船は左舷の前部に衝突したような跡がある。チャーターした日本郵船によると、16日夕に名古屋港を出発し、17日午前に東京の大井埠頭(ふとう)に到着する予定だった。乗組員は20人全員がフィリピン人で、けが人はいない。乗組員からは「米艦船と同じ方向に進んでいたところ衝突した」という報告があるという。
 在日米海軍の広報担当者によると、けがをした1人は、フィッツジェラルド艦長のブライス・ベンソン中佐で、5月に同艦の副長から艦長に就任したばかりだった。3人のけがの程度は明らかにしていない。
 また、同艦は横須賀基地に向かって自力航行しているものの、推進システムが万全ではないという。事故当時の航行目的は「通常の運用中だった」と説明している。
     ◇
 〈米海軍イージス駆逐艦フィッツジェラルド〉 長さ154メートル、8315トン、乗組員約300人。弾道ミサイルの探知能力を持つ。米海軍ホームページによると、1994年に進水、2004年に神奈川県横須賀市の横須賀基地に配備された。11年の東日本大震災では米軍の「トモダチ作戦」に参加し、被災地で救援活動を行った。

米イージス艦
艦長が負傷 不明7人捜索続く

毎日新聞 2017年6月17日
https://mainichi.jp/articles/20170617/k00/00e/040/276000c
 17日午前2時20分ごろ、静岡県南伊豆町石廊崎の南東約20キロ沖の太平洋で、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)配備のイージス駆逐艦「フィッツジェラルド」(8315トン、154メートル)と、フィリピン船籍の大型コンテナ船「ACXクリスタル」(2万9060トン、222.6メートル)が衝突した。第3管区海上保安本部などによると、イージス艦の乗組員3人が負傷、7人が行方不明になっており、海に転落した可能性もあるとみて、海上自衛隊などが行方不明者の救助や捜索に当たっている。
イージス艦は右舷を中心に損傷が激しい状態で、コンテナ船は船首の左側に損傷があることから、3管はこれらが事故の際にできたとみて今後、2隻の進路や詳しい衝突状況を調べる。海上衝突予防法は、2隻の船が互いに進路を横切る場合は、相手を右舷側に見る船が進路を避けなければならないと定めている。3管は、業務上過失往来危険容疑を視野に、コンテナ船の帰港を待って立ち入りを行い、乗組員から事情を聴く。事故当時、海上は晴れており、視界は良好だったと推測されるという。
 3管や在日米海軍司令部によると、イージス艦は一時浸水したものの自力航行は可能で、米海軍が駆逐艦とタグボートを派遣し、帰港させる。乗組員は約300人。負傷したブライス・ベンソン艦長らはヘリコプターで横須賀海軍病院に搬送され治療中。コンテナ船は名古屋港から東京港へ航行中で、フィリピン国籍の乗組員20人は全員無事だった。コンテナ船をチャーターしていた日本郵船によると、コンテナ船は1080個のコンテナを積載。東向きに予定通りの航路を航行していたという。日本郵船は17日、同社ホームページで海上保安庁の捜査に全面的に協力していると発表した。
 夜が明けた現場近くの海域では、ヘリコプターが懸命の捜索を続けた。イージス艦の艦体は中央より前方のブリッジ付近の右舷がひしゃげていた。イージス艦の後方では海自のヘリが低空飛行し、不明者を捜索していた。
 フィッツジェラルドは2004年9月、横須賀基地に配備され、米第7艦隊に所属。北朝鮮のミサイル警戒任務に従事したことがあり、日本海で行われた原子力空母と海上自衛隊との共同訓練にも参加していた。【堀和彦、田中義宏】


専門家「事故が起こりやすいエリア」 米軍艦の衝突事故
朝日新聞 2017年6月17日
http://digital.asahi.com/articles/ASK6K2Q78K6KUTIL006.html?iref=comtop_8_05
 右舷は大きくへこみ、配管もむき出しに――。17日朝、本社ヘリから確認した米イージス駆逐艦フィッツジェラルドの姿からは、衝突の激しさがうかがえる。
 米海軍によると、浸水もしているという。甲板では、乗組員約30人がライフジャケットを着てホースを使って排水作業をする様子も上空から確認できた。
 神奈川県横須賀市に司令部がある在日米海軍は、早朝から情報収集に追われた。担当者は「横須賀配備の艦船でこんな事故が起きたのは初めて」と驚きを隠せない様子だった。
 一方、フィリピン船籍のコンテナ船「ACX CRYSTAL(エーシーエックス クリスタル)」は事故後、伊豆大島の北東沖約5キロを自力で航行していた。船首の左舷側の上部が甲板の方に曲がり、下部もこすれたような跡があり、衝突でできたと見られる損傷が確認できた。
 船に積まれた船舶自動識別装置(AIS)の情報を集めたサイト「マリントラフィック」のデータによると、コンテナ船は名古屋港を出航後、静岡県沖を時速30キロ前後でほぼ東向きにまっすぐ航行していた。
■「事故が起こりやすいエリア」の指摘も
 「同じ方向に進んでいた」との証言がある両船。なぜ事故は起きたのか。
 東京海洋大の今津隼馬(はやま)・名誉教授(航海学)は両船の損傷状況から「どちらかが相手船の前後を横切ろうとしたか、並走した状態でいずれかが相手船に近づき、ぶつかったことが考えられる」とみる。
 海上衝突予防法は、「横切り」の場合は、相手の船を右側に見ている側が、右側に回避するよう定めている。また同じ方向に2船が進む場合は、追い越す側が衝突を避ける義務を負う。
 今津氏は「両船ともレーダーなどを搭載し、米艦には見張りもいたはず」とも指摘。ただ、相手船を認識しても「かわせると考え、危険性を感じないケースもあり得る」という。
 一方、東海大の山田吉彦教授(海洋政策学)は現場海域について「事故が起こりやすいエリア」と指摘。「多くの船が似たルートを通ろうとして混みやすいうえ、夜は自動操縦にしておくことが多い」ためだ。米艦側に多くの不明者が出ていることについては、「夜間は甲板などに人はいないはず。なぜこれほど不明者が多いのか気に掛かる」とした。
 日本の海域で起きた事故でも、米軍が絡む場合、日米地位協定により通常通りの捜査はできないが、海保は「米軍側に協力を求めていく」としている。ただ、沖縄県名護市沖で昨年12月、米軍の垂直離着陸機オスプレイが不時着した事故でも協力を求めたが、「回答待ち」の状態が続いているという。
■米軍や自衛隊の艦船が関わった主な事故
1981年4月 鹿児島県沖で、米原子力潜水艦ジョージ・ワシントンが貨物船日昇丸に衝突。貨物船は沈没し船長ら2人死亡
88年7月 神奈川県の横須賀沖で、海上自衛隊の潜水艦「なだしお」と釣り船第1富士丸が衝突。釣り船が沈没し、乗客ら30人が死亡
2001年2月 ハワイ・オアフ島沖で、米原子力潜水艦グリーンビルと漁業実習船えひめ丸が衝突。実習船が沈没し、高校生ら9人が死亡
08年2月 千葉県の房総半島沖で海自のイージス艦「あたご」と漁船清徳丸が衝突。漁船員2人が死亡
09年10月 関門海峡で海自の護衛艦「くらま」と韓国籍コンテナ船が衝突。双方が炎上
14年1月 広島県の瀬戸内海で海自の輸送艦「おおすみ」と釣り船「とびうお」が衝突。釣り船の2人死亡


衝突のイージス艦、右舷に大きな損傷 乗組員が排水作業
朝日新聞 2017年6月17日
http://digital.asahi.com/articles/ASK6K3DFKK6KUQIP01D.html
17日未明に静岡県下田市沖で起きた米海軍イージス駆逐艦フィッツジェラルドとフィリピン船籍のコンテナ船の事故。午前7時40分ごろ、下田市東方沖約15キロの海上で、衝突で損傷した米海軍イージス駆逐艦フィッツジェラルドの姿を、朝日新聞社ヘリから確認した。
右舷側の中央付近、レーダーアンテナのすぐ下に衝突によってできたとみられる大きな損傷が見えた。甲板には、乗組員約30人がライフジャケットを着て座りこんだり、ホースを使って排水作業をしたりしていた。
 イージス艦はその後、2隻のタグボートに引かれ横須賀方面に向かった。1隻は艦の前方を航行し、もう1隻は左舷側で寄り添うように航行していた。イージス艦は右舷側に傾いているように見えた。
 一方、フィリピン船籍のコンテナ船「ACX CRYSTAL(エーシーエックス クリスタル)」は伊豆大島の北東沖約5キロを自力航行していた。船首の左舷側の上部が、甲板の方に曲がり、下部もこすれたような跡があり、衝突でできたと見られる損傷が確認できた。すぐ横には、海上保安庁の巡視船が付き添うように航行していた。
 また、静岡・下田沖南東の衝突現場付近では、海上保安庁の船や航空機、ヘリコプターなどが捜索作業をしていた。(飯塚晋一)

ラベル:船舶事故
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共謀罪で独裁国家へ 3(スノーデン氏の警告は深刻)

 元CIAの職員スノーデン氏は現在ロシアに亡命中ですが、共同通信のインタビューで『参院で審議中の「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が、個人情報の大規模収集を公認することになると警鐘を鳴らした』と警告しています。
 また、米国家安全保障局(NSA)は『「XKEYSCORE(エックスキースコア)」と呼ばれるメールや通話などの大規模監視システムを日本側に供与』しており、『「日本における(一般人も対象とする)大量監視の始まり。日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」と指摘。法案に懸念を表明した国連特別報告者に「同意する」と述べた』と述べています。
 日本には戦争時に「隣組」と呼ばれる「住民互助組織」がありましたが、そこには住民同士の相互監視の機能も埋め込まれていました。共謀罪が施行されるとビッグデータの分析技術とも連携し、制御不可能な相互監視システムが構築されるリスクがあります。そうなると、全ての日本在住の人達が強烈な心理的ストレスにさらされる「不幸な社会」が出現します。インタビュービデオのリンクをつけました(ユーチューブ)。

「共謀罪で監視が日常に」 元CIAのスノーデン氏が警鐘
東京新聞 2017年6月2日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017060202000125.html
 米国家安全保障局(NSA)による大規模な個人情報収集を告発し、ロシアに亡命中の米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン元職員(33)が一日までにモスクワで共同通信と単独会見した。元職員は持ち出して暴露した文書は全て「本物」と述べ、NSAが極秘の情報監視システムを日本側に供与していたことを強調した。
 日本政府が個人のメールや通話などの大量監視を行える状態にあることを指摘する証言。元職員は、参院で審議中の「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が、個人情報の大規模収集を公認することになると警鐘を鳴らした。
 元職員によると、NSAは「XKEYSCORE(エックスキースコア)」と呼ばれるメールや通話などの大規模監視システムを日本側に供与。同システムは、国内だけでなく世界中のほぼ全ての通信情報を収集できる。米ネットメディア「インターセプト」は四月、元職員の暴露文書として、日本に供与した「エックスキースコア」を使って、NSA要員が日本での訓練実施を上層部に求めた二〇一三年四月八日付の文書を公開した。
 元職員は共謀罪について「日本における(一般人も対象とする)大量監視の始まり。日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」と指摘。法案に懸念を表明した国連特別報告者に「同意する」と述べた。 (モスクワ・共同)


インタビュービデオ(共同通信、4分)
https://www.youtube.com/watch?v=VEUL6X1ChE0
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2017年05月23日

共謀罪で独裁国家へ 2(強行採決を乱発)

衆議院法務委員会において、まともな論議が無いまま自民、公明そして維新が連携し強行採決しました。東京新聞はこの間の経過を「再現劇」と法律家や研究者にインタビューしていますが、日本はもはや無法国家となり、引き返せない一線を越えつつあると感じます。

衆院委 ついに採決強行(上)
 声に出して読めば…迷言・珍言次から次へ
 笑えない「共謀罪」審議
 演じた市民 「法相 国民を愚弄している

東京新聞 2017年5月20日
 「共謀罪」法案が19日、衆院法務委員会で強行採決された。この間、金田勝年法相の答弁は当を得ず、珍言や迷言も続出。野党の反対を押し切って刑事局長が常時出席し、たびたび「代弁」する異例の事態となっていた。何より、多くの論点が積み残されたままなのだ。これで議論を打ち切るとは、立法府としての「自己否定」にほかならない。笑えない国会審議が続くなら「物言えぬ社会」はすぐそこだ。(池田悌一、安藤恭子)
 首から「(民進党)山尾志桜里議員」と書かれた画用紙を下げた女性が、キビキビとした口調で「メールの閲覧をしただけでは合意とは見なさない、と。本当によろしいんですか?」とただす。
 すると「金田勝年法務大臣」役の女性が、のんびりと「いいんちょー」と言いながら答弁した。「えー。どのような場合に合意を、メールを閲覧しただけでも合意になるかも含めまして、どのような場合にということは検討中ですので、そこはご理解いただきたい」
 意味不明な答弁に、聴衆から失笑が漏れる。
 十九日午後、金沢市のカフェで行われていたのは、共謀罪法案をめぐる国会審議の再現劇だ。同市の主婦小原美由紀さん(52)が書き起こしてきた衆院の委員会審議を台本にして、県内の男女十数人で代わる代わる音読していた。
 委員会審議が大詰めを迎えた今月十五日から、屋内外で連日この再現劇を続けている。
 小原さんは「共謀罪法案は友だち同士で集まっただけでも、嫌疑をかけられかねない問題法案でしょ。それなのに国会中継をテレビで見ていたら、答弁が二転三転していたりあいまいだったりした。でも新聞やテレビで報じられるのは、ほんの一部のやりとりだけ。だったら丸ごと書き起こしてみようと」と振り返る。
 フェイスブックに掲載した書き起こしを友人が「音読してみない?」と面白がり、与野党議員になりきっての再現劇を発案。動画をインターネット上で公開しており「自分たちもやってみたい」と全国に共感を広げている。
 午後一時すぎ、衆院法務委員会での強行採決が伝わると、笑いが絶えなかった会場が騒然となった。「なんてこと」と頭を抱える人も。実際に音読して審議の粗さを体感した人々の失望は大きい。
 この日、金田法相役を演じた金沢市の会社員山口芳昭さん(61)は「何を言いたいのか分からなかったが、何とか逃れられないか、うまく切り抜けられないか、という心境だったことは分かった」と法相の胸の内を読み解いた。
 山尾氏の役だった主婦浅賀千鶴さん(52)は「金田法相とコミュニケーションが成り立たない。演じているとはいえイライラした。金田法相は国民を愚弄(ぐろう)していませんか」とあきれた。
 主婦の市井早苗さん(39)も山尾氏に扮(ふん)したが、「金田法相役に思わず『ばかにするな』と叫びそうになった。こんなコントのようなやりとりが、国会で大まじめに交わされていたんですよね。揚げ句の果て、与党は数の力で押し通した。許せない」と憤る。
 こんな喜劇が現実という悲劇。小原さんは「安保法制のときもそうだったが、国会の議論がまったく不十分なまま、与党が重要法案を押し通すのが当たり前になってきている。共謀罪法案も同じ道をたどりかねないが、私たちは親や祖父母の代が築いた自由や人権を、次の世代に残さなければいけない」と話した。


衆院委 ついに採決強行(下)
 追認するだけ 与党議員立法府の役割放棄
 野党議員追及にも 政府側は「意味不明の答弁」
 「国会軽視どころか崩壊」
 参院でもでたらめ 許すな
 共謀罪法案の国会審議は異例ずくめだ。
 金田法相は二月、法務省を通じ「法案提出後に議論すべきだ」と記した文書を報道機関に配布し、野党から「質問封じ」と批判された。「不適切だった」と謝罪・撤回したが、その後も「成案を得てから説明する」と繰り返した。
 四月中旬に衆院法務委で審議が始まると、野党の反対を押し切り、法務省の林真琴刑事局長の常時出席を与党主導で議決。全会一致で出席を決めてきた慣例を覆す異例の事態の中、金田法相の答弁の肩代わりを続けた。
 質疑を重ねるほどに、法案の処罰範囲の曖昧さや答弁の迷走が浮き彫りに。四月二十八日の衆院法務委で、金田法相は「花見であればビールや弁当を持っているのに対し、(犯罪の)下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っている」と答弁。その「下見」の定義では「バードウオッチングと区別できない」と野党から突っ込まれる場面も。
 政治風刺をテーマとする芸人の松元ヒロ氏によると、金田法相が二月の衆院予算委員会で、野党の質問に「私の頭脳では、ちょっと対応できない」と答えた場面を寄席で披露すると、客席はどっと沸くという。「僕のお笑いよりも、現実のおかしさの方が上回っている」と苦笑する。笑うに笑えない現実に「言いたいことが言えなくなる。死活問題だ」と危機感を強めている。
 野党四党は「金田氏は説明責任を果たす意思も能力もない」として不信任決議案を提出したが、十八日の本会議で否決された。与党は目安としていた三十時間の審議時間を超えたことで強行採決に踏み切った。
 民進党は「未解決の論点は百八十二項目ある」と批判を強める。実際、「何が組織的犯罪集団に該当するか」「対象犯罪は適正か」といった基本的な点もあいまいなまま残された。
 共謀罪に反対する竹内彰志弁護士は「刑法は条文が明確じゃないと、萎縮を招く」と訴える。例えば組織的犯罪集団の定義について、政府は「犯罪を反復継続するなどの状況がなければ(普通の団体から)一変したとは認められない」と答弁しているが、その「反復継続」は条文にない。「普通は条文を修正するか、答弁を修正するかだが、どちらもない。これで審議が十分と言えるのか」と疑問視する。
 議論を軽んじる強行採決に批判が噴出している。
 内田博文・九州大名誉教授(刑法学)は「提案した内閣は『国民生活に影響はない』『捜査権の乱用はない』と言って正しい情報を国会に伝えず、追認するだけの与党議員は立法府の役割を放棄した。三権分立の形骸化だ」と憤る。
 法が成立すれば、一人の犯罪者を捕まえるために、その人につながるあらゆる人が捜査機関の監視、盗聴の対象となり、捜査権の乱用や人権侵害を引き起こす恐れが増す。
 「刑法は国家の鏡だ。国家のための国民なのか、国民のための国家なのかを規定する。そんな重要法案にもかかわらず、危険性に全く歯止めがかからないまま、数の民主主義で採決された」と危ぶむ。
 「国会軽視どころではなく、もはや崩壊状態だ」とあきれるのは専修大の岡田憲治教授(政治学)だ。
 「テロ対策にも五輪開催にも、国際組織犯罪防止条約の批准にも無関係で、法案をつくるのに必要な立法事実が存在しないのは明白なのに、野党議員が必死に追及しても、政府側の意味不明の答弁と侮蔑の笑いでかわされる」と嘆く。
 「まともに審議しようとしないこの国会を見て、だめと言える自民党議員はいないのか。沈黙は万死に値する。参院の場でどんなでたらめな審議が続くか、国民も注視してほしい」
 デスクメモ
 2017・5・20
 戦前、国際連盟を脱退した当時の松岡洋右元外相は後に「脱退は真意ではなかった」と述べた。A級戦犯容疑者の多くも「戦争には反対だった」と弁解した。「無責任」が国を滅ぼしかけた。共謀罪法案の粗雑な審議も、自由や民主主義の名に値しない。後から何を言っても遅い。(洋)

ラベル:独裁
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共謀罪で独裁国家へ 1(閣議決定を乱発)

政府による自作自演の「閣議決定」が乱発され、日本の国会はもはや事実上の崩壊前夜となってきました。東京新聞が「閣議決定」の内実を詳報しています。日本には政府の暴走を阻止する法的な仕組みがありません。

閣議決定にみる共謀罪法案の怖さ(上)
東京新聞 2017年5月16日
政府は十二日、「そもそも」に「基本的に」の意味もあるとする閣議決定をした。共謀罪法案をめぐる国会審議での安倍首相の発言を正当化する無理な解釈だが、昨今、こうした閣議決定が乱発されている。一貫しているのは「安倍首相は正しい」という結論ありきの取り繕いだ。肝心の共謀罪法案は、審議が進むほど権力の恣意(しい)的運用の恐れが増すばかり。同法が成立すれば、首相や政府批判が封殺されかねない。(白名正和、三沢典丈)
 首相発言正当化で乱発
 「そもそも」→「基本的に」/森友問題 疑惑払拭の手段に
 その閣議決定には、思わず目を疑った。
 事の起こりは今年一月の衆院予算委だった。共謀罪法案の質疑で、同法の対象について、首相が「そもそも、犯罪を犯すことを目的としている集団」と規定。だが、翌月にはオウム真理教を引き合いに「当初は宗教法人として認められた団体だったが、犯罪集団に一変した。だから対象になる」と軌道修正した。
 四月の衆院法務委で、山尾志桜里議員(民進党)がこの答弁の矛盾を突く。「『そもそも発言』が前提なら、オウム真理教は『そもそも宗教法人』なので、対象外だ」と追及した。
 これに対し、首相は「そもそも」の意味について、「辞書で調べると『基本的に』という意味もある」と述べ、かわそうとした。
 この答弁はこう解釈できる。基本には常に例外が伴うため、建前上は同法の対象を犯罪集団としつつも、実際には一般人も対象になりうるということだ。
 だが、ここで別の問題が浮上した。それが閣議決定だ。辞書には「そもそも」に「基本的に」の意味はなく、首相の誤りが明らかになったため、政府はこの誤りをごまかすように「そもそも」には「基本的に」という意味がある、とわざわざ閣議決定した。
 だが、こうした異様な閣議決定は今回が初めてではない。むしろ、昨今、乱発されている=別表参照。
 例えば「安倍内閣総理大臣は、ポツダム宣言については、当然、読んでいる」(二〇一五年六月)。党首討論での「(宣言を)つまびらかに読んでいない」という発言への弁明だ。
 森友学園問題では乱発が加速した。渦中の首相夫人の昭恵氏は「公人ではなく私人であると認識している」(今年三月)。前理事長が首相の「考えに共鳴する」ためか、教育勅語も教材で使えると決定した。
 閣議決定とは何なのか。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「現在の内閣はこう考えている、こういう判断をしている、ということを示すもの」と説明する。
 内閣が国会に提出する法案、予算案だけでなく、国会議員からの質問への答弁書などを決める。
 「決定は全会一致が原則で、答弁書は関係する省庁で作成し、閣議に上げられるが、事前に首相側と調整する。閣議決定された内容は、その内閣の間は基本的に踏襲され、次の内閣は新たな閣議決定で考えを上書きできる」(伊藤氏)
 政権内の意思一致が主眼だったが、昨今では「安倍首相は正しい」と宣伝する道具と化している。「そもそも」の件では、ほとんど黒を白と言いくるめる勢いだ。森友問題では首相が疑惑の渦中にいるため、客観性より、ひたすら疑惑払拭(ふっしょく)の手段となっている。

閣議決定にみる共謀罪法案の怖さ(下)
 18日に衆院採決方針 目的、適用対象…怪しいまま 成立すれば 政府批判封殺に利用も 圧倒的な権力見せつけ「市民が監視役に」
「そもそも」についての閣議決定の舞台となった共謀罪法案については、審議を重ねるほど、恣意的な運用の危険性が浮かび上がっている。しかし、与党が十八日の衆院本会議で採決する方針を固めている。
 これまでに、少なからずの問題点が暴露された。
 政府は「テロ対策」を掲げて世論の賛同を得ようとした。だが、同法なくしては批准できないとする国際組織犯罪防止条約は、テロ対策を目的としていない。
 「一般人が捜査対象になるか否か」についても、当初は「一般人は対象外」としていたが、法務副大臣が一時、可能性を示唆(後に修正)。嫌疑が生じる前の調査は否定しておらず、その対象から一般市民を除くことは論理的に不可能だ。
 同法適用の構成要件となる「準備行為」と「犯罪の合意」についても、「準備行為の前にも任意捜査は許される」(刑事局長)とされ、金田勝年法相は「写真を撮りながら歩く行為は下見(準備行為)にあたる」と発言。ATMで現金を得たり、キノコを山で採ることも準備行為としている。さらに「犯罪の合意」を探る捜査対象に、電子メールや「LINE(ライン)」などを含めると説明した。
 立法目的は的外れで、適用対象に一般人が含まれかねず、嫌疑を探すための捜査は野放しで、成立要件は非常に緩い。つまり、警察などの恣意的な運用に歯止めがかからない。
 さらに、政府は閣議決定が自らを縛る憲法や国会よりも上位であるかのように印象操作に走っている。
 立教大の西谷修・特任教授(戦争論)は「一四年七月、集団的自衛権の行使容認を閣議決定したとき、安倍政権は閣議決定で憲法を空洞化できることに気づいた。閣議決定は今や憲法より強いかのように効力を発揮している」と指摘する。
 その閣議決定の柱がいまや「首相は正しい」に貫かれている。となれば、現在の政府に共謀罪という強力な治安法を与えれば、どういった結果を招きかねないか、結論は明らかだ。
 この結論を先取りする事態が起きている。沖縄県名護市辺野古沖の米軍新基地建設に反対する運動で、沖縄平和運動センターの山城博治議長が昨年十月、抗議活動に伴う事件で逮捕されたが、約五カ月間も拘束された。山城さんらの「首相は正しくない」という姿勢への弾圧といえないか。
 閣議決定から見える共謀罪法案の危険性。思想家の内田樹氏は双方の狙いについて「国民の利益を増す政策よりも、無意味で有害な内容を閣議決定する方が、民衆は『自分に害が及ぶのでは』と恐怖を覚える。他方、共謀罪は立憲・民主主義を破壊するためのもの。国会の威信をおとしめるため、無能な大臣を登壇させて、支離滅裂な答弁を繰り返させた末に、できの悪い法律を成立させることで、国民に圧倒的な権力性を見せつける。それが安倍首相の狙いだ」と分析する。
 このまま法案が成立したらどうなるか。内田氏は「市民たちは思想犯を相互に監視するのが義務と考えるようになり、安倍政権を批判する『非国民』に私刑を加えるだろう。憎しみと非寛容が支配する社会に変貌する」と危ぶむ。
 本来、閣議決定に法的拘束力はない。三権分立である以上、立法府である国会や司法を拘束することはできないからだ。だが、西谷教授はこう警告する。
 「いったん共謀罪が成立してしまうと、法的拘束力などなくても、安倍政権が閣議決定で黒を白と言ったら、それが現実になるだろう。すでに立憲体制は崩れており、民主主義が壊れつつある。国民一人一人が本気で抵抗しないと、この国は崖を滑り落ちるように独裁国家に転落していく」
 デスクメモ
 2017・5・16
 かねて安倍政権を保守とは縁遠い「右の革命政権」とみてきた。革命派が無謬(むびゅう)性を装いがちなのは左右を問わず、万国共通。「安倍サマが正しい」という作法はその証左だ。そこは旧ソ連も「北の国」も変わらない。心ある人びとは抵抗する。だから共謀罪を急いでいる。(牧)

ラベル:独裁
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2017年05月22日のつぶやき












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2017年05月16日

サイバー攻撃で世界的規模の被害 3(自己増殖型ウイルス)

今回世界的規模で問題となっているウイルスの特徴は『ウイルスがパソコンやサーバーに感染すると、データを暗号化すると同時に次の機器をネット上から探してウイルスを送り込む動作を繰り返した』と朝日新聞が報じました。企業や団体などの組織内の1台が感染すると組織内LANを経由してウイルス対策が不十分なパソコンに被害が拡大します。
一般での対応としては、感染のリスクを前提として、作成したファイルをネットから切り離したハードディスクに逐次バックアップするのが良いとされます。

身代金ウイルス、自己増殖で被害拡大 「前例ない」規模
朝日新聞 2017年5月16日
http://digital.asahi.com/articles/ASK5H5FD0K5HUTIL03L.html?iref=comtop_8_02
身代金ウイルスが世界的に広まったのは2013年ごろ。迷惑メールを開いたパソコンのデータが暗号化され、動かなくなるパターンが主だった。今回は組織内で感染が広がり、英国で病院の診察や工場の操業が止まるなど「前例のない被害」(欧州刑事警察機構)に発展した。

サイバー攻撃、国内2千台が感染 民間団体が分析
 その理由は、ウイルスが「自己増殖機能」を持っていたからだ。ウイルスがパソコンやサーバーに感染すると、データを暗号化すると同時に次の機器をネット上から探してウイルスを送り込む動作を繰り返した。これにはウィンドウズの欠陥が悪用され、マイクロソフトは修正プログラムを配布したが、導入していない機器が被害に遭った。

 この欠陥は米国家安全保障局(NSA)が監視目的で開発したとされるプログラムで利用されていたが、ハッカー集団が公表したことで明らかになった。

 セキュリティー会社ネットエージェント(東京)の杉浦隆幸会長は「犯罪者が最初の1台を感染させれば、後は何もせずに被害が広がった」と言う。感染源は迷惑メールやウイルス感染サイトなどが考えられるが、分かっていない。

 国内の被害が次々と明らかになった15日、トレンドマイクロは会見で、不要な機器のネット接続を切り離すことや、ウィンドウズやウイルス対策ソフトを最新版にすることで被害は防げると強調した。同社の岡本勝
之さんは「被害を受けたらデータは失われる。普段からのバックアップが大事」と話した。
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2017年05月15日のつぶやき












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2017年05月15日

2017年05月14日のつぶやき










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2017年05月14日

サイバー攻撃で世界的規模の被害 2(XP用パッチを公開)

MS社がWindows XPにも「セキュリティパッチ」を対応させました。XPはサポートを終了したOSですが、現在も世界中で多く使われているのが現実であるためと思われます。
Engadget日本版に説明とリンクがあります。XPユーザーは必読事項です。

マイクロソフト、サポート切れのWindows XP他に「異例のセキュリティパッチ」公開。世界的にランサムウェア被害拡大中
サポートの切れた古いOSなんか誰も狙わない...わけがない

Engadget日本版 2017年5月13日
http://japanese.engadget.com/2017/05/13/windows-xp/
マイクロソフトが、3年前にサポートを打ち切ったWindows XP向けにセキュリティパッチをリリースしました。理由は世界的に身代金要求マルウェア(ランサムウェア)"WannaCrypt"の被害が相次いでいるため。特に英国では医療保険制度(NHS)や日産自動車の現地工場が被害を受け、複数の病院が診療を中止する事態に。またスペインでは通信会社Telefonicaのコンピューターが感染するなど大きな問題となっています。

Windows Vista、7、8.1、10に対しては3月15日にこのランサムウェア用のパッチMS17-010(SMB サーバー用のセキュリティ更新プログラム)がリリースされていました。しかしWindows XP、Windows 8、Windows Server 2003といったサポート終了済みのOSもまだ一部でやむなく使い続けられており、感染の例も出ていることから「異例の措置」として修正プログラムをリリースしたとのこと。

マイクロソフトは「危険なOS」を使っているユーザーに対してパッチを当てるとともに、2つの設定を確認・変更するようにアドバイスしています。まずひとつめはSMBv1の無効化。SMBはWindowsのファイル共有用プロトコルでTCP445番ポートを利用するため。2つめは、同様にルーターのポート設定でも外部からTCP445番へのアクセスが遮断できているかを確認すること。

TechNetのセキュリティブログでは、WannaCryptがどのように拡大しているかについて分析しています。WannaCryptがコンピューターに感染すれば、ファイルをすべて暗号化ロックしてしまい、解除用の鍵と引き換えの身代金を要求するメッセージを表示します(日本語環境では日本語表示するとの情報も)。ただ、なぜかWindows 10への感染はほとんどなく、Windows 8や7が主な標的になっているとのこと。

新しいWannaCryptの亜種などではフィッシングメールやトロイの木馬を使わずとも侵入してくるも例も見つかっており、先のSMBv1の件のような対策が必要となりつつあります。

常識で考えれば、インターネットにTCP445番が筒抜けになっているサーバーがあるなどとは信じたくないものです。しかし実際に感染事例があるということは、そのような運用がなされているケースも実在するということなのかもしれません。

いずれにせよ、管理者・個人問わずサポート切れのWindowsをやむなく使っているのなら、すみやかにリリースされたパッチを適用し、ひととおりネットワークまわりの点検をしておくに越したことはなさそうです。

posted by ichi3 at 13:03| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする